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第四章:凶賊と、人類最高の【ざまぁ】はこちらです
108:カワードさんの旅の終わり
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「そうして私はゴブリン酋長に掴まったの……。でも運が良かったと言うのは『前の犠牲者』には申し訳ないけど、プと呼ばれた酋長は知的で私と話しをしたがったみたいでね。前の人が壊れるまでは手出しをしないと言っていたわ」
その場にいたカワード以外の全員が、悲痛な表情で聞き入る。
「そこに同じく二人連れて来られてね、私達は一つの小屋に押し込められて、『その時』が来る恐怖で気が狂いそうだったわ……でもそこに現れたのが、私の救世主であるナガレ様よ!! ナガレ様は一人でゴブリンの集落を滅ぼし、リーダーと酋長まで倒したのよ!! もう凄すぎて、あの場にいた私達は感謝してもしきれない程の思いで一杯になったわ。もちろん今も、その思いは変わっていないのは言うまでも無いわ!」
恍惚とした表情で、その時の状況を話すカレリナに流は照れるように言う。
「おいおい、俺はたまたまその場にいただけだ。まさかお前達までいるとは思わなかったからな。だからまぁ、気にするなよ」
そして流はカワードへ向き直る。
「だ、そうだが……カワード。俺の国の言葉で、お前の名前は卑怯と言う意味がある。本当にお前は心底最低の卑怯者だな」
カワードは支えを失ったようにガクリと膝を折り、絶望の表情でうなだれた――が、次の瞬間。
「おま、お前さえいなければ! 全部上手く行ってたんだあああああああああ!!」
憤怒の表情を凶悪に歪めながら、カワードは持っていたショートソードを抜き、流に向けて襲い掛かって来る。
流は美琴を高速抜刀すると、カワードの質の悪いショートソードを刃の付け根から斬り飛ばす。
何が起きたかすら分かっていなく、ショートソードが軽くなったことで初めて刃が切り飛ばされた事に気が付く。
呆然とするカワードは思わず握っていたショートソードを落とし、口を魚のようにパクパクと開き、何かを言おうとした瞬間――。
「いきなり『子悪党アルアル』とか美味しすぎるのを見た……くッ異世界最高!! 実にいい物を見せてもらった礼だ、受け取れ。ジジイ流活人術! 不殺閃!!」
剣が斬られて呆然とするカワードに、流は美琴を曲芸のように高速納刀すると、カワードの下腹部へ、美琴の鞘を良い角度で持ち上げるように不殺閃を放つ。
たまらず浮き上がるカワードは、反吐を吐きながら高さ三メートルほど打ち上げられ、無様に反吐まみれになり転がる。
「カワード。私達はお前を絶対に許さない! 死ね!!」
不殺閃により無様に反吐を吐き、肥溜めに転がる汚物のような男に、リリアンはその男を殺そうと鬼の形相で静かに歩み寄る。
その歩みは確実にカワードの命を刈り取るように、その一歩が重かった。
「ひぃぃぃ!? ま、待ってくれリリアン! お、お、俺が悪かった。ゆ、許してくれ!!」
「……まだ言うか……お前はやりすぎた、冥土で後悔するんだな!!」
「待ってリリアン! あなたがこんな卑怯者を殺して剣を汚す事は無いわ!」
憤怒の鬼と化した形相で迫るリリアン。それを止めたのは意外な事にカレリナだった。
その様子に驚くリリアンは、思わずカレリナを怒鳴りつける。
「ッ!? カレリナ、何故止めるんだ!! こいつのせいでお前も私達も、どんな辛い目にあった事かッ!!」
「ええ、その通りよ。でもね、世の中には『死よりもツライ事』があるのを忘れたの?」
カレリナは一緒に来ていた領兵の一角へと、視線を向けて頭を下げる。
領兵が〝ザッ〟と音を立て兵士が左右に分かれると、その奥から隊長と思われる装備の良い男が歩いて来た。
「お待たせして申し訳ありませんでした、後の処理をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「承ろう」
そう領兵の隊長が返事をすると、歩きながら流に声をかけて来る。
それは青いマントを風になびかせて歩き、いかにも隊長然とした流も良く知った男だった。
「久しい……と言う程でもないが、ナガレ。今回もまた派手にやったのかい?」
「お? アレドさんじゃないか! 先日は助かりましたよ。まあその……後片付けをお願いします。結構酷い事になってるので。あ、それと岩山の入口に、今回の襲撃者で『アニキ』と呼ばれる纏め役の男を縛ってあります」
