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一年生
最強の戦乙女との闘いです!
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「いよいよか……」
クリス先輩に果たし状を渡してから、数日後の終業後に闘技場へと向かう。
いつもの通路を歩いているだけだというのに、手のひらにじっとりと汗がにじむ。
緊張していますね。
そ、そりゃあこの学園で最強の人だぜ?
怖くもあるし、緊張もするさ。
それなのに挑むのですか?
力の一端でも知っておきたいからな。
それにヤバいと思ったら即座に降参する心構えは出来ている!
ふふふ……
なんだよ、情けないとでも思っているのか?
いえ、勇気と臆病さを兼ね備えた立派な人だと思っています。
ですので、共に頑張りましょうね。
ああ、よろしくな!
イエス、マスター。
闘技場の扉を開き、決戦の場へと足を進めていく。
カツンカツンと石畳の上を歩く音が響いていき、開けた場所へと到着する。
そして、
「待っていたよ?カイ君」
「お待たせしました」
対戦相手であるクリス先輩と顔を合わせた。
深呼吸とともに周囲を見渡すと、観客席にはほぼ全生徒が観戦にきたと言っても過言ではないくらいの人がいる。
その中にはクラスメイトの顔や、レオン先輩セツナ先輩といった顔もあった。
「カイ君、クリスさん、制限時間は五分です。それまでに決着しなかった場合は引き分けとします。いいですね?」
通常の対戦時間よりも短いが、それでも長いのかもしれない。
心してかからないと一瞬で負かされる可能性も十分にあるからな。
「はい」
「分かりました」
ルナ先生の言葉に同意した後、
「今日を楽しみにしてたよ!」
クリス先輩は笑みを向けてくれた。
「俺もです!」
俺も笑顔で返し、握手をする。
クリス先輩は長い金髪を束ね、ライトメイルとロングソードの武装だ。
完全に近接型と見て間違いない。
「では、指定の位置へ!」
俺たちは少し離れた指定の位置に付く。
「カイ!頑張れぇ!」
「勝てると信じているからな!」
「が、頑張ってください!」
「がんばれっ!」
集中した意識が、みんなの声を聞き取った。
俺はその声に精一杯応えたい!
「試合開始!」
その言葉とともに、
「行くぞ!ファーナ!」
イエス、マスター!
「おいでユニユニ!」
お互いが召喚獣を喚び合う。
クリス先輩の召喚獣は聞いていた通りのユニコーンだった。
クリス先輩はその背に跨がると、
「行こうか?」
首筋をポンポンと叩く。
ユニコーンがヒヒーン!といななくと、
ダダダダッ!
あり得ない速さで突っ込んでくる。
ユニコーンの速さじゃない!
サリアの召喚獣のロゼルと同じくらいじゃねぇか!?
「リンクメイル!」
ファーナと一体化する。
「へぇ!すごいな!そんな事できるんだ!」
近付いてくるクリス先輩が驚きの声を上げる。
光の剣よ、我が敵を討て。
先制攻撃はファーナの光の剣による遠距離攻撃から始まった。
ファーナの周囲に現れた三本の剣が、ユニコーンに跨るクリス先輩へと向かっていく。
「速いね!でも!」
ユニコーンはスピードを緩めることなく左右へと跳び、全ての剣を難なく回避する。
そして、お互いの剣が届く位置にまであと僅かとなった。
ファーナは光の剣を再度召喚し、今度は手に持つ。
「はぁぁぁ!」
クリス先輩の鋭い斬撃が馬上から振り下ろされた。
キィィィン!
ファーナは落ち着いた動きで、クリス先輩の剣を防いでくれた。
いってぇぇぇ!?
だが、俺の手にもビリビリと振動が来る。
その痛みで、剣の重さがかなりのものだとすぐに分かる。
「まだまだ!」
躱せませんので受けきります!マスターもこらえてください!
分かった!
そして目にも止まらぬ速さで、剣を交える二人。
激しい振動と衝撃が腕や体を襲ってくるが、俺は詠唱を終えてキーワードを放つ。
「フラッシュ」
目を閉じて発動した俺の魔法は、俺たちの間を強い光で照らしていく。
「うっ!」
一瞬の眩しさに、クリス先輩の目を眩ませる。
そこだっ!
