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第18話 ラッキーの予想を上回る才能(?)
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ドカァアアアアアアアアン!!
「きゃあああ!?」
台所の方からシズルの叫び声が聞こえる・・・・またか、また起きたのか。
「ごめんなさい、イセア。またご飯駄目にしちゃいました」
「まあ・・・・・・・・・仕方ないよ。ジャッジも原因は不明と言っている事だし」
「納得出来ませんわ!何でこちらの世界でわたくしが料理しようとすると食材やご飯が爆発したりするんですか!?」
「うん、卵かけご飯が炭になった時は流石に驚いたよ」
「まあまあ、イセアくんシズルくん。これはゲームの世界の中での事だから穏便に・・」
「そうですよ~シズルさんが現実で作ってくれる料理って凄く美味しいから毎日食べに来たい位ですよ~♪」
「「「っていうか、お前は何時の間にか住み着いているだろうが!!」」」
静流の作ってくれる手料理は料亭並みと言っても過言ではない、総理の私邸にお世話になる様になって初めの内は家政婦さんが作っていたのだが次第に家政婦さんは静流のお手伝いをしながら料理を学ぶ様になっていた。
そして、何故かその美味しい料理を作る筈の静流がゲーム内でシズルになると途端に食材が爆発などの化学反応を引き起こす・・・。卵と醤油とご飯、たったこれだけの物がシズルが掻き混ぜしばらくすると徐々に煙を出しながら炭となっていく。現実でもありえない光景がこちらの世界、俺たち4人の前では日常になりつつあった。
シズルの料理の致命的な症状に最初に気付いたのは、マイハウスで初めてレンジを使った調理をしようとした際の出来事だった。温野菜を手軽に作る為にレンジを活用しようとしてキャベツを適当な大きさに切った物を容器に入れスイッチを入れると数秒後にキャベツが爆発してレンジが壊れた。他にも新鮮な魚を手に入れたのでシズルが包丁を片手に捌いていると切り身が徐々に焼き魚となっていく。果物もシズルが手を加えようとするとドライフルーツ状態になる具合だ。だが、それでもシズルはゲーム内でも美味しい料理を出したい気持ちで試行錯誤を繰り返すのだが増えていくのは食材の残骸と爆発等起きた際に使い物にならなくなった調理器具の山だけだった。
そしてラッキーは静流の料理の虜になったのか毎日の様に私邸を訪れ夕食を食べていっていたのだが、何時の間にか3人も気付かない間に家財道具を私邸に持ち込み使っていない部屋に住み着いていたのだった。しかし、まだ現実では外出出来る様にまで癒えておらず私邸にずっといる俺と静流の知らない間にどうやってベッドや冷蔵庫などを持ち込めたのか未だに謎である・・・。
ああ見えても、ラッキーはれっきとした公務員である!しかも法務関係の仕事をしているのに無許可で総理の私邸に私物を持ち込み何時の間にか住み着いていた件は本来は大問題にならないとおかしい。けれど、総理はもちろん俺や静流に裁居田さんも一様に
(この間の騒動に比べれば被害は少ないし、まあいいか)
でお咎めなしになり、また1人私邸で暮らす家族が増えていた。
この間の騒動・・・ラッキーこと戸地津 多音(こじつ たおん)は現実でもゲーム内でも相当なドジっ娘な訳であるが、ドジの枠を超えた才能を発揮させた事件を発生させる。それは、総理の私邸で4人でネットTVを夕食後に眺めていた時に起きた。
「ねえねえ、静流さん。ほら!今TVで紹介している下着、静流さんによく似合いそうじゃないですか?あれを身に着けて聖亜さんを誘えばもうメロメロになっちゃうかもしれないですよ~♪」
俺と総理は思わず飲んでいたお茶を吹き出してしまった、なんちゅう事を言い出すんだこの娘は・・・。
「こら、多音くん。若い女性であるきみがそんな事を言うものじゃないぞ。もっと恥じらいを持ちたまえ」
総理がもっとな注意をするが、多音は気にしない様子で
「でも2人ともあれを身に着けた静流さんを想像してみてくださいよ~もう生唾物じゃないですか~!?」
