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159話 任侠団体アイヴィナーゼ
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「こちらです」
初顔のメイドさんに案内された扉の前では、2人の屈強な騎士が立っていた。
「陛下が中でお待ちです」
1人の騎士がそう言うと、もう1人の騎士が扉を開けたのでその横を通る。
2人ともジョブがバトルマスターかよ、ちょっとアイヴィナーゼの戦力舐めてたかも……。
案外モーディーンさん並みの使い手かもと警戒しつつ入ったのは20X30程の広い部屋で、そのど真ん中には大きな長テーブルが置かれていた。
上座にはグレアム陛下が鎮座し、その左となりの席には先程小突き合ったマクシミリアン将軍とセドリック大臣、そしてバクストン近衛騎士団副団長が肩を並べていた。
よく見たら副団長って28なんだ、若いなぁ。
4つしか変わらないけど。
「お待ちしておりましたわ♪」
セドリック大臣の正面には向かい合う形だったクラウディアが立ち上がり、明るい笑顔を浮かべながら寄って来なり俺の手を引き国王の右となり、マクシミリアン将軍の真正面の席に案内された。
こうして出来上がったのが、893の圧迫面接な絵面であった。
これで国王の背後の壁に、ものすごい達筆で〈 任 侠 道 〉と書かれた額縁入りの書が飾られていたら完璧だな。
よりにもよってここに座らせるのか……。
だがここで180度回頭なんてみっともない真似も出来ず、渋々ながら席に着くと、クラウディアが自分が座っていた椅子を態々密着するような至近に置いて座る。
王女の行動に対する疑問とこれから起こることへの不安をひた隠し正面を向くと、アイヴィナーゼ組の親分もとい、グレアム国王と視線が交わる。
「先程はすまなかったな。臣下達の手前、ああいった態度をせんと示しが付かんのだ」
グレアム陛下が開口一番、予想外にも謝罪から入った。
謁見の間で見せた横柄を通り越して聖帝様だった態度はどこへやら、穏やかながら力強い口調で、強面だが気さくな印象のおっさんに変貌していた。
それならばと、こちらも先程までの尊大な態度を改める。
「こちらこそ、先程は失礼な態度をとってしまい申し訳ありませんでした」
「気にするな。その方も侮られまいと行ったことであろう」
「えぇ、下手に出たばかりに、どこかのバカに酷い目に遭わされましたから……」
「その件も含めて償いはするつもりだ、許せ」
俺がぐんにょりした気持ちで自虐気味に話すと、それを嫌味と捉えたのか、口調こそ尊大ではあるが国王自ら謝罪してきた。
思ってた以上に話の分かりそうな人である。
見た目がヤクザなのに変わりはないけど。
安堵する俺を横目に、してやったりといたずらっ子の笑みを浮かべるクラウディア。
わかっていてアウグスト邸であんな話しをしていたのなら、彼女も十分タヌキの類である。
そこで玉座の間でのことを思い出す。
アウグストに決闘を申し込み、奴を殺したところで奴隷達はアウグストの所有物のままだ。
その後は国の預かりになるかもしれないし、奴に親類縁者が居れば遺産相続という形で持っていかれている可能性だってある。
魔族の子らに関しては、アウグストの持っていた魔族の奴隷所持許可証の無い家に遺産相続として連れて行かせる訳にもいかず、下手したら殺処分の流れになっていたかもしれないし、ジャンは間違いなく奴隷のままだった。
それをアウグストに奴隷放棄の流れに持って行かせたのは他の誰でもなくグレアム国王だ。
もしかするとあれは償いの一環だったのかもしれない。
「――いえ、単なる愚痴なので、あまり深刻に捉えないでください。それに償いですが、謁見の間で口添え頂けただけでも十分過ぎるくらいです」
「ほぅ……」
「はて、なんのことだ?」
老将軍から唸りが漏れ、すっとぼける国王の口元に一瞬だが笑みらしきものが浮かんだ。
なにその態度、滅茶苦茶かっこいい。
モーディーンさんやフリッツもかっこいいし、リベクさんやジスタさんもちゃんと大人している。
この世界はかっこいい大人多すぎ問題。
……年齢的には一応俺も大人のはずなんだけどなぁ(遠い目)