流はアレドに目線で岩山の方を指す。
「そんなにかい? まあ了解した。第一、第二分隊は先行して岩山へ入れ! 生きている者は連行しろ、よし行け!」
「ハッ! 生存者は連行して纏めておきます!」
練度が高いのが良く分かるキビキビとした動きで、分隊長は部下を引き連れて岩山へと向かって行った。
その場にいたカワード以外の全員が、悲痛な表情で聞き入る。
「そこに同じく二人連れて来られてね、私達は一つの小屋に押し込められて、『その時』が来る恐怖で気が狂いそうだったわ……でもそこに現れたのが、私の救世主であるナガレ様よ!! ナガレ様は一人でゴブリンの集落を滅ぼし、リーダーと酋長まで倒したのよ!! もう凄すぎて、あの場にいた私達は感謝してもしきれない程の思いで一杯になったわ。もちろん今も、その思いは変わっていないのは言うまでも無いわ!」
恍惚とした表情で、その時の状況を話すカレリナに流は照れるように言う。
「おいおい、俺はたまたまその場にいただけだ。まさかお前達までいるとは思わなかったからな。だからまぁ、気にするなよ」
そして流はカワードへ向き直る。
「だ、そうだが……カワード。俺の国の言葉で、お前の名前は卑怯と言う意味がある。本当にお前は心底最低の卑怯者だな」
カワードは支えを失ったようにガクリと膝を折り、絶望の表情でうなだれた――が、次の瞬間。
「おま、お前さえいなければ! 全部上手く行ってたんだあああああああああ!!」
憤怒の表情を凶悪に歪めながら、カワードは持っていたショートソードを抜き、流に向けて襲い掛かって来る。
流は美琴を高速抜刀すると、カワードの質の悪いショートソードを刃の付け根から斬り飛ばす。
何が起きたかすら分かっていなく、ショートソードが軽くなったことで初めて刃が切り飛ばされた事に気が付く。
呆然とするカワードは思わず握っていたショートソードを落とし、口を魚のようにパクパクと開き、何かを言おうとした瞬間――。
「いきなり『子悪党アルアル』とか美味しすぎるのを見た……くッ異世界最高!! 実にいい物を見せてもらった礼だ、受け取れ。ジジイ流活人術! 不殺閃!!」
剣が斬られて呆然とするカワードに、流は美琴を曲芸のように高速納刀すると、カワードの下腹部へ、美琴の鞘を良い角度で持ち上げるように不殺閃を放つ。
たまらず浮き上がるカワードは、反吐を吐きながら高さ三メートルほど打ち上げられ、無様に反吐まみれになり転がる。
「カワード。私達はお前を絶対に許さない! 死ね!!」
不殺閃により無様に反吐を吐き、肥溜めに転がる汚物のような男に、リリアンはその男を殺そうと鬼の形相で静かに歩み寄る。
その歩みは確実にカワードの命を刈り取るように、その一歩が重かった。
「ひぃぃぃ!? ま、待ってくれリリアン! お、お、俺が悪かった。ゆ、許してくれ!!」
「……まだ言うか……お前はやりすぎた、冥土で後悔するんだな!!」
「待ってリリアン! あなたがこんな卑怯者を殺して剣を汚す事は無いわ!」
憤怒の鬼と化した形相で迫るリリアン。それを止めたのは意外な事にカレリナだった。
その様子に驚くリリアンは、思わずカレリナを怒鳴りつける。
「ッ!? カレリナ、何故止めるんだ!! こいつのせいでお前も私達も、どんな辛い目にあった事かッ!!」
「ええ、その通りよ。でもね、世の中には『死よりもツライ事』があるのを忘れたの?」
カレリナは一緒に来ていた領兵の一角へと、視線を向けて頭を下げる。
領兵が〝ザッ〟と音を立て兵士が左右に分かれると、その奥から隊長と思われる装備の良い男が歩いて来た。
「お待たせして申し訳ありませんでした、後の処理をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「承ろう」
そう領兵の隊長が返事をすると、歩きながら流に声をかけて来る。
それは青いマントを風になびかせて歩き、いかにも隊長然とした流も良く知った男だった。
「久しい……と言う程でもないが、ナガレ。今回もまた派手にやったのかい?」
「お? アレドさんじゃないか! 先日は助かりましたよ。まあその……後片付けをお願いします。結構酷い事になってるので。あ、それと岩山の入口に、今回の襲撃者で『アニキ』と呼ばれる纏め役の男を縛ってあります」
流はアレドに目線で岩山の方を指す。
「そんなにかい? まあ了解した。第一、第二分隊は先行して岩山へ入れ! 生きている者は連行しろ、よし行け!」
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