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217話 密談
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「ごめん、右腕の再生はリシアじゃないと無理だわ」
「気になさるなでござるよ」
「腕を出せシャドウセイバー」
全身傷だらけの影剣さんへ回復魔法をかけながら申し訳なさげにそう言うと、傍にいた騎士風の男が影剣さんの右腕を紐で縛り止血する。
男は初見なので気にはなるが、敵意が無いので今はスルー。
俺が念話でリシアたちに帰還するよう指示を出した丁度その時、納屋の入り口にピンク色の髪に背に白い翼を生やした少女が姿を現した。
「パパ上ー!」
「サク――ぐほっ!?」
サクラが影剣さんに駆け寄るなり、頭からの全力ダイブ。
天使の輪っかと共に頭頂部が影剣さんの鳩尾にめり込んだ。
容赦のない抱擁と〝パパ上〟の2段攻撃に、俺の腹筋も持っていかれそうになる。
「パパ上~、死んじゃ嫌です~」
「ぐっふふ……、この程度の傷でくたばるパパ上ではござらんぞ?」
「ホントに?!」
「もちのろんでござる」
サクラの顔がパァっと晴れると、痛みを堪える影剣さんが口元を覆うの布を引き下げニカっと笑う。
もちのろんとか親父もよく言ってたなぁ。
実家を懐かしみながら、戻ってきたリシアに影剣さんの治療を任せた。
治療後、風呂上りで町人スタイルな2人から事情を聴くことに。
「まず隣の男はガーランドと申す。拙者がこちらの世界に来てからの数少ない友人の1人でござる。ガーランド、こちらは拙者の主にして向こうの世界からの友でもある一ノ瀬敏夫殿。通称ねこ殿でござる」
「俺はどちらで呼べば良い?」
「あ、トシオで良いです。こっちの世界で言うところの〈流れ人〉ってヤツです」
「承知した。俺はバラドリンド神官騎士団団長のガーランドだ。今となっては元を付けるべきだがな」
そう言うと、筋肉質な男は皮肉を込めた笑みを浮かべ、同時に肩をすくめてみせる。
年齢は29、俺よりも年上か。
影剣さんは相変わらず妨害がかかってて鑑定眼が機能してないけど。
「んで、どうしてあんなことに?」
「順を追って話すと、とある消息筋からバラドリンド大教会の最奥へと通ずる隠し迷路があると聞きつけ、調査を行っていたでござる」
「バラドリンド大教会って、バラドリンド教国の王城的なもんだよね?」
「いかにも。故に、バラドリンド大教会は国の中でも特に重要な聖域でござる。教会内は常に神聖魔法以外の魔法や探知スキルが使えぬ結界が張られ、その最奥の部屋へは教皇殿しか正確な道が分からぬ複雑な迷宮となっているでござる」
「魔法やスキルでも分からないのはどういう原理か知らないけど、それはまた厄介だなぁ」
「教皇の執務室近辺は神官たちの祈祷によって複合魔法〈セイクリッドフィールド〉が常に発動している。あの中では同じプリースト系でもバラドリンド様以外の神聖魔法も無効化されてしまうそうだ」
「打ち消すには同等の神聖魔法をもってしなければならないでしょう」
ガーランドが魔法の正体を告げると、リシアの背後に控えるように座る地母神が解決策を示す。
背後霊かな?
