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第九章:奪還作戦と、国の闇
369:アルギッド死す
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「ギャアアアアッス!? 何だこれはあああああ」
「煩い、イチイチ叫ぶな鬱陶しい。ワン太郎、首も動かないように固定してくれ。一気に斬り捨てる」
「わかったワ~ン。ほれぇ」
「ギイイイイイイッ!? つべだいいいい。どうして氷系最強の俺がああああ氷に閉ざされるなどおおお!?」
「本当に鬱陶しいやつだ。大体おかしいと思わないのか? アレだけの魔力を練っておいて、さっきの攻撃は何だ? お前はどこから来て何がしたいんだ? 本当にリザードマンのためにやっていたのか?」
「はぁ……? へぇ……と……? えぇぇと?」
「まぁいい。さっさとシネ」
「え、ちょ!? まってええええええええ!!」
流は美琴を納刀すると、少し腰を落としてアルギッドの露出してる部分へと狙いを定める。
泣き叫ぶアルギッドは一ミリも動くことができず、無様に口だけを動かす。
「さようならだ、アルギッド。あの世で喚いていろ……ジジイ流・抜刀術! 初型一閃!!」
流は妖気を纏う一閃を放つ。それは抜刀術において、型を極めるために流の祖父よりゲンコツを落とされながら学んだ基本型で、実に美しい光を引きながら『アルギッドの右角の付け根』に着斬する。
なんの抵抗もなく〝キィゥン〟と珍しい音がしたと思えば、断面は鏡のようになった美しい赤い角が地面へと転がる。
それが分かったアルギッドは泣き叫――。
「ギャアアアアアア俺の角がああああぁぁぁ…………あれ? な、何だ? 私は一体何をしているのだ? ここはどこだ? それよりなぜ氷で動けなく?? そこのお前! 助けろ!」
その様子にセリアを初め、騎士達や冒険者達も驚いて呆然と見守る。だが一番驚いているのは当の本人である、アルギッドだと言うのは間違いないだろう。
「やっと正気に戻ったか? 龍人が聞いて呆れる」
「ナガレ……これは一体どういう事なの?」
「セリアか。あぁ実はな――」
――先の龍人戦であった、ゾーランとの戦いの後で見つけた異常。気絶したゾーランと名乗った龍人の左角に違和感を感じ、鑑定眼で視てみる。
すると鉱物のような生物が角の中に入りこんでおり、それが脳の中まで細い何かを突き刺していた。
直接斬り捨てると残骸が残ると判断した流は、斬った瞬間に妖力で脳にダメージ与えないように、謎の鉱生物だけを滅する方法をとってみたら成功したと言う訳だった。
それには繊細な妖力の操作と、動かれたら失敗する可能性があったので、ワン太郎に押さえてもらう。
そしてその結果、アルギッドと呼ばれた何かはいなくなる。
「――と、言うわけだ。さてアルギッド……もとい、龍人の誰かさん。セリアたちにした事は覚えているな?」
「え? あ、ああ……そうだ! 私はレッド・フォン・ドラゴッドと申す。セリア……そうだ、セリア殿!! 申し訳なかった! その、体が勝手にあんな事を!! し、しかしそなたを嫁にと言った言葉は偽りはない! 本心なのだ!!」
「だ、そうが。セリアどうする?」
「いやよ!! 私はナガレが好きなの!! それに酷いことを色々しておいて、そんなの知りません!!」
「そ、そんなセリア殿!? 考え直してはくれまいか!!」
セリアは〝フンッ〟と顔をそむけると、苦々しくあたりを見回す。その意味を流は理解すると、次の行動へとうつる。
「まぁなんだ……レッド。ご要望どおりそこから出してやる」
「おお!! ありがたい。貴殿にも酷いことをしたと言うのに申し訳ない」
「いいさ、ただ――しっかりと罰は受けてもらうがな?」
瞬間高まる妖気。それを見たレッドは、寒さで青くなった顔をさらに青くして懇願する。
「ちょちょちょ、ちょっと待ったああああ!! ナガレ殿!! お待ちくだされ!!」
「散々暴れ、おいたが過ぎたな。詫びはこれに耐えたら聞いてやる。ジジイ流・活人術! 不殺七連斬!!」
流は刃を逆刃に持つと、妖気を込める。その状態で、本来業にない七連をレッドへと放つ。
レッドは甲高い声で「キャアアアアアアアア!!」と叫び、それが来るのをただ見ている事しかできない。
「キャアアアアやめ、ガェ・だヴぁ・おぺ・ヂョ・ダギャ・ヴぉ・もろっぺえええええ!?」
レッドは氷の拘束ごとバキバキに打ち据えられる。それは見るも無残に空中まで打ち上げたれ、最後は〝べしゃっ〟と地面に頭から突っ込み痙攣して動かくなる。
龍人の貴族らしいが、その姿は再度鼻を折られ、顔は原型をとどめないほどにボコボコにされ、誇りある角まで落とされ、最後は地面に顔から突っ込み尻を頂点にくの字に転がる。
その姿はあまりにも哀れであり、見るものは敵であっても涙するほど酷いものだった。
「うわぁ……あるじは本当に容赦がないワンねぇ……ぁ、ワレもあの時を思い出すとホロリとするワン」
「躾は厳しいほうでな。セリア傷は大丈夫か? もう治っているとは思うが」
「あ……あえ? あまりのことで呆けちゃった。あ、うん! 不思議なお薬のお陰で傷一つ無くなった……わよね? しかも折れてる所もそうだけど、皮を剥がされたところまで治ってるなんてすごい!!」
