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ダンジョン~〝戦極〟覚醒編
045:藁束
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◇◇◇
ライオスが帰ってから少しすると、彼の部下が細身の剣を持ってきた。
それを受け取った戦極は、さっそく馬小屋の外へといき使い心地を試す。
「へぇ~、それが変態さんが求めている剣なの?」
戦極が手にもつ細身の剣を、背後からのぞき見ながらフェリスは不思議そうに話す。
それもそうだろう。先日、戦極が昇司との模擬戦をしていたとき、その武器に魔力が流せなかった。
だから魔力の流せない武器は、壊れたり変形してしまう。
だがいま手に持っている武器は細身で反りがあり、とてもじゃないが耐久力があるとは思えなかったのだから。
「まあな、じゃあちょっと使ってみますかね。フェリス、そこの藁束を俺に向けて蹴り上げてくれよ」
「え? うん、わかった。じゃあいくよ~」
フェリスは直径五十センチほどの、縛った藁束を右前足で蹴り上げる。
放物線を描き、高さが四メートルほど上がった後に戦極へと向かう。
戦極までの距離、残り二メートル。
すでに抜刀してある細身の剣を、戦極は上段へと構えてその時を待つ。
残り一メートル。
間合いに入った藁束へ向けて、戦極は気合と共に縦に斬りつけた。
「ぬんッ!! ――ッ、やっぱこんなものかぁ」
藁束の中央へと戦極の剣は見事に命中。
だが、斬れたのは藁束の半分ほどであり、残りは斬れずに地面へと転がり落ちる。
それをしゃがみ込み、藁束の断面を見ている戦極へとフェリスは問う。
「凄いじゃない半分も斬れるなんて!」
「んんん。凄いか凄くないかで言えば、まったくダメだな」
「それ、凄いが入ってなくない? まぁいいけど。え~でも十分に斬れていると思うなぁ。もし一般兵が魔力を使って斬ってもその程度だよ?」
「一般兵の武力はそんなものなのか?」
「うん。総合的な力は変態さんよりも上だろうけれど、剣術の腕は魔法で底上げしても、藁束の半分も斬れないと思うよ」
戦極は「ふ~ん」と言うと、細身の剣を器用に振り回す。
そして剣舞に似た動きをして、フェリスを驚かした後にピタリと動きを止めた。
「あらおしまい? もっと見たかったのに」
「こいつはチョットした事をするための準備さ。よしこれなら何とかいけるか……フェリスもう一度頼む。今度は倍の太さのソイツがいいな」
戦極が指示した藁束。
それは先ほどの物より倍の太さがある藁束であった。
「え!? ちょっとまってよ。さっきの倍の藁束が斬れるわけがないじゃない」
「まぁそう思うのはムリはねぇよ。だから今、俺は剣舞をしたのさ」
「意味が分からないけれど……まぁいいわ、変態さんがそういうならいくよ?」
フェリスは訝しげに顔をしかめながら、先程の倍ある太さの藁束を蹴り上げるのだった。
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【あなた様に大感謝♪】
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それをしゃがみ込み、藁束の断面を見ている戦極へとフェリスは問う。
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「うん。総合的な力は変態さんよりも上だろうけれど、剣術の腕は魔法で底上げしても、藁束の半分も斬れないと思うよ」
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そして剣舞に似た動きをして、フェリスを驚かした後にピタリと動きを止めた。
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それは先ほどの物より倍の太さがある藁束であった。
「え!? ちょっとまってよ。さっきの倍の藁束が斬れるわけがないじゃない」
「まぁそう思うのはムリはねぇよ。だから今、俺は剣舞をしたのさ」
「意味が分からないけれど……まぁいいわ、変態さんがそういうならいくよ?」
フェリスは訝しげに顔をしかめながら、先程の倍ある太さの藁束を蹴り上げるのだった。
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