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第27話:魔族拷問
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《大賢者》レイチェル=ライザールへの復讐実行の夜。
逆にボクは拘束されてしまう。
「その【魔族拘束】と室内には、魔族の力を完全に封じ込める術式を展開してある。さぁ、私を楽しませてくれ!」
「くっ……」
不気味な笑みを浮かべている、レイチェル=ライザールの言葉は嘘ではない。
先ほどからボクは魔族として力を発動しようとしている。
だがピクりとも反応がない。
本当に魔族の力を封じ込められているのだ。
「では、もう一度、聞こう、ライン。貴様は一体“何者”だ? 勇者候補生のフリをして、何を目論んでいる?」
「さぁ、なんのことですか? 先ほども言いましたが、ボクは……んぐぐ⁉」
その時だった。
焼けるような激痛が、背中に走る。
普通の痛みではない。思わず叫び声を出してしまいそうになる。
「ほほう? よく、今のに耐え切れたな、ライン? 褒めてやろう! これは“悪魔閂”さ。通常の十倍の激痛が走る、私の自信作さ!」
レイチェル=ライザールは自慢げに、拷問器具を見せてくる。
南京錠タイプの拷問器具で、それをボクの背中に“強引に刺した”のだ。
くっ……こいつは本当の狂気の勇者だ。
「あら? もしかしたら生爪を剥いだり、焼いた鉄の棒を押し付けされたり……そんな“普通の拷問”を想像していたのかしら、ライン? あんなのは平凡な豚が行う拷問! アタシの芸術品とは比べてないで欲しいわ!」
レイチェル=ライザールの表情が段々と、狂気に染まっていく。
まるで芸術家のように拷問器具を、見せびらかせてくる。
「お、お前は今まで、色んな魔族に、こうして拷問を加えてきたのか? 自分の趣味のため?」
「あら? ちゃんと口を開くようになったのね、ライン? そうよ。アタシは勇者という便利で、最高な地位を手にして、実に合法的に魔族に拷問を加えてきたのよ!」
レイチェル=ライザールは自慢げに、自分の功績を語ってきた。
人類を守るために、魔族を討伐の日々。
その中でも自分の好ましい魔族は、生かしたまま捕獲。
殺さないように一人で、じっくりと拷問を加えてきたと。
それが死んでしまったら、勇者としてまた違う魔族を狩りに向かう。
時には親子の魔族を捕まえて、同時に拷問をかけたこともあると。
泣き叫ぶ母親の前で、子どもの魔族にじっくりと拷問していく。
両方の反応を、楽しんでいたと。
今まで拷問してきた魔族は、かるく二百体は越えると語ってきた。
「あっはっはっは! まったく勇者という職務は、本当に最高よね! 魔族を狩っていくだけで、こんなにも称賛を浴びられるのだから!」
各国の市民はレイチェル=ライザールを、《大賢者》として称えていた。
もちろんコイツの本当の狂気の姿を知らずにだ。
「ああ……でも中には、つまらない魔族もいたわね。特に七年前の山奥にいた、魔族の王女は拷問にも反応しなくて、最悪だったわね」
「ま、魔族の王女だと……?」
間違いない。母さんのことだ。
そうか……母さんの死体にあった拷問器具は、こいつが行った形跡だったのか!