思わず想像してしまい、興奮を覚えてしまう。隣では総理がゴホゴホと咳をするふりをしていた、きっと俺と同じ様に静流の下着姿を想像してしまった事を恥じているのだろう。ふと静流が何も言わない事に気が付き様子を見てみると頬を染めながら上目遣いでチラチラと俺の表情を伺っていた。まんざらでもない俺の顔を見て感じとったのか
「あ、あとで調べてみようかしら・・・」
なんて言うものだから、また俺と総理はお茶を吹く事となる。そして事件はこの時に起きた。
「そんなまどろっこしい事はしないで、このまま注文しちゃいましょうよ!ほら、このボタンを押せば注文画面になりますから」
そう言いながら、多音がリモコンのデータボタンを押した瞬間に誤作動を起こす。TVの画面がいきなり市役所の戸籍関係の窓口に切り替わるとデータを急速に書き換えて俺と静流夫婦は総理と養子縁組を結んでいる状態になり、多音はなんと総理&裁居田さんと重婚している事になっていた。
「あれ~?このリモコン壊れちゃってますよ。何故かわたし、総理や裁居田さんと夫婦になってる~」
多音が軽い口調でケラケラ笑っている中、俺達3人は顔面蒼白になっていた。リモコンのボタンを押しただけでここまでの被害を出すなんてドジのレベルを遥かに超えている、以前裁居田さんの言っていたドジの内容が嘘偽りで無い事を目の前で証明された形だ。
「い、急いで裁居田さんに連絡を!!このままじゃ、総理が重婚の不祥事で辞任する羽目になりますよ!?」
俺は思わず叫んでしまい、総理も我に返り慌てて関係各所に連絡する。そこからは本当に一刻を争う事となり、日が昇り市役所が開庁される前にはなんとか元の状態に戻す事が出来たが総理は心配で寝る事も出来ず翌日の国会で珍しく舟を漕ぐ様子が映っていた。けれどこの騒動を巻き起こした張本人は早々に寝ていて翌朝何事も無かったかの様に出勤していった。
重婚状態になっても全く動じないドジッタネには、この後も何度色んな形で騒動を引き起こされるのだが後日
(彼女のドジに最後まで付き合えるのは自分だけだ)
と、戸地津 多音を妻として本当に結婚してしまうのが総理なのか裁居田なのかは今の所内緒である。
「きゃあああ!?」
台所の方からシズルの叫び声が聞こえる・・・・またか、また起きたのか。
「ごめんなさい、イセア。またご飯駄目にしちゃいました」
「まあ・・・・・・・・・仕方ないよ。ジャッジも原因は不明と言っている事だし」
「納得出来ませんわ!何でこちらの世界でわたくしが料理しようとすると食材やご飯が爆発したりするんですか!?」
「うん、卵かけご飯が炭になった時は流石に驚いたよ」
「まあまあ、イセアくんシズルくん。これはゲームの世界の中での事だから穏便に・・」
「そうですよ~シズルさんが現実で作ってくれる料理って凄く美味しいから毎日食べに来たい位ですよ~♪」
「「「っていうか、お前は何時の間にか住み着いているだろうが!!」」」
静流の作ってくれる手料理は料亭並みと言っても過言ではない、総理の私邸にお世話になる様になって初めの内は家政婦さんが作っていたのだが次第に家政婦さんは静流のお手伝いをしながら料理を学ぶ様になっていた。
そして、何故かその美味しい料理を作る筈の静流がゲーム内でシズルになると途端に食材が爆発などの化学反応を引き起こす・・・。卵と醤油とご飯、たったこれだけの物がシズルが掻き混ぜしばらくすると徐々に煙を出しながら炭となっていく。現実でもありえない光景がこちらの世界、俺たち4人の前では日常になりつつあった。
シズルの料理の致命的な症状に最初に気付いたのは、マイハウスで初めてレンジを使った調理をしようとした際の出来事だった。温野菜を手軽に作る為にレンジを活用しようとしてキャベツを適当な大きさに切った物を容器に入れスイッチを入れると数秒後にキャベツが爆発してレンジが壊れた。他にも新鮮な魚を手に入れたのでシズルが包丁を片手に捌いていると切り身が徐々に焼き魚となっていく。果物もシズルが手を加えようとするとドライフルーツ状態になる具合だ。だが、それでもシズルはゲーム内でも美味しい料理を出したい気持ちで試行錯誤を繰り返すのだが増えていくのは食材の残骸と爆発等起きた際に使い物にならなくなった調理器具の山だけだった。