そこにインテリヤクザな見た目のセドリック大臣が口を開く。
「では建設的な話し合いに移りましょうか」
「うむ」
「お願いします」
「現在、我が国を取り巻く状況ですが、極めて深刻な事態と言わざるを得ません」
セドリック大臣がそう告げると、俺が危険視していたウィッシュタニアやバラドリンドがアイヴィナーゼに攻め込んでくる可能性に言及した。
バラドリンドにはニセの情報を流していたのだ、やはりそれくらいは見越していたか。
「勇者の居ない我が国では、兵の質に差が出ることは否めませんな」
「おまけに急な徴兵で財政は火の車、兵は練度不足の烏合の衆、呼び出した勇者とアウグストがあれでは騎士や兵達の士気は下落。挙句は勝手に自滅と来たものだ」
「金は戦時国債でなんとかなるが、兵の練度に勇者の不在はいかんともしがたいぞ。自国だけでもこれだけの問題を抱えておる」
大臣の深刻発言がいかに深刻かを、国王が伸びをし組んだ手を後頭部に回して椅子の背にもたれかかりながら述べると、将軍が頬杖をついてやる気無さげに上げ連らねる。
言っていることは現状の問題点の洗い出し。
一国の首脳陣に因る真面目な話し合いの筈が、2人の唐突にだらけ切った態度のせいで、脳内で「おう、最近不景気やのう。なんぞ良え仕事は無いんか?」とか雑談してるヤクザの会話風景にしか見えない。
「はぁ、せめて勇者に対抗できる戦闘力を有した者が居てくれたなら、交渉においても力になるのだが」
「だのう」
国王と老将が揃ってぼやきながら、チラチラと視線を向けてくる。
〝お前がその役割を担え〟感が激しくうざいが、アイヴィナーゼの勇者を殺した手前、無下に突っぱねて良いのか反応に困る。
「ご安心ください、アイヴィナーゼが専守防衛の姿勢を貫くのであれば、トシオ様がお力添えをしてくださるそうです」
「なに、それは真かクラウディア?」
「はい、言質は頂いておりますわ」
「今の我々にはなんとも心強い話しですな」
「まったくよのう」
4人が白々しい茶番を演じ、揃ってこちらに熱い視線を注いでくる。
侵略戦争に向かわないのであれば手助けするつもりだったので別に良いんだけど、上手く乗せられている感が否めないので気持ち的にはもやもやする。
だがこちらも聖人君子ではないので慈善事業なんてする気はない。
受ける以上は報酬や利益が欲しいところだ。
「……ただし、条件がありますけどね」
前置きを入れ、国内の施設(冒険者ギルドや治療院など)や領主に便宜を図る旨を記した指示書と、アイヴィナーゼが保有する戦闘に使えそうなアイテムや報酬を要求する。
「それと、わたくしとの婚姻ですわ!」
要求を言い終えたところで、クラウディアが眩しいまでの笑みと共に力強く断言し、右腕に絡み着く。
そして豊満な胸を押し当ててきた。
その生き生きとした表情に、不覚にも少し可愛いと思ってしまった。
「……望んでないものを勝手に付け足さないでくれる?」
「あのようなことを言われて貴方を手放す女がどこに居りましょう。わたくしは必ず貴方と添い遂げます!」
あのようなことってなんだ?
てか人前でオパーイを押し当ててくるのホントやめて欲しい。
しっかし、これだけ面と向かって拒否ってもまだしつこく付きまとってくるのだから正直面倒くさい。
一体どこで間違ったんだか。
「わたくしに迫られてその珍妙な顔とはどういうことですの? 先刻も申しましたが、わたくしはアイヴィナーゼの至宝とまでうたわれ、近隣諸国でも美姫として名を馳せるクラウディア・アイヴィナーゼですよ? 聞いてらっしゃいますのトシオ様?」
「うんうん聞いてる聞いてる。だからこんな大勢の前で辱めるのホントやめて。あと近隣に限らずこの世で一番美しいのはうちのリシアだから。あの美貌に垂れ猫耳とふっさふさの尻尾が生えた生き物こそ、神が生み出した至高の芸術だ」
それにクラウディア以上に魅力的な女性なら家にはあと11人も居るため、彼女が付け入るスキなどありはしない。
さっきから彼女が妙に可愛く見えるのは気の迷いに他ならない。
「確かにあの方も美しいとは思いますが、わたくしだって決して負けてはおりません!」
王女が謎の強気と共に腕に力を込め、より強く縋りつき、その大きな胸に俺の腕が埋没する。
馬鹿な、リシアを目にしてその美しさを理解していながらまだ抗うと言うのか!?
