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Δ-ハスラパル戦域編(後編)
196-言語チート?
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「はい、じゃあ立ってみましょう」
「ど...どう?」
「いいですね、だいぶ筋肉が戻ってきてると思います」
翌日、俺はペルソナと一緒にトレーニングルームに居た。
ペルソナの手を借りて立ち、スロープを使って体を支えて歩く訓練だ。
これをクリアすれば、松葉杖で歩けるようになるらしい。
今の俺の体は、正しいバランスを覚えていないので、そのまま立って歩こうとすると体重を支えられない上に、転倒の危険もある。
だからペルソナが手伝ってくれているようだ。
「ナノマシンでどうにかならないのかな」
「難しいでしょう。下手にその辺をいじるとヘイフリック限界とかアポトーシスとかが色々面倒なんです」
「なるほど...?」
まだその辺の技術は停滞しているということか。
俺は、腕にありったけの力を込めて体を支える。
体重はかけられるが、長くはもたない。
「そういえば、さあ」
「何でしょうか?」
「バケーション、どこ行こうかっ?」
若干語尾が上ずる。
俺としてはどこかへ遊びに行きたいが、そんな事をする余裕はこの体にはないため、ペルソナに怒られるかと思ったからだ。
「あっ! すっかり忘れてました!」
「だよねえ...」
「今の状況ですと、少し条件を変えないとですね...アクティビティに出られる状態ではないですし、療養期間を過ごせる場所を探してみます」
「おっ」
ペルソナのスペックなら、今夜中に結論は出るだろう。
俺は雑談ついでに、ペルソナに聞いてみる。
「そういえば、エストジール帝国...あのバカ男の出身地だっていうけど、どんな感じなの?」
「あー...その、後進国ですが、物価は安いですし観光地も発展してますよ。後進国の中では先進的な方ですし、物乞いとかスリとかも居ないです!」
「へえ~...」
名前を聞いたことがなかったので、てっきり地球で言うところの「後進国」...要するに治安がものすごく悪い国を想像していたが、ペルソナの話を聞く限りでは地球より発展してはいるそうだ。
だが、オルトス王国の水準技術レベルと比較すれば、足元にも及ばないそうだ。
「じゃあそこでいいんじゃない?」
「えっ、ですけど...その、現地を案内するガイドが雇えるかどうかわかりませんよ」
「うーん、確かに。やめとこうか」
何なら言語すら違うらしい。
ガイドを雇うのは、ペルソナなら可能だがペルソナには人の機微がわからない。
心理グラフから嘘を読み取ることは可能だろうが...
そこまでする価値はない。
だったら国内の安心安全旅を楽しんだ方がいい。
「んーじゃあ、療養できそうなところをいくつかリストアップしておいて」
「はーい!」
俺は車椅子に戻ると、携帯端末を起動する。
ペルソナに勝手に使われまくった俺の口座は、今回の報酬も加算すると桁が綺麗に揃って現在1.6億MSC。
かなり目減りした印象があるが、そもそも輸送屋という職業は常にカツカツでやりくりするものだそうだ。
「...そういえば、気になる事をお聞きしてもいいでしょうか」
その時、ペルソナが俺を向いて話しかけてくる。
目を合わせてくるので、自然と背筋が伸びた。
「なに?」
「あの男...ナスカは、正統エストジール帝国語を使用していました、かなりのエリート層である可能性が高いです」
「それで? エリートでも性犯罪は犯すでしょ」
「そこではなくて、リリー様はナスカとどうして「正統エストジール語で」やりとり出来ているのですか?」
「えっ? 彼、王国語で話してるんじゃないの?」
「違いますよ? 確かに、リリー様は王国語で話していましたが、ナスカにも通じていたのでこちらのフィルターのエラーかと思ったのですが...」
それは...
