召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

think

文字の大きさ
98 / 179
一年生

久しぶりに揃ってお風呂です!

しおりを挟む
さぁ!お風呂の時間です!
久しぶりにサリアちゃんの髪を洗いたいですね!
むふふ……少し見ないうちにいろいろと成長しているかもしれません……

お風呂セットを用意しながら、リーナの顔はにやけている。
彼女はギリギリまで休暇を実家である孤児院で過ごしていた。
そのためフレアとサリアで入る風呂は久しぶりのことだ。
それと忘れていけないのがもう一人。

コンコン!

「リーナちゃん!お風呂行くよー!」

ノックとともに大きな声が聞こえてきた。

「クリス先輩?お風呂前で待ち合わせでしたよね?」

風呂の準備は途中のままで、部屋のドア開くとクリスがいた。

「だって一人で待つのって寂しいから来ちゃった!」

「もう……お姉さんなんだから我慢してくださいね?」

まるで小さな子供をあやすようにクリスをたしなめる。

「まぁまぁいいじゃないの!準備できてる!?」

「すみません。もう少しだけ待ってもらえますか?」

「わかった!それじゃボクはフレアちゃんやクリスちゃんに声をかけてくるよ!」

たぶん二人にも聞こえていると思います……

そう思いつつ、室内へと戻ったリーナは準備を終えると外へと出て行く。
するとすでにフレア、サリア、クリスの三人がリーナのことを通路で待っていた。

「みなさんお待たせしました」

「気にしなくていい。私もさきほど出て来たばかりだからな」

「リーナとお風呂嬉しい。フレアのわたしの髪の洗い方はまだまだだから」

「そんなに言うなら自分で洗え!」

「人に洗ってもらうの気持ちいいからやだ」

「はいはい!ケンカしてないでお風呂にいくよ!」

クリスは珍しく上級生らしいところを見せ、場を落ち着かせると先頭を切って歩き出した。

「わかった」

「サリア!話の続きは風呂場でだからな!」

「しつこい」

それにサリアとフレアが続いていく。

(ふふふ、少し離れていただけなのにこの騒がしさが懐かしいです)

リーナの孤児院でも騒がしいことはあるが、みんなのお姉さんではなく、リーナ個人として気負わずにいられるのは学園でしかないものだ。

「あっ!置いてかないでください!」

リーナが感慨深く思っていると、いつの間にか置いていかれそうになっていた。

サァァァ……

リーナはサリアの髪へお湯を優しく流す。

「ふぅ……やっぱりリーナがいちばん……」

サリアは気持ちよさそうに目を閉じて、リーナの胸に頭を預けていた。

「うふふ、ありがとうございます」

「リーナがいない間はさんざん私に洗わせていたくせに……」

「あはは、残念だね!結構楽しそうにしてたのにリーナちゃんにとられちゃったね!」

「べ、別に楽しかったわけではありません!」

楽しい会話をしながら髪や身体を洗った後、ゆっくりと湯船の中へと浸かっていく。

「「「「ふぅ……」」」」

浴場内に乙女たちの艶やかなため息がこぼれた。

「そういえば学生グランプリのことを聞いたのですが、三年生の代表はクリス先輩で決まりですか?」

「うん。だーれも挑んでこないからそうなると思う」

フレアの質問に不機嫌そうにクリスが答える。

「そういう君たちはどうなの?二人しか出場できないけど誰が代表になるのかな?」

「私です」
「私ですね」
「わたし」

三人の答えは同じで、タイミングも一緒だったが、湯船の気持ちよさが勝っているようだ。
まったりとした表情で視線を合わせていた。
本来ならバチバチと火花が散っているのだろうが、そんな気配はまったくない。

「あららら、熾烈な争いになりそうだね。カイ君にルース君もいるし」

「はい、ですが負けません。私も力をつけていますから」

「ふふふ……成長しているのがフレアさんだけだとでも思っているのですか?」

「わたしも一番を目指してるから」

ライバル関係な三人を羨ましく思ったクリスは、笑顔で会話に入っていく。

「三人ともボクと模擬戦やろうよ!すごく楽しそう!」

「それは……」

「ちょっと……」

「お断り」

「なんでさ!?」

クリスの提案は全員に拒否されてしまった。

「代表戦もありますので……その代わり剣でのお相手なら喜んでお相手させていただきます」

「私も防御魔法の強化を図りたいので、攻撃役をお願いしたいです」

「わたしの避け練習手伝って。クリスの攻撃避けれたら怖いものなし」

「みんな……うん!わかった!全力でやっちゃうよ!」

後輩から頼りにされたクリスは嬉しそうに意気込んだ。

「ほ、ほどほどでお願いします……」

「全力はちょっと……」

「腕八分目くらいでよろしく」

「うっ……わかったよ……」

落とされた後に上げられ、また落とされてしまい少しションボリするクリスだったが、

「ですがご協力を申し出いただきありがとうございます」

「とっても嬉しいです!」

「サンキュー」

「……みんな好きぃ!」

クリスは可愛い後輩たちをひとまとめにすると、喜びを露わにして抱き着いた。
その結果、ムニュムニュと柔らかいものが押しつぶされるように身体へと当たる。

(なぜこうも差がでるのだろうな……)

柔らかい感触を周囲から押しつけられたせいで、フレアの顔がちょっとだけ悲しそうだった……
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

社畜だった俺、最弱のダンジョンマスターに転生したので、冒険者を癒やす喫茶店ダンジョンを経営します

☆ほしい
ファンタジー
過労死した俺が目を覚ますと、そこは異世界のダンジョンコアの前だった。 どうやら俺は、ダンジョンマスターとして転生したらしい。 だが、与えられた俺のダンジョンは最低ランクのF級。魔力を生み出す力は弱く、生み出せる魔物もスライムやゴブリンといった最弱クラスばかり。これでは、冒険者を呼び込んで魔力を得るなんて夢のまた夢だ。 絶望する俺だったが、ダンジョンの創造機能を使えば、内装を自由にデザインできることに気づく。 「……そうだ、喫茶店を開こう」 前世で叶えられなかった夢。俺は戦闘を放棄し、ダンジョンの入り口に木造の喫茶店『やすらぎの隠れ家』を作り上げた。メニューは、前世の知識を活かしたコーヒーと手作りケーキだけ。 ところが、そのコーヒーには異常なまでの疲労回復効果が、ケーキには一時的な能力向上効果が付与されていることが判明。噂を聞きつけた訳ありの冒険者たちが、俺のダンジョンに癒やしを求めて集い始めるのだった。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら

リヒト
ファンタジー
 現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。  そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。  その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。  お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。    ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。    お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

処理中です...