こいつぁとんだ強心臓の持ち主だぜ……!
「ごほん、話を戻しても?」
セドリック大臣のわざとらしく咳払いに、俺とクラウディアが揃って姿勢を正す。
「力を貸してもらえるのであれば、それらの要求は飲ませてもらうつもりだ」
「ただ、自分の立ち位置はあくまでも戦争行為に対する抵抗ですので、一方的にアイヴィナーゼの味方ではないということだけを忘れないでください」
国家なんぞに利用されるのもまっぴらなので、国王に釘を刺す。
「では、トシオ殿にはウィッシュタニアの勇者の押さえて貰い、余裕があれば侵略軍への遊撃と言う形で御助力頂くというのはどうでしょうか?」
「それならば互いに過干渉になることも無い、か」
「丁度よい落としどころではあるな」
大臣の提案にグレアムとマクシミリアンが納得して頷く。
ここまで話しの分かる人達なら、少しくらい安心要素を与えても良いだろう。
「あー、ウィッシュタニアの勇者の件ですが、少し良いですか?」
「ウィッシュタニアの勇者がどうかしたのかね?」
「その勇者ですけど、実はもうどうにかなっちゃってます」
「どういうことかね?」
小さく手を挙げながらそう告げると、何度目かのこの場に居た全員の視線が向けられる。
その眉間にはいぶかしむようなシワが浮かぶ。
だがダブル勇者状態に変な野心を持たれても困るので、よしのんの存在は秘密にしておきたい。
「ウィッシュタニアの勇者が現在進行形で国外逃亡を図ってまして、ウィッシュタニア首脳陣がその所在を血眼で探しているとだけ」
「それは確かな情報か?」
「えぇ、自分で確かめたことなので確実です」
グレアム陛下に応えながら、自宅のリビングに開いている小さなワープゲートの穴を覗き込むと、鼻歌交じりにBL小説を書く御腐れ様とそれを横で楽しんでるモティナが居た。
俺が胃を痛めながら話し合いをしているのに、あいつはのんきに「お前の聖剣を収められるのは俺だけだ!」なんて書いてやがりますよアホ死ね。
モティナが汚染されるからせめて自室で一人でやれ。
だがハーレムなんて男にとって最大のわがままをさせてもらっている以嫁の趣味を止めさせるのにはどうしても気が引けてしまう。
俺がくだらない苦悩をしている間も話し合いは続いている。
集中しよう……。
「その逃げた勇者とやらの動向も気になるところではありますが、バラドリンドが開戦に踏み切った理由が〝ウィッシュタニアの勇者の不在〟であるなら合点がいきますな」
「……バラドリンドとの同盟を破棄するのだ、むしろここはウィッシュタニアと協調路線を取り、バラドリンドを迎え撃つのが得策かのう?」
「トシオが居れば、こちらとの同盟話しも向こうにとっては喉から手が出るほどの申し出となろう。それに、ここでウィッシュタニアに恩を売っておくのも悪くは無い」
アイヴィナーゼの首脳陣が状況を整理すると、素早く方針を打ち出す。
それだとまるで、俺をこの国の勇者として利用し利益を得ようとしているみたいに聞こえるんですが。
「その恩とやらを利益にしようと考えるのはやめてくださいね」
「わかっておる。余もお主の機嫌を損ねてまで益を得る気は無い」
更に釘を刺す俺に頷くグレアム国王。
是非そうあってほしいものだ。
「問題は今のウィッシュタニアがどう出るかですな」
セドリック大臣が沈鬱な言葉を吐くと、老将が腕を組んで「ふん……」と小さく鼻でため息を吐いた。
ウィッシュタニアは〝第一王子派が権力を握って私腹を肥やし、国は荒れ国民は重税に苦しんでいる〟と、第三王子の私兵であるフリッツが言っていた。
この情報をアイヴィナーゼ側も掴んでいるからこそ、そんな頭の悪いことをしているウィッシュタニア首脳陣と手を結ぶことには消極的にならざるを得ないのだろう。
「それでも同盟を結ばねば、ウィッシュタニアの次は我々だ。利用できるものは利用するしかあるまい」
「まったく、宗教国家は良いのう。一度聖戦と宣言すれば、プリーストのジョブを持つ兵がウン万と集まるのだからのう!」
グレアム陛下が唸ると、老将が子供じみた口調でバラドリンドの特性を羨んだ。
信仰があるから国民にして信者は税とは別にお布施をし、聖職者が教敵と定められれば喜んで刃を取って立ち上がる。
そんなのが戦争に関わってくるのだから、そら織田信長も比叡山焼くわって話である。
「陛下、よろしいでしょうか?」
「バクストン、発言を許す」
「はっ。我々もウィッシュタニアと共闘する前提であるならば、トシオ殿にはバラドリンドの勇者だけに対応して頂く方が良ろしいのでないでしょうか? 勇者アキヤを倒した力は自分も認めるところではありますが、相手がどのような装備やスキルが不明である以上、勇者だけに集中して貰うべきかと」
「ふむ、確かにバクストンの言う通りだな」
近衛騎士団副団長の意見に老将が頷く。
確かに相手の能力が不明なのは怖いところだ。
……ん?
