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第四章:凶賊と、人類最高の【ざまぁ】はこちらです
109:ダンジョンライフは最高です!
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「ありがとうございます。そうだ。先程カワードが言ってたんですが、殺盗団の増援が来るらしいんですよ。その対応もしておいた方がいいのかも?」
「ああ、その事か。なら解決済みだよ、オイ! 〝あれ〟を持ってきてくれないか!」
アレドは後方にいる兵士に何かを頼むと、兵士二人は馬車から血の滴る箱を持ってくる。
「血が……これは?」
「首だよ、襲って来た殺盗団のね。本来なら捕まえるのだが、流の件を優先にしたから、全員あの世へと旅立ってもらったのさ。で、その証拠に首だけって訳だ。見るかい?」
「い、いやぁ……それは遠慮しときますよ」
「はっはっは、それがいい。生首なんぞ見ても楽しい物じゃないからね」
生首をいきなり見せに来る、異世界の常識に改めて驚く流であった。
「あ! そう言えば冒険者ギルドのサブマスが言っていたのは、もしかしてアレドさんなんですか?」
「おっと、そうだった。今回リットンハイムさんから頼まれていてね、こんな事もあろうかと、信頼できる部下だけを以前から選りすぐっておいたんだよ」
「そうですか……いや、助かりましたよ本当に」
流石の流も草原と言うフィールドで、リリアン達を守りながら多数と戦闘は勘弁して欲しいところだった。
実際、遠くに砂塵が見えた時はゾっとしたのだから……。
「それでカワードをどうするんです?」
「ああ、それはな……。まず魔物への私利私欲の人身提供。まぁ普通は、これだけで死刑モノだ。次にそれを利用した詐欺行為だね。その子達を騙しておもちゃにしようと、した訳だからね。そしてそこの子の誘拐は現行犯だね。そして殺盗団と共謀しての、悪事と関わり。以上を総合して考えると『ダンジョン奴隷』になるだろうね」
「ダンジョン奴隷?」
アレドは思い出したように頷くと、流にダンジョン奴隷の事を説明する。
「ああ、そうだった。ナガレはこの国の事は良く知らないんだったな。ダンジョン奴隷と言うのは、トエトリーの近くにあるダンジョンに送られるんだよ」
「この領地、唯一の支配地と言う?」
「そう、それだ。そこで一生ダンジョンの中で資源を得る仕事をする。外に出る事も出来ず、娯楽なんて何もなく、食事は痛んだ食材を中心に、生きるギリギリの量を配給のみ。延々と死ぬまで魔物と戦ったり、素材を集めたりするだけの人生だ」
聞くだけで恐ろしい内容に、流を始めリリアン姉妹、カレリナも顔をしかめる。
「さらにだ。昼も夜も無く、オーダーが入ればすぐに行動が基本となる。もちろん、睡眠中なら蹴り飛ばされて強制起床だ。そして、睡魔に負けて大怪我でもしようものなら、ダンジョンアタックの肉壁に利用するか、使えなくなった場所に、そのままダンジョンに放置すると言う過酷な刑罰さ。ちなみに自殺しようとしたら回復されるおまけ付きだ」
流石の流も想像しただけで、背筋が凍るほどの内容だった。
「そ、それはまた過酷すぎる内容で……」
「だろう? 言っている俺でも嫌になる。まぁ、言葉にするとこんな感じだが、実際は本当に酷いんだよ。死刑の方が優しく思えて人気がある位だからね。だから、ほら……」
アレドの目線の先にいるカワードは、目に見えて怯えていた。
自分の未来を想像したのか、その足は子鹿のように震え立つことすら出来ず、よく見ると股間にジットリと、シミが徐々に浮き上がってきている。
だがやっと立ち上がり、必死の形相でリリアンへと向けてノソリと歩き出す。
「ひッ! ダ、ダンジョン奴隷だって!? それだけはやめてくれ!! お願いだ、そんな所に行くなら死刑にしてくれ! リ、リリアン!! 俺を今すぐ殺してくれ、お願いだ! 頼む!!!!」
リリアンに縋りつくように迫るカワードに、リリアン達は表情の抜け落ちた顔で辛辣な言葉を浴びせる。
「……良かったじゃないか、カワード。これで好きなだけ武勇伝が誇れるな? まったく羨ましいかぎりだよ。変わりたくはないけど」
「お姉ちゃんの言う通りよ、いつもありもしない武勇伝ばかり聞くのは辛かったわ。おめでとう、本当の武勇伝が語れるようになって」
「カワード。私の事に執着しないでまともに生きてたら、こんな事にはならなかったのにね……さようなら。二度と会う事はないでしょうけど、元気で『ずっと誰よりも長生きして』ね」
三人の言葉を聞いて「最後の願い」が無駄だと悟ったカワードは、今度こそ膝から崩れ落ちたのだった。