「ねこ殿、そちらの御仁は?」
「こちらはレイティシアさん。諸事情から家で預かることになった。詳しくはあとで話すけど今はスルーでOK」
「どうぞよろしくお願いします」
「これはこれは、どうもでござる」
互いに軽い会釈で済ませる。
「それで、最奥に姫巫女ってのが居ると?」
「流石ねこ殿、察しが良いでござる♪」
何となくそうかなぁ~と思って言ったら当たってしまった。
「ほかにも色々なモノがあるでござるが、そのような訳でまずは最奥の入り口を探そうとした矢先、ガーランドに呼び出しを受けたでござる」
「そっから先はこいつを見てもらった方が早いだろう」
ガーランドが持っていた水晶球をテーブルの上に置いた。
水晶球からリビングの中空に、礼拝堂と思しき場所が映し出され、影剣さんとガーランドの2人が横長のイスに並んで座っていた。
「記憶の水晶でふね。その場の情景を記録する魔道具でしゅ」
「他国の要人と交渉する際に証拠として用いられることが多いと聞きます」
フィローラの説明にユニスが用途を教えてくれる。
「再生するぞ」
ガーランドが水晶に手をかざすと、映像の中の影剣さんたちが動き出した。
『戻ってこいシャドウセイバー。お前が約束を反故にされ続け、この国を恨んでいるのはわかる。だが今のウィッシュタニアに未来はない。今ならまだ俺の口利きで減刑できるやもしれん。だから――』
『いや、すまぬがこの国に恨みは無いでござるぞ? 2年も暮らしているとさすがに愛着を持っているでござる』
『愛着があると言うなら、なぜウィッシュタニアに肩入れし、教団幹部を貶めるようなビラを撒く?』
『拙者が長年追い求めてきたモノと引き合わせてくれた2人の姫巫女殿の望みを叶えるのに、国中が混乱している方が都合が良いからでござる』
『2人の姫巫女様? どういうことだ?』
『皆が姫巫女殿と思っていた人物は実は影武者。その陰巫女殿が、本物の姫巫女殿は大聖堂の最奥に幽閉されているとお教えくださったでござる』
『それは本当なのか?』
『流石にこのような嘘はつかぬでござるよ。それで影巫女殿から〝本物の姫巫女殿の解放〟を依頼されたでござる』
『幽閉された本物の姫巫女様……、それが本当なら教皇が首がすげ代わる大事件だぞ』
『くふっ、だから嘘ではないと言っているでござる』
『バラドリンドの暗部〈御庭番衆〉の忍び頭だったお前でも、最奥への入り口に心当たりはないのか?』
『お、興味があるでござるか?』
『茶化すな』
『くふふ、これは失礼したでござる。冗談はさて置き、御庭番衆も教会の外側での活動が主な任務でござる。このことに関してはむしろ神官騎士団長であるお主の方が詳しいと思っていたでござるが』
『いや、教皇の近辺ってことなら俺よりも神聖騎士団どもの方が詳しいだろうな』
『やはりそうでござるか』
『それと、俺がもし知っていたとしても流石に教える訳にはいかんだろ』
『それもそうでござるな。う~む……』
「神聖騎士団というのは教皇直属の親衛隊みたいなものでござる」
「神聖騎士団は教会内の汚れ仕事も請け負っていると聞くがな」
「へー」
映像の中の影剣さんが目を瞑って呻いていると、リアルの影剣さんとガーランドが会話の補足を入れてくれる。
『……それで、仮に姫巫女様をお救いしたとして、その先はどうする? さっきも言ったがウィッシュタニアに未来があるとは思えんのだが? あのビラにしたって、教皇が退陣に追い込むことも、この国が戦争を止めることも無理だろう』
『承知でござる。ビラに関しては、1人でも多くの者が現状に疑問を抱き戦場へ向かうのを取りやめてくれればそれでいいでござる。それと、教会上層部にも反戦派の者が少しでも増えてくれるだけで今後の行動がとりやすくなれば良いという程度でござる』
