天才魔道士と努力家剣士!!

三毛猫2025

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兄弟が死ぬ前2-1

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「しね」
僕の机に、黒いクレヨンで、そう書いてあった。
一年生しか使わないクレヨンだったから、他学年ではないだろう。
そして、一年生は1クラスしかないからこの一組以外誰もいない。
しかし、字からして、いつもいじめてくるあのメンバーではない、まあいつものいじめが始まるのは変わらない。少し人数が増えるだけだろう。

いじめに加わっていく人には、あまり敵意識しない。
誰かを一方的にいじめないと、次のいじめの標的に自分がされたりする。なら、自己防衛のため、間違っていても自分が安全になれるみちへ進む。だから、いじめをやらせる雰囲気をつくっているあのメンバーが元凶…

ガタッ!!!
僕は、思いっきり前方に押された。あのメンバーは前にいた。
新メンバーか。僕は後ろを見た。

…っ!!

後には、〇〇さん。僕をいじめてくる人を追っ払ってくれた、たった一人の人だ。両手を前に突き出している。明らかに〇〇さんが押してきた。
でも…泣いていた。

〇〇)「ごめんね」
小さくつぶやいた。

教室の外の廊下には、多くの女子がいた。
〇〇さんは人気者。でも廊下にいた女子は冷たい目で見ていた。


一瞬でわかった。指先が黒い。机に落書きしたのは、〇〇さんだ。
そして、自分が、自分の意志で書いたのではなく、周りに感化されてやったのだ。きっと、あの廊下にいる女子にとっては、〇〇さんが僕に同情していたのが面白くなかったのだろう。だから脅して、無理やり加害者側につかせたのだ。

辛い。

ツラい、ツラい、ツラい、ツラい……………。
僕は…僕は……僕のせいで、一人の人を被害者側に引きずり込ませたんだ。
いじめられる人は、一人でいいだろう…?なんで、なんで、こんな性格の良すぎるような人もいじめられなきゃいけない…?
いじめをした人への怒りと自分への嫌悪感が頭の中でグッチャグチャになって、
何かしらの判断さえもおかしくなりそうだったから、僕は教室を出た。

中庭に出て、木にとまっているセミを見た。いつもはこんなちかくで見たら、怖くて逃げ出したくなる。でも、今は何も思わなかった。
誰も中庭にいなかったことが幸いだ。何も、もう、考えたくないなぁ。

キーンコーンカーンコーン………

無機質な鐘の音が学校全体に響く。朝の会を知らせているのに足がまるで動かない。
結局、かばんがイスにあったことから、どこかに行ったのだろうということで、欠席にはならなかった。

担任は当てにならない。僕がいじめにあってると言えたとしても、僕がいなくてもどうも思わない人だから。いじめられてるのを知ってる上で、どこが「いじめはいけません」だ。
いじめられている人にとっては、その言葉が一番傷つくんだよ。頼りになる人が居なくなったって思う、最終宣告のように感じる。

結局今日は、ほとんど集中できないまま授業を終えてしまった。

今日は委員会がないみたいだ。お兄ちゃんとまた帰れる、2日連続は珍しいな。
今日も暑いな。セミがまたうるさく鳴いている。

しゅうと)「しゅんー、どこだー?」

いつものように、ランドセルに教科書や文房具を入れる。
いつものように、取られたものを取り戻す。
いつものように、セミの鳴き声を聞いたり、積乱雲を見る。
いつものように、いつものように………
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