そしてラッキーは静流の料理の虜になったのか毎日の様に私邸を訪れ夕食を食べていっていたのだが、何時の間にか3人も気付かない間に家財道具を私邸に持ち込み使っていない部屋に住み着いていたのだった。しかし、まだ現実では外出出来る様にまで癒えておらず私邸にずっといる俺と静流の知らない間にどうやってベッドや冷蔵庫などを持ち込めたのか未だに謎である・・・。
ああ見えても、ラッキーはれっきとした公務員である!しかも法務関係の仕事をしているのに無許可で総理の私邸に私物を持ち込み何時の間にか住み着いていた件は本来は大問題にならないとおかしい。けれど、総理はもちろん俺や静流に裁居田さんも一様に
(この間の騒動に比べれば被害は少ないし、まあいいか)
でお咎めなしになり、また1人私邸で暮らす家族が増えていた。
この間の騒動・・・ラッキーこと戸地津 多音(こじつ たおん)は現実でもゲーム内でも相当なドジっ娘な訳であるが、ドジの枠を超えた才能を発揮させた事件を発生させる。それは、総理の私邸で4人でネットTVを夕食後に眺めていた時に起きた。
「ねえねえ、静流さん。ほら!今TVで紹介している下着、静流さんによく似合いそうじゃないですか?あれを身に着けて聖亜さんを誘えばもうメロメロになっちゃうかもしれないですよ~♪」
俺と総理は思わず飲んでいたお茶を吹き出してしまった、なんちゅう事を言い出すんだこの娘は・・・。
「こら、多音くん。若い女性であるきみがそんな事を言うものじゃないぞ。もっと恥じらいを持ちたまえ」
総理がもっとな注意をするが、多音は気にしない様子で
「でも2人ともあれを身に着けた静流さんを想像してみてくださいよ~もう生唾物じゃないですか~!?」
思わず想像してしまい、興奮を覚えてしまう。隣では総理がゴホゴホと咳をするふりをしていた、きっと俺と同じ様に静流の下着姿を想像してしまった事を恥じているのだろう。ふと静流が何も言わない事に気が付き様子を見てみると頬を染めながら上目遣いでチラチラと俺の表情を伺っていた。まんざらでもない俺の顔を見て感じとったのか
「あ、あとで調べてみようかしら・・・」
なんて言うものだから、また俺と総理はお茶を吹く事となる。そして事件はこの時に起きた。
「そんなまどろっこしい事はしないで、このまま注文しちゃいましょうよ!ほら、このボタンを押せば注文画面になりますから」
そう言いながら、多音がリモコンのデータボタンを押した瞬間に誤作動を起こす。TVの画面がいきなり市役所の戸籍関係の窓口に切り替わるとデータを急速に書き換えて俺と静流夫婦は総理と養子縁組を結んでいる状態になり、多音はなんと総理&裁居田さんと重婚している事になっていた。
「あれ~?このリモコン壊れちゃってますよ。何故かわたし、総理や裁居田さんと夫婦になってる~」
多音が軽い口調でケラケラ笑っている中、俺達3人は顔面蒼白になっていた。リモコンのボタンを押しただけでここまでの被害を出すなんてドジのレベルを遥かに超えている、以前裁居田さんの言っていたドジの内容が嘘偽りで無い事を目の前で証明された形だ。
「い、急いで裁居田さんに連絡を!!このままじゃ、総理が重婚の不祥事で辞任する羽目になりますよ!?」
俺は思わず叫んでしまい、総理も我に返り慌てて関係各所に連絡する。そこからは本当に一刻を争う事となり、日が昇り市役所が開庁される前にはなんとか元の状態に戻す事が出来たが総理は心配で寝る事も出来ず翌日の国会で珍しく舟を漕ぐ様子が映っていた。けれどこの騒動を巻き起こした張本人は早々に寝ていて翌朝何事も無かったかの様に出勤していった。
重婚状態になっても全く動じないドジッタネには、この後も何度色んな形で騒動を引き起こされるのだが後日
(彼女のドジに最後まで付き合えるのは自分だけだ)
と、戸地津 多音を妻として本当に結婚してしまうのが総理なのか裁居田なのかは今の所内緒である。
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