輸送艦オリオン~SF異世界に転生したら、女体化したうえ大型輸送艦の艦長になりました!最強輸送艦で商人プレイ!~

黴男

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Δ-ハスラパル戦域編(前編)

174-偶然の一手

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戦いを変えたのは、とある一手であった。
輸送艦艦隊の中央部から、艦隊をすり抜けながら一直線に飛んだ16発のミサイル。
それらが、艦隊同士の間にシールドを張ったのだ。
これは、王国軍にとっては好機であり、帝国軍にとっては最悪の一手であった。
シールドミサイルを使い切ったものと思い、機動戦や包囲戦に持ち込まなかったというのに、シールドミサイルがあれば敵は安全に進めてしまうからだ。
今から陣形を変更しようにも、ワープ妨害フィールドが展開されているため艦隊を動かせない。
帝国軍は仕方なく、動かせる艦隊を左右に展開し始める。
結果として砲撃の密度は低下し、射撃の精度が大幅に低下したことで、王国艦隊は一気に持ち直した。
戦略支援艦が、傷付いたシールドをシールドハーモニクスと呼ばれる装備で修復させていく。
主力艦の砲撃は流石にシールドミサイルでは防げないが、第二射で放たれたものは帝国軍の知らないものであった。
粒子抑制フィールドが広がり、主力艦の砲撃の威力を大幅に下げてしまう。
前回の戦闘では、オブリビオンの砲撃があまりに強力だったために、粒子抑制フィールドはビームが通過しただけで一気に焼き払われていたが、今回は違う。
きちんと対ビームフィールドとして機能し、帝国軍の猛攻を凌いでいる。

ZASPERツァスパー、今の支援を行った艦を特定しろ』
『既に済んでいます。輸送艦オリオンです』
『そうか、ありがたい。後で報奨を用意せねば』

オリオンは引き続き、恐ろしくなるほど冷徹なまでのペルソナの計算によって、不定期にミサイルを発射していた。
粒子抑制フィールドが離散して使用できなくなるまでの時間や、電磁フィールドが耐えられなくなるまでの時間を綿密に計算し、最小の消費で押し留める。

『最後尾、ゲートまで残り50km地点に入りました』
『よし、このまま突破する』
『敵主力艦より、大型爆撃機複数発艦』
『迎撃せよ!』

常に戦況は油断を許されない。
艦隊のど真ん中へと突っ切っていくのだ、当然ながら被害は出る。
しかし、止まるわけにもいかないのだ。
爆撃機編隊を、戦闘ドローンの群体が撃ち落としていくが、爆雷のいくつかは艦隊に命中して被害を出す。

『艦隊の損耗率、23%に拡大。これよりパージ作業を開始します』

パージ作業。
それは残酷なものだ、ついて来れないと判断した艦隊を指揮下から分離し、見捨てるということである。
だが、足が遅いのではなくついて来れないというのは、むしろもう害悪なのだ。
無慈悲に切り捨てられ、何百人もの軍人の命が無碍に散っていく。

『ゲートアクティブ範囲に最重要部分が到達、これより最後尾に加速指示を出します』
『最後尾艦隊は全速力で離脱! 装甲や爆装は捨ててもかまわん! 速度を出せ!』

そうして、輸送艦隊と旗艦はゲートを通過する。
最後尾の艦隊も、42隻が未帰還であった。
当初800隻いた艦隊は、512隻にまで数を縮小し、ゲートを強引に突破したのであった。
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