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26話 ローラとの遭遇
「偶然ねリナリア。こんな夜会で会うなんて」
振り返るとそこには義妹のローラが立っていた。
ローラはいつものように派手なドレスで着飾っていた。
派手な赤髪に吊り上がった目と、キラキラと眩しいほどに飾り付けられた装飾品はいつも通りだ。
「何でここに……」
「私? 私はこの夜会にアーノルド王子がいらっしゃるかもって聞いたからきたの。本当は別の夜会に行くつもりだったんだけどこっちに来ちゃった」
どこから聞いたのか知らないがこの夜会でまさか出会うとは思っていなかった私はかなり衝撃を受けていた。
しかし考えてみれば確かにライネル侯爵の屋敷とマリヤック家の屋敷は近くにあるし、夜会好きのローラがここにいても何らおかしくはなかった。
ローラは笑顔を浮かべて私に話しかけてきた。
「さっきリナリアが広間から出て行くのが見えたから挨拶だけしようと思ったんだけど、会えてよかったわ」
「そう、ですか……」
そんなことは思ってないくせに。
私は心の中でそう毒づいた。
「あ、ご挨拶が遅れました公爵様。ご機嫌よう」
「こんばんは。ローラ嬢」
ローラは思い出したかのようにノエル様に挨拶をする。
目上の貴族に対して真っ先に挨拶を行わないのは本来なら失礼に当たることで、ましてや思い出したかのような口ぶりは本来不敬に値するのだが、ローラは気づいていないのだろうか。
しかしノエル様はそんな無礼な態度を取られても全く気にしていないかのように胸に手を当てて挨拶をする。
「そうだ、リナリア。アーノルド王子がどこにいるのか知らない? さっきいらっしゃったのは知ってるんだけど、すぐに広間から出ていったからどこに行ったのか知らないの」
(なるほど、本命はそっちか)
私は何故ローラがこんなところまでやって来たのか腑に落ちた。
恐らくローラは広間にて私とノエル様、そしてアーノルド王子が一緒に広間から出ていったのを目撃したのだろう。
そして王子を探して廊下に出てきたのはいいもののどれだけ王子を探しても見つからず、偶然目に入った私に質問しにきたのだろう。
「残念だけど、私は何も存じません」
「ふぅん……」
流石にアーノルド王子の居場所をローラに教える訳にはいかないので私は知らないフリをする。
私が嘘をついていることに気がついたのか、ローラの私を見る目が変わった。
嫌な予感がした。
「ああ、そう言えばハモンド伯爵は何か言ってた?」
「え?」
私は何故ここでハモンド伯爵の名前が出てくるのだろうかと考えているとローラがニタリ、と笑った。
「あの人、さっき私があんたの境遇を教えてあげたら喜んであんたに近づいていってたけど、何て言われたの?」
私は悟った。
何故ハモンド伯爵が私の過去を知っていたのか。
それは会場にいて、私を見ていたローラが嫌がらせでハモンド伯爵にそう言ったからだったのだ。
「さっきからあなたは何の話をして……」
「ノエル様……」
「リナリア?」
ノエル様は先ほどから意味の分からないことばかり言っているローラに質問しようとしたが、私はノエル様の裾を引いて『帰りましょう』と合図をした。
今すぐローラから離れた方がいい気がしたからだ。
このままここにいたらきっと──。
「あれ? 名前で呼び合ってる……?」
しかしローラは私たちが名前で呼び合っていることに目ざとく気がついた。
ローラはわざとらしく驚いた口調で口元に手を当てる。
「えー! もうそんなに仲良くなったんですか!?」
「婚約者ですから」
「でも生贄の婚約者ですよね? それなのにこんなに親密になるって、すごいわねリナリア! 頑張って公爵様に取り入ったのね!」
「……」
公爵様はローラの言葉に黙った。
