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第9話 次の国に行く前に地盤固めをしておく
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「とりあえずは、無事に王城を制圧出来たな」
「約束は約束ですよ、魔王を手篭めにしたらこの城は俺にくださいね」
「ああ、いいぜ。ただし次の国もここと同じだったら今度は俺の物にして構わないよな?」
「いいですとも、城もそんなに要らないですしね。リィナやフローディアと暮らせればそれで十分ですよ」
「「吉宗様・・・」」
「そっちは3人ですっかり充実した生活している様じゃねえか!俺達の方は・・・別にサーラの城でもいいのか?」
「はい、政務は母に全て任せて私達に毎日奉仕させてください」
「お前は一応、あの国の女皇なんだ。昼間マリアを可愛がっている間にきちんと政務をこなせば夜にはちゃんとご奉仕させてやるからよ」
「ありがとうございます」
「光圀様、すみませんが次の国に行く前にこの国の体制をきちんとしておいた方がよろしいかと」
「どういう事だ?フローディア」
「はい、先日王城を制圧して王族達は根絶やしにしましたが官僚の一部はまだ健在です。軍部と連携を図り隣国と挟み撃ちなどされると時間の無駄遣いをしてしまう可能性も有ります」
「そうだな、それじゃあサーラの国と併合しちまうか?」
「「「「「え!?」」」」」
「だってよ~今から良い官僚とか探すの面倒臭いじゃん。だったらさ、1度サーラの国に併合しちまってサーラの国の政務官にここを治めてもらった方が楽じゃね?」
「しかし・・・それでは故郷の国の人材も不足してしまうかと」
「大丈夫、大丈夫。大抵、こういう国で真面目に働いてくれる人ほど低い地位で政務こなしているから。甘い汁吸いたい連中が上になっていると思うぞきっと」
「そういうものでしょうか?」
「そういうもの、そういうもの。よし、じゃあ明日はサーラに1つ演説してもらうかな」
翌日、王城の周りは勇者に制圧された事を知った国民が野次馬で様子を伺いに来ていた。そこへ王城のテラスから2人の女性と1人の男が姿を現した。光圀とサーラにフローディアである。
光圀は勇者の剣を掲げながら一芝居を打ち始める。
「俺は魔王を倒す為に、この世界に呼ばれてきた。本来であらば魔王の元にまっすぐ向かわねばならないのだが、魔王よりも先に正すべき物が有る事を知り今回この様にこの国の王城を制圧する事となった」
「私の名は女神フローディア、この者達の言う事は私が保証いたします。くれぐれも驚いたり戸惑ったりしない様に願います。それでは、こちらの隣国で新たに女皇となられたサーラ陛下のお話をお聞き下さい」
「わたくしの名はサーラ、隣国で新たに女皇として即位致しました。これまでの王と皇子はその資質があまりにも不適格であった為に勇者により退位・廃嫡されました。そしてわたくしは見聞を広める為、また諸外国へ女皇として即位した事を伝える為にはじめにこの国を訪れました、しかしこの国の兵たちはわたくしを侮蔑した対応を取るばかりでなく、あろう事かその兵を無礼討ちした勇者様を殺そうと執拗に軍隊を派遣して来たのです!」
話を聞く国民の間が騒然とし始めた、サーラをそれを手で制すると再び言葉を発した。
「そこで致し方無く、勇者様とその従者様は王城に直接出向き王に今回の件の謝罪と通行の自由を保障して貰おうとなさいましたが、その回答は皆様のご存知の通り5000もの兵で王城を囲み勇者の望みを聞く耳すら持たない愚かな有様でした」
「もはやこの国の王達には、国を導く資格は無い。そう判断された勇者様と従者様はその後この愚かな行動を起こした者全てに断罪を与えこの王城は制圧されました」
「現在、この国を支配していた者達はおりません。この国の治安や経済はいつ混乱に陥るか分かりません、よって今この時をもってこの国はわたくしの名をもって我が国に併合いたします!そして、我が国の政務官に一時政務を預けわたくしは次の国に移動する所存であります。尚、これまで国民の為に誠心誠意働いてこられた下級官吏の皆様には、我が国の政務官がその働きぶりを見た上でより高い地位でこの国の皆様に更に貢献出来る様権限を委譲していきます」
「それに合わせて、これまで国の財を不正に手に入れていた者や利権を集めていた者に対する報告も政務官に匿名での提出を行う事も認めます。その罪に応じて、死罪なども含めた罰を与える事をお約束致します」
「この国は勇者光圀様と女神フローディア様の加護の下、さらに発展していく記念すべき日となりましょう!最後に勇者様が魔王を倒した暁にはこの城には従者である吉宗様が女神フローディア様とシスターのリィナ様と住まわれて皆の生活を見守っていく予定です」
女神フローディアがこの城に住み、加護を与えてくれると知った国民は大歓声を上げる。
(吉宗がフローディアとリィナと一緒に淫らな生活を送りたいだけなんだが、言い方1つでここまで変わるから言葉って信じちゃいけないよな・・・・)