『どういうことだ? 今のバラドリンド軍はハッシュリングとモンテハナムも合わさり、ウィッシュタニアとアイヴィナーゼの2国を優に上回っている。確かにお前のビラで反戦を叫ぶ者が現れたが、戦の気運はこちらに有る以上、多くの国民は今もなお戦争を支持している。教会幹部に至っては、反対派などとうの昔に異端審問官共に粛清されている。これではさすがに状況は覆らんぞ』
『今は覆らずとも、戦争に負けてしまえばそんなことも言ってられなくなるでござるよ』
『なに? ……よもやガルブレス連合が動いたのか!?』
『あ、それは違うでござる』
ガーランドが驚きでイスから腰を上げるも、影剣さんがあっさりと否定。
状況のマヌケさに思わずリアルの方のガーランドに目をやると、丁度視線が重なるもバツが悪そうに眼を反らされた。
「ガルブレス連合……?」
「ガルブレス連合国。バラドリンドの東に位置する小国家群です。1つ1つは小さな国ですが、連合国全体で言えばアイヴィナーゼ王国よりも大きな上に、経済活動も盛んな国です」
「防衛戦に定評はあるでござるが、逆に攻めとなると足並みが揃わずからっきしといった評価でござるな」
ガーランドに申し訳ない気持ちになりながらの俺の疑問に、ユニスと影剣さんが教えてくれた。
例え攻めがからっきしでも、後背を突かれる形になればバラドリンドも流石に無視は出来ないだろう。
この機にバラドリンドをせめてくれるとありがたいと思わなくもないが、そうなると今度はバラドリンドの国民に被害が出る。
それは俺の本意じゃないので、ガルブレスに提案を持ちかけるなんて出来ない。
ガルブレスが勝手に動いた場合、バラドリンド軍を潰した後で今度はそこともやり合わないとならなくなるため、正直このまま静観を決め込んでいてほしいとも思う。
悩ましい……。
『では、あの大軍と6勇者をどうにかできる奴がそちらの陣営に居るというのか?』
『さぁ、それはどうでござろうな』
『はっ、真実にしろブラフにしろ、そいつはぜひ見てみたいものだ』
影剣さんが楽し気な口調で返と、ガーランドは乾いた笑いと共にドカリと座り直す。
『その時が来ればわかるでござる。……ガーランド、お主も拙者と共に来ぬでござるか?』
『……そいつは魅力的な|誘〈さそ〉いだな。だが俺が元々孤児だったのはお前も知っているだろ? 俺にはこの国には育ててもらった恩義がある。国が俺を裏切らん限り、俺も国を裏切れんさ』
『そうでござるか。……次に会う時は、戦場でござるな』
『あぁ、次に会う時は、戦場だ』
別れを終えた影剣さんが立ち上がり、このまま立ち去るかと思いきや、その場で周囲を|警戒〈けいかい〉する様子を見せた。
「ここで魔ほ――ではなく、拙者のオリジナル忍術が使えなくなったでござる」
リアルの影剣さんが補足を入れる。
オリジナル忍術=魔法なのは暗黙の了解なので、それにツッコむのは先程ガーランドと視線を合わせたのと同じくらい野暮というものだ。
「さっき言ってたセイクリッドフィールドってやつ?」
「似ているでござるが、バラドリンド国内では〈神器〉と呼ばれているアイテムでござる。効果は発動者以外の神聖魔法以外の魔法限――魔法と一部の忍術限定で無効化。範囲は10キロ以上ととんでもなく広いでござる。神器を発動させるのに異世界人の血が必要で、発動者の上書きするのもまた可能でござる」
「つまり、誰かがその神器を上書きしたと」
「いかにも」
影剣さんが頷く。
次に映像の中の影剣さんが、礼拝堂の開け放たれていた窓に視線を固定する。
『どうしたシャドウセイバー?』
『そこに居るのはエイタ殿でござるか?』
開かれた窓を警戒し続ける影剣さんに訝しんだガーランドが、そちらに視線を向け身構える。
『やはりあんたには俺の〈認識阻害〉でも見えているんスね』
誰も居なかったはずの窓に黒髪黒瞳のごく普通の青年が、まるでなにも無い所から浮き上がってくるように現れた。
ごく普通の青年といっても、それは俺たち日本人からすればの話だ。
その青年の手には抜身の長剣が握られている。
『それにしても、俺の接近にここまで気付かないのはあんたらしくないっスねぇ、シャドウセイバーさん? あと、そこに居るのは騎士団長さんじゃないっスか。こんなところで裏切り者と何コソコソしてるんスか?』
尋ねながら窓から降り礼拝堂の床に立つ。
敬語こそ使ってはいるが、そのねちっこい口調と態度から明らかに相手を見下しているのが分かる。
『お主の〈認識阻害〉に気付くのにはそれなりのコツがあるでござるよ』
『で、今回はそのコツってヤツに当てはまらなかったと?』
『有り体に言えばそんなところでござる』
『後学のためにそのコツってヤツを教えてもらって良いっスか?』
『気付かぬおのぼりさんを観察する楽しみが失われるゆえお断り致す。くふふ』
認識阻害の対抗策は、周囲に張り巡らせた薄い魔力が対象に触れることで認識する接触感知だ。
映像の中の影剣さんがエイタの接近をここまで許したのは、神器の影響でそれが出来なくなったからだろう。
至近とはいえ魔法も無しに気付いたのはどういう原理なのかは分からないが。
『……ちっ、まぁいいっスよ。どうせあんたら裏切り者にはここで死んでもらうつもりっスから』
エイタが剣の切っ先を2人に向ける。
『俺もなのか!?』
『ガーランドは裏切ってはござらんぞ?』
『こんな所でコソコソとに裏切り者と会っていおいてなに言ってんスか? どうせ俺たちのことを教えてたっしょ?』
『太陽神バラドリンド様に誓って裏切ってなどいないと断言できるが、この状況では無神論者相手に否定ができん!』
『ガーランドが今ここでシャドウセイバーを斬るってんなら、今回のことは黙ってやっても良いっスよ?』
『神の名に誓って〝戦わないからここに来い〟と呼び出した以上、例えなんであれその約束を反故に出来るか』
『だったらあんたも今日から裏切り者の仲間入りっスね。神官騎士団は今日から俺らが仕切らせてもらうっス』
『はぁ? 街中で問題ばかり起こす6勇者に、国の秩序を守る神官騎士団が務まるものか。そういうことはお前らが起こした問題のせいで発生した賠償金を俺に返してから言うんだな!』
『賠償とか、俺ら別にそんなの頼んだ覚え無ぇっスから』
理不尽さにブチギレるガーランドに、そっちが勝手にやったことだろと言い捨てるエイタ。
賠償金を払わされるほどの問題行動ってなんだよ。
6勇者って確か全員大学生だったよな?
大学入る前に社会性を学べと言いたくなるな。
『はい今このことを偉い人に報告してやりましたー。これであんたの帰る場所無ぇっスから。ぎゃはははは!』
ぎゃははって、笑い方から小物感出してくるのやめてもらっていいっスか?
『おお、よかったでござるなガーランド。職を失いお尋ね者ともなれば、心置きなく拙者とこの国を出奔できるでござるぞ』
『誰のせいでこうなったと思ってやがる! くそっ、こんなことならお前なんか引き留めるんじゃなかったぜ!』
影剣さんのからかいに、ガーランドがやけくそ気味に怒鳴り返す。
あれだけかっこいい別れを見せてからのこの締まらなさに、俺はガーランドを〝持っている奴〟だと認定する。
オイシイなぁ。
関西人的な意味で。
『ところでエイタ殿』
『なんスか?』
『少々迂闊に過ぎるでござるな』
『あ?』
そう言ったと思いきや、2人目の影剣さんがエイタの背後に現れ、その首に銀閃が走った。
『忍法〈影分身の術〉でござる』
振り返ろうとしたエイタが体を硬直させたままゆっくりと地面に倒れ、倒れた際の衝撃で首から上が離れ横に転がっていった。
首の切断面から大量の血が勢いよく噴出し、神聖な礼拝堂を赤く汚す。
こわっ!?
人の首を躊躇い無く斬り落とすその胆力もヤバイし、背後に回り込んだり斬ったのを相手に悟られせない技量と不意打ちのタイミングが絶妙過ぎる。
こうも情け容赦のない不意打ちをみせられると、改めて影剣さんの暗殺者としてのすごさを実感させられるなぁ。
やっぱり俺みたいな後衛魔法使いが影剣さんみたいな殺意と技術の高い人と近接戦闘をしちゃだめだな。
もしこんなのと対峙したら……ってあれ?
