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『勇敢職』になってみた編
第30話 この世で一番の『可愛い』が、今ここに。(1)
しおりを挟む例えば回復薬には消費期限が存在するという事。
初級のもので期限は1年。
そしてどうやら、上級のものになればなる程その期限も伸びるらしい。
とりあえずドクや麻痺、睡眠の状態異常に効く薬はそれぞれ初級の物を買うことにして、あとはHPポーションとMPポーションだが。
「これら2つは、本人のHPとMPの総量によるんです。どれだけ上級の物を選んでも回復できる上限は変わりませんし、逆に総量に対して少ないものを飲んだとしても焼け石に水です」
「なるほど。でも俺、自分の総量とか良く分からなくて」
「それなら大丈夫です」
困り顔の俺にそう言い、ダンノさんはトンッと自分の胸のあたりを指さす。
「先ほど登録した時にもらったプレートはお持ちですよね?」
「あぁそうだった」
そう言って首に下げたプレートを持ち、「ステータス」と言ってみる。
と、先ほどギルドでなったようにステータス情報がミョンッと現れた。
早速必要な情報を確認してみる。
「えーっと、HPが『3,246』、MPが『3,599』? ですね」
「え」
「え?」
驚きの顔になったダンノに、俺は思わず聞き返す。
すると彼はすぐに「あぁいえ」と言い、目をぱちくりしながら言った。
「凄いですね、3,000台の数値なんてよっぽど厳しい訓練をしていないと到達できないのですが……もしかして軍にでも?」
「あ、いや。ただ確かに、私の師匠が軍関係者だったので」
「なるほど、それで……しかしここまでステータスを伸ばすとなると、相当な訓練だったのですね」
「えぇそりゃぁもう」
ぶっちゃけ、訓練中に何度「死ぬかも」と思ったか知れない。
まぁ俺は身分が身分だったから、実際にはちゃんと限界を見極めながら鍛えてくれていたんだと思うけど。
しかし思い出せばため息が出る。
するとそこから大変さを察したのだろう、ダンノは「よほど修羅場だったのですね」と労ってくれた。
そして「それならば」と必要なポーションを選んでくれる。
「両方とも上級の物を選んでおいた方が良いでしょう。他のに比べると少し値は張りますが、Fランクの依頼程度なら使う事もないでしょうし上級は10年持ちますからその点でも安心です」
と、言われた時だった。
足に何かがヒシッとしがみつく。
下を見ると、そこにはキツネ耳の少女が引っ付いていて。
「アルドー、お菓子美味しかったー!!」
満足そうな顔で俺に報告してきた。
「おーそうか、そりゃぁ良かったな」
そう言って頭を撫でつつ、俺はダンノさんに言っておく。
「クイナの飲み食い代、買い物の会計と一緒で良いですか?」
「構いませんよ。というか、再会のお祝いにサービスにするつもりだったのですが……」
「それは流石にお世話になりすぎて居た堪れないので、今回は払わせてください」
眉をはの字にしてそうお願いしてみれば、彼は笑いながら「分かりました」と言ってくれた。
これでちょっと安心だ。
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