160 / 256
Δ-ハスラパル戦域編(前編)
159-戦略的商売
しおりを挟む
「え?」
俺はモップを持つ手を止めて、ペルソナの提案に耳を傾けた。
「ですから、お酒と清涼飲料ですよ、あれをここで売り捌きましょう!」
「ああ....そういえば、仕入れてたね」
俺は再び、モップで床を磨く。
ペルソナの手伝いで清掃作業をしていたところだ。
普段は俺やアルが転ばないよう、隔壁を閉鎖して作業しているそうだ。
「売っていい物なのかな」
「規則にはありませんが、一応ハウマ様に尋ねておきましょう」
「お願い」
オリオンの通路は微妙に傾斜していて、両脇にある側溝に液体などが流れるようになっている。
だから、モップで汚れを絡め取った後は側溝に流せばいい。
あとでペルソナが洗浄液で洗ってくれるそうだ。
「おっ」
床を乾拭きしていると、通路の向こう側から巡回中のセンチネルがやってきた。
「ペルソナ、呼びかけてもいい?」
「構いませんよ」
「こんにちは」
センチネルは頭部をこちらに向ける。
知性はないらしいので、自動反応で俺に会釈すると、向きを変えて戻って行った。
あれらがオリオンの内部を巡回しているので、内部に人を招くときは注意しないといけないんだよな。
対人戦闘用のボットなので、間違えて誤射ったら艦内だろうと容赦なくプラズマライフルをぶっ放してくる。
「さて、この区画は終わったし.....ブリッジに戻ろっか」
「ええ!」
俺はペルソナに後片付けを任せて、ブリッジに先に戻った。
戻って、在庫目録を参照する。
天然環境で作られた酒30本入りの箱が40箱、合成酒同じく30本入りの箱が80箱、ジュース五種と茶二種と炭酸飲料三種それぞれ30本入りの箱が10箱ずつある。
仕入れに11万かかっているが、全部売れれば18万になる。
まあ、妥当って所だろう。
「お」
メールが来ていた。
開くと、送り主はハウマの秘書からだった。
流石に雑務を処理するのは本人ではないようで、
『Agasa:販売の件、了承しました。軍紀を守るため、私が同行する上での直売会のみ許可いたします』
「直売会かぁ~」
「大丈夫ですよ、私もいますし制圧できます」
呟いたその時、後ろでドアの開く音が響いた。
入ってきたペルソナは、俺が開いたメールの内容を知っているようだ。
「そういう問題じゃないんだけどな...視線が気になって」
「性別を隠すのも.....ムリそうですね?」
「うん」
最近、ますます下着がきつくなっている。
腹にいかない分、全部胸に行っているようだ。
「仕方ないですね、私だけで行ってきましょうか?」
「うーん....いや、私も行くよ」
ペルソナだけで売るのも大変だ。
俺が手伝わないと。
それに....
「私とペルソナで売ったら、めっちゃ売れると思うんだよね」
「...危険な考えですが、そうでしょうね」
容姿を利用するような真似はあまりしたくないが。
だが、今後のために慣れておかなければならない。
フレイターを運用する以上、公式の場に出ることもあるのだろうから。
ルッキズムがこの世界でも依然生きている事を、俺はよく知ってもいるのだから。
俺はモップを持つ手を止めて、ペルソナの提案に耳を傾けた。
「ですから、お酒と清涼飲料ですよ、あれをここで売り捌きましょう!」
「ああ....そういえば、仕入れてたね」
俺は再び、モップで床を磨く。
ペルソナの手伝いで清掃作業をしていたところだ。
普段は俺やアルが転ばないよう、隔壁を閉鎖して作業しているそうだ。
「売っていい物なのかな」
「規則にはありませんが、一応ハウマ様に尋ねておきましょう」
「お願い」
オリオンの通路は微妙に傾斜していて、両脇にある側溝に液体などが流れるようになっている。
だから、モップで汚れを絡め取った後は側溝に流せばいい。
あとでペルソナが洗浄液で洗ってくれるそうだ。
「おっ」
床を乾拭きしていると、通路の向こう側から巡回中のセンチネルがやってきた。
「ペルソナ、呼びかけてもいい?」
「構いませんよ」
「こんにちは」
センチネルは頭部をこちらに向ける。
知性はないらしいので、自動反応で俺に会釈すると、向きを変えて戻って行った。
あれらがオリオンの内部を巡回しているので、内部に人を招くときは注意しないといけないんだよな。
対人戦闘用のボットなので、間違えて誤射ったら艦内だろうと容赦なくプラズマライフルをぶっ放してくる。
「さて、この区画は終わったし.....ブリッジに戻ろっか」
「ええ!」
俺はペルソナに後片付けを任せて、ブリッジに先に戻った。
戻って、在庫目録を参照する。
天然環境で作られた酒30本入りの箱が40箱、合成酒同じく30本入りの箱が80箱、ジュース五種と茶二種と炭酸飲料三種それぞれ30本入りの箱が10箱ずつある。
仕入れに11万かかっているが、全部売れれば18万になる。
まあ、妥当って所だろう。
「お」
メールが来ていた。
開くと、送り主はハウマの秘書からだった。
流石に雑務を処理するのは本人ではないようで、
『Agasa:販売の件、了承しました。軍紀を守るため、私が同行する上での直売会のみ許可いたします』
「直売会かぁ~」
「大丈夫ですよ、私もいますし制圧できます」
呟いたその時、後ろでドアの開く音が響いた。
入ってきたペルソナは、俺が開いたメールの内容を知っているようだ。
「そういう問題じゃないんだけどな...視線が気になって」
「性別を隠すのも.....ムリそうですね?」
「うん」
最近、ますます下着がきつくなっている。
腹にいかない分、全部胸に行っているようだ。
「仕方ないですね、私だけで行ってきましょうか?」
「うーん....いや、私も行くよ」
ペルソナだけで売るのも大変だ。
俺が手伝わないと。
それに....
「私とペルソナで売ったら、めっちゃ売れると思うんだよね」
「...危険な考えですが、そうでしょうね」
容姿を利用するような真似はあまりしたくないが。
だが、今後のために慣れておかなければならない。
フレイターを運用する以上、公式の場に出ることもあるのだろうから。
ルッキズムがこの世界でも依然生きている事を、俺はよく知ってもいるのだから。
0
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました
今卓&
ファンタジー
その日、魔法学園女子寮に新しい寮母さんが就任しました、彼女は二人の養女を連れており、学園講師と共に女子寮を訪れます、その日からかしましい新たな女子寮の日常が紡がれ始めました。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる