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第24話 呪いの解除方法と引き換えに或る事を要求される男
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「それでは、紹介状を拝見させて戴いても宜しいでしょうか?」
「あ、はい。こちらになります」
俺が紹介状を手渡すと、スフィア大主教はそれを恭しく受け取ると丁寧な手つきで封蝋を剥がしていく。そして紹介状を一読すると、ハアッとため息を吐きながら俺に話しかけてきた。
「あなた様が神の御使いである、交 誘二様であられましたか・・・」
「いやいや、そんな大層な者じゃないからね。この世界に来る事になったきっかけもピートのペットに跳ね飛ばされたのが原因だから!?」
「それでも、神と直接接触した事実が有る事自体が奇跡としか申せませんから。そして、今でも神と直に交信出来る手段をお持ちになられている」
「神だけじゃなくて、他の人とも交信可能だよ。試しにシャーリィと繋いでみせようか?」
「いえ、結構です。次期総大主教様にその様なお手を煩わせる事をさせる訳にはいきませぬ」
「それならいいけど、ところで何でシャーリィはあんな洞窟の奥の教会に居るの?修行の身とも言っていたけど」
「それは、総大主教となる為の試練の一部なのです。初代総大主教様がここバルナードに教会を建てるまでに歩いた道程を辿り、その功績と重責を自覚していく為に2年もの期間を掛けて行います」
「かなり長い期間、行うんだね」
「はい、その間は誰もその生活を手助けする者を置きません。炊事洗濯等の全てを自ら行い、毎日午後からは身を清めた後に主に礼拝を捧げ、そして質素な食事をして暮らす。あの教会も本来は10人前後常駐しているのですが、今は次期総大主教様御1人となっております」
(あ~だから1人で誰にも聞かれていないから、毎日礼拝前に身を清める事に対しての愚痴をこぼしていた訳ね)
「そして・・・この紹介状に書かれておりますが、彼女の裸を見られてしまったのですね」
俺はこの応接室に案内された際に差し出された紅茶に口を付けようとしていたから、思わず吹きそうになってしまった。
「い、いや・・あの・・この・・それは」
「そんなに焦らなくても大丈夫ですよ。まったく!あの娘ったら、どうせ自分1人しか居ないからブツクサ愚痴でもこぼしながら、バスタオル1枚で入り口の札を回収しようとでもしてたんでしょう!?」
(全くその通りです、っていうかこの喋り方がスフィア大主教の素なのかな?)
「あ、あら申し訳御座いません。大変汚い口調で話をしてしまった様で」
「いえ、ここには自分達しか居りませんから素の口調でも構いませんよ?俺も堅苦しい言葉で語るのは苦手ですから」
「いいんですか?良かった~!わたしもあんなかったるい口調で話するのイヤだったんですよ、けどこれだけの大所帯でしょ!?威厳は出さないとならないから苦労するんですよ」
「は、はあ・・・」
・・・素と仕事中の切り替えがとても早い方の様だ。
「話を戻させてもらいますね、紹介状によるとオークの砦にネームドモンスターとなっている女性が居て、その女性が恐らくは2つの呪いに掛かっており、1つは不死になる呪いで、そしてもう1つがオークキングとオーククイーンを産み落とす身体になる呪いだと記されています。更にあなたが【浄化】を会得された事も」
「はい、偶然ですが会得する事が出来ました」
「この紹介状を渡される時に何か言われませんでしたか?」
「そういえば、総大主教様だけには絶対に見つからない様にって言ってましたね」
「そうでしょうね、もし見つかればきっとあなたともう1人裸を見られた男性に向け刺客が放たれていたでしょう」
ブッ!? 俺は紅茶を吹き出してしまった。
「ゴホッゲホッ!? な、なんで命を狙われる事になるんですか!?」
「それは後程お話します、あなたが神の御使いでさえ無ければ、裸を見てしまった事を黙っていて貰えればそれだけで済んだのですが」
「な、なんか嫌な予感がするんだけど」
「我々、教会としても同胞に掛けられた呪いを解く事は大事な責務。喜んで協力させて頂きます、ただし1つだけ条件が有ります」
「やっぱりくるか、この展開」
「条件を受諾してもらえますか?」
「いや、条件を聞いてもいないのに受諾する事なんて出来ないよ!? とにかく死んでくれって言われて、はい分かりましたとは言えないでしょ」
「条件とは・・・シャーリィ様を娶って戴く事です。妾でも構いません」
「め、娶る!? な、なんでそんな話になるの!?」
「シャーリィ様が総大主教になる為の試練の最中だったのが原因です、初代の道程を辿る中でこれまでの総大主教様達がどうしても辿る事の出来ない事が有りました。それが神の御使いとの婚姻です」
「え!?」
「しかも・・・まあ、あなた様がピンポイントでその足跡を全て真似てしまわれたから、シャーリィ様が総大主教となる為にはあなた様と婚姻しなければならなくなりました」
「俺、何もしてないよ!?」
「思いっきり、やらかしてます!? まず始めに偶然教会の在る場所の前で裸を見てしまう、次に無自覚に【浄化】の会得条件を全てクリアしている。そして最後に、2重に掛けられた呪いを解く方法を探している・・・です」
「もしも、婚姻を断った場合はどうなるの?」
「はい、残念ながらシャーリィ様は道程を辿る事が出来なくなるので、総大主教となれないばかりか最悪破門されます」
「でも、俺には既に妻が居るから・・・」
「ですから初めに申しました、妾でも構わないと」
どんどん追い込まれていく、こんな事俺は望んでいないのに・・・。
「ちょっと待って貰ってもいいかな? 少しだけ相談したい相手が居る」
「奥方ですか? どうぞご自由に」
「いや、別の相手」
俺は左肩の無線機に手を伸ばすとピートと話をする為にPTTボタンを押した。
「こちら誘二、ピート聞こえたら返事してくれ。どうぞ」
『やあ、誘二元気そうだね。あれから奥さんとは仲直り出来たかな?』
「ぴ、PTT様ですか!?」
「スフィアさん、ごめんちょっとだけ静かにしてね。 すまないがピート、お前の知恵を借りたい」
『あ~多分、きみが裸を見てしまった相手が次期総大主教で、更にきみの事だから無自覚に【浄化】の会得条件をクリアしていたあげくに、誰か2重で呪いを掛けられている人を助ける方法を探していた所為で婚姻でも迫られているのかな?』
「良く分かるな、ドンピシャだ」
『良かったじゃないか、きみはこれからハーレムでも築くべきじゃないかな?』
「ハーレムを築くつもりなんて無えよ!俺にはフォルネーゼさえ居れば十分だからな」
『相変わらず砂を吐きそうな位のいちゃラブぶりだね、きみは爆発すればいいんじゃないかな?』
「物騒な事は言わないでくれ、だが次期総大主教の試練の道を閉ざす事無く、更に俺と婚姻しなくても済む方法が有るのなら教えてくれないか?」
『きみもとことん我侭言うね、今回は後ちょっとだけ長い話になりそうだから、特別に無線機にもう少し力を分け与える事にするよ』
「すまないな」
『結論から言うと、私にはきみの婚姻を回避させるだけの権限は無い。だが、その総大主教への道程を作った本人に話を聞いて貰い、許しが出ればきっと大丈夫だと思うよ』
「本人に話を聞いて貰うだって!?」
『ああ、今から本人がきみの居る場所に顕現すると思うから直接話をしてみるといいよ。しかし、きみはラッキースケベといい多くの人の運命を変える力を色々と持っているね』
ここでピートとの通信が切れた、そして応接室の中に光り輝く球が現れると人に姿を変える。
『初めまして、私の名はLED。 聖光教会の初代総大主教を務めておりました、本日はPTT様から何かこちらでお話が有ると伺いましてこうして顕現いたしました』
聖光教会の初代総大主教様は神となられておりました・・・話がどんどん大きくなって、娶っていた方が楽だったかもしれないと思えてくるのは何でだろうか?