「あら? 表情が変わったわね、ライン? もしかしたら、あの魔族の王女と知りだったの? いいわ。それなら詳しく話してあげるわ。彼女を可愛がった方法をね! あっ、でも大丈夫。ラインも可愛がってあげるから!」
話をしながら、動けないボクに対して、更に拷問を加えてきた。
拷問を加えながら、レイチェル=ライザールの口から出てきた言葉は、ボクには聞くに耐えない内容だった。
……まずは勇者六人がかりで、抵抗する母さんの手足を削いでいく。
……動けなくなった所で、この【魔族拘束】で母さんの魔力を封印。
……レイチェルは母さんの手足をまた回復魔法で繋げ、拷問を開始していった。
……手足の指を一本づづ。顔や全身の急所を、殺さないように激痛を倍増させながら、拷問を加えていく。
……母さんが死にそうになったら、まだ回復させて、新たな拷問を加えていく。
……最終的には死ぬよりも辛い時間を、母さんに与えていたのだ。
「アレは本当に楽しかったわ。まぁ、でもあのメス魔族は、最後まで口を割らなかったから、成果は無かったけど。それに途中で悲鳴も一度も上げなかったわね。きっと“不感症女”だったのね、あのメスは! あっはっはっは……!」
全てを話終わり、レイチェル=ライザールは下品な笑い声を上げる。
コイツにとって拷問は、情報を聞きだす行為ではない。
自分の欲望を満足させための、卑劣で野蛮な遊びなのだ。
(そうか……でも、母さんは、最後まで屈しなかったのか……)
レイチェル=ライザールからの拷問を受けながら、ボクは母さんのことを想う。
悔しいけどレイチェル=ライザールからの拷問は、想像以上に苦しい。
でも母さんはこの拷問に対して、一度も悲鳴を上げていなかったという。
仲間の居場所や、ボクの存在を言わずに、最後まで誇りを持って、散っていったのだ。
最低ゲスなレイチェル=ライザールの話の中で、それだがボクにとって唯一の宝物の収穫だった。
「あら? 急に元気がなくなったわね、ライン? もしかして、もうギブアップかしら? でも、まだ早いわよ! 死ぬ前に、アタナには“別の役割”もあるのよ!」
度重なる拷問器具で、ボクの全身はボロボロになっていた。
だがレイチェル=ライザールは意味深な笑みを浮かべている。
拘束具をつけたまのボクを、強引に床に押し倒す。
そしてレイチェル=ライザールはミニスカートの下の、自分の黒い下着を脱ぐ。
「あなたがどんな種類の魔族かは分からないけど、オスなのは間違いないわね。だからラインの魔族の力を、吸収させてもらうわ!」
信じられない事実だった。
レイチェル=ライザールは動けないボクと、性行為に及ぼうとしていたのだ。
ああ……なるほど、そういうことか。
コイツが魔族の力を使えた理由が、なんとなく分かった。
原理は不明だが、今までもオスの魔族の力を、こうして吸収してきたのだろう。
表では『魔族を滅ぶす!』と言っておきながら、自分の興味本位だけで外道の研究を行っていたのだ。
「下の元気がなくても大丈夫よ、ライン。この注射を打てば、たちまちアナタは絶倫に状態になるから! それにアタシの方で“動いて”、ラインを絶頂にしてあげるわ!」
もはやレイチェル=ライザールは正気を失っていた。
光悦な表情を浮かべならが、注射器を取り出す。
こいつにとっては魔族のオスは、種馬以下の存在なのだ。
「くっくっく……笑うのを抑えるのが、もう限界だ、ボクは」
人として、あまりのゲスな行為。
素の声でボクは笑ってしまう。
「あら? 元気がまだあったのね、ライン? もしかしたら“奥の手”を隠しているの? でも無駄よ。あなたを刺してある拷問器具にも、魔族封じの力もあるのよ! だから奥の手ですら、出すのは不可能なのよ!」
ボクの余裕の反応にも、レイチェル=ライザールは動じない。
