凛ちゃんは、ゆうれい!

桜葉理一

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1.凛ちゃんはゆうれい!

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 ここ一週間ぐらい、わたしは一日中泣いていた。
 朝目が覚めて、昼になって。
 日が暮れて、夜になってもずーっと、涙がぼろぼろ零れてとまらなかった。
 ごはんだって、とてもじゃないけど、まともに食べられなくて。お母さんに無理矢理食べさせられて、何とか生きている。
 そんな毎日をすごしていた。

 こんなに泣いていたら、身体中から水分がなくなってさ。
 そのうち干からびて、ミイラになっちゃうんじゃないかって。むしろ、そうなったらいいのに。バカなわたしなんて、このまま死んじゃえばいいのに、って思いながら、ずーっとわんわん泣いていた。
 泣き疲れていつの間にか眠って、目が覚めたらまた泣きつづける。
 あの日から、今日でちょうど一週間。
 ずっと、そんな毎日を過ごしていた。
 
 っていうのはね。
 わたしはすんごく後悔してたんだ。もう遅い。遅すぎる後悔を。
 一週間前のあの日に戻りたいって、ずっと考えていた。
 神様なんて、信じたことないんだけどね。けど、もし本当にいるなら、あの日に戻してよーって何回もお願いした。
 でも、過去はちっとも戻らないから、きっと神様なんていないんだと思う。
 いるのはバカなことをして、こんなときだけ神様に縋ろうとするわたしだけなんだ。

 でも今日。過去は戻らなかったけど、ふしぎなことがおきた。
 朝がきて目が覚めたとき、わたしはあまりにもびっくりして、ひさしぶりに涙がひっこんでしまった。
 わたしの枕元に立っていたひと。
 それはね、なんと大好きなりんちゃんだったんだ。
 突然あらわれた凛ちゃんの身体は、半透明でスケスケしていた。
 一週間前、最後に見たときと同じ、白い夏服のセーラー服を着ている。
 サラサラの長い黒髪。見惚れてしまうぐらい、きれいな顔。アーモンド形の大きな瞳。透きとおるような白い肌。手足はすらりと長い。
 何度見てもモデルさんみたいだ。

『――ゆい? どうしたの、泣いてるの?』

 半透明の凛ちゃんは、心配そうな表情でそう言って、わたしの前にしゃがんだ。
 そして、真っ赤に腫れているだろう、わたしのまぶたに触れようとした。

 すか、と。半透明の手がわたしをすり抜ける。
 ぽかんとしている凛ちゃんと目が合う。

『―――うわ。私、もしかして死んでる?』

 いつもクールな凛ちゃんの驚いているような声が聞こえて、ようやく、わたしはぴんときた。
 この半透明の凛ちゃんは、たぶん。たぶんね。

「うわあああんっ、凛ちゃんが、ついに、死んじゃったよぉ……っ」

 ゆうれいになっちゃったんだ……。
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