「てか、忍術使えないんじゃなかったの?」
「〈影分身〉はシーフ系ジョブの〈ニンジャ〉にスキルがあるでござるよ」
「ニンジャなんてジョブ有ったんか!?」
「〈マナロード〉や〈バトルマスター〉みたく隠しジョブでござるよ。〈トリックスター〉と〈アサシン〉を極めれば出てくるでござる」
ニンジャマスターがニヤリと笑った。
「隠しジョブって〈マナロード〉と〈バトルマスター〉だけじゃなかったのね」
「ほかにも〈アークプリースト〉と〈エクソシスト〉で〈アークビショップ〉、〈アークプリースト〉と〈ロイヤルナイト〉か〈ロイヤルガード〉で〈パラディン〉なんてのもあるでござるぞ」
「宗教国家であるバラドリンドだからこそ判明する隠しジョブですな」
影剣さんのうんちくに、ユニスが関心を示す。
リシアが両方極めてるし、あとでアークビショップが出てるか確認してみよう。
再び動き出す映像を眺めながら、ククやトト、それにミネルバも個人名がジョブになってたなぁと改めて思い直した。
「気になさるなでござるよ」
「腕を出せシャドウセイバー」
全身傷だらけの影剣さんへ回復魔法をかけながら申し訳なさげにそう言うと、傍にいた騎士風の男が影剣さんの右腕を紐で縛り止血する。
男は初見なので気にはなるが、敵意が無いので今はスルー。
俺が念話でリシアたちに帰還するよう指示を出した丁度その時、納屋の入り口にピンク色の髪に背に白い翼を生やした少女が姿を現した。
「パパ上ー!」
「サク――ぐほっ!?」
サクラが影剣さんに駆け寄るなり、頭からの全力ダイブ。
天使の輪っかと共に頭頂部が影剣さんの鳩尾にめり込んだ。
容赦のない抱擁と〝パパ上〟の2段攻撃に、俺の腹筋も持っていかれそうになる。
「パパ上~、死んじゃ嫌です~」
「ぐっふふ……、この程度の傷でくたばるパパ上ではござらんぞ?」
「ホントに?!」
「もちのろんでござる」
サクラの顔がパァっと晴れると、痛みを堪える影剣さんが口元を覆うの布を引き下げニカっと笑う。
もちのろんとか親父もよく言ってたなぁ。
実家を懐かしみながら、戻ってきたリシアに影剣さんの治療を任せた。
治療後、風呂上りで町人スタイルな2人から事情を聴くことに。
「まず隣の男はガーランドと申す。拙者がこちらの世界に来てからの数少ない友人の1人でござる。ガーランド、こちらは拙者の主にして向こうの世界からの友でもある一ノ瀬敏夫殿。通称ねこ殿でござる」
「俺はどちらで呼べば良い?」
「あ、トシオで良いです。こっちの世界で言うところの〈流れ人〉ってヤツです」
「承知した。俺はバラドリンド神官騎士団団長のガーランドだ。今となっては元を付けるべきだがな」
そう言うと、筋肉質な男は皮肉を込めた笑みを浮かべ、同時に肩をすくめてみせる。
年齢は29、俺よりも年上か。
影剣さんは相変わらず妨害がかかってて鑑定眼が機能してないけど。
「んで、どうしてあんなことに?」
「順を追って話すと、とある消息筋からバラドリンド大教会の最奥へと通ずる隠し迷路があると聞きつけ、調査を行っていたでござる」
「バラドリンド大教会って、バラドリンド教国の王城的なもんだよね?」
「いかにも。故に、バラドリンド大教会は国の中でも特に重要な聖域でござる。教会内は常に神聖魔法以外の魔法や探知スキルが使えぬ結界が張られ、その最奥の部屋へは教皇殿しか正確な道が分からぬ複雑な迷宮となっているでござる」
「魔法やスキルでも分からないのはどういう原理か知らないけど、それはまた厄介だなぁ」
「教皇の執務室近辺は神官たちの祈祷によって複合魔法〈セイクリッドフィールド〉が常に発動している。あの中では同じプリースト系でもバラドリンド様以外の神聖魔法も無効化されてしまうそうだ」
「打ち消すには同等の神聖魔法をもってしなければならないでしょう」
ガーランドが魔法の正体を告げると、リシアの背後に控えるように座る地母神が解決策を示す。
背後霊かな?