「装備は兎も角スキルってなんです? 勇者の保有スキルは流れ人と同じじゃないんですか?」
グレアム国王とバクストンさんの話しに不穏な内容が含まれていたので突っ込んでみた。
よしのんを家に招いたあの日、当然どんなスキルを持っているのか聞き出している。
俺とは違うスキルなんて一つも持ってはいなかった。
違いがあるとすれば、称号〈勇者〉の固有スキルでアキヤはギャラクシーエクスカリバーとか言ってた防御スキルを貫通する〈光刃〉と、魔族に対して全てのダメージが2倍になる〈魔族特攻〉くらいだ。
〈光刃〉はトトが金色の斧を巨大化させて攻撃する謎スキルの下位互換みたいなスキルだが、その光刃ならよしのんも使えるのはこの数日の彼女の戦闘訓練で確認済みだ。
「勇者にはそれぞれ固有スキル、もしくはユニークアイテムを持ってこの世界に現れるそうですわ。アキヤの魔法無効の指輪もその一つですし、回復効果の高いあのブローチも過去の勇者様が持っていた物だそうですわ」
「え、なにそれ?」
クラウディアの説明にアホの子みたく口が開きっ放しになってしまった。
「あれって元からこっちの世界の装備じゃなかったってこと?」
「はい。あの指輪は彼がこの世界に来る以前から身に着けていた物で、文献では元々身に着けていた物に特殊な能力を付与されてマジックアイテム化するとありますわ」
「マジか……」
じゃぁよしのんも何かそれっぽいものを持っているのかもしれない。
でもあの子の持ち物って、服は出会ったころからこの世界の物……じゃぁ眼鏡か?
あの眼鏡、デザインが明らかにこっちの世界の物じゃない。
フィローラやイルミナさんの眼鏡はフレームのデザインが俺達の世界の物ほど洗練されてはいない。
後で確認を取っておこう。
「よもや、トシオ殿はユニークスキルやアイテムをお持ちでないのですか?」
「残念ながら持ち合わせてませんね」
バクストンの質問に正直に返してあげる。
ちょっと魔法の扱いが上手くなったからと言って、それで他の勇者と呼ばれる物体とやり合おうって言うのだから強気に過ぎる。
そしてチートスキルを持って異世界転移とか、増々勇者召喚で呼ばれた奴らの優遇っぷりに殺意が湧く。
幸いにもユニークアイテムなら手元に2つある訳だし、対等とはいかないまでもやってやれないことも無いだろうが、それは相手も同じことだ。
妬ましや……。
……いや待て、俺のチートスキルってもしかしなくても〈チャットルーム〉か?
