召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

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一年生

疲れた身体にはやっぱりお風呂ですね!

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「じゃあ、準備してからお風呂にいきましょう」

「ああ、分かった」

「りょうかい」

夕食が終わり、一緒に自室の前まで戻ると、三人はそれぞれお風呂セットを用意しに自室へと入っていった。
それから少ししてサリアが出てくると、髪を解いたフレアとリーナも揃い、三人で浴場へと向かう。

最初の頃は気恥ずかしさを覚えていた脱衣も、特に何事もなくスムーズに行われている。
ある一点だけを除いて。

「んっしょ……」

ぷるん。

「「……」」

サリアがシャツを脱ぐ時だけは、フレアとリーナの視線が大きく震える部分へと集中してしまう。

「もう……あんまり見ないでよ」

「すまん、あまりに見事なものでな」

「はい、何を食べたらこんなに大きくなったのですか?」

「そ、それは少し気になるな!」

興奮するフレアだが、

「知らない。勝手に大きくなった」

「……そうか」

無情なサリアの答えに、がっくりと肩を落としてしまった。

「フレアさんは欲張りです!綺麗なストレートな髪!それに引き締まったお腰!それに綺麗な顔をして、まだお胸も欲しがるんですか!」

リーナはフレアのサラサラの赤髪を指摘した後、細い腰を両手で撫でまわす。

「こ、これは!?なんてスベスベなんでしょうか!?」

「ひゃんっ!?」

「いまの声、えっち」

「い、いきなり触るからだ!」

「いいなぁ……」

「リーナもいつまで触っているか!」

フレアはリーナの手から逃げ出すと、

「ああ……スベスベのお肌が……」

リーナは残念そうに呟いた。

「わたしはリーナみたいに優しい女の子になりたかった……」

サリアの少しだけ悲しそうな言葉を聞いた二人は、にっこりと微笑む。

「サリアも十分に優しいだろう?」

「そうですよ。以前に怪我させてしまった男の子にもしっかりと謝ってましたし、裏庭のお花に水を上げていたのも見ましたよ?とってもいいお顔でした」

「ほう……それは初耳だな」

「は、恥ずかしい……」

サリアの白い頬がうっすらと桃色に染まる。

「も、もう可愛い過ぎです!よしよし……」

「むぎゅ」

「あっ!ズルいぞリーナ!私も混ぜろ!」

「く、くるしい……」

正面からリーナが、背中からはフレアが抱きしめ、小さなサリアは苦しそうに呟いた。

「ふふっ……仲がいいのは結構ですが、少し騒がしいですよ?」

「……こほん。失礼いたしました」

「すいません……」

脱衣所の入り口にはいつものきっちりとしたスーツ姿ではなく、ラフなシャツと下は運動着のようなズボンで残念ながらお洒落さは皆無だ。

「ルナ先生もお風呂?」

「ええ、今日は女子寮での当直となりますので、ご一緒させてもらってもいいですか?」

「もちろんです」

「はい!いつかルナ先生ともお風呂ご一緒したかったんです!」

「うん」

「ふふっ、ありがとうございます」

ルナはにこりと微笑むと、おもむろに上着を脱いだ。

ふよん。

サリアほどのボリュームはないが、白いレースの下着に包まれた形の良い胸が揺れる。

じぃぃぃ……

その美しさに三人の少女の目は釘付けになった。

「な、なんですか?そんなにじいっと見て、恥ずかしいじゃないですか」

すると、ルナは恥ずかしそうに胸を隠す。

「な、なんという美しさ……」

「それに加えて可愛い仕草……」

「これは、すごい……とってもすごい……」

そんな普段はまったく見せないルナの一面に、少女たちは興奮を覚えていた。

「さ、先にお風呂に入ってなさい!」

「失礼いたしました!」
「はい!」
「そうする」

ルナの一喝により、そそくさと浴場内へと駆け込んだのだった。

「二度と失態を起こさんと誓ったというのに……」

フレアは身体を洗いながら、反省の弁を述べる。

「仕方ないですよ。ルナ先生がとっても綺麗でしたから」