「ねこ殿、そちらの御仁は?」
「こちらはレイティシアさん。諸事情から家で預かることになった。詳しくはあとで話すけど今はスルーでOK」
「どうぞよろしくお願いします」
「これはこれは、どうもでござる」
互いに軽い会釈で済ませる。
「それで、最奥に姫巫女ってのが居ると?」
「流石ねこ殿、察しが良いでござる♪」
何となくそうかなぁ~と思って言ったら当たってしまった。
「ほかにも色々なモノがあるでござるが、そのような訳でまずは最奥の入り口を探そうとした矢先、ガーランドに呼び出しを受けたでござる」
「そっから先はこいつを見てもらった方が早いだろう」
ガーランドが持っていた水晶球をテーブルの上に置いた。
水晶球からリビングの中空に、礼拝堂と思しき場所が映し出され、影剣さんとガーランドの2人が横長のイスに並んで座っていた。
「記憶の水晶でふね。その場の情景を記録する魔道具でしゅ」
「他国の要人と交渉する際に証拠として用いられることが多いと聞きます」
フィローラの説明にユニスが用途を教えてくれる。
「再生するぞ」
ガーランドが水晶に手をかざすと、映像の中の影剣さんたちが動き出した。
『戻ってこいシャドウセイバー。お前が約束を反故にされ続け、この国を恨んでいるのはわかる。だが今のウィッシュタニアに未来はない。今ならまだ俺の口利きで減刑できるやもしれん。だから――』
『いや、すまぬがこの国に恨みは無いでござるぞ? 2年も暮らしているとさすがに愛着を持っているでござる』
『愛着があると言うなら、なぜウィッシュタニアに肩入れし、教団幹部を貶めるようなビラを撒く?』
『拙者が長年追い求めてきたモノと引き合わせてくれた2人の姫巫女殿の望みを叶えるのに、国中が混乱している方が都合が良いからでござる』
『2人の姫巫女様? どういうことだ?』
『皆が姫巫女殿と思っていた人物は実は影武者。その陰巫女殿が、本物の姫巫女殿は大聖堂の最奥に幽閉されているとお教えくださったでござる』
『それは本当なのか?』
『流石にこのような嘘はつかぬでござるよ。それで影巫女殿から〝本物の姫巫女殿の解放〟を依頼されたでござる』
『幽閉された本物の姫巫女様……、それが本当なら教皇が首がすげ代わる大事件だぞ』
『くふっ、だから嘘ではないと言っているでござる』
『バラドリンドの暗部〈御庭番衆〉の忍び頭だったお前でも、最奥への入り口に心当たりはないのか?』
『お、興味があるでござるか?』
『茶化すな』
『くふふ、これは失礼したでござる。冗談はさて置き、御庭番衆も教会の外側での活動が主な任務でござる。このことに関してはむしろ神官騎士団長であるお主の方が詳しいと思っていたでござるが』
『いや、教皇の近辺ってことなら俺よりも神聖騎士団どもの方が詳しいだろうな』
『やはりそうでござるか』
『それと、俺がもし知っていたとしても流石に教える訳にはいかんだろ』
『それもそうでござるな。う~む……』
「神聖騎士団というのは教皇直属の親衛隊みたいなものでござる」
「神聖騎士団は教会内の汚れ仕事も請け負っていると聞くがな」
「へー」
映像の中の影剣さんが目を瞑って呻いていると、リアルの影剣さんとガーランドが会話の補足を入れてくれる。
『……それで、仮に姫巫女様をお救いしたとして、その先はどうする? さっきも言ったがウィッシュタニアに未来があるとは思えんのだが? あのビラにしたって、教皇が退陣に追い込むことも、この国が戦争を止めることも無理だろう』
『承知でござる。ビラに関しては、1人でも多くの者が現状に疑問を抱き戦場へ向かうのを取りやめてくれればそれでいいでござる。それと、教会上層部にも反戦派の者が少しでも増えてくれるだけで今後の行動がとりやすくなれば良いという程度でござる』
『どういうことだ? 今のバラドリンド軍はハッシュリングとモンテハナムも合わさり、ウィッシュタニアとアイヴィナーゼの2国を優に上回っている。確かにお前のビラで反戦を叫ぶ者が現れたが、戦の気運はこちらに有る以上、多くの国民は今もなお戦争を支持している。教会幹部に至っては、反対派などとうの昔に異端審問官共に粛清されている。これではさすがに状況は覆らんぞ』
『今は覆らずとも、戦争に負けてしまえばそんなことも言ってられなくなるでござるよ』
『なに? ……よもやガルブレス連合が動いたのか!?』