チャットルームが無ければ今頃どこかで死んでいても不思議じゃないし、これはよしのんも持っていない能力だ。
皆の意見にはずいぶんと助けられているので、それなら溜飲も下がるというものだ。
しかし、戦闘においては直接効果を発揮する類のスキルではないのも確かである。
「まぁ正直なところ、勇者とは話し合いで解決できればそれに越したことはないんですがね……」
一応戦う前に交渉するつもりではいるが、アキヤの時みたく交渉が決裂すると戦わざるを得なくなる。
交渉以前に話しが通じなかった苦い過去が蘇る。
はまじ……。
思い出しただけで疲れ切ったため息が漏れ、脳内でネットスラングを垂れ流した。
―――――――――――――――――――――――――――
お待たせしました。
次回はもう少し早く投稿できそうです。
初顔のメイドさんに案内された扉の前では、2人の屈強な騎士が立っていた。
「陛下が中でお待ちです」
1人の騎士がそう言うと、もう1人の騎士が扉を開けたのでその横を通る。
2人ともジョブがバトルマスターかよ、ちょっとアイヴィナーゼの戦力舐めてたかも……。
案外モーディーンさん並みの使い手かもと警戒しつつ入ったのは20X30程の広い部屋で、そのど真ん中には大きな長テーブルが置かれていた。
上座にはグレアム陛下が鎮座し、その左となりの席には先程小突き合ったマクシミリアン将軍とセドリック大臣、そしてバクストン近衛騎士団副団長が肩を並べていた。
よく見たら副団長って28なんだ、若いなぁ。
4つしか変わらないけど。
「お待ちしておりましたわ♪」
セドリック大臣の正面には向かい合う形だったクラウディアが立ち上がり、明るい笑顔を浮かべながら寄って来なり俺の手を引き国王の右となり、マクシミリアン将軍の真正面の席に案内された。
こうして出来上がったのが、893の圧迫面接な絵面であった。
これで国王の背後の壁に、ものすごい達筆で〈 任 侠 道 〉と書かれた額縁入りの書が飾られていたら完璧だな。
よりにもよってここに座らせるのか……。
だがここで180度回頭なんてみっともない真似も出来ず、渋々ながら席に着くと、クラウディアが自分が座っていた椅子を態々密着するような至近に置いて座る。
王女の行動に対する疑問とこれから起こることへの不安をひた隠し正面を向くと、アイヴィナーゼ組の親分もとい、グレアム国王と視線が交わる。
「先程はすまなかったな。臣下達の手前、ああいった態度をせんと示しが付かんのだ」
グレアム陛下が開口一番、予想外にも謝罪から入った。
謁見の間で見せた横柄を通り越して聖帝様だった態度はどこへやら、穏やかながら力強い口調で、強面だが気さくな印象のおっさんに変貌していた。
それならばと、こちらも先程までの尊大な態度を改める。
「こちらこそ、先程は失礼な態度をとってしまい申し訳ありませんでした」
「気にするな。その方も侮られまいと行ったことであろう」
「えぇ、下手に出たばかりに、どこかのバカに酷い目に遭わされましたから……」
「その件も含めて償いはするつもりだ、許せ」
俺がぐんにょりした気持ちで自虐気味に話すと、それを嫌味と捉えたのか、口調こそ尊大ではあるが国王自ら謝罪してきた。
思ってた以上に話の分かりそうな人である。
見た目がヤクザなのに変わりはないけど。
安堵する俺を横目に、してやったりといたずらっ子の笑みを浮かべるクラウディア。
わかっていてアウグスト邸であんな話しをしていたのなら、彼女も十分タヌキの類である。
そこで玉座の間でのことを思い出す。
アウグストに決闘を申し込み、奴を殺したところで奴隷達はアウグストの所有物のままだ。
その後は国の預かりになるかもしれないし、奴に親類縁者が居れば遺産相続という形で持っていかれている可能性だってある。
魔族の子らに関しては、アウグストの持っていた魔族の奴隷所持許可証の無い家に遺産相続として連れて行かせる訳にもいかず、下手したら殺処分の流れになっていたかもしれないし、ジャンは間違いなく奴隷のままだった。
それをアウグストに奴隷放棄の流れに持って行かせたのは他の誰でもなくグレアム国王だ。
もしかするとあれは償いの一環だったのかもしれない。
「――いえ、単なる愚痴なので、あまり深刻に捉えないでください。それに償いですが、謁見の間で口添え頂けただけでも十分過ぎるくらいです」
「ほぅ……」
「はて、なんのことだ?」
老将軍から唸りが漏れ、すっとぼける国王の口元に一瞬だが笑みらしきものが浮かんだ。
なにその態度、滅茶苦茶かっこいい。
