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6話
しおりを挟む翌日、サミエルは上機嫌で学園に登校していた。
仕事をエリカに押し付けることが出来る算段がついたからだ。
昨日レオに聞かれた仕事の件については解決していないが、それについてもちゃんと謝って、またエリカに仕事をやらせればいい話だ。
「サミエル。生徒会に来てくれるかな」
しかし学園についた途端、サミエルの元へレオ王子がやって来て生徒会に来るように促した。
「は、はい……」
レオの表情がいつもの優しい微笑みではなく、真剣な表情だったので疑問を感じながらもサミエルは頷く。
そしてサミエルはレオに連れられて生徒会室へとやって来た。
サミエルにとって生徒会室に来るのは一ヶ月ぶりだった。
生徒会室の中には生徒会役員が全員揃って座っていた。
皆、表情が険しく、やや張り詰めた空気が漂っている。
サミエルはその空気に気圧されながらも自分の椅子へと座った。
レオも生徒会長の椅子に座ると、いきなり本題に入った。
「サミエル、昨日言っていた事は覚えてるかな?」
「はい、今日締切の仕事があると……申し訳ありません。昨日は順調だと答えましたが、実はまだ完成していません。もう少しだけ時間をいただけますか?」
サミエルは予め考えていた言葉をスラスラと述べていく。
「そうか。まだ出来ていないんだね」
レオはサミエルの言葉を聞いて頷いた。
サミエルは心の中でほくそ笑む。
作戦は成功だ、と。
これで時間をかけても大丈夫だと。
しかしそう上手くはいかなかった。
「サミエル。仕事の内容は覚えているかな」
「え?」
思わぬレオの質問に、サミエルは一瞬呆ける。
「どんな仕事を任せているのか覚えているかな?」
レオはもう一度サミエルに質問する。
「そ、それは……」
サミエルは内心で冷や汗をかき始めた。
覚えていない。
内容を理解することさえ出来なかったのだからそれも当然だ。
「やっぱりね……」
レオはサミエルの返答が分かっていたのか、深く息を吐きながら頭を振っていた。
サミエルは焦って周りを見る。
周りの生徒会役員たちも同じように、サミエルを軽蔑したような目で見ていた。
周囲の生徒は皆、サミエルとは違い地位の高い貴族ばかりだ。
サミエルは反射的に不味い、と感じ慌てて言い訳を始める。
「も、申し訳ありません! これは──」
「もういい」
サミエルの言い訳はレオに遮られた。
レオの声は今まで聞いたことが無いほどに冷たかった。
「サミエル──やっぱり、君は仕事を他の人間に任せていたんだろう?」
そしてレオはサミエルに衝撃的な事実を告げた。
「え……?」
サミエルの口から声が溢れる。
まさか仕事をエリカに任せていることがバレているとは思っていなかったからだ。
しかし事実を認めればサミエルの人生は終わる。
何とか言い逃れようと口を開いた。
「ち、違います!」
「言い訳は止めてくれ。もう全て聞いているんだよ──エリカ嬢からね」
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