獣人の番!?匂いだけで求められたくない!〜薬師(調香師)の逃亡〜【本編完結】

ドール

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28.説明

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 あの後、ゾディアス様は父に自分から、こうなった経緯を説明すると言ってくれた。だが、全てを赤裸々に話されては恥ずかしすぎるため、自分で話すと断わっているのだが・・・もめていた。

「君の父親には私から話をしよう」


「父には自分から話をしますから、大丈夫ですッ。何度も言わせないで下さい」

 
「いや、言いにくい内容だろうし、この様な事になった責任はこちらにある。だから遠慮しなくていい・・・」


「だから、遠慮とかではなくてッ」
 ゾディアス様がこのように頑固だとは思わず、はっきりと言ってやろうと意気込んだ。



「こんな所で何を揉めているんだい・・・。リンジー、どうして副長とこんな所に?」
 ゾディアス様と意見が一致しないまま、揉めていると父が来てしまった。
 どうやら、なかなか戻ってこないゾディアス様を探しに来た様だった。


「ちょうどよかった。話がある」
 ゾディアス様はリンジェーラが止めるのも聞かず、父に話をし始めてしまったため、リンジェーラは耳をふざいで、羞恥に耐えた。


 話が終わったのか、父が眉間に皺を寄せて合図してきた。

「リンジー、耳を塞いでいたら、彼が言っている事が本当かわからないだろう・・・。リンジーからも聞きたいから、うちに帰って話をしよう」
 父はリンジェーラに提案してきた。だが、ゾディアス様も一緒にと言われる。これからのことを話すらしい・・・。


「ついでにどれだけ、薬が持続するのか知りたいからね。まだ飲んで3時間くらいか・・・、おそらくは9時間くらいは持つ予定の調合だけど、ちゃんと時間が持続するかをね」
 リンジェーラは、本当にそれはついでなのかと思った。今は昼近くだから帰って食事をし終われば、薬の効果は切れるだろう。

 嗅覚だけ機能しないだけで、味覚は保たれるから味はある程度わかるだろうが・・・、やはり嗅覚、味覚があわされなくては食事は美味しくは感じないだろうなと考えていた。


 リンジェーラが違うことを考えているうちに、父達は話がすんだのか、ゾディアス様はもう背を向けていた。

 父に促されて調合室の個人部屋に通される。


「彼が起点を利かせてくれたのはいいが・・・。問題はこれからの人間関係だな。リンジーにとって、ここへは来づらくなるかもしれないよ。獣人を寄せ付けないことで、周りからの信頼があったから・・・だがそれが覆されたとなれば、リンジーに悪意をぶつけるものもでてくるだろう・・・」
 父はリンジェーラを心配して、これから予想される悪い流れも話してくれる。

「そうですね・・・師団長には今のうちに説明をしてきます。彼らから身を守るためでしたが、今度は違う方達から悪意を向けられと思うと・・・恐ろしいですね」


「まぁ・・・普段関わっているうちの薬師達なら、非難したりはしないだろう」
 薬師達とは普段から、軽口も言い合え、研究で意見も出し合うほど良好な関係を築いていた・・・。だからそこの不安はない・・・どちらかといえば、騎士団のメンバーにまとわりついている女性達からの妬みが凄いと予想された。


「はい。では、師団長に説明に行ってきます」
 リンジェーラは、これから流される悪い噂に、ため息をつくのだった。


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