ゲーム内転生!? ってこれ、俺が大好きなギャルゲーじゃん!!※実は違います

鍋田二世

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第1章 出会いと修行編

ヒロイン

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「大広間、大広間っと」

 部屋を飛び出した俺はゲームでの知識を頼りにこの屋敷の大広間へと向かう。
 確かゲームだとテリドの家に主人公が乗り込んで宣戦布告をするシーンがあるんだよなぁ。
 あそこは主人公の決意とメイナちゃんが大事なことに気づかれされてハッとするシーンがマジで秀逸なんだよなぁ。
 そこで確か大広間までの道が描かれていた。
 だからこの道で合ってるはず……。

「ここだ」

 ゲームで何度も見た風景。ここは製作陣としても本気だったらしくいつも以上に丁寧に描かれていて印象的なんだよなぁ。カメラとかあったら絶対撮るんだが……。

「まぁ、いいや。中に入ろう」

 コンコンコン。ノックをする。

「大丈夫ですよ」

 大広間からメイナちゃんと思わしき声が聞こえてくる。…………。

「中に入ろう」

 …………。

「あ、あのー入られないんですか?」
「えっ、あっ入るぞ。入るに決まってる!」

 突如として後ろにいた使用人だと思われる人に声をかけられ俺は思わずビクッとする。

「うん、じゃあ行くから」
「はい」

 …………。

「……入らないんですか?」
「入る、入るから!」
「その割にはさっきから足が全く動いていないのですが……もしかして体調が悪いのですか? だとしたら無理をする必要は……」

 使用人に心配されてしまうが本当に違うのだ。ただ、足が動かない。この扉の向こうにはメイナちゃんがいる、そう思うと緊張して固まってしまうのだ。

「も、もしかしてテリド様……相手が女の子だからって緊張してらっしゃいますか?」
「ち、違う!」
「そ、そうなんですね。(こんなに必死に否定して……もしかしてテリド様って実は可愛い? そういえば今日は全然あたりが強くないような?)」

 確かに前世で女性と全く話してこなかったからそれもあるかもだがそれを認めるのはしゃくであった。

「じゃ、じゃあ入るから」
「はい(耳まで真っ赤にしてやっぱり可愛いですね)」
「そこ、ニヤニヤするなっ!」
「はいはい」

 俺がそう言うが使用人の表情は全く変わらない。くっそ、この視線に耐えきれん。
 俺はやけっぱちでメイナちゃんが待つ大広間への扉を開けるとそこには……。

「大変失礼しております。テリー男爵家長女メイナ・テリーと申します」
「天使……」

 そうまさしくそこには天使がいた。艶やかな銀髪の髪を肩までチョコンと伸ばし、整った顔立ちでありながら8歳ということもあり子供っぽい可愛いらしさも同時に感じる。
 そして小ちゃい!!
  いや、多分はたから見たら俺もちっさいのだろうがそれにしても小ちゃい。
 しかし本人はクールさをアピールしておりそこも大変に萌えるという最強さを持ち合わせていた。

 ヒロインは小ちゃい頃からヒロインというわけか……。

「ま、まさかテリド様ご本人がお出迎えさせてもらうとはつゆ知らず……失礼でしたらごめんなさい」

 俺の登場を予想していなかったのかメイナちゃんは少しおかしなことを言う。……多分、これ相当慌ててるな。落ち着かせるか。

「落ち着いて。あと俺のことはテリドって呼び捨てにしていいし、敬語とかも使わなくていいから」
「……いえそういうわけには」

 落ち着かせるついでに仲を深めようと提案するがアッサリと拒否られてしまう。

「テリドである俺本人が言っているんだから大丈夫だよ。というか君が……メイナちゃんが普段人と話す感じで普通に接して欲しいんだ」

 しかしそこで諦めるような俺ではない。勿論、俺がメイナちゃんと仲良くなりたいってのもある。でもそれ以上にメイナちゃんはさっきから窮屈そうだ。

 そもそも俺を本当の意味で見ていない。俺と目を合わせていても目の奥はどこか違うところを見ている気がしてならない。

 ゲームをしていた時はテリドのせいで登場時は暗く冷たいのだと思っていたのだがどうやらそうではないらしい。少しずつの積み重ね。そんな気がした、とても8歳の女の子がしてはいけない目をしている。
 なににも興味がない。絶望に慣れきった目だ。

 でも、俺はそんなこと許さない。これに関してはヒロインとかそうとか関係ない。俺がただ純粋に8歳の女の子がこんな表情をしているのが嫌だった。

「……テリド様、本当によろしいのですか?」
「様も敬語もいらないよ」
「……テリドさ……テリド、君は変わってますね」

 俺の譲らないという意思を感じとったのかメイナちゃんは観念したように少しため息をつく。やっぱり相当きつかったんだろうな、敬語とか。しかしまだメイナちゃんはクールな顔は崩さない。

「おう、ってわけでよろしくな」
「……本当に変わってますね」

 俺が出来る限りの笑顔で笑いかけるとメイナちゃんは少し戸惑っていた。

「それで私がここに訪れたわけなんだけど……」
「わざわざ出迎えてくれるかも分からない奴の為に挨拶に来てくれたんだろ? わざわざすまんな」
「そ、そんなことは……」

 目の前のメイナちゃんが手足をばたつかせて慌てる。あっ、可愛い。本人がなんとか冷静な顔を保とうしている辺りが余計にその可愛さを加速させている。

「そ、それでだなわざわざ来てくれたわけだし話でもしたいと思うのだが……その前に1つだけ頼まれてくれないか?」
「なんでも構わないですよ」
「そうか……なら」

 俺は震える手を必死に抑え頭を下げて手を差し出した。

「あ、あ、あ、握手をしてくださいませんか!」
「へっ?」

 目の前でメイナちゃんの今までからは考えられないほどの間抜けな声が漏れる。
 そしてしばらくした後、俺の手にギュッと小さく柔らかな感触が伝わってきた。

「えっ?」

 俺が慌てて顔を上げるとこれまでクール一辺倒で、俺と目を合わせていても目の奥はどこを見ているのか分からなかったメイナちゃんが初めて笑顔で俺の目の前に立っていた。

「本当に君は……変わってますね」
「ッッッッ!!??」

 そしてそれはとても無邪気な笑顔で俺にだけ向けられていた。その笑顔はとても魅力的でそれでいて可愛らしい。
 あっ、これアカン奴だ。尊すぎて浄化されてしまう。

「フフ、君照れてるんですか?」
「なっ//」

 そして俺が顔を自分でも分かるくらい赤くしてそれをなんとか隠そうと手で顔を覆っていると、目の前にメイナちゃんの顔面が現れた。

 少し口元は笑っておりいたずらっ子のように大きく透き通るような水色の目を輝かせるとニヤニヤしながら俺を見ている。
 そして俺は思う。

 8歳にして男心を捕まえるこの可愛さ。メイナちゃんのヒロイン力がやばすぎる。
 そして、そんな状況で気でも動転していたのだろうか?

「俺と結婚してくれ」
「へっ? へぇぇぇええ!!!!??」

 気づけばこんなことを口走っていた。



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