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第四章 囚われし呪詛村の祟り編

208話

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「そう言う事ですか――」
「何か?」
「いえ。何でもありません」

 一人納得したかのような呟きをしたパンドーラは、口を開くと――。

「それで、これから、どうしますか?」
「ここに純也なる者を連れてくることは可能なのか? 桂木優斗」
「たぶん警察関係者に保護はされていると思うが……」
「桂木優斗、汝はお上と繋がりを作っておったのか?」
「お上って、何時の時代の話し方だ……」
「テレビなどでよくやっておるだろう?」
「あー、時代劇を見ていたのか」
「うむ。中々、面白い見世物であったな」
「とりあえず警察と言ってくれ。とにかく警察に保護をされていると思う」
「思うとは、お主らしくない」
「無理を言わないでくれ。さすがに、何も解決してない状態で警察と連絡を取るほど、俺は身境ない人間ではないからな。日本の警察は優秀だ。しかも、多くの死者を出したエルピスの箱庭の暴走に関わる件に関しては、相当、神経質になっているはずだからな。そもそも、俺を試すために、エルピスの箱庭なんて使う時点で頭がおかしいとしか――」
「だが、それを拡大させたのは主なのでは?」
「そもそもエルピスの箱庭を使わなければ何も起きなかっただろうに。責任転嫁も甚だしいぞ」
「要因と原因は別と言ったところかの」
「はぁー。とりあえずだ。今後のことを考えて、お前達のことは日本政府には秘密にしておくことがベストだと俺は思っているから、余計なことはしないでくれ」
「そうですね。私を利用していた十字軍の総本山とも言えるバチカンには、私も関係を持ちたくありませんし……。世界の改変を行える力は、人では持て余しますから」
「そうであるな。黄泉の国への行き来が出来ないからこそ人間は生と死を尊ぶことができるのだからな」
「そう考えると、二人とも能力的にはチートだよな」
「お主だけには言われたくないと思うがの」
「私も、それは思います。普通の人間があれほどの力を有しているなんて、普通は考えらえません。一体、桂木優斗さんは、どうやって、それだけの力を――」
「ん? 修行」
「修行って……」
「内容を教える訳にはいかないな。冒険者として――」
「そういえば、主は何か事あるごとに冒険者と名乗っているが、何か理屈というか意味があるのか?」
「質問は受け付けない」
「秘密主義であるな」
「他人に教える必要がないだけだ」

 俺は肩を竦める。
 そして、最初から俺が答えるとは思っていない伊邪那美は、眉一つ動かさずジュースの口にする。

「あの、それで私は、どうすれば……」
「とりあえず、ここに居てくれ。純也は俺が連れてくる」
「警察関係者に見つかると言う事はないかの?」
「そのへんは、何とかする」

 乗り物や幹線道路を使わなければ追ってくる事は出来ないだろうからな。

 
 
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