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第五章:殺盗団を壊滅せよ
151:魔王襲来!?
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「お、おい。いきなりどうしたんだよ?」
「ふぅ……すまぬ、年を取ると涙脆くなっていかんの。お主と今日この時に会えた事も、また運命なのだろう。そやつから聞いたが、お主は流と言うのじゃろう?」
「ああ、そうだ。って……何か変だぞ? え!? あ、そうか。あんた言葉を話しているのか!!」
「ふぉふぉふぉ。今頃気が付いたのかい。まあ、そやつと話しているから気が付かなかったのかも知れないがな」
あまりに自然と会話している事に、最初気が付かなかったが話せる事に驚く流。
しかも異世界で呼ばれる「ナガレ」というような、妙なイントネーションじゃなく、日本語で「流」と呼ばれている事にも気が付く。
「あんた一体……」
「ワシか? ふッ……フフフフハハハハ! 世間では魔王……と、呼ばれておる!」
「なッ!? 魔王だと!!」
思わず腰の美琴へ手をかける流、だが――。
「冗談じゃ、ご老人ジョークじゃよ。ふぉふぉふぉ」
「たたッ斬るぞ!!」
「まぁまぁ、そういきり立つものではないよ」
「あんたのせいだよ! で、こんな時間にわざわざ呼んだ理由があるんだろう?」
「うむ。ここの空間はな、通常入って来れないようになっとる。それに夜しか開いておらぬでの、それでお疲れの所申し訳なかったじゃがついでに来てもらった訳じゃよ」
そう言うと颯は普通のラーマンの二倍はある巨体を揺らし、テーブル席へと流を誘う。
するとそこには、すでにお茶セットが置かれており、温泉饅頭まであった。
「……何時用意した? って言うか、温泉饅頭!? この世界にもあるのか」
「ふぉふぉふぉ、まあ掛けなされ」
颯は大きな手で器用にカップを持つと〝ずずぅ〟とお茶を楽しむ。その様子はじつに人間くさく、ほかのラーマン達とは明らかに違う存在だった。
「うむ、今日もいい出来じゃな……さて流殿。本日来てもらったのは他でもない、そこにおるラーマンの事じゃ」
「そうだった、コイツにはここ最近、毎回助けてもらって感謝してるんだよ。長老のあんたにも感謝を言わせてくれ」
「ふぉふぉふぉ。心を聞く、そして見る。さすれば話も通じる。これがラーマンと話すコツじゃよ。それを自然に出来るからこそ、コヤツも流殿に懐いておるのじゃろう」
「そうなのか? 俺は自然に話が分かったし、ラーマンの言っている事も分かったんだが」
そんな話をしながら入口で丸くなっているラーマンを見ると、本当に愛嬌たっぷりな姿だと思う。
「それでじゃ、あらためて流殿に話と言うのはな、コヤツを流殿に預けたいのじゃよ」
「それは願っても無い事だが……いいのか? 多分俺はこれからも戦いや、面倒事に巻き込まれるはずだ。下手すりゃ命の危機もあるかも……いや、確実にあるだろうな。そんな状況なんだが、いいのかい?」
「ふぉふぉふぉ。そこはコヤツも納得済みじゃわい。数おるラーマンの中でもコヤツはワシの直系でな、一族中でも最高峰の走破力と、戦闘力を持つ」
「そんな大事な跡取りを俺に……。でも何故そこまでしてくれるんだ?」
颯はとても優しい目で流を見つめ、こう続ける。
「なに……昔話にある、お侍との約束でな。それにコヤツも『時が来た』と大はしゃぎじゃからな」
「お侍? あぁこの刀の事かい? 確かに昔は侍が差してた物だが……ちょっと待て。あんた一体何歳だよ?」
「ふぉふぉふぉ。さてなぁ……もう年齢なぞ意味の無い事じゃから忘れたわい。まぁそんな訳じゃから、コヤツを流殿の友としてはくれんじゃろうか?」
何か色々煙に巻かれた感じもあるが、颯の言葉には嘘は無いと確信した流は快く受ける。
「分かった! 俺もコイツとは気も合うし、逆に頼みたいほどだよ。じゃあよろしくな! え~っと……そう言えば名前は何て言うんだ?」
その問いに颯もラーマンもピクリと眉を動かし、背後で寝ていたラーマンも流の前へ来る。
「流殿、なぜ名を欲するのじゃ? この世界の住人はラーマンはラーマンとしか認識しておらん。故に『名』と言う概念が存在せぬのじゃよ」
「んん? なぜも何も、その方が親しみがあるだろ、友達なんだからな?」
その答えに颯は目がしらが崩壊する。
「そう、か。友と言うてくれるかよ……ならば流殿、コヤツに名を付けてはもらえぬか?」
「え、俺が? いいのかそれで?」
「……マァ」
「そっか、よし分かった。俺で良ければ名付けさせてもらおうかな!」
「おお! それはめでたい事じゃ!! では少しまっておれ、今最高の条件で名付ける準備をするでな」
「お、おお頼むよ?」
