銀狼公子の導き手

竜胆 琳

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二部 

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 フェステを出港→フェステに到着

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 プリステラ王国を出て5日目の朝、ウーステラ共和国のフェステに到着した。
 フェステでは荷下ろしのほか、商会の今後についての話し合いもあり二泊したのだった。
 表向き商会長がジェメイとなっていたが、正式にファルナが商会長として従業員に知らせるかどうかの結論に時間がかかった。
 ファルナとしては、スーシェンでの移民手続きを終えてからにしたかった。
 今のファルナの身分はプリステラ王国の平民なのだ。

 メイファは、華家と縁を切られてはいるが、これは後援的な意味だ。国外へ嫁いだことで一旦帝国の貴族籍から抜けている。しかし正式に離縁して戻ってくれば、嫁ぐ前の帝国貴族としての身分を取り戻す。華家との関係がどうであれ、上級貴族である華家の令嬢なのだ。
 帝国貴族に戻ったのち、正式に離縁するためには届出が必要で、除籍にたる理由かどうかの審査もある。
 皇帝の命で他国に嫁いだメイファの籍について届出をすれば、当然確認のため上が動くだろう。
 そのため華家は華州へのメイファの帰省を認めないことで、実質の縁切りを宣言した。

 ロンメイとシャオメイは帝国生まれの帝国民である。
 プリステラ王国や大陸南の国々では、他国から婚姻の際に連れてくる側近や護衛騎士などに王国籍を与え、王国民とするが、ウエイス侯爵はロンメイとシャオメイに国籍を与えていなかった。
 よって二人は帝国民のままである。

 唯一ファルナだけがプリステラ王国で生まれたプリステラ王国人と見なされ、スーシェン帝国では外国人となる。
 貴族の場合、婚姻でスーシェン帝国にやってくることがほとんどない。せいぜい愛妾止まりで側室になれる者はほとんどない。
 なぜなら、他国の貴族はほとんど魔力を持たないため、生まれる子の魔力が低くなるためだ。
 魔力の低いものを後継にしないため、他国の貴族は正式に婚姻を結ばず、よって他国籍のままだ。

 平民に置いては別である。
 平民と婚姻を結ぶ場合は平民としての籍を得ることができる。養子縁組も可能だし、州単位ではあるが州民権を購入することも可能だ。
 だがどちらの場合でも平民である。

 これはスーシェン帝国貴族が他国と婚姻を結ぶことが少なく、まして離縁して戻ってくることを想定していないため、連れて帰った子が貴族籍を得る仕組みが作られていないからだ。

 ただ貴族籍を得るだけなら方法はある。
 多国籍のものを貴族が養子にすることはできないが、魔力を持つ平民を養子にすることはできる。
 一度平民としての籍を得たのち、メイファと養子縁組することで貴族籍を得る形になる。
 だが実子でありながら〝平民出〟とうい経緯は一生ついてくるのだ。

 それでも貴族籍が得られるならその方法を撮りたいと思うメイファだが、ここに大きな障害が一つ。
 華家籍のメイファの養子にする場合、華家当主の承諾が必要になる。だが縁切りされたメイファに、現華家当主ザイファが許可するはずもない。
 ファルナはメイファの実子であるのに、現状貴族籍を得ることができないのだった。
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