全ての魔族の力に対して、対応は完璧な自負があるのだ。
「いや、キサマの言うとおり、“このボク”は限界だ。もうすぐ活動停止を迎えるだろう」
「ん? どういう意味だ⁉」
「無能なキマサに説明しても、時間の無駄だろう。教えてやる、あっちを見てみろ」
ボクが指差したのは、研究室の入り口。
そこに立っていたのは“黒髪の制服姿の候補生”だ。
「あ、あれは……ライン⁉ なぜ二人いる⁉ 勇者魔法で調べても、お前は間違いなく、ライン一回生だったはずなのに⁉」
まさか現象に、レイチェル=ライザールは言葉を失っていた。
アホな顔で二人のボクを見回している。
「では種明かしといこうか、レイチェル先生?」
こうして狂気の大賢者を罠にはめたボクは、逆襲に移るのであった。
逆にボクは拘束されてしまう。
「その【魔族拘束】と室内には、魔族の力を完全に封じ込める術式を展開してある。さぁ、私を楽しませてくれ!」
「くっ……」
不気味な笑みを浮かべている、レイチェル=ライザールの言葉は嘘ではない。
先ほどからボクは魔族として力を発動しようとしている。
だがピクりとも反応がない。
本当に魔族の力を封じ込められているのだ。
「では、もう一度、聞こう、ライン。貴様は一体“何者”だ? 勇者候補生のフリをして、何を目論んでいる?」
「さぁ、なんのことですか? 先ほども言いましたが、ボクは……んぐぐ⁉」
その時だった。
焼けるような激痛が、背中に走る。
普通の痛みではない。思わず叫び声を出してしまいそうになる。
「ほほう? よく、今のに耐え切れたな、ライン? 褒めてやろう! これは“悪魔閂”さ。通常の十倍の激痛が走る、私の自信作さ!」
レイチェル=ライザールは自慢げに、拷問器具を見せてくる。
南京錠タイプの拷問器具で、それをボクの背中に“強引に刺した”のだ。
くっ……こいつは本当の狂気の勇者だ。
「あら? もしかしたら生爪を剥いだり、焼いた鉄の棒を押し付けされたり……そんな“普通の拷問”を想像していたのかしら、ライン? あんなのは平凡な豚が行う拷問! アタシの芸術品とは比べてないで欲しいわ!」
レイチェル=ライザールの表情が段々と、狂気に染まっていく。
まるで芸術家のように拷問器具を、見せびらかせてくる。
「お、お前は今まで、色んな魔族に、こうして拷問を加えてきたのか? 自分の趣味のため?」
「あら? ちゃんと口を開くようになったのね、ライン? そうよ。アタシは勇者という便利で、最高な地位を手にして、実に合法的に魔族に拷問を加えてきたのよ!」
レイチェル=ライザールは自慢げに、自分の功績を語ってきた。
人類を守るために、魔族を討伐の日々。
その中でも自分の好ましい魔族は、生かしたまま捕獲。
殺さないように一人で、じっくりと拷問を加えてきたと。
それが死んでしまったら、勇者としてまた違う魔族を狩りに向かう。
時には親子の魔族を捕まえて、同時に拷問をかけたこともあると。
泣き叫ぶ母親の前で、子どもの魔族にじっくりと拷問していく。
両方の反応を、楽しんでいたと。
今まで拷問してきた魔族は、かるく二百体は越えると語ってきた。
「あっはっはっは! まったく勇者という職務は、本当に最高よね! 魔族を狩っていくだけで、こんなにも称賛を浴びられるのだから!」
各国の市民はレイチェル=ライザールを、《大賢者》として称えていた。
もちろんコイツの本当の狂気の姿を知らずにだ。
「ああ……でも中には、つまらない魔族もいたわね。特に七年前の山奥にいた、魔族の王女は拷問にも反応しなくて、最悪だったわね」
「ま、魔族の王女だと……?」
間違いない。母さんのことだ。
そうか……母さんの死体にあった拷問器具は、こいつが行った形跡だったのか!