「やめて」
私は必死に訴えるがローラはやめない。
何故ならローラは私が嫌がることをするのが大好きだからだ。
「あんなに家では媚を売ってたんだから、そりゃ取り入るのだって上手よね」
「やめてっ!」
「それとも、家でやってたみたいに泣き脅しをしたのかしら? あの時は滑稽だったわね! 『食事をください』って惨めに土下座なんかして! 私は見たことがないけど、スラムにいる乞食ってこんな感じなんだって思ったわ!」
「──あ」
言われてしまった。
今のローラの言葉で恐らくノエル様は気づいただろう。
私があの家でどんな扱いを受けてきたのか。
本当は私が公爵家の婚約者として全く相応しくないことを。
そして、私が醜い嘘つきだということも。
「言いたいことはそれだけだから! じゃあね!」
私の表情が絶望に染まっていったのを見届けてローラは笑顔で去っていった。
ローラが去った後、沈黙が場を支配していた。
私はノエル様がどんな表情をしているのか見るのが怖くて顔を上げることができない。
「……」
「……帰りましょう」
俯いて沈黙するだけの私にノエル様は腕を引いた。
私は腕を引かれるままついていく。
腕を引かれながら私はノエル様がの声色が怒っていないことにホッとしていた。
そしてホッとしている私に嫌悪していた。
ライネル侯爵の屋敷を出ると門の前に来ていた馬車に乗り込む。
馬車の中は沈黙が支配していた。
「さっきのことについてですが……」
ノエル様が口を開いた。
心臓が跳ねた。
「…………いえ、また今度にしましょう」
そんな状態の私を見た公爵様は話すのをやめた。
そのまま屋敷へと帰ってきて、私たちはそれぞれの部屋に戻った。
会話は無かった。
部屋の中にはアンナがいた。
「おかえり、どうだった──」
アンナは社交界のことを私に質問したが、私の表情を見てすぐにやめた。
そして私は取り合えず椅子に座らせる。
「何があったの?」
「ノエル様に、バレました」
拳をぎゅっと握る。
「バレたって……」
「私が実家でどんな扱いを受けてきたのかも、私が嘘をついてたことも全部、バレちゃいました」
「そんな……何で」
「私の義妹がパーティーに来てたんです」
息を呑み込んで、私は何とか笑顔を保つ。
「今まで、ありがとうございました」
「え?」
「多分、明日にはこの屋敷を追い出されると思います。ですからお世話になったアンナさんにお礼しておきたくて……」
ぽた、ぽた、と手の甲に雫が落ちる。
笑顔を保っていたかったが、どうしても涙が我慢できなかった。
「そんな……」
「それとごめんなさい。側付きじゃなくなったらお給料下がっちゃいますよね」
「そんなの……そんなのどうでも良いわよ!」
アンナが叫んだ。
「追い出されるって、どうするのよ! 行くあてもないんでしょ! それにあんたの実家って……!」
「大丈夫です。何とかします」
「何とかって……」
「大丈夫です。こんな日のために勉強してきたんですから。元の計画に戻るだけです。だから、大丈夫、そのはずです」
私は一つずつ言葉を区切ってアンナにそう言った。
だけどアンナへ言った言葉なのか自分へ言った言葉なのかは分からなかった。
「嫌よ」
「え?」
アンナの声が震えていたのでそちらを見ると、アンナも涙を流していた。
アンナは私に抱きつく。
「嫌だって言ってるの! あんたがいなくなったら嫌なの! まだ借りも返しきれてないのに今居なくなられたら困るのよ!」
「……ごめんなさい」
これは嘘の代償だ。
真実を隠して普通の人間のフリをした罰だ。
「ごめんなさい……っ!」
何度も、何度も謝る。
もう涙は止めることが出来なくて、アンナと一緒に泣き叫んだ。
「ごめん、なさい……っ!」
もう誰に謝っているのかも分からなかった。
でも、どうか。
お願いだから、誰か私を許して。
