輸送艦オリオン~SF異世界に転生したら、女体化したうえ大型輸送艦の艦長になりました!最強輸送艦で商人プレイ!~

黴男

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Δ-ハスラパル戦域編(前編)

158-摩耗

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「意外と困窮しているわけではなかったね」
「ええ、ピークは既に過ぎたみたいです」

数時間後。
俺はペルソナと共に、オリオンのキッチンでおでんの仕込みをしていた。
この星系群における最高司令官であるハウマ・エシェドラスと会話できたので、話は綺麗にまとまった。
その際に、暫く待機してほしいと言われてしまった。
最高司令官に会ったことで、命令権がフレデリカ・カストルからハウマに移ったようだ。

「まあ、時間があるのは悪い事じゃないんだけどね」
「どうせすぐには出発できませんからね」

今、オリオンはペルソナによるフルメンテナンスが行われている。
スラスターや推進器の噴射口の掃除、イクシロンドライブの火を消しての点検、保守を含めたものだ。

「ところで、この”おでん”という食べ物は、どのような形で作られたのでしょうか?」
「私にもわからないかな。私の故郷だと、フィンガーフードとかファストフードのような扱いだったけど」
「なるほど」

蒟蒻はなかったが、それ以外の食材は意外と入手できた。
といっても、買い置きだが。
仕込みを終えたので、あとは放っておけばいい。

「ペルソナ、食料の備蓄はどう?」
「このままの量で食事を作り続けた場合、あと12日で尽きます」
「うーん、朝ごはんを抜こうかな」
「それよりも、レプリケーターを使われてはどうですか?」
「フードジェネレーター? 確かに、簡単なご飯ならこれで作れるか」

厨房にあったが、使っていなかったものの一つだ。
ゴミでも何でも放り込んで、中で分解して分子に変換、一定量を確保出来れば、文字通り「なんでも」生成できるらしいが、このキッチンにあるものはヒト科生物が可食できるものしか生成できない。
前にマサドライトを生成できないかやってみたことあるが、可能だが食用でないと不可能と出た。

「今確保できる分子量ですと、恐らくパンやご飯一杯程度であれば問題なく生成できますよ」
「食糧問題解決じゃん」
「試しにやってみましょう」

レプリケーターを使い、俺はパンを生成した。
そして、頬張った。

「うぇ....マズ.....」
「そんな!?」
「小麦粉由来の甘味が無いし、水分も無いし、バター塗るくらいじゃないと無理.....」

食った瞬間吐き出しそうになった。
人間の食いもんじゃない、これは。

「うーん、アルには朝ごはんを用意するけど、私はこれで我慢するよ」
「大丈夫なのですか.....?」
「まあ、食べられなくはないし」

それでも、エネルギーを確保できるのには間違いない。
味が無くて水分が無いくらいなら、スープにつけて食べるのもありだ。
こんなマズイものをアルに食べさせるのは有り得ないが、俺が食う分には問題ない。

「アルをお風呂に入れてきて。私はちょっと休む....」
「はーい!」

ペルソナを向かわせて、俺はダイニングの椅子に乱暴に腰を下ろした。
床の上を椅子の脚が引きずられて、嫌な音が響く。
疲れているのにマズイものを口に入れたせいで頭が痛い。
この身体は脆弱だ、すぐに気持ち悪くなる。
だが、アルを心配させるわけには行かない、だからこそ――――少し休む。
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