「あら? 表情が変わったわね、ライン? もしかしたら、あの魔族の王女と知りだったの? いいわ。それなら詳しく話してあげるわ。彼女を可愛がった方法をね! あっ、でも大丈夫。ラインも可愛がってあげるから!」
話をしながら、動けないボクに対して、更に拷問を加えてきた。
拷問を加えながら、レイチェル=ライザールの口から出てきた言葉は、ボクには聞くに耐えない内容だった。
……まずは勇者六人がかりで、抵抗する母さんの手足を削いでいく。
……動けなくなった所で、この【魔族拘束】で母さんの魔力を封印。
……レイチェルは母さんの手足をまた回復魔法で繋げ、拷問を開始していった。
……手足の指を一本づづ。顔や全身の急所を、殺さないように激痛を倍増させながら、拷問を加えていく。
……母さんが死にそうになったら、まだ回復させて、新たな拷問を加えていく。
……最終的には死ぬよりも辛い時間を、母さんに与えていたのだ。
「アレは本当に楽しかったわ。まぁ、でもあのメス魔族は、最後まで口を割らなかったから、成果は無かったけど。それに途中で悲鳴も一度も上げなかったわね。きっと“不感症女”だったのね、あのメスは! あっはっはっは……!」
全てを話終わり、レイチェル=ライザールは下品な笑い声を上げる。
コイツにとって拷問は、情報を聞きだす行為ではない。
自分の欲望を満足させための、卑劣で野蛮な遊びなのだ。
(そうか……でも、母さんは、最後まで屈しなかったのか……)
レイチェル=ライザールからの拷問を受けながら、ボクは母さんのことを想う。
悔しいけどレイチェル=ライザールからの拷問は、想像以上に苦しい。
でも母さんはこの拷問に対して、一度も悲鳴を上げていなかったという。
仲間の居場所や、ボクの存在を言わずに、最後まで誇りを持って、散っていったのだ。
最低ゲスなレイチェル=ライザールの話の中で、それだがボクにとって唯一の宝物の収穫だった。
「あら? 急に元気がなくなったわね、ライン? もしかして、もうギブアップかしら? でも、まだ早いわよ! 死ぬ前に、アタナには“別の役割”もあるのよ!」
度重なる拷問器具で、ボクの全身はボロボロになっていた。
だがレイチェル=ライザールは意味深な笑みを浮かべている。
拘束具をつけたまのボクを、強引に床に押し倒す。
そしてレイチェル=ライザールはミニスカートの下の、自分の黒い下着を脱ぐ。
「あなたがどんな種類の魔族かは分からないけど、オスなのは間違いないわね。だからラインの魔族の力を、吸収させてもらうわ!」
信じられない事実だった。
レイチェル=ライザールは動けないボクと、性行為に及ぼうとしていたのだ。
ああ……なるほど、そういうことか。
コイツが魔族の力を使えた理由が、なんとなく分かった。
原理は不明だが、今までもオスの魔族の力を、こうして吸収してきたのだろう。
表では『魔族を滅ぶす!』と言っておきながら、自分の興味本位だけで外道の研究を行っていたのだ。
「下の元気がなくても大丈夫よ、ライン。この注射を打てば、たちまちアナタは絶倫に状態になるから! それにアタシの方で“動いて”、ラインを絶頂にしてあげるわ!」
もはやレイチェル=ライザールは正気を失っていた。
光悦な表情を浮かべならが、注射器を取り出す。
こいつにとっては魔族のオスは、種馬以下の存在なのだ。
「くっくっく……笑うのを抑えるのが、もう限界だ、ボクは」
人として、あまりのゲスな行為。
素の声でボクは笑ってしまう。
「あら? 元気がまだあったのね、ライン? もしかしたら“奥の手”を隠しているの? でも無駄よ。あなたを刺してある拷問器具にも、魔族封じの力もあるのよ! だから奥の手ですら、出すのは不可能なのよ!」
ボクの余裕の反応にも、レイチェル=ライザールは動じない。
全ての魔族の力に対して、対応は完璧な自負があるのだ。
「いや、キサマの言うとおり、“このボク”は限界だ。もうすぐ活動停止を迎えるだろう」
「ん? どういう意味だ⁉」
「無能なキマサに説明しても、時間の無駄だろう。教えてやる、あっちを見てみろ」
ボクが指差したのは、研究室の入り口。
そこに立っていたのは“黒髪の制服姿の候補生”だ。
「あ、あれは……ライン⁉ なぜ二人いる⁉ 勇者魔法で調べても、お前は間違いなく、ライン一回生だったはずなのに⁉」
まさか現象に、レイチェル=ライザールは言葉を失っていた。
アホな顔で二人のボクを見回している。
「では種明かしといこうか、レイチェル先生?」
こうして狂気の大賢者を罠にはめたボクは、逆襲に移るのであった。
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