『あ、それは違うでござる』
ガーランドが驚きでイスから腰を上げるも、影剣さんがあっさりと否定。
状況のマヌケさに思わずリアルの方のガーランドに目をやると、丁度視線が重なるもバツが悪そうに眼を反らされた。
「ガルブレス連合……?」
「ガルブレス連合国。バラドリンドの東に位置する小国家群です。1つ1つは小さな国ですが、連合国全体で言えばアイヴィナーゼ王国よりも大きな上に、経済活動も盛んな国です」
「防衛戦に定評はあるでござるが、逆に攻めとなると足並みが揃わずからっきしといった評価でござるな」
ガーランドに申し訳ない気持ちになりながらの俺の疑問に、ユニスと影剣さんが教えてくれた。
例え攻めがからっきしでも、後背を突かれる形になればバラドリンドも流石に無視は出来ないだろう。
この機にバラドリンドをせめてくれるとありがたいと思わなくもないが、そうなると今度はバラドリンドの国民に被害が出る。
それは俺の本意じゃないので、ガルブレスに提案を持ちかけるなんて出来ない。
ガルブレスが勝手に動いた場合、バラドリンド軍を潰した後で今度はそこともやり合わないとならなくなるため、正直このまま静観を決め込んでいてほしいとも思う。
悩ましい……。
『では、あの大軍と6勇者をどうにかできる奴がそちらの陣営に居るというのか?』
『さぁ、それはどうでござろうな』
『はっ、真実にしろブラフにしろ、そいつはぜひ見てみたいものだ』
影剣さんが楽し気な口調で返と、ガーランドは乾いた笑いと共にドカリと座り直す。
『その時が来ればわかるでござる。……ガーランド、お主も拙者と共に来ぬでござるか?』
『……そいつは魅力的な|誘〈さそ〉いだな。だが俺が元々孤児だったのはお前も知っているだろ? 俺にはこの国には育ててもらった恩義がある。国が俺を裏切らん限り、俺も国を裏切れんさ』
『そうでござるか。……次に会う時は、戦場でござるな』
『あぁ、次に会う時は、戦場だ』
別れを終えた影剣さんが立ち上がり、このまま立ち去るかと思いきや、その場で周囲を|警戒〈けいかい〉する様子を見せた。
「ここで魔ほ――ではなく、拙者のオリジナル忍術が使えなくなったでござる」
リアルの影剣さんが補足を入れる。
オリジナル忍術=魔法なのは暗黙の了解なので、それにツッコむのは先程ガーランドと視線を合わせたのと同じくらい野暮というものだ。
「さっき言ってたセイクリッドフィールドってやつ?」
「似ているでござるが、バラドリンド国内では〈神器〉と呼ばれているアイテムでござる。効果は発動者以外の神聖魔法以外の魔法限――魔法と一部の忍術限定で無効化。範囲は10キロ以上ととんでもなく広いでござる。神器を発動させるのに異世界人の血が必要で、発動者の上書きするのもまた可能でござる」
「つまり、誰かがその神器を上書きしたと」
「いかにも」
影剣さんが頷く。
次に映像の中の影剣さんが、礼拝堂の開け放たれていた窓に視線を固定する。
『どうしたシャドウセイバー?』
『そこに居るのはエイタ殿でござるか?』
開かれた窓を警戒し続ける影剣さんに訝しんだガーランドが、そちらに視線を向け身構える。
『やはりあんたには俺の〈認識阻害〉でも見えているんスね』
誰も居なかったはずの窓に黒髪黒瞳のごく普通の青年が、まるでなにも無い所から浮き上がってくるように現れた。
ごく普通の青年といっても、それは俺たち日本人からすればの話だ。
その青年の手には抜身の長剣が握られている。
『それにしても、俺の接近にここまで気付かないのはあんたらしくないっスねぇ、シャドウセイバーさん? あと、そこに居るのは騎士団長さんじゃないっスか。こんなところで裏切り者と何コソコソしてるんスか?』
尋ねながら窓から降り礼拝堂の床に立つ。
敬語こそ使ってはいるが、そのねちっこい口調と態度から明らかに相手を見下しているのが分かる。
『お主の〈認識阻害〉に気付くのにはそれなりのコツがあるでござるよ』
『で、今回はそのコツってヤツに当てはまらなかったと?』
『有り体に言えばそんなところでござる』
『後学のためにそのコツってヤツを教えてもらって良いっスか?』
『気付かぬおのぼりさんを観察する楽しみが失われるゆえお断り致す。くふふ』
認識阻害の対抗策は、周囲に張り巡らせた薄い魔力が対象に触れることで認識する接触感知だ。