「ん。カイやルース、他の男の子もデレデレするのも納得……」

「むぅ……負けてはいれんな」

「男の子はお姉さんに弱いそうですから仕方ありませんね」

「そうなの?」

「ええ、妹たちが教えてくれたんです。男の子たち、リーナお姉ちゃんのことばかり見てるんだから!って怒ってました」

「ははは、可愛らしいな。いくつなんだ?」

「大きい子で十二歳、小さな子で六歳ですね。とても可愛らしい子たちです」

「賑やかで楽しそう」

「はい、自慢の妹たちです。いつか紹介できるといいですね」

ガラッ。

すっかりと落ち着きを取り戻した少女たちの後ろから、扉の開く音が聞こえた。
ルナのタオルで軽く前を隠しただけの姿を見て、再び興奮しそうになる三人だったが、ある部分に目がいくと昂りかけた心は静まる。

ルナの右太ももに大きく残る傷跡が痛々しかったからだ。

「怖いかもしれませんが、あまり気にしないでくださいね?」

少し悲しげな表情を浮かべたルナは、離れた場所に腰かけた。

「こ、怖いなんてことはありません!」

「はい!ですが、少し驚いてしまったのすみません……」

「いたくないの?」

「いえ、その気持ちだけで嬉しく思います。今は激しい運動を長時間しなければ問題ありませんよ」

微笑むルナだが、少しばかり重苦しい空気になってしまった。
しかし、

「ルナ先生は、好きな人いるの?」

「は、はぁ!?」

サリアのもらした言葉により、それは一気に払しょくされる。

「それは是非ともお聞かせください!」

「ええ!気になりますね!ガレフ先生やサフィール先生ですか!?」

「あの二人はただの同僚です!す、好きな人なんていませんよ!」

真っ赤な顔で否定するルナに、少女たちの追撃が次々と襲いかかっていく。

「今までお付き合いされた方はいらっしゃいますか!?」

「ルナ先生ともなればモテモテですよね!?」

「そんなことありません!いいですか?男性にとって自分よりも強い女性は引かれてしまうのです!あなた方もそうですよ!?ライバルとは見られているかもしれませんが、異性として見られているかどうかは疑問がありますから!」

「うっ!?」

「そんな!?」

「つらい……」

「す、少し言い過ぎましたが、そういった事実があるのも確かです。ですので気になる男性がいるのなら弱い一面を出すことも大事だと思います」

いつもの調子が出てきたルナは教師の顔に戻ると、生徒たちに教えを授ける。

「な、なるほど……弱い一面を……」

「やってみます!」

「うん、頑張る」

「はい、頑張ってくださいね」

笑顔が広がり、女子だけの勉強会は明るい雰囲気へと包まれていく。
だが、再び消し去ったのがサリアだった。

「先生は男の人と付き合ったことあるの?」

「……」

ルナの笑顔が凍り付いた。
サリアの氷属性は先生のルナにも有効のようである。

「こ、こら!サリア!」

「大体話の流れで分かるでしょう!?」

「……ええ!いませんよ!生まれてからというもの甘酸っぱい記憶なんてこれっぽちもありません!それが悪いんですか!?私だって……私だって!手と手が触れ合って、ご、ごめんなさい……いやこっちこそ……なんてことをしてみたかったですぅぅぅ!」

いつもの冷静さはどこへやら、だだっこのように泣き始めてしまった。

「ルナ先生はまだまだお若いじゃないですか!?」

「そうですよ!ねえ!?サリアちゃん!」

「う、うん……とってもキレイだし、優しいし、大丈夫」

「ほ、本当ですか……?」

「はい!」
「ええ!」
「うん」

「そ、そうですよね……まだまだこれからですよね!」

今度こそ、浴場内を明るい空気が包んでいくのだった。


「な、なんだか……凄い話だったね……」

「ああ……大人の女性にも、いろいろあるんだなぁ……」

ルナさん……
その気持ち、非常に良く分かります……!

ファーナはルナ先生の話にめちゃくちゃ共感しているようで、内なる言葉が涙声のように頭に響く。

女子たちの会話は、隣にある男子浴場に大きく響き、丸聞こえだったのである……
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