「まぁ特製でな? 多分ここらでは手に入らないほど貴重なものだと思うぜ?」
「そうなんだ……ナガレ。あの……ありがとうね……ナガレ私――」
『はいはい、それ以上くっつかないでくださいね!』
そう言うと、美琴は悲恋から抜け出し流の前に現れる。しかも幽霊なのに、顔を真っ赤にして頬を膨らませていた。
「煩い、イチイチ叫ぶな鬱陶しい。ワン太郎、首も動かないように固定してくれ。一気に斬り捨てる」
「わかったワ~ン。ほれぇ」
「ギイイイイイイッ!? つべだいいいい。どうして氷系最強の俺がああああ氷に閉ざされるなどおおお!?」
「本当に鬱陶しいやつだ。大体おかしいと思わないのか? アレだけの魔力を練っておいて、さっきの攻撃は何だ? お前はどこから来て何がしたいんだ? 本当にリザードマンのためにやっていたのか?」
「はぁ……? へぇ……と……? えぇぇと?」
「まぁいい。さっさとシネ」
「え、ちょ!? まってええええええええ!!」
流は美琴を納刀すると、少し腰を落としてアルギッドの露出してる部分へと狙いを定める。
泣き叫ぶアルギッドは一ミリも動くことができず、無様に口だけを動かす。
「さようならだ、アルギッド。あの世で喚いていろ……ジジイ流・抜刀術! 初型一閃!!」
流は妖気を纏う一閃を放つ。それは抜刀術において、型を極めるために流の祖父よりゲンコツを落とされながら学んだ基本型で、実に美しい光を引きながら『アルギッドの右角の付け根』に着斬する。
なんの抵抗もなく〝キィゥン〟と珍しい音がしたと思えば、断面は鏡のようになった美しい赤い角が地面へと転がる。
それが分かったアルギッドは泣き叫――。
「ギャアアアアアア俺の角がああああぁぁぁ…………あれ? な、何だ? 私は一体何をしているのだ? ここはどこだ? それよりなぜ氷で動けなく?? そこのお前! 助けろ!」
その様子にセリアを初め、騎士達や冒険者達も驚いて呆然と見守る。だが一番驚いているのは当の本人である、アルギッドだと言うのは間違いないだろう。
「やっと正気に戻ったか? 龍人が聞いて呆れる」
「ナガレ……これは一体どういう事なの?」
「セリアか。あぁ実はな――」
――先の龍人戦であった、ゾーランとの戦いの後で見つけた異常。気絶したゾーランと名乗った龍人の左角に違和感を感じ、鑑定眼で視てみる。
すると鉱物のような生物が角の中に入りこんでおり、それが脳の中まで細い何かを突き刺していた。
直接斬り捨てると残骸が残ると判断した流は、斬った瞬間に妖力で脳にダメージ与えないように、謎の鉱生物だけを滅する方法をとってみたら成功したと言う訳だった。
それには繊細な妖力の操作と、動かれたら失敗する可能性があったので、ワン太郎に押さえてもらう。
そしてその結果、アルギッドと呼ばれた何かはいなくなる。
「――と、言うわけだ。さてアルギッド……もとい、龍人の誰かさん。セリアたちにした事は覚えているな?」
「え? あ、ああ……そうだ! 私はレッド・フォン・ドラゴッドと申す。セリア……そうだ、セリア殿!! 申し訳なかった! その、体が勝手にあんな事を!! し、しかしそなたを嫁にと言った言葉は偽りはない! 本心なのだ!!」
「だ、そうが。セリアどうする?」
「いやよ!! 私はナガレが好きなの!! それに酷いことを色々しておいて、そんなの知りません!!」
「そ、そんなセリア殿!? 考え直してはくれまいか!!」
セリアは〝フンッ〟と顔をそむけると、苦々しくあたりを見回す。その意味を流は理解すると、次の行動へとうつる。
「まぁなんだ……レッド。ご要望どおりそこから出してやる」
「おお!! ありがたい。貴殿にも酷いことをしたと言うのに申し訳ない」
「いいさ、ただ――しっかりと罰は受けてもらうがな?」
瞬間高まる妖気。それを見たレッドは、寒さで青くなった顔をさらに青くして懇願する。
「ちょちょちょ、ちょっと待ったああああ!! ナガレ殿!! お待ちくだされ!!」
「散々暴れ、おいたが過ぎたな。詫びはこれに耐えたら聞いてやる。ジジイ流・活人術! 不殺七連斬!!」
流は刃を逆刃に持つと、妖気を込める。その状態で、本来業にない七連をレッドへと放つ。
レッドは甲高い声で「キャアアアアアアアア!!」と叫び、それが来るのをただ見ている事しかできない。
「キャアアアアやめ、ガェ・だヴぁ・おぺ・ヂョ・ダギャ・ヴぉ・もろっぺえええええ!?」
レッドは氷の拘束ごとバキバキに打ち据えられる。それは見るも無残に空中まで打ち上げたれ、最後は〝べしゃっ〟と地面に頭から突っ込み痙攣して動かくなる。
龍人の貴族らしいが、その姿は再度鼻を折られ、顔は原型をとどめないほどにボコボコにされ、誇りある角まで落とされ、最後は地面に顔から突っ込み尻を頂点にくの字に転がる。
その姿はあまりにも哀れであり、見るものは敵であっても涙するほど酷いものだった。
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「躾は厳しいほうでな。セリア傷は大丈夫か? もう治っているとは思うが」
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