モーディーンさんやフリッツもかっこいいし、リベクさんやジスタさんもちゃんと大人している。
この世界はかっこいい大人多すぎ問題。
……年齢的には一応俺も大人のはずなんだけどなぁ(遠い目)
そこにインテリヤクザな見た目のセドリック大臣が口を開く。
「では建設的な話し合いに移りましょうか」
「うむ」
「お願いします」
「現在、我が国を取り巻く状況ですが、極めて深刻な事態と言わざるを得ません」
セドリック大臣がそう告げると、俺が危険視していたウィッシュタニアやバラドリンドがアイヴィナーゼに攻め込んでくる可能性に言及した。
バラドリンドにはニセの情報を流していたのだ、やはりそれくらいは見越していたか。
「勇者の居ない我が国では、兵の質に差が出ることは否めませんな」
「おまけに急な徴兵で財政は火の車、兵は練度不足の烏合の衆、呼び出した勇者とアウグストがあれでは騎士や兵達の士気は下落。挙句は勝手に自滅と来たものだ」
「金は戦時国債でなんとかなるが、兵の練度に勇者の不在はいかんともしがたいぞ。自国だけでもこれだけの問題を抱えておる」
大臣の深刻発言がいかに深刻かを、国王が伸びをし組んだ手を後頭部に回して椅子の背にもたれかかりながら述べると、将軍が頬杖をついてやる気無さげに上げ連らねる。
言っていることは現状の問題点の洗い出し。
一国の首脳陣に因る真面目な話し合いの筈が、2人の唐突にだらけ切った態度のせいで、脳内で「おう、最近不景気やのう。なんぞ良え仕事は無いんか?」とか雑談してるヤクザの会話風景にしか見えない。
「はぁ、せめて勇者に対抗できる戦闘力を有した者が居てくれたなら、交渉においても力になるのだが」
「だのう」
国王と老将が揃ってぼやきながら、チラチラと視線を向けてくる。
〝お前がその役割を担え〟感が激しくうざいが、アイヴィナーゼの勇者を殺した手前、無下に突っぱねて良いのか反応に困る。
「ご安心ください、アイヴィナーゼが専守防衛の姿勢を貫くのであれば、トシオ様がお力添えをしてくださるそうです」
「なに、それは真かクラウディア?」
「はい、言質は頂いておりますわ」
「今の我々にはなんとも心強い話しですな」
「まったくよのう」
4人が白々しい茶番を演じ、揃ってこちらに熱い視線を注いでくる。
侵略戦争に向かわないのであれば手助けするつもりだったので別に良いんだけど、上手く乗せられている感が否めないので気持ち的にはもやもやする。
だがこちらも聖人君子ではないので慈善事業なんてする気はない。
受ける以上は報酬や利益が欲しいところだ。
「……ただし、条件がありますけどね」
前置きを入れ、国内の施設(冒険者ギルドや治療院など)や領主に便宜を図る旨を記した指示書と、アイヴィナーゼが保有する戦闘に使えそうなアイテムや報酬を要求する。
「それと、わたくしとの婚姻ですわ!」
要求を言い終えたところで、クラウディアが眩しいまでの笑みと共に力強く断言し、右腕に絡み着く。
そして豊満な胸を押し当ててきた。
その生き生きとした表情に、不覚にも少し可愛いと思ってしまった。
「……望んでないものを勝手に付け足さないでくれる?」
「あのようなことを言われて貴方を手放す女がどこに居りましょう。わたくしは必ず貴方と添い遂げます!」
あのようなことってなんだ?
てか人前でオパーイを押し当ててくるのホントやめて欲しい。
しっかし、これだけ面と向かって拒否ってもまだしつこく付きまとってくるのだから正直面倒くさい。
一体どこで間違ったんだか。
「わたくしに迫られてその珍妙な顔とはどういうことですの? 先刻も申しましたが、わたくしはアイヴィナーゼの至宝とまでうたわれ、近隣諸国でも美姫として名を馳せるクラウディア・アイヴィナーゼですよ? 聞いてらっしゃいますのトシオ様?」
「うんうん聞いてる聞いてる。だからこんな大勢の前で辱めるのホントやめて。あと近隣に限らずこの世で一番美しいのはうちのリシアだから。あの美貌に垂れ猫耳とふっさふさの尻尾が生えた生き物こそ、神が生み出した至高の芸術だ」
それにクラウディア以上に魅力的な女性なら家にはあと11人も居るため、彼女が付け入るスキなどありはしない。
さっきから彼女が妙に可愛く見えるのは気の迷いに他ならない。
「確かにあの方も美しいとは思いますが、わたくしだって決して負けてはおりません!」
王女が謎の強気と共に腕に力を込め、より強く縋りつき、その大きな胸に俺の腕が埋没する。
馬鹿な、リシアを目にしてその美しさを理解していながらまだ抗うと言うのか!?