「あ、はい。こちらになります」
俺が紹介状を手渡すと、スフィア大主教はそれを恭しく受け取ると丁寧な手つきで封蝋を剥がしていく。そして紹介状を一読すると、ハアッとため息を吐きながら俺に話しかけてきた。
「あなた様が神の御使いである、交 誘二様であられましたか・・・」
「いやいや、そんな大層な者じゃないからね。この世界に来る事になったきっかけもピートのペットに跳ね飛ばされたのが原因だから!?」
「それでも、神と直接接触した事実が有る事自体が奇跡としか申せませんから。そして、今でも神と直に交信出来る手段をお持ちになられている」
「神だけじゃなくて、他の人とも交信可能だよ。試しにシャーリィと繋いでみせようか?」
「いえ、結構です。次期総大主教様にその様なお手を煩わせる事をさせる訳にはいきませぬ」
「それならいいけど、ところで何でシャーリィはあんな洞窟の奥の教会に居るの?修行の身とも言っていたけど」
「それは、総大主教となる為の試練の一部なのです。初代総大主教様がここバルナードに教会を建てるまでに歩いた道程を辿り、その功績と重責を自覚していく為に2年もの期間を掛けて行います」
「かなり長い期間、行うんだね」
「はい、その間は誰もその生活を手助けする者を置きません。炊事洗濯等の全てを自ら行い、毎日午後からは身を清めた後に主に礼拝を捧げ、そして質素な食事をして暮らす。あの教会も本来は10人前後常駐しているのですが、今は次期総大主教様御1人となっております」
(あ~だから1人で誰にも聞かれていないから、毎日礼拝前に身を清める事に対しての愚痴をこぼしていた訳ね)
「そして・・・この紹介状に書かれておりますが、彼女の裸を見られてしまったのですね」
俺はこの応接室に案内された際に差し出された紅茶に口を付けようとしていたから、思わず吹きそうになってしまった。
「い、いや・・あの・・この・・それは」
「そんなに焦らなくても大丈夫ですよ。まったく!あの娘ったら、どうせ自分1人しか居ないからブツクサ愚痴でもこぼしながら、バスタオル1枚で入り口の札を回収しようとでもしてたんでしょう!?」
(全くその通りです、っていうかこの喋り方がスフィア大主教の素なのかな?)
「あ、あら申し訳御座いません。大変汚い口調で話をしてしまった様で」
「いえ、ここには自分達しか居りませんから素の口調でも構いませんよ?俺も堅苦しい言葉で語るのは苦手ですから」
「いいんですか?良かった~!わたしもあんなかったるい口調で話するのイヤだったんですよ、けどこれだけの大所帯でしょ!?威厳は出さないとならないから苦労するんですよ」
「は、はあ・・・」
・・・素と仕事中の切り替えがとても早い方の様だ。
「話を戻させてもらいますね、紹介状によるとオークの砦にネームドモンスターとなっている女性が居て、その女性が恐らくは2つの呪いに掛かっており、1つは不死になる呪いで、そしてもう1つがオークキングとオーククイーンを産み落とす身体になる呪いだと記されています。更にあなたが【浄化】を会得された事も」
「はい、偶然ですが会得する事が出来ました」
「この紹介状を渡される時に何か言われませんでしたか?」
「そういえば、総大主教様だけには絶対に見つからない様にって言ってましたね」
「そうでしょうね、もし見つかればきっとあなたともう1人裸を見られた男性に向け刺客が放たれていたでしょう」
ブッ!? 俺は紅茶を吹き出してしまった。
「ゴホッゲホッ!? な、なんで命を狙われる事になるんですか!?」
「それは後程お話します、あなたが神の御使いでさえ無ければ、裸を見てしまった事を黙っていて貰えればそれだけで済んだのですが」
「な、なんか嫌な予感がするんだけど」
