伯爵令嬢が効率主義の権化になったら。 〜第二王子に狙われてるので、セシリアは口で逃げてみせます〜

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セシリア、第2王子と初バトル

第2話 ファインプレーでしたね(2)

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 そんな彼女の心境が手に取るように読み取れて、キリルは思わず苦笑した。
 そしてこんなフォローを入れてやる。

「大丈夫、『何を話したのか』とかの具体的な話は何も出回ってないから」

 そう教えてやれば、彼女はホッとしたような顔になった。
 
 
 しかしこの反応、その時に殿下と何かがあったのは間違いない。

「で、一体何を話したの?」
「それが……」

 キリルの言葉に、セシリアがため息をつきながらその日の一連のやり取りを二人に話して聞かせた。
 

 一通り話を聞いた後、最初に口を開いたのはマリーシアだ。

「アリティー様から『仲良くする権利』の解釈について言質を取れたのはファインプレーでしたね」

 姉からの上々な評価に、セシリアは心の底から深く頷いた。


 彼が王族の権力を使う可能性は最初からそれなりにあった。
 だからセシリアは、最初から警戒していた。

 そこに出て来たのが彼のあの言葉だ。


 彼の「先日の王族パーティーで、君は『私の近くに侍る事』を王によって承認されたじゃないか」という言葉は、正しく『王族の権力』だ。


 王族は貴族よりも一階層上の地位に居る、雲の上の存在。
 そんな彼が言葉を歪曲し「王族たる私がそう思っているのだからこれはそういう意味の言葉なのだ」と言う。

 するとどうなるか。
 通常なら、王族の言葉に貴族は逆らえない。
 彼の解釈を「そういう意味で言ったのか」と許容せねばならなくなってしまう。


 そんな彼の言葉を彼の方から取り下げさせたという事実は、マリーシアの言う通り正に『ファインプレー』だっただろう。

 そしてもう一つ、分かった事がある。

「彼はどうやら頭を使わないタイプのようですね」

 でなければ、あんな結論の投げ出し方をしないだろう。
 

 そうでなくとも権力を笠に着る人間相手は面倒なのだ。
 それが頭を使うとなれば、どう考えても面倒極まりない。

 そんな人間じゃなくて本当に幸運だった。

「それにしてもセシリー、よく王族の言葉を退ける気になったね。まずはその言葉を甘んじて受けておいて後でどうにかする方法も思い付いていたんだろう?」

 何も必要に迫られた訳じゃないだろうに。
 言外にそう尋ねて来た兄に、セシリアは「そうですね」と肯定しながら笑う。
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