ファーナはそこを見逃さなかった。
すぐさまユニコーンへと斬りかかる。
しかし、クリス先輩の反応も凄かった。
「ユニユニ!」
一瞬で不利を悟ったユニコーンは、後ろに跳ぶように避けた。
だが、ファーナの放った横薙ぎの剣はユニコーンの胸を捉えることに成功したようだ。
ユニコーンのバランスは崩れ、着地に失敗して石畳へと倒れこんでしまった。
その際に愛馬の背中から放り出されたクリス先輩だが、空中で体勢を整え、しっかりと着地をこなす。
その間にファーナは、倒れているユニコーンを狙い、剣を振るった。
「戻って!ユニユニ」
だが、ファーナの剣がユニコーンの身体を傷つける前に光となり、クリス先輩の中へと消えていった。
「予想以上だよ……カイ君!」
「こっちはいっぱいいっぱいですよ……」
楽しそうなクリス先輩。
そのお気持ちは嬉しいが、疲労Maxの俺に対してまだまだ元気な様子は絶望でしかない。
「あはは!まだまだ行くよ!」
来ないで欲しいんですが!?
「ブースト!」
キーワードを唱えると、ユニコーンを失ったというのに先ほどと変わらない速さで斬りかかってくる。
キィィィン!
俺が反応できていなくてもファーナは見事に反応し、剣を受け止めてくれていた。
マスター、魔力は大丈夫ですか?
まだ、なんとかなる!
痺れる腕と荒い呼吸の中で、俺は虚勢を放つ。
はい、マスター。
光の剣を双剣で構え、クリス先輩へと斬りかかっていく。
もはや俺に出来ることは身体の痺れと魔力の消費に耐えることのみ。
「でりゃぁぁぁ!」
ファーナがクリス先輩が繰り出した上段からの一撃を双剣で防ぎ、滑らすように懐に潜り込んでいく。
「くっ!」
それを蹴りで離そうとするが、ファーナの身体は止まらない。
しかし、クリス先輩はファーナの鎧を足場に後ろへと跳び、距離を離した。
どんな運動能力してんの!?
「はぁぁぁ!」
せやぁぁぁ!
お互いが気合いとともに斬りかかった瞬間。
「タイムアップ!試合終了です!」
長かった五分が過ぎたようだ。
ギリギリで助かった気しかしない……
あと一分でもあれば、ギブアップしていただろう。
「もう終わりかぁ……もうちょっと闘いたかったな」
無茶を言わんで下さい。
ファーナありがとう……
いえ、マスターのお体に負担をかけ申し訳ございません。
気にしないでほしい。
ファーナはよくやってくれた。
ありがとうございます、マスター。
召喚が解け、俺を包んでいた鎧が消えていく。
そして俺はしゃがみこんだ。
腕の痺れが激しく、魔力、体力ともに余裕はまるでないので仕方ないと思ってほしい。
「いやぁ!強いねカイ君!」
それに対してクリス先輩は汗は出ているが、まだまだ余裕そうだった。
「何言ってんですか……クリス先輩の方が強すぎますよ……」
「ありがとね。良かったらまたしてくれる?君たちの相手はとても気持ちよかったよ!」
なんだかドキドキする言い方だが、
「こちらこそ……今度は全力で相手してもらえるように、頑張ります……」
「十分に全力だったよ?」
「なら、良かったです……」
もう息も整いつつあるクリス先輩と動けそうにない俺。
この差が縮まるように頑張ります……
「君のリビングメイルさんも凄く強かった!あのまま闘っていたら、負けていたのはボクかも知れなかったし!」
「その前に俺の魔力が尽きてますよ……」
「あはは!そっかぁ!大丈夫?歩ける?」
「いやちょっとキツいですね……」
「じゃあ運んであげるよ?」
はっ?
「よいしょ」
お姫様抱っこをされる俺。
「いや大丈夫です!降ろしてください!」
「大丈夫だよ?軽いから」
そういう問題じゃない!
クリス先輩のキレイな顔が間近に……
「どうしたの?」
クリス様、素敵です……って俺は乙女じゃねぇ!よ?
俺はお姫様抱っこされる姿を全校生徒に見られながら、闘技場を後にすることになった。
つ、次は自分の足で闘技場から降りるからな!