映像の中の影剣さんがエイタの接近をここまで許したのは、神器の影響でそれが出来なくなったからだろう。
至近とはいえ魔法も無しに気付いたのはどういう原理なのかは分からないが。
『……ちっ、まぁいいっスよ。どうせあんたら裏切り者にはここで死んでもらうつもりっスから』
エイタが剣の切っ先を2人に向ける。
『俺もなのか!?』
『ガーランドは裏切ってはござらんぞ?』
『こんな所でコソコソとに裏切り者と会っていおいてなに言ってんスか? どうせ俺たちのことを教えてたっしょ?』
『太陽神バラドリンド様に誓って裏切ってなどいないと断言できるが、この状況では無神論者相手に否定ができん!』
『ガーランドが今ここでシャドウセイバーを斬るってんなら、今回のことは黙ってやっても良いっスよ?』
『神の名に誓って〝戦わないからここに来い〟と呼び出した以上、例えなんであれその約束を反故に出来るか』
『だったらあんたも今日から裏切り者の仲間入りっスね。神官騎士団は今日から俺らが仕切らせてもらうっス』
『はぁ? 街中で問題ばかり起こす6勇者に、国の秩序を守る神官騎士団が務まるものか。そういうことはお前らが起こした問題のせいで発生した賠償金を俺に返してから言うんだな!』
『賠償とか、俺ら別にそんなの頼んだ覚え無ぇっスから』
理不尽さにブチギレるガーランドに、そっちが勝手にやったことだろと言い捨てるエイタ。
賠償金を払わされるほどの問題行動ってなんだよ。
6勇者って確か全員大学生だったよな?
大学入る前に社会性を学べと言いたくなるな。
『はい今このことを偉い人に報告してやりましたー。これであんたの帰る場所無ぇっスから。ぎゃはははは!』
ぎゃははって、笑い方から小物感出してくるのやめてもらっていいっスか?
『おお、よかったでござるなガーランド。職を失いお尋ね者ともなれば、心置きなく拙者とこの国を出奔できるでござるぞ』
『誰のせいでこうなったと思ってやがる! くそっ、こんなことならお前なんか引き留めるんじゃなかったぜ!』
影剣さんのからかいに、ガーランドがやけくそ気味に怒鳴り返す。
あれだけかっこいい別れを見せてからのこの締まらなさに、俺はガーランドを〝持っている奴〟だと認定する。
オイシイなぁ。
関西人的な意味で。
『ところでエイタ殿』
『なんスか?』
『少々迂闊に過ぎるでござるな』
『あ?』
そう言ったと思いきや、2人目の影剣さんがエイタの背後に現れ、その首に銀閃が走った。
『忍法〈影分身の術〉でござる』
振り返ろうとしたエイタが体を硬直させたままゆっくりと地面に倒れ、倒れた際の衝撃で首から上が離れ横に転がっていった。
首の切断面から大量の血が勢いよく噴出し、神聖な礼拝堂を赤く汚す。
こわっ!?
人の首を躊躇い無く斬り落とすその胆力もヤバイし、背後に回り込んだり斬ったのを相手に悟られせない技量と不意打ちのタイミングが絶妙過ぎる。
こうも情け容赦のない不意打ちをみせられると、改めて影剣さんの暗殺者としてのすごさを実感させられるなぁ。
やっぱり俺みたいな後衛魔法使いが影剣さんみたいな殺意と技術の高い人と近接戦闘をしちゃだめだな。
もしこんなのと対峙したら……ってあれ?
「てか、忍術使えないんじゃなかったの?」
「〈影分身〉はシーフ系ジョブの〈ニンジャ〉にスキルがあるでござるよ」
「ニンジャなんてジョブ有ったんか!?」
「〈マナロード〉や〈バトルマスター〉みたく隠しジョブでござるよ。〈トリックスター〉と〈アサシン〉を極めれば出てくるでござる」
ニンジャマスターがニヤリと笑った。
「隠しジョブって〈マナロード〉と〈バトルマスター〉だけじゃなかったのね」
「ほかにも〈アークプリースト〉と〈エクソシスト〉で〈アークビショップ〉、〈アークプリースト〉と〈ロイヤルナイト〉か〈ロイヤルガード〉で〈パラディン〉なんてのもあるでござるぞ」
「宗教国家であるバラドリンドだからこそ判明する隠しジョブですな」
影剣さんのうんちくに、ユニスが関心を示す。
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再び動き出す映像を眺めながら、ククやトト、それにミネルバも個人名がジョブになってたなぁと改めて思い直した。
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