日本最狂の妖刀で、誰も見た事がない異世界・骨董無双~狂気の娘を返品したいがもう遅い!!だから神が宿る骨董品達で、俺が世界を改変してやるッ!!

竹本蘭乃

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第四章:凶賊と、人類最高の【ざまぁ】はこちらです

102:塊を斬れ!

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 迫る凶賊の集団。それを冷静に分析しながら、背後のリリアンへも配慮する。

(地形上囲まれても最大五人、正面斜め上からの弓兵が八人! リリアンに一人向かっても何とかなるか!?)

 流は正面から襲い掛かる太った賊の質が悪そうなロングソードを斬り飛ばし、そのまま横に一閃する。
 そのまま斜め下に潜るような姿勢から上に煽る様に斬り上げる。

「ジジイ流壱式! 三連斬!!」

 腕輪の力で六連になった斬撃は、勢い余って背後の賊を一気に十二人減らす。

「ごあ!?」「ギャアア」「ジョダッ」「モギャ」

 悲鳴とも叫びとも何とも言えない声が一斉に轟くと、賊は両断されたり、良くて四肢の何処かが欠損するような状況になる。

「ば、ば、ば化け物がああ!! 弓兵!! 何をしている、早く撃ちやがれ!!」
「へ、ヘイ! お前達、狙え!!」

 呆気にとられていた弓兵は、アニキに急かされて流に狙いを定める。
 それを確認した流は左腰に装備している鞄から細長い物を取り出し――。

「遅い!! ジジイ流投擲術! 飛竜牙ヒリュウガ!!」

 飛竜牙――片手で最大四本の短刀を飛ばし、狙い撃つ初伝の業だが、流はまだ三本が限界だった。が、会心の投擲で弓兵へと向かい飛ぶ。

 弓兵を指揮していた男の頭と、弓兵二人の胸に投擲用の短刀を投げる。
 威力は低いが、急所に当たれば絶命必死の短刀が三人の命を奪う。
 
(弓兵は残り五人! だが)

 襲い掛かる敵を前になかなか投擲するタイミングが掴めず、矢が流の頬を霞める。

(クッ)

 後ろをチラ見すると、リリアンが亀のように防戦をしていた。
 賊に致命傷が入らないものの、それなりの傷を負わせて動きを鈍らせてから、一人を倒したのが見える。
 だが即座に別の賊が、リリアンへと斬りかかるのが見えた。

(俺一人なら足で稼ぐんだが、俺が居なくなったらいくら狭いとは言え、リリアンの負担が大きくなるか? どーする!?)

 流がリリアンに気遣い防御に意識を持って行かれた時、後ろから声がする。

「ナガレ!! 六分だ!!」
「ッ!? イイ女だよ、お前は!!」
「馬鹿ッ! こんな時に何を言っているの!?」
「こんな時だからッ――だろ!!」

 流はリリアンの「決死の|六分(かくご)」を背に受け、目の前の四人を即座に斬り伏せ、正面に居る一人のロングソードを持つ手首ごと切り落とす。
 刹那、賊を倒すのを見計らった矢が、流を目掛けて飛んで来る!
 それを流は利き手を失った賊を引っ張り盾にして躱すと、即座に「真横の岩肌を蹴って」山伏の岩飛びのように移動する。

「なぁッ!? と、飛んだだと!!」

 アニキをはじめ、賊共はその驚異的な機動力に呆然となる。

「美琴!! 岩を斬れるか?」

 当然とばかりに美琴は〝ブルリッ〟と力強く震える。

「うぉ!! 驚かせるな美琴。一度も成功した事ぁねーが、やるしかない!! 頼むぜぇ美琴様!」
「ガキが何かをヤルつもりだぞ!! 弓兵は死に物狂いで射殺せ!! 下の奴らはガキを何としても叩き落せ!!」

 これ以上はやらせんとばかり、上の弓兵も、下の盗賊も後先考えずに突っ込んで来る。
 流が足場にしている場所を直接狙いに来る弓兵、そこに投げナイフを下から投げつける賊共に向けて、流はナイフを美琴で弾きつつ、弓兵に背を向けて突っ込む。

「よし今だ! ガキが弓兵に背を向けて逃げ出したぞ、撃て撃てええええ!!」
「馬鹿め! 弓から逃げてこっちへ来るぞ! 今だ迎え討て……って、なッ!? つ、突っ込んで来たぞ!!」

 そのまま数人を切り伏せると、そのまま近くの岩壁に身を寄せると同時に、背後より矢が降って来て賊共に矢が刺さる。

「ガアアアッ!? 矢がああああ」「いでぇぇ」「グポッ……」
「援護射撃ご苦労!! さて、岩山まで残り……八メートル位か!? 一気に駆け抜ける! 脆いのは……」

 流は観察眼を使い、弓兵が乗っている岩の「一番脆い点」を探しだし、見つけ――駆けだす!!

「あったあああ!! 美琴オオオ頼むぜええ!!」
「撃て! 何してるお前ら!!」
「ア、アニキダメです!! 影に隠れて――」

 弓兵が乗っている、高い岩場の顎の部分に流は美琴で一閃する!

「ジジイ流薙払術テイフツジュツ! 岩斬破砕ガンザンハサイ!!」

 流が斬り付けた岩場に亀裂が高速で走り〝ヴォゴッ〟と言う鈍い音が響く。

 ――岩斬破砕。通常は岩の「要」を薙ぎ払う事で、巨石ですら粉々に破砕する業である。
 しかし美琴が助力する事により、破砕後にオマケが付いて来る……つまり――

 次の瞬間〝ドッパンッ〟と言う弾ける音が聞こえたかと思うと、流が居る場所を頂点として「Δのような形」を残し、岩が弾け飛ぶ!

「ギャアアアアア」「岩がああ逃げッ」「ゴバアア」

 賊共は岩が散弾のように飛んで来るのを躱す事が出来ず、絶命する者、打撲で動けなくなる者で阿鼻叫喚となる。

 あまりの状況に呆然となる殺盗団の生き残り。
 あまりの状況に呆然となる流。

「知ってはいたけど、美琴さんマジスゲェ……何で弾け飛ぶし!?」

 運よくアニキは手下を盾にして岩の直撃を逃れ、惨状となった今の状況を確認する。
 見れば五十人居た手下達は、すでに手下が三人にのみとなっていた。
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