下級兵士に伝令を頼み、サーラの故郷から臨時の政務官が到着するまで俺達は王城に滞在しその中で俺と吉宗は淫蕩に耽る生活を送る。そして政務官に後の事を託すと次の国を目指し王城を後にしたのだった。
「約束は約束ですよ、魔王を手篭めにしたらこの城は俺にくださいね」
「ああ、いいぜ。ただし次の国もここと同じだったら今度は俺の物にして構わないよな?」
「いいですとも、城もそんなに要らないですしね。リィナやフローディアと暮らせればそれで十分ですよ」
「「吉宗様・・・」」
「そっちは3人ですっかり充実した生活している様じゃねえか!俺達の方は・・・別にサーラの城でもいいのか?」
「はい、政務は母に全て任せて私達に毎日奉仕させてください」
「お前は一応、あの国の女皇なんだ。昼間マリアを可愛がっている間にきちんと政務をこなせば夜にはちゃんとご奉仕させてやるからよ」
「ありがとうございます」
「光圀様、すみませんが次の国に行く前にこの国の体制をきちんとしておいた方がよろしいかと」
「どういう事だ?フローディア」
「はい、先日王城を制圧して王族達は根絶やしにしましたが官僚の一部はまだ健在です。軍部と連携を図り隣国と挟み撃ちなどされると時間の無駄遣いをしてしまう可能性も有ります」
「そうだな、それじゃあサーラの国と併合しちまうか?」
「「「「「え!?」」」」」
「だってよ~今から良い官僚とか探すの面倒臭いじゃん。だったらさ、1度サーラの国に併合しちまってサーラの国の政務官にここを治めてもらった方が楽じゃね?」
「しかし・・・それでは故郷の国の人材も不足してしまうかと」
「大丈夫、大丈夫。大抵、こういう国で真面目に働いてくれる人ほど低い地位で政務こなしているから。甘い汁吸いたい連中が上になっていると思うぞきっと」
「そういうものでしょうか?」
「そういうもの、そういうもの。よし、じゃあ明日はサーラに1つ演説してもらうかな」
翌日、王城の周りは勇者に制圧された事を知った国民が野次馬で様子を伺いに来ていた。そこへ王城のテラスから2人の女性と1人の男が姿を現した。光圀とサーラにフローディアである。
光圀は勇者の剣を掲げながら一芝居を打ち始める。
「俺は魔王を倒す為に、この世界に呼ばれてきた。本来であらば魔王の元にまっすぐ向かわねばならないのだが、魔王よりも先に正すべき物が有る事を知り今回この様にこの国の王城を制圧する事となった」
「私の名は女神フローディア、この者達の言う事は私が保証いたします。くれぐれも驚いたり戸惑ったりしない様に願います。それでは、こちらの隣国で新たに女皇となられたサーラ陛下のお話をお聞き下さい」
「わたくしの名はサーラ、隣国で新たに女皇として即位致しました。これまでの王と皇子はその資質があまりにも不適格であった為に勇者により退位・廃嫡されました。そしてわたくしは見聞を広める為、また諸外国へ女皇として即位した事を伝える為にはじめにこの国を訪れました、しかしこの国の兵たちはわたくしを侮蔑した対応を取るばかりでなく、あろう事かその兵を無礼討ちした勇者様を殺そうと執拗に軍隊を派遣して来たのです!」
話を聞く国民の間が騒然とし始めた、サーラをそれを手で制すると再び言葉を発した。
「そこで致し方無く、勇者様とその従者様は王城に直接出向き王に今回の件の謝罪と通行の自由を保障して貰おうとなさいましたが、その回答は皆様のご存知の通り5000もの兵で王城を囲み勇者の望みを聞く耳すら持たない愚かな有様でした」
「もはやこの国の王達には、国を導く資格は無い。そう判断された勇者様と従者様はその後この愚かな行動を起こした者全てに断罪を与えこの王城は制圧されました」
「現在、この国を支配していた者達はおりません。この国の治安や経済はいつ混乱に陥るか分かりません、よって今この時をもってこの国はわたくしの名をもって我が国に併合いたします!そして、我が国の政務官に一時政務を預けわたくしは次の国に移動する所存であります。尚、これまで国民の為に誠心誠意働いてこられた下級官吏の皆様には、我が国の政務官がその働きぶりを見た上でより高い地位でこの国の皆様に更に貢献出来る様権限を委譲していきます」
「それに合わせて、これまで国の財を不正に手に入れていた者や利権を集めていた者に対する報告も政務官に匿名での提出を行う事も認めます。その罪に応じて、死罪なども含めた罰を与える事をお約束致します」
「この国は勇者光圀様と女神フローディア様の加護の下、さらに発展していく記念すべき日となりましょう!最後に勇者様が魔王を倒した暁にはこの城には従者である吉宗様が女神フローディア様とシスターのリィナ様と住まわれて皆の生活を見守っていく予定です」
女神フローディアがこの城に住み、加護を与えてくれると知った国民は大歓声を上げる。
(吉宗がフローディアとリィナと一緒に淫らな生活を送りたいだけなんだが、言い方1つでここまで変わるから言葉って信じちゃいけないよな・・・・)
下級兵士に伝令を頼み、サーラの故郷から臨時の政務官が到着するまで俺達は王城に滞在しその中で俺と吉宗は淫蕩に耽る生活を送る。そして政務官に後の事を託すと次の国を目指し王城を後にしたのだった。
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