伯爵令嬢が効率主義の権化になったら。 〜第二王子に狙われてるので、セシリアは口で逃げてみせます〜

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セシリア、第2王子と初バトル

第3話 落ちていく思考、沈むセシリア(1)

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「あの時の沈黙は『あわよくば』を狙った物でした。正直あんなに上手く行くとは思っていなかったので自分でも驚きましたよ」

 何故あの時あんなにすんなりと論議を放棄したのか良く分からないのですが。
 そう言った後で「しかし」と言って言葉を続ける。

「あれはあまりにも酷い言葉の歪曲でした。呆れを通り越して少々腹も立ったので、もし彼があそこで『それで良い』と会話を投げなかったとしてもそれなりの抵抗はしたと思います」

 『仲良くする権利』を『侍る事の承認』と言う、そんな暴挙が自らに降りかかるのを指を加えて見ている事など出来る筈もない。


 『侍る』とは即ち、付き従う事である。
 あくまでの対等の意味を含む『仲良くする』とは雲泥の差だ。

 そして「王の前でそれを『承認』されている」という事は、即ち「『義務』である
」という事だ。
 これに至っては雲泥の差どころか、『権利』とは正反対の言葉になってしまうのだ。


 それを彼は「同じような物じゃないか」と言った。
 しかしそんなの、冗談じゃない。


 そうでなくても第二王子は『面倒』なのだ。
 彼が改変した言葉は間違いなく今以上の『面倒』を呼び込む。
 そうと分かっていてまさか放っておくこと等、出来る筈が無い。

「まぁとりあえず今回は乗り切れたみたいだね」
「キリルお兄様の言う通り、本当に『とりあえず』ではありますが」

 兄が浮かべる苦笑に、セシリアも似たような表情を返す。
 するとキリルは、そこから彼女の懸念を感じ取ったようだ。
 紅茶のカップをゆっくりソーサーへと着地させながら、こんな風に言葉を続ける。

「彼がこのまま引き下がるなんてそんな都合の良い考えは、まさかしていないんだろう? セシリー」
「そうですね、非常に残念ではありますが」

 正に今井大ていた懸念事項を当てられて、セシリアは小さなため息と共に苦笑を深めた。


 セシリアが抱いた懸念は、彼が彼女の予想外の言動をした所にある。


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