「死刑すら生温いとか……異世界マジこえぇ……」
まさかの死刑すら歓迎されてしまうような、恐ろしい刑罰があることを知って、異世界の常識にあらためて驚愕する流だった。
「ああ、その事か。なら解決済みだよ、オイ! 〝あれ〟を持ってきてくれないか!」
アレドは後方にいる兵士に何かを頼むと、兵士二人は馬車から血の滴る箱を持ってくる。
「血が……これは?」
「首だよ、襲って来た殺盗団のね。本来なら捕まえるのだが、流の件を優先にしたから、全員あの世へと旅立ってもらったのさ。で、その証拠に首だけって訳だ。見るかい?」
「い、いやぁ……それは遠慮しときますよ」
「はっはっは、それがいい。生首なんぞ見ても楽しい物じゃないからね」
生首をいきなり見せに来る、異世界の常識に改めて驚く流であった。
「あ! そう言えば冒険者ギルドのサブマスが言っていたのは、もしかしてアレドさんなんですか?」
「おっと、そうだった。今回リットンハイムさんから頼まれていてね、こんな事もあろうかと、信頼できる部下だけを以前から選りすぐっておいたんだよ」
「そうですか……いや、助かりましたよ本当に」
流石の流も草原と言うフィールドで、リリアン達を守りながら多数と戦闘は勘弁して欲しいところだった。
実際、遠くに砂塵が見えた時はゾっとしたのだから……。
「それでカワードをどうするんです?」
「ああ、それはな……。まず魔物への私利私欲の人身提供。まぁ普通は、これだけで死刑モノだ。次にそれを利用した詐欺行為だね。その子達を騙しておもちゃにしようと、した訳だからね。そしてそこの子の誘拐は現行犯だね。そして殺盗団と共謀しての、悪事と関わり。以上を総合して考えると『ダンジョン奴隷』になるだろうね」
「ダンジョン奴隷?」
アレドは思い出したように頷くと、流にダンジョン奴隷の事を説明する。
「ああ、そうだった。ナガレはこの国の事は良く知らないんだったな。ダンジョン奴隷と言うのは、トエトリーの近くにあるダンジョンに送られるんだよ」
「この領地、唯一の支配地と言う?」
「そう、それだ。そこで一生ダンジョンの中で資源を得る仕事をする。外に出る事も出来ず、娯楽なんて何もなく、食事は痛んだ食材を中心に、生きるギリギリの量を配給のみ。延々と死ぬまで魔物と戦ったり、素材を集めたりするだけの人生だ」
聞くだけで恐ろしい内容に、流を始めリリアン姉妹、カレリナも顔をしかめる。
「さらにだ。昼も夜も無く、オーダーが入ればすぐに行動が基本となる。もちろん、睡眠中なら蹴り飛ばされて強制起床だ。そして、睡魔に負けて大怪我でもしようものなら、ダンジョンアタックの肉壁に利用するか、使えなくなった場所に、そのままダンジョンに放置すると言う過酷な刑罰さ。ちなみに自殺しようとしたら回復されるおまけ付きだ」
流石の流も想像しただけで、背筋が凍るほどの内容だった。
「そ、それはまた過酷すぎる内容で……」
「だろう? 言っている俺でも嫌になる。まぁ、言葉にするとこんな感じだが、実際は本当に酷いんだよ。死刑の方が優しく思えて人気がある位だからね。だから、ほら……」
アレドの目線の先にいるカワードは、目に見えて怯えていた。
自分の未来を想像したのか、その足は子鹿のように震え立つことすら出来ず、よく見ると股間にジットリと、シミが徐々に浮き上がってきている。
だがやっと立ち上がり、必死の形相でリリアンへと向けてノソリと歩き出す。
「ひッ! ダ、ダンジョン奴隷だって!? それだけはやめてくれ!! お願いだ、そんな所に行くなら死刑にしてくれ! リ、リリアン!! 俺を今すぐ殺してくれ、お願いだ! 頼む!!!!」
リリアンに縋りつくように迫るカワードに、リリアン達は表情の抜け落ちた顔で辛辣な言葉を浴びせる。
「……良かったじゃないか、カワード。これで好きなだけ武勇伝が誇れるな? まったく羨ましいかぎりだよ。変わりたくはないけど」
「お姉ちゃんの言う通りよ、いつもありもしない武勇伝ばかり聞くのは辛かったわ。おめでとう、本当の武勇伝が語れるようになって」
「カワード。私の事に執着しないでまともに生きてたら、こんな事にはならなかったのにね……さようなら。二度と会う事はないでしょうけど、元気で『ずっと誰よりも長生きして』ね」
三人の言葉を聞いて「最後の願い」が無駄だと悟ったカワードは、今度こそ膝から崩れ落ちたのだった。
「死刑すら生温いとか……異世界マジこえぇ……」
まさかの死刑すら歓迎されてしまうような、恐ろしい刑罰があることを知って、異世界の常識にあらためて驚愕する流だった。
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