ふふふ……頑張りましょうね。
クリス先輩に果たし状を渡してから、数日後の終業後に闘技場へと向かう。
いつもの通路を歩いているだけだというのに、手のひらにじっとりと汗がにじむ。
緊張していますね。
そ、そりゃあこの学園で最強の人だぜ?
怖くもあるし、緊張もするさ。
それなのに挑むのですか?
力の一端でも知っておきたいからな。
それにヤバいと思ったら即座に降参する心構えは出来ている!
ふふふ……
なんだよ、情けないとでも思っているのか?
いえ、勇気と臆病さを兼ね備えた立派な人だと思っています。
ですので、共に頑張りましょうね。
ああ、よろしくな!
イエス、マスター。
闘技場の扉を開き、決戦の場へと足を進めていく。
カツンカツンと石畳の上を歩く音が響いていき、開けた場所へと到着する。
そして、
「待っていたよ?カイ君」
「お待たせしました」
対戦相手であるクリス先輩と顔を合わせた。
深呼吸とともに周囲を見渡すと、観客席にはほぼ全生徒が観戦にきたと言っても過言ではないくらいの人がいる。
その中にはクラスメイトの顔や、レオン先輩セツナ先輩といった顔もあった。
「カイ君、クリスさん、制限時間は五分です。それまでに決着しなかった場合は引き分けとします。いいですね?」
通常の対戦時間よりも短いが、それでも長いのかもしれない。
心してかからないと一瞬で負かされる可能性も十分にあるからな。
「はい」
「分かりました」
ルナ先生の言葉に同意した後、
「今日を楽しみにしてたよ!」
クリス先輩は笑みを向けてくれた。
「俺もです!」
俺も笑顔で返し、握手をする。
クリス先輩は長い金髪を束ね、ライトメイルとロングソードの武装だ。
完全に近接型と見て間違いない。
「では、指定の位置へ!」
俺たちは少し離れた指定の位置に付く。
「カイ!頑張れぇ!」
「勝てると信じているからな!」
「が、頑張ってください!」
「がんばれっ!」
集中した意識が、みんなの声を聞き取った。
俺はその声に精一杯応えたい!
「試合開始!」
その言葉とともに、
「行くぞ!ファーナ!」
イエス、マスター!
「おいでユニユニ!」
お互いが召喚獣を喚び合う。
クリス先輩の召喚獣は聞いていた通りのユニコーンだった。
クリス先輩はその背に跨がると、
「行こうか?」
首筋をポンポンと叩く。
ユニコーンがヒヒーン!といななくと、
ダダダダッ!
あり得ない速さで突っ込んでくる。
ユニコーンの速さじゃない!
サリアの召喚獣のロゼルと同じくらいじゃねぇか!?
「リンクメイル!」
ファーナと一体化する。
「へぇ!すごいな!そんな事できるんだ!」
近付いてくるクリス先輩が驚きの声を上げる。
光の剣よ、我が敵を討て。
先制攻撃はファーナの光の剣による遠距離攻撃から始まった。
ファーナの周囲に現れた三本の剣が、ユニコーンに跨るクリス先輩へと向かっていく。
「速いね!でも!」
ユニコーンはスピードを緩めることなく左右へと跳び、全ての剣を難なく回避する。
そして、お互いの剣が届く位置にまであと僅かとなった。
ファーナは光の剣を再度召喚し、今度は手に持つ。
「はぁぁぁ!」
クリス先輩の鋭い斬撃が馬上から振り下ろされた。
キィィィン!
ファーナは落ち着いた動きで、クリス先輩の剣を防いでくれた。
いってぇぇぇ!?
だが、俺の手にもビリビリと振動が来る。
その痛みで、剣の重さがかなりのものだとすぐに分かる。
「まだまだ!」
躱せませんので受けきります!マスターもこらえてください!
分かった!
そして目にも止まらぬ速さで、剣を交える二人。
激しい振動と衝撃が腕や体を襲ってくるが、俺は詠唱を終えてキーワードを放つ。
「フラッシュ」
目を閉じて発動した俺の魔法は、俺たちの間を強い光で照らしていく。
「うっ!」
一瞬の眩しさに、クリス先輩の目を眩ませる。
そこだっ!
