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Δ-ハスラパル戦域編(前編)
161-家族として、船長として
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「マジでどうしよう...」
俺は三人揃った場で、下された命令について発表した。
ハウマの正式な命令書として輸送艦オリオンに発令された命令は、艦隊に加わり艦隊行動に随伴して欲しいというものだった。
「輜重隊としての役割を期待されているので、戦闘はないですし絶対守られますけど...」
「危険なことに変わりはないんだよね」
「でも、破ったらいけない約束なんだよね?」
「うん、それに変わりはないね」
アルが意外と反対しないのが不思議だ。
危険に頭から飛び込んでいくような行為だというのに。
「危なくなったらすぐ逃げれば、いいんじゃない?」
「そんなメチャクチャな...」
俺はそう言ったが、悪くはないなと感じていた。
オリオンなら耐えながら逃げられる上、もともとただの輸送艦には厳しい任務で、正規の手続きを踏んだわけでもない。
逃げても誹られる事はないはずだ。
多少海軍との関係は悪化するかもだが...
「うん、よし。二人が反対しないなら、私も別に賛成かな」
「状況を見て裏切ったり逃げるのは傭兵の日常ですからね、輸送業者であってもSELLを通した正式な依頼ではないため、放棄してもSELLからはお咎めはありません」
悪く言えば、エンフォースやSELLであってもそういうものらしい。
身を粉にして働こうという気概より、命を優先して逃げたり裏切ったりする。
だからこそ、ランクという信頼性を頼り傭兵を雇うのだという。
「じゃあ、そういうことで」
「ええ、返信しておきますね!」
要塞側に在庫がなかったため、シールドミサイルは今回非常に少数だ。
艦隊戦において活躍はあまりできないだろう。
輜重隊という事は、艦隊についてこれれば良いわけだから、最悪ペルソナに任せっきりでも構わない。
「...ああは言ったけど、ほんとは反対なんでしょ?」
とはいえ、俺は気付かないわけではない。
アルがあの場の空気に押されつつあった事を。
だから、ペルソナを別のことに向かわせた後、廊下で聞いた。
「...僕、何もできないもん。何もできないのに、反対ばっかり、僕が自分でついてきたのに、危険だから帰ろうなんて言えない」
「...それはさ、別の事なんだよ」
アルがついてきたのは、あくまで「輸送任務」であって、「艦隊行動」までは含まれない。
だから俺は、アルに決定権を与えた。
どんなに関係が悪くなろうと、ここで契約を反故にして帰る事はできる。
軍隊からすれば越権にも近いような動員だからだ。
「アルが嫌だ、帰りたいって言うなら、私は面と向かって司令官に帰るって言うよ?」
「でも、リリーさんに迷惑がかかるし...」
「そうだね...でも、アルには生きてて欲しい、いつもそう思ってるんだよ」
「リリーさんだけ...僕を置いていかないで」
アルが俺の方を向く。
涙が目の端に溜まっているのが見える。
俺は屈んで、アルを抱きしめた。
「置いていかないけど、安全な場所にはいて欲しい...難しいね」
「ずるい...ずるいよ...」
アルはしっかりしているように見えて、常に砂上の楼閣だ。
特に俺がアルを離すような事をしようとすると、すぐに涙が出てきてしまう。
困った。
だが、理解できないわけじゃない。
アルにはもう、家族と呼べる存在がいないからだ。
その穴をすぐに埋めたのは俺で、アルは俺を姉として慕ってくれている。
難しいな、色々と。
俺は三人揃った場で、下された命令について発表した。
ハウマの正式な命令書として輸送艦オリオンに発令された命令は、艦隊に加わり艦隊行動に随伴して欲しいというものだった。
「輜重隊としての役割を期待されているので、戦闘はないですし絶対守られますけど...」
「危険なことに変わりはないんだよね」
「でも、破ったらいけない約束なんだよね?」
「うん、それに変わりはないね」
アルが意外と反対しないのが不思議だ。
危険に頭から飛び込んでいくような行為だというのに。
「危なくなったらすぐ逃げれば、いいんじゃない?」
「そんなメチャクチャな...」
俺はそう言ったが、悪くはないなと感じていた。
オリオンなら耐えながら逃げられる上、もともとただの輸送艦には厳しい任務で、正規の手続きを踏んだわけでもない。
逃げても誹られる事はないはずだ。
多少海軍との関係は悪化するかもだが...
「うん、よし。二人が反対しないなら、私も別に賛成かな」
「状況を見て裏切ったり逃げるのは傭兵の日常ですからね、輸送業者であってもSELLを通した正式な依頼ではないため、放棄してもSELLからはお咎めはありません」
悪く言えば、エンフォースやSELLであってもそういうものらしい。
身を粉にして働こうという気概より、命を優先して逃げたり裏切ったりする。
だからこそ、ランクという信頼性を頼り傭兵を雇うのだという。
「じゃあ、そういうことで」
「ええ、返信しておきますね!」
要塞側に在庫がなかったため、シールドミサイルは今回非常に少数だ。
艦隊戦において活躍はあまりできないだろう。
輜重隊という事は、艦隊についてこれれば良いわけだから、最悪ペルソナに任せっきりでも構わない。
「...ああは言ったけど、ほんとは反対なんでしょ?」
とはいえ、俺は気付かないわけではない。
アルがあの場の空気に押されつつあった事を。
だから、ペルソナを別のことに向かわせた後、廊下で聞いた。
「...僕、何もできないもん。何もできないのに、反対ばっかり、僕が自分でついてきたのに、危険だから帰ろうなんて言えない」
「...それはさ、別の事なんだよ」
アルがついてきたのは、あくまで「輸送任務」であって、「艦隊行動」までは含まれない。
だから俺は、アルに決定権を与えた。
どんなに関係が悪くなろうと、ここで契約を反故にして帰る事はできる。
軍隊からすれば越権にも近いような動員だからだ。
「アルが嫌だ、帰りたいって言うなら、私は面と向かって司令官に帰るって言うよ?」
「でも、リリーさんに迷惑がかかるし...」
「そうだね...でも、アルには生きてて欲しい、いつもそう思ってるんだよ」
「リリーさんだけ...僕を置いていかないで」
アルが俺の方を向く。
涙が目の端に溜まっているのが見える。
俺は屈んで、アルを抱きしめた。
「置いていかないけど、安全な場所にはいて欲しい...難しいね」
「ずるい...ずるいよ...」
アルはしっかりしているように見えて、常に砂上の楼閣だ。
特に俺がアルを離すような事をしようとすると、すぐに涙が出てきてしまう。
困った。
だが、理解できないわけじゃない。
アルにはもう、家族と呼べる存在がいないからだ。
その穴をすぐに埋めたのは俺で、アルは俺を姉として慕ってくれている。
難しいな、色々と。
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