「我々、教会としても同胞に掛けられた呪いを解く事は大事な責務。喜んで協力させて頂きます、ただし1つだけ条件が有ります」
「やっぱりくるか、この展開」
「条件を受諾してもらえますか?」
「いや、条件を聞いてもいないのに受諾する事なんて出来ないよ!? とにかく死んでくれって言われて、はい分かりましたとは言えないでしょ」
「条件とは・・・シャーリィ様を娶って戴く事です。妾でも構いません」
「め、娶る!? な、なんでそんな話になるの!?」
「シャーリィ様が総大主教になる為の試練の最中だったのが原因です、初代の道程を辿る中でこれまでの総大主教様達がどうしても辿る事の出来ない事が有りました。それが神の御使いとの婚姻です」
「え!?」
「しかも・・・まあ、あなた様がピンポイントでその足跡を全て真似てしまわれたから、シャーリィ様が総大主教となる為にはあなた様と婚姻しなければならなくなりました」
「俺、何もしてないよ!?」
「思いっきり、やらかしてます!? まず始めに偶然教会の在る場所の前で裸を見てしまう、次に無自覚に【浄化】の会得条件を全てクリアしている。そして最後に、2重に掛けられた呪いを解く方法を探している・・・です」
「もしも、婚姻を断った場合はどうなるの?」
「はい、残念ながらシャーリィ様は道程を辿る事が出来なくなるので、総大主教となれないばかりか最悪破門されます」
「でも、俺には既に妻が居るから・・・」
「ですから初めに申しました、妾でも構わないと」
どんどん追い込まれていく、こんな事俺は望んでいないのに・・・。
「ちょっと待って貰ってもいいかな? 少しだけ相談したい相手が居る」
「奥方ですか? どうぞご自由に」
「いや、別の相手」
俺は左肩の無線機に手を伸ばすとピートと話をする為にPTTボタンを押した。
「こちら誘二、ピート聞こえたら返事してくれ。どうぞ」
『やあ、誘二元気そうだね。あれから奥さんとは仲直り出来たかな?』
「ぴ、PTT様ですか!?」
「スフィアさん、ごめんちょっとだけ静かにしてね。 すまないがピート、お前の知恵を借りたい」
『あ~多分、きみが裸を見てしまった相手が次期総大主教で、更にきみの事だから無自覚に【浄化】の会得条件をクリアしていたあげくに、誰か2重で呪いを掛けられている人を助ける方法を探していた所為で婚姻でも迫られているのかな?』
「良く分かるな、ドンピシャだ」
『良かったじゃないか、きみはこれからハーレムでも築くべきじゃないかな?』
「ハーレムを築くつもりなんて無えよ!俺にはフォルネーゼさえ居れば十分だからな」
『相変わらず砂を吐きそうな位のいちゃラブぶりだね、きみは爆発すればいいんじゃないかな?』
「物騒な事は言わないでくれ、だが次期総大主教の試練の道を閉ざす事無く、更に俺と婚姻しなくても済む方法が有るのなら教えてくれないか?」
『きみもとことん我侭言うね、今回は後ちょっとだけ長い話になりそうだから、特別に無線機にもう少し力を分け与える事にするよ』
「すまないな」
『結論から言うと、私にはきみの婚姻を回避させるだけの権限は無い。だが、その総大主教への道程を作った本人に話を聞いて貰い、許しが出ればきっと大丈夫だと思うよ』
「本人に話を聞いて貰うだって!?」
『ああ、今から本人がきみの居る場所に顕現すると思うから直接話をしてみるといいよ。しかし、きみはラッキースケベといい多くの人の運命を変える力を色々と持っているね』
ここでピートとの通信が切れた、そして応接室の中に光り輝く球が現れると人に姿を変える。
『初めまして、私の名はLED。 聖光教会の初代総大主教を務めておりました、本日はPTT様から何かこちらでお話が有ると伺いましてこうして顕現いたしました』
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