こいつぁとんだ強心臓の持ち主だぜ……!
「ごほん、話を戻しても?」
セドリック大臣のわざとらしく咳払いに、俺とクラウディアが揃って姿勢を正す。
「力を貸してもらえるのであれば、それらの要求は飲ませてもらうつもりだ」
「ただ、自分の立ち位置はあくまでも戦争行為に対する抵抗ですので、一方的にアイヴィナーゼの味方ではないということだけを忘れないでください」
国家なんぞに利用されるのもまっぴらなので、国王に釘を刺す。
「では、トシオ殿にはウィッシュタニアの勇者の押さえて貰い、余裕があれば侵略軍への遊撃と言う形で御助力頂くというのはどうでしょうか?」
「それならば互いに過干渉になることも無い、か」
「丁度よい落としどころではあるな」
大臣の提案にグレアムとマクシミリアンが納得して頷く。
ここまで話しの分かる人達なら、少しくらい安心要素を与えても良いだろう。
「あー、ウィッシュタニアの勇者の件ですが、少し良いですか?」
「ウィッシュタニアの勇者がどうかしたのかね?」
「その勇者ですけど、実はもうどうにかなっちゃってます」
「どういうことかね?」
小さく手を挙げながらそう告げると、何度目かのこの場に居た全員の視線が向けられる。
その眉間にはいぶかしむようなシワが浮かぶ。
だがダブル勇者状態に変な野心を持たれても困るので、よしのんの存在は秘密にしておきたい。
「ウィッシュタニアの勇者が現在進行形で国外逃亡を図ってまして、ウィッシュタニア首脳陣がその所在を血眼で探しているとだけ」
「それは確かな情報か?」
「えぇ、自分で確かめたことなので確実です」
グレアム陛下に応えながら、自宅のリビングに開いている小さなワープゲートの穴を覗き込むと、鼻歌交じりにBL小説を書く御腐れ様とそれを横で楽しんでるモティナが居た。
俺が胃を痛めながら話し合いをしているのに、あいつはのんきに「お前の聖剣を収められるのは俺だけだ!」なんて書いてやがりますよアホ死ね。
モティナが汚染されるからせめて自室で一人でやれ。
だがハーレムなんて男にとって最大のわがままをさせてもらっている以嫁の趣味を止めさせるのにはどうしても気が引けてしまう。
俺がくだらない苦悩をしている間も話し合いは続いている。
集中しよう……。
「その逃げた勇者とやらの動向も気になるところではありますが、バラドリンドが開戦に踏み切った理由が〝ウィッシュタニアの勇者の不在〟であるなら合点がいきますな」
「……バラドリンドとの同盟を破棄するのだ、むしろここはウィッシュタニアと協調路線を取り、バラドリンドを迎え撃つのが得策かのう?」
「トシオが居れば、こちらとの同盟話しも向こうにとっては喉から手が出るほどの申し出となろう。それに、ここでウィッシュタニアに恩を売っておくのも悪くは無い」
アイヴィナーゼの首脳陣が状況を整理すると、素早く方針を打ち出す。
それだとまるで、俺をこの国の勇者として利用し利益を得ようとしているみたいに聞こえるんですが。
「その恩とやらを利益にしようと考えるのはやめてくださいね」
「わかっておる。余もお主の機嫌を損ねてまで益を得る気は無い」
更に釘を刺す俺に頷くグレアム国王。
是非そうあってほしいものだ。
「問題は今のウィッシュタニアがどう出るかですな」
セドリック大臣が沈鬱な言葉を吐くと、老将が腕を組んで「ふん……」と小さく鼻でため息を吐いた。
ウィッシュタニアは〝第一王子派が権力を握って私腹を肥やし、国は荒れ国民は重税に苦しんでいる〟と、第三王子の私兵であるフリッツが言っていた。
この情報をアイヴィナーゼ側も掴んでいるからこそ、そんな頭の悪いことをしているウィッシュタニア首脳陣と手を結ぶことには消極的にならざるを得ないのだろう。
「それでも同盟を結ばねば、ウィッシュタニアの次は我々だ。利用できるものは利用するしかあるまい」
「まったく、宗教国家は良いのう。一度聖戦と宣言すれば、プリーストのジョブを持つ兵がウン万と集まるのだからのう!」
グレアム陛下が唸ると、老将が子供じみた口調でバラドリンドの特性を羨んだ。
信仰があるから国民にして信者は税とは別にお布施をし、聖職者が教敵と定められれば喜んで刃を取って立ち上がる。
そんなのが戦争に関わってくるのだから、そら織田信長も比叡山焼くわって話である。
「陛下、よろしいでしょうか?」
「バクストン、発言を許す」
「はっ。我々もウィッシュタニアと共闘する前提であるならば、トシオ殿にはバラドリンドの勇者だけに対応して頂く方が良ろしいのでないでしょうか? 勇者アキヤを倒した力は自分も認めるところではありますが、相手がどのような装備やスキルが不明である以上、勇者だけに集中して貰うべきかと」
「ふむ、確かにバクストンの言う通りだな」
近衛騎士団副団長の意見に老将が頷く。
確かに相手の能力が不明なのは怖いところだ。
……ん?