颯は二本足で立ち上がると、そのまま奥の間へと消えていく。その後姿を眺めながら、颯が名付けにとても乗り気なことを不思議に思いながらも、目の前の空間にあらためて驚く。
「ふぅ……すまぬ、年を取ると涙脆くなっていかんの。お主と今日この時に会えた事も、また運命なのだろう。そやつから聞いたが、お主は流と言うのじゃろう?」
「ああ、そうだ。って……何か変だぞ? え!? あ、そうか。あんた言葉を話しているのか!!」
「ふぉふぉふぉ。今頃気が付いたのかい。まあ、そやつと話しているから気が付かなかったのかも知れないがな」
あまりに自然と会話している事に、最初気が付かなかったが話せる事に驚く流。
しかも異世界で呼ばれる「ナガレ」というような、妙なイントネーションじゃなく、日本語で「流」と呼ばれている事にも気が付く。
「あんた一体……」
「ワシか? ふッ……フフフフハハハハ! 世間では魔王……と、呼ばれておる!」
「なッ!? 魔王だと!!」
思わず腰の美琴へ手をかける流、だが――。
「冗談じゃ、ご老人ジョークじゃよ。ふぉふぉふぉ」
「たたッ斬るぞ!!」
「まぁまぁ、そういきり立つものではないよ」
「あんたのせいだよ! で、こんな時間にわざわざ呼んだ理由があるんだろう?」
「うむ。ここの空間はな、通常入って来れないようになっとる。それに夜しか開いておらぬでの、それでお疲れの所申し訳なかったじゃがついでに来てもらった訳じゃよ」
そう言うと颯は普通のラーマンの二倍はある巨体を揺らし、テーブル席へと流を誘う。
するとそこには、すでにお茶セットが置かれており、温泉饅頭まであった。
「……何時用意した? って言うか、温泉饅頭!? この世界にもあるのか」
「ふぉふぉふぉ、まあ掛けなされ」
颯は大きな手で器用にカップを持つと〝ずずぅ〟とお茶を楽しむ。その様子はじつに人間くさく、ほかのラーマン達とは明らかに違う存在だった。
「うむ、今日もいい出来じゃな……さて流殿。本日来てもらったのは他でもない、そこにおるラーマンの事じゃ」
「そうだった、コイツにはここ最近、毎回助けてもらって感謝してるんだよ。長老のあんたにも感謝を言わせてくれ」
「ふぉふぉふぉ。心を聞く、そして見る。さすれば話も通じる。これがラーマンと話すコツじゃよ。それを自然に出来るからこそ、コヤツも流殿に懐いておるのじゃろう」
「そうなのか? 俺は自然に話が分かったし、ラーマンの言っている事も分かったんだが」
そんな話をしながら入口で丸くなっているラーマンを見ると、本当に愛嬌たっぷりな姿だと思う。
「それでじゃ、あらためて流殿に話と言うのはな、コヤツを流殿に預けたいのじゃよ」
「それは願っても無い事だが……いいのか? 多分俺はこれからも戦いや、面倒事に巻き込まれるはずだ。下手すりゃ命の危機もあるかも……いや、確実にあるだろうな。そんな状況なんだが、いいのかい?」
「ふぉふぉふぉ。そこはコヤツも納得済みじゃわい。数おるラーマンの中でもコヤツはワシの直系でな、一族中でも最高峰の走破力と、戦闘力を持つ」
「そんな大事な跡取りを俺に……。でも何故そこまでしてくれるんだ?」
颯はとても優しい目で流を見つめ、こう続ける。
「なに……昔話にある、お侍との約束でな。それにコヤツも『時が来た』と大はしゃぎじゃからな」
「お侍? あぁこの刀の事かい? 確かに昔は侍が差してた物だが……ちょっと待て。あんた一体何歳だよ?」
「ふぉふぉふぉ。さてなぁ……もう年齢なぞ意味の無い事じゃから忘れたわい。まぁそんな訳じゃから、コヤツを流殿の友としてはくれんじゃろうか?」
何か色々煙に巻かれた感じもあるが、颯の言葉には嘘は無いと確信した流は快く受ける。
「分かった! 俺もコイツとは気も合うし、逆に頼みたいほどだよ。じゃあよろしくな! え~っと……そう言えば名前は何て言うんだ?」
その問いに颯もラーマンもピクリと眉を動かし、背後で寝ていたラーマンも流の前へ来る。
「流殿、なぜ名を欲するのじゃ? この世界の住人はラーマンはラーマンとしか認識しておらん。故に『名』と言う概念が存在せぬのじゃよ」
「んん? なぜも何も、その方が親しみがあるだろ、友達なんだからな?」
その答えに颯は目がしらが崩壊する。
「そう、か。友と言うてくれるかよ……ならば流殿、コヤツに名を付けてはもらえぬか?」
「え、俺が? いいのかそれで?」
「……マァ」
「そっか、よし分かった。俺で良ければ名付けさせてもらおうかな!」
「おお! それはめでたい事じゃ!! では少しまっておれ、今最高の条件で名付ける準備をするでな」
「お、おお頼むよ?」
颯は二本足で立ち上がると、そのまま奥の間へと消えていく。その後姿を眺めながら、颯が名付けにとても乗り気なことを不思議に思いながらも、目の前の空間にあらためて驚く。
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