ファーナはそこを見逃さなかった。
すぐさまユニコーンへと斬りかかる。
しかし、クリス先輩の反応も凄かった。
「ユニユニ!」
一瞬で不利を悟ったユニコーンは、後ろに跳ぶように避けた。
だが、ファーナの放った横薙ぎの剣はユニコーンの胸を捉えることに成功したようだ。
ユニコーンのバランスは崩れ、着地に失敗して石畳へと倒れこんでしまった。
その際に愛馬の背中から放り出されたクリス先輩だが、空中で体勢を整え、しっかりと着地をこなす。
その間にファーナは、倒れているユニコーンを狙い、剣を振るった。
「戻って!ユニユニ」
だが、ファーナの剣がユニコーンの身体を傷つける前に光となり、クリス先輩の中へと消えていった。
「予想以上だよ……カイ君!」
「こっちはいっぱいいっぱいですよ……」
楽しそうなクリス先輩。
そのお気持ちは嬉しいが、疲労Maxの俺に対してまだまだ元気な様子は絶望でしかない。
「あはは!まだまだ行くよ!」
来ないで欲しいんですが!?
「ブースト!」
キーワードを唱えると、ユニコーンを失ったというのに先ほどと変わらない速さで斬りかかってくる。
キィィィン!
俺が反応できていなくてもファーナは見事に反応し、剣を受け止めてくれていた。
マスター、魔力は大丈夫ですか?
まだ、なんとかなる!
痺れる腕と荒い呼吸の中で、俺は虚勢を放つ。
はい、マスター。
光の剣を双剣で構え、クリス先輩へと斬りかかっていく。
もはや俺に出来ることは身体の痺れと魔力の消費に耐えることのみ。
「でりゃぁぁぁ!」
ファーナがクリス先輩が繰り出した上段からの一撃を双剣で防ぎ、滑らすように懐に潜り込んでいく。
「くっ!」
それを蹴りで離そうとするが、ファーナの身体は止まらない。
しかし、クリス先輩はファーナの鎧を足場に後ろへと跳び、距離を離した。
どんな運動能力してんの!?
「はぁぁぁ!」
せやぁぁぁ!
お互いが気合いとともに斬りかかった瞬間。
「タイムアップ!試合終了です!」
長かった五分が過ぎたようだ。
ギリギリで助かった気しかしない……
あと一分でもあれば、ギブアップしていただろう。
「もう終わりかぁ……もうちょっと闘いたかったな」
無茶を言わんで下さい。
ファーナありがとう……
いえ、マスターのお体に負担をかけ申し訳ございません。
気にしないでほしい。
ファーナはよくやってくれた。
ありがとうございます、マスター。
召喚が解け、俺を包んでいた鎧が消えていく。
そして俺はしゃがみこんだ。
腕の痺れが激しく、魔力、体力ともに余裕はまるでないので仕方ないと思ってほしい。
「いやぁ!強いねカイ君!」
それに対してクリス先輩は汗は出ているが、まだまだ余裕そうだった。
「何言ってんですか……クリス先輩の方が強すぎますよ……」
「ありがとね。良かったらまたしてくれる?君たちの相手はとても気持ちよかったよ!」
なんだかドキドキする言い方だが、
「こちらこそ……今度は全力で相手してもらえるように、頑張ります……」
「十分に全力だったよ?」
「なら、良かったです……」
もう息も整いつつあるクリス先輩と動けそうにない俺。
この差が縮まるように頑張ります……
「君のリビングメイルさんも凄く強かった!あのまま闘っていたら、負けていたのはボクかも知れなかったし!」
「その前に俺の魔力が尽きてますよ……」
「あはは!そっかぁ!大丈夫?歩ける?」
「いやちょっとキツいですね……」
「じゃあ運んであげるよ?」
はっ?
「よいしょ」
お姫様抱っこをされる俺。
「いや大丈夫です!降ろしてください!」
「大丈夫だよ?軽いから」
そういう問題じゃない!
クリス先輩のキレイな顔が間近に……
「どうしたの?」
クリス様、素敵です……って俺は乙女じゃねぇ!よ?
俺はお姫様抱っこされる姿を全校生徒に見られながら、闘技場を後にすることになった。
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