「装備は兎も角スキルってなんです? 勇者の保有スキルは流れ人と同じじゃないんですか?」
グレアム国王とバクストンさんの話しに不穏な内容が含まれていたので突っ込んでみた。
よしのんを家に招いたあの日、当然どんなスキルを持っているのか聞き出している。
俺とは違うスキルなんて一つも持ってはいなかった。
違いがあるとすれば、称号〈勇者〉の固有スキルでアキヤはギャラクシーエクスカリバーとか言ってた防御スキルを貫通する〈光刃〉と、魔族に対して全てのダメージが2倍になる〈魔族特攻〉くらいだ。
〈光刃〉はトトが金色の斧を巨大化させて攻撃する謎スキルの下位互換みたいなスキルだが、その光刃ならよしのんも使えるのはこの数日の彼女の戦闘訓練で確認済みだ。
「勇者にはそれぞれ固有スキル、もしくはユニークアイテムを持ってこの世界に現れるそうですわ。アキヤの魔法無効の指輪もその一つですし、回復効果の高いあのブローチも過去の勇者様が持っていた物だそうですわ」
「え、なにそれ?」
クラウディアの説明にアホの子みたく口が開きっ放しになってしまった。
「あれって元からこっちの世界の装備じゃなかったってこと?」
「はい。あの指輪は彼がこの世界に来る以前から身に着けていた物で、文献では元々身に着けていた物に特殊な能力を付与されてマジックアイテム化するとありますわ」
「マジか……」
じゃぁよしのんも何かそれっぽいものを持っているのかもしれない。
でもあの子の持ち物って、服は出会ったころからこの世界の物……じゃぁ眼鏡か?
あの眼鏡、デザインが明らかにこっちの世界の物じゃない。
フィローラやイルミナさんの眼鏡はフレームのデザインが俺達の世界の物ほど洗練されてはいない。
後で確認を取っておこう。
「よもや、トシオ殿はユニークスキルやアイテムをお持ちでないのですか?」
「残念ながら持ち合わせてませんね」
バクストンの質問に正直に返してあげる。
ちょっと魔法の扱いが上手くなったからと言って、それで他の勇者と呼ばれる物体とやり合おうって言うのだから強気に過ぎる。
そしてチートスキルを持って異世界転移とか、増々勇者召喚で呼ばれた奴らの優遇っぷりに殺意が湧く。
幸いにもユニークアイテムなら手元に2つある訳だし、対等とはいかないまでもやってやれないことも無いだろうが、それは相手も同じことだ。
妬ましや……。
……いや待て、俺のチートスキルってもしかしなくても〈チャットルーム〉か?
チャットルームが無ければ今頃どこかで死んでいても不思議じゃないし、これはよしのんも持っていない能力だ。
皆の意見にはずいぶんと助けられているので、それなら溜飲も下がるというものだ。
しかし、戦闘においては直接効果を発揮する類のスキルではないのも確かである。
「まぁ正直なところ、勇者とは話し合いで解決できればそれに越したことはないんですがね……」
一応戦う前に交渉するつもりではいるが、アキヤの時みたく交渉が決裂すると戦わざるを得なくなる。
交渉以前に話しが通じなかった苦い過去が蘇る。
はまじ……。
思い出しただけで疲れ切ったため息が漏れ、脳内でネットスラングを垂れ流した。
―――――――――――――――――――――――――――
お待たせしました。
次回はもう少し早く投稿できそうです。
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