伯爵令嬢が効率主義の権化になったら。 〜第二王子に狙われてるので、セシリアは口で逃げてみせます〜

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セシリア、第2王子と初バトル

第2話 ファインプレーでしたね(1)

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 食べつくしてしまった既存の味に、新しさを求めたのか。
 それとも、自分好みの味を探すよりも作ってしまった方が早いと思ったのか。
 
 どちらが真実なのかは分からないが、どちらにしても彼女は最近新しい洋菓子を考案しては、こうしてたまに家内ティータイムに持ってきて人の反応を窺う様になった。

 
 しかしその成果としては些か出来すぎた美味しさだ。


 思いの外美味しかったチーズケーキをまた一口食べては目を輝かせているセシリアと、その様子を嬉しそうに見るマリーシア。
 そんな妹2人を眺めながら、キリルもまたフッと笑う。


 キリルがお茶会に求めるのは、紅茶でもお菓子でもない。
 妹達とは違って紅茶にもお菓子にも執心と言える程の興味は抱いていない。

 勿論、紅茶もお菓子も嫌いなわけじゃない。
 まぁ強いて言えば付け合せの軽食として提供されるタマゴサンドが好物の1つではあるが、それもそれを食べる目的で毎回いそいそとティータイムに出向く様な彼ではない。

 彼が忙しい合間を縫ってこの場にやってくる理由はただ一つ、妹たちとの交流だ。


 セシリアが社交界デビューした事もあり最近は特に共に過ごす時間が減ってきていることも相まって、彼にとって兄妹水入らずのこの時間はとても貴重なものになっている。
 勿論『妹たちの現状報告を聞いて自身の社交に活かす』という目的もないではないが、それよりも二人の素の表情が見れるこの場がとても彼を和ませてくれていた。


 マリーシアは『自らの試作の成果を知りたい』という己の欲求に逆らえず、セシリアは『そうして提示された未知に対する好奇心』に逆らえていない。

 そんなあまりに『らしい』2人の様に、キリルは思わず笑みを溢れさせた。
 しかし一方でこうも思う。

(ここは一応、セシリアの昨日の言動に関する意見交換をする場であった筈だ。この妹たちの脱線を正せるのは、この場では僕しかいない)

 そんな風に思いながら一人頷き、口を開く。

「まぁセシリーの話を聞く限りもうこちらに突っかかってくる意志は無いみたいだし、これでとりあえずクラウン様の件は『解決』で良いかな。……それよりも問題は、第二王子殿下の件じゃない? 接触があったんだろう? 彼と」

 そんな兄の言葉にセシリアの視線がやっとケーキから外れ、キリルへと向く。


 その目には、小さな驚きが宿っていた。
 
 言っていないのに、何故それを知っているのか。
 そう言いたげな彼女の瞳に「殿下がセシリーの所に行ったっていうのはちょっとした噂になってるからね」と答えた。
 すると彼女の顔が、ピシッと固まる。

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