いや、心当たりはあったな。
俺の母語は日本語で、この異世界でどうして意思疎通ができるのか。
ただ、
「なぜかと言われても、答えられないよ」
「なぜですか?」
「私も知らないから。答えがわかるまで、保留で」
「わかりました」
知るべき謎がまた一つ、増えた。
「ど...どう?」
「いいですね、だいぶ筋肉が戻ってきてると思います」
翌日、俺はペルソナと一緒にトレーニングルームに居た。
ペルソナの手を借りて立ち、スロープを使って体を支えて歩く訓練だ。
これをクリアすれば、松葉杖で歩けるようになるらしい。
今の俺の体は、正しいバランスを覚えていないので、そのまま立って歩こうとすると体重を支えられない上に、転倒の危険もある。
だからペルソナが手伝ってくれているようだ。
「ナノマシンでどうにかならないのかな」
「難しいでしょう。下手にその辺をいじるとヘイフリック限界とかアポトーシスとかが色々面倒なんです」
「なるほど...?」
まだその辺の技術は停滞しているということか。
俺は、腕にありったけの力を込めて体を支える。
体重はかけられるが、長くはもたない。
「そういえば、さあ」
「何でしょうか?」
「バケーション、どこ行こうかっ?」
若干語尾が上ずる。
俺としてはどこかへ遊びに行きたいが、そんな事をする余裕はこの体にはないため、ペルソナに怒られるかと思ったからだ。
「あっ! すっかり忘れてました!」
「だよねえ...」
「今の状況ですと、少し条件を変えないとですね...アクティビティに出られる状態ではないですし、療養期間を過ごせる場所を探してみます」
「おっ」
ペルソナのスペックなら、今夜中に結論は出るだろう。
俺は雑談ついでに、ペルソナに聞いてみる。
「そういえば、エストジール帝国...あのバカ男の出身地だっていうけど、どんな感じなの?」
「あー...その、後進国ですが、物価は安いですし観光地も発展してますよ。後進国の中では先進的な方ですし、物乞いとかスリとかも居ないです!」
「へえ~...」
名前を聞いたことがなかったので、てっきり地球で言うところの「後進国」...要するに治安がものすごく悪い国を想像していたが、ペルソナの話を聞く限りでは地球より発展してはいるそうだ。
だが、オルトス王国の水準技術レベルと比較すれば、足元にも及ばないそうだ。
「じゃあそこでいいんじゃない?」
「えっ、ですけど...その、現地を案内するガイドが雇えるかどうかわかりませんよ」
「うーん、確かに。やめとこうか」
何なら言語すら違うらしい。
ガイドを雇うのは、ペルソナなら可能だがペルソナには人の機微がわからない。
心理グラフから嘘を読み取ることは可能だろうが...
そこまでする価値はない。
だったら国内の安心安全旅を楽しんだ方がいい。
「んーじゃあ、療養できそうなところをいくつかリストアップしておいて」
「はーい!」
俺は車椅子に戻ると、携帯端末を起動する。
ペルソナに勝手に使われまくった俺の口座は、今回の報酬も加算すると桁が綺麗に揃って現在1.6億MSC。
かなり目減りした印象があるが、そもそも輸送屋という職業は常にカツカツでやりくりするものだそうだ。
「...そういえば、気になる事をお聞きしてもいいでしょうか」
その時、ペルソナが俺を向いて話しかけてくる。
目を合わせてくるので、自然と背筋が伸びた。
「なに?」
「あの男...ナスカは、正統エストジール帝国語を使用していました、かなりのエリート層である可能性が高いです」
「それで? エリートでも性犯罪は犯すでしょ」
「そこではなくて、リリー様はナスカとどうして「正統エストジール語で」やりとり出来ているのですか?」
「えっ? 彼、王国語で話してるんじゃないの?」
「違いますよ? 確かに、リリー様は王国語で話していましたが、ナスカにも通じていたのでこちらのフィルターのエラーかと思ったのですが...」
それは...
いや、心当たりはあったな。
俺の母語は日本語で、この異世界でどうして意思疎通ができるのか。
ただ、
「なぜかと言われても、答えられないよ」
「なぜですか?」
「私も知らないから。答えがわかるまで、保留で」
「わかりました」
知るべき謎がまた一つ、増えた。
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