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二部
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しおりを挟む「大学を途中退学したので、医術を最後まで学べたわけではありませんが、その症状について書かれた書物に目をとうした覚えがあります」
そう言うとメイファはロンメイに自分の荷物の中からある物を取ってくるよう指示した。
メイファの船室はファルナの隣なので、すぐに戻ってきた。
「これを」
言いながら、布のようなものをファルナの顔にかぶせる。
途端に目を焼くような眩しさが緩んだ。
「お母様、眩しさがましになりました」
「やはり」
「奥、いえメイファ様、これはただの手巾ではないのですか?」
シャオメイがメイファに尋ねつつ、ファルナの顔に乗せられた手巾を不思議そうに見る。
「これは〝遮魔布〟といって魔力を遮る効果を持つ布です。以前ジェメイが〝身体に取り込む魔力を減らせば楽になるのでは〟と持ってきてくれた布です」
その布で寝衣を作り、余ったハギレでこしらえたハンカチだった。
「それで眩しさが抑えられると言うことは、ファルナ」
一つため息を吐いてから、メイファが続けた。
「あなたのその症状、魔力視で間違い無いと思います」
「「「魔力視?」」」
三人の声が揃った。
魔力視とは、文字どおり、魔力を見ることを言う。
通常瞳は、光を捉え網膜に映し、その情報を脳に伝える。だが魔力視は、魔力を捉え網膜に映す。
魔力は障害物があったとしても、物体の魔力の透過性、遮魔度が低ければ通過する。
ほとんどのものは多かれ少なかれ魔力を持ち、遮魔布のように遮る効果を持つのでなければ加算されることもある。
「でも、どうして突然に?」
「それは……」
メイファが言うには帝国領内に入ったからかもしれないと言うものだった。
四神帝国。
その名の通り、帝国は四神の加護と祝福を受けた土地である。
大地の隅々まで神のお力で満ちており、帝国民は四神のいずれかの加護を受けている。
帝国では十歳になると〝受護の儀式〟を受け、自身の加護を確認する。それは貴族だけでなく平民も含め全ての帝国民が受けるのだ。
一様に加護と言うが、いくつかの段階がある。
上から寵愛、守護、加護、祝福と四種類あり、平民には祝福が多く、貴族は加護以上を持つ。近年では上級貴族でも守護を持つものは稀で、寵愛は皇帝家でも直径の皇族くらいしか持たないものだ。
「不思議でした。帝国領を出た途端、神のお力をまったく感じなくなって、戻ってきた途端感じることができました。ギアスのせいで帝国外ではお力が感じられないのかと思っていましたが」
帝国領土以外に神のお力は無いのかもしれない。魔力もちがほとんどいないのもそのためかも、と推測を語る。
「でも、だからってどうしてお嬢様に突然、魔力視の能力が?」
「ファルナは今日初めて帝国領内に入ったでしょう。多分、異国にいたせいで神の加護を授かれなかったのかも?
もしくは、神のお力がない土地にいたから、力が発動しなかったとか?」
本当のところはよくわからない。どれも推測でしか無い。
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