追放殿下は隣国で、セカンドライフを決意した。 〜そしてモフっ子と二人、『ずっとやりたかった10の事』を叶える事にします〜

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『勇敢職』になってみた編

第29話 本当にお世話になってばかり。(2)

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 俺がそう言うと、ダンノさんは「そう言われてしまっては仕方がありませんね」と苦笑した後、メルティーと同じ目の高さになるようにしゃがんでから彼は言う。

「今回は大目に見るけど、売り場ではちゃんと節度を持たないと」
「ごめんなさい、お父さん」

 素直に謝ったメルティーの頭を撫でて、ダンノさんはこう続ける。

「カフェスペースでクイナちゃんとケーキを食べてきていいよ」
「本当?!」
「あぁ、一つずつね」
「分かった! 行こうクイナちゃん!」
「うんなの!」

 そう言って、クイナはメルティーに連れられて店の奥へと歩いて行った。
 その背中を見送りながら、ダンノさんが教えてくれる。

「この店舗には、ここのように商品の販売をしている傍ら、お菓子の提供スペースがあるんです。そこで甘いお菓子を食べてきますから、ちょっとの間は大人しいでしょう」
「すみません、俺が突然来たばっかりに」
「いえいえ、来てくれて嬉しいですよ」

 そう言った後で、彼は「それで?」と聞いてくる。

「今日はお買い物にいらしたんですか?」
「あ、あぁそうなんです。先ほど冒険者登録をしてきまして」
「おやそうなのですね」
「それで装備を買いたいのですが、武器や防具のお店や他に揃えた方が良いものなんかを教えてもらえると嬉しいなぁと……」

 言いながら、すべてダンノさんに丸投げしているという事実に気が付いた。
 だから最後に「すみません」と謝れば、ダンノさんは「頼ってくれて嬉しいですよ」と答えてくれる。

「我が商会には、低級レベルの物ならば武器や防具、カバンや回復薬なども揃っています。先ほど登録してきたばかりという事でしたら今はFランクですよね?」
「そうです。受けてきたのはとりあえず『薬草採取』と『スライム退治』なんですが」
「なら十分事足りるでしょう」

 そう言って、彼は人の好い笑みを浮かべる。

「私が見繕いましょう」
「えっ、良いんですか?」
「かまいませんよ。商会長と言ったって毎日忙しいわけでもないですし」

 そう言って快く受け入れてくれる。
 
 この言い分が果たして真実なのかは分からないが、正直言ってダンノさんが選んでくれるんなら俺としても安心だ。
 せっかく言ってくれてるし、お言葉に甘えることにする。

「じゃぁお願いします」
「分かりました。じゃぁまずは小物を選びましょう。マジックバックやポーションは誰にとっても必須アイテムですからね」

 そう言って、彼は店内を案内しつつ色々と説明してくれる。

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