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サクリッド行動開始
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───異国連合本部、応接室───
ライラックたちが出ていった後のサクリッドは、
「少し攻めすぎただろうか……」
ライラックへの好意の表し方を後悔していた。
「それにしても、美しいとは聞いていたがわずか二人でこの場所に来る胆力に知的な回答、なんという素晴らしい女性だ……」
サクリッドの白い頬がうっすらと赤みを帯びる。
だが、すぐに表情を引き締めると真剣な表情で考え始めた。
「ライラック様がおっしゃっていたデレリアットという侯爵との関連……私には身に覚えがないことだが、この異国連合も一枚岩ではない。私に反感を持つ者はそれなりにいる。彼らが隠れて私を陥れる資金を集めようとしているのならば、十分に可能性はある」
異国連合は組合員の投票で役職が決まる。
なので不祥事などで組合員の信頼を失えば失職させられることもある。
「少し、メスを入れる必要があるな」
サクリッドは意を決して、組織の全容を洗い出すことを決めた。
そうと決まれば行動は早い。
「ボレット、少し調べてほしいことがある」
応接室に老紳士を呼び出したサクリッドは簡潔にそう伝える。
「はっ。どういったことでしょうか?」
「デレリアット侯爵という者が誰と接触しているのかを調べてほしい」
「かしこまりました」
「どれくらいで分かる?」
「そうですな。情報の精度にもよりもますが、三日いただければ満足していただけるかと思います」
「分かった。それで頼む」
サクリッドは信頼を向けた相手にはあれこれと指示を飛ばさない。
そのことが部下や組合員たちから支持を受ける理由、人柄であった。
「あと、ライラック様についてどう思った?」
「それはサクリッド様の方が詳しいのでは?私は少し対応しただけですので」
「いいから聞かせてくれ」
「完璧過ぎる令嬢と言ったところでしょうか?」
「完璧過ぎるとは?」
「まず容姿は言わずもがなの美しさ。それに加えて亜人である私どもに一切の嫌悪感を出さず、礼節ある対応をなさってくださいました。あと、彼女は武術の腕も相当なものですね」
「武術までもか?」
「ええ、彼女の弟君も相当な使い手ですが、彼女の足さばきから重さを感じさせない身体の動かし方は見事なものでした」
「そうか……流石だなボレット」
「ありがとうございます」
ボレット。
サクリッドの一番信頼する部下であり、執事から護衛までもを担当する老紳士。
一見目が開いているか分からないほどの柔和な様子だが、いざ戦闘となるとその目が開かれ、黄金の瞳が現れる。
若い頃は黄金の魔眼と呼ばれた人物も、今ではすっかりと好々爺になっていた。
「サクリッド様が一目惚れなさるのも無理はないですな」
「……なぜ分かった」
「それはもう、顔を見れば分かります。ライラック様のことを聞いてきたとき、どのような女性に言い寄られてもしなかった優しい表情をなさっていましたので」
「ボレットには敵わんな……」
「ついでと言っては大変失礼ですが、ライラック様に関してもお調べいたしましょうか?特に好きなものや近くにいる男性などを」
にっこりと微笑むボレット。
「……よろしく頼む」
「はい」
全くもって敵わない老紳士に、サクリッドは少年のように笑うのだった。
ライラックたちが出ていった後のサクリッドは、
「少し攻めすぎただろうか……」
ライラックへの好意の表し方を後悔していた。
「それにしても、美しいとは聞いていたがわずか二人でこの場所に来る胆力に知的な回答、なんという素晴らしい女性だ……」
サクリッドの白い頬がうっすらと赤みを帯びる。
だが、すぐに表情を引き締めると真剣な表情で考え始めた。
「ライラック様がおっしゃっていたデレリアットという侯爵との関連……私には身に覚えがないことだが、この異国連合も一枚岩ではない。私に反感を持つ者はそれなりにいる。彼らが隠れて私を陥れる資金を集めようとしているのならば、十分に可能性はある」
異国連合は組合員の投票で役職が決まる。
なので不祥事などで組合員の信頼を失えば失職させられることもある。
「少し、メスを入れる必要があるな」
サクリッドは意を決して、組織の全容を洗い出すことを決めた。
そうと決まれば行動は早い。
「ボレット、少し調べてほしいことがある」
応接室に老紳士を呼び出したサクリッドは簡潔にそう伝える。
「はっ。どういったことでしょうか?」
「デレリアット侯爵という者が誰と接触しているのかを調べてほしい」
「かしこまりました」
「どれくらいで分かる?」
「そうですな。情報の精度にもよりもますが、三日いただければ満足していただけるかと思います」
「分かった。それで頼む」
サクリッドは信頼を向けた相手にはあれこれと指示を飛ばさない。
そのことが部下や組合員たちから支持を受ける理由、人柄であった。
「あと、ライラック様についてどう思った?」
「それはサクリッド様の方が詳しいのでは?私は少し対応しただけですので」
「いいから聞かせてくれ」
「完璧過ぎる令嬢と言ったところでしょうか?」
「完璧過ぎるとは?」
「まず容姿は言わずもがなの美しさ。それに加えて亜人である私どもに一切の嫌悪感を出さず、礼節ある対応をなさってくださいました。あと、彼女は武術の腕も相当なものですね」
「武術までもか?」
「ええ、彼女の弟君も相当な使い手ですが、彼女の足さばきから重さを感じさせない身体の動かし方は見事なものでした」
「そうか……流石だなボレット」
「ありがとうございます」
ボレット。
サクリッドの一番信頼する部下であり、執事から護衛までもを担当する老紳士。
一見目が開いているか分からないほどの柔和な様子だが、いざ戦闘となるとその目が開かれ、黄金の瞳が現れる。
若い頃は黄金の魔眼と呼ばれた人物も、今ではすっかりと好々爺になっていた。
「サクリッド様が一目惚れなさるのも無理はないですな」
「……なぜ分かった」
「それはもう、顔を見れば分かります。ライラック様のことを聞いてきたとき、どのような女性に言い寄られてもしなかった優しい表情をなさっていましたので」
「ボレットには敵わんな……」
「ついでと言っては大変失礼ですが、ライラック様に関してもお調べいたしましょうか?特に好きなものや近くにいる男性などを」
にっこりと微笑むボレット。
「……よろしく頼む」
「はい」
全くもって敵わない老紳士に、サクリッドは少年のように笑うのだった。
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