──本当は、ずっと悲しかった。
見る夢は悪夢ばかりだった。
毎朝、涙を流して目が覚める。
誰にも見られないように涙の跡を拭って私は起き上がる。
『リナリア! 早く持ってきなさい!』
『本当にあんたは使えない子ね!』
『お前など生まなければよかった!』
そんな言葉をかけられながら私は働く。
顔には作り物の笑顔を浮かべて。
本当は暴言を一つ浴びせられる度に泣き叫び出したい気持ちになったけれど。
思えば、私が嘘をつき始めたのはここからだった。
彼らの機嫌を損ねないように。標的にされないように。
そしてそんな生活を続けているうちに私が本心で笑顔を浮かべることは無くなった。
だけど、この屋敷に来てアンナと本音をぶつけ合ってからは心の底から笑顔を浮かべることが出来た。
そして公爵様とも話すようになって少しずつ本当の笑顔が増えていった。
まるで夢みたいだった。
ずっと絶望の中にいた私にとって、この屋敷での生活は幸せすぎてまるで他人事のように感じることもあった。
でも、その夢のような時間ももう終わりだ。
その夢は、私の嘘によって形作られていたからだ。
嘘が剥がれ落ち、その下の醜い私を見たら誰だって気持ち悪いと感じるだろう。
「……」
目が覚める。
部屋は暗く、誰もいなかった。
目元を触ると、濡れていた。
途端にさっきの悲しい気持ちが蘇ってくる。
「うっ、ううっ……」
泣いても泣いても涙が溢れてきた。
「うわあああんっ!」
こんな幸福、知らなければよかった。
知らなければこんなに悲しい気持ちになることもなかった。
一度幸せを味わってしまったからこそ、またそれを失うのがとても怖かった。
部屋の中に私の声だけが響いていた。
振り返るとそこには義妹のローラが立っていた。
ローラはいつものように派手なドレスで着飾っていた。
派手な赤髪に吊り上がった目と、キラキラと眩しいほどに飾り付けられた装飾品はいつも通りだ。
「何でここに……」
「私? 私はこの夜会にアーノルド王子がいらっしゃるかもって聞いたからきたの。本当は別の夜会に行くつもりだったんだけどこっちに来ちゃった」
どこから聞いたのか知らないがこの夜会でまさか出会うとは思っていなかった私はかなり衝撃を受けていた。
しかし考えてみれば確かにライネル侯爵の屋敷とマリヤック家の屋敷は近くにあるし、夜会好きのローラがここにいても何らおかしくはなかった。
ローラは笑顔を浮かべて私に話しかけてきた。
「さっきリナリアが広間から出て行くのが見えたから挨拶だけしようと思ったんだけど、会えてよかったわ」
「そう、ですか……」
そんなことは思ってないくせに。
私は心の中でそう毒づいた。
「あ、ご挨拶が遅れました公爵様。ご機嫌よう」
「こんばんは。ローラ嬢」
ローラは思い出したかのようにノエル様に挨拶をする。
目上の貴族に対して真っ先に挨拶を行わないのは本来なら失礼に当たることで、ましてや思い出したかのような口ぶりは本来不敬に値するのだが、ローラは気づいていないのだろうか。
しかしノエル様はそんな無礼な態度を取られても全く気にしていないかのように胸に手を当てて挨拶をする。
「そうだ、リナリア。アーノルド王子がどこにいるのか知らない? さっきいらっしゃったのは知ってるんだけど、すぐに広間から出ていったからどこに行ったのか知らないの」
(なるほど、本命はそっちか)
私は何故ローラがこんなところまでやって来たのか腑に落ちた。
恐らくローラは広間にて私とノエル様、そしてアーノルド王子が一緒に広間から出ていったのを目撃したのだろう。
そして王子を探して廊下に出てきたのはいいもののどれだけ王子を探しても見つからず、偶然目に入った私に質問しにきたのだろう。
「残念だけど、私は何も存じません」
「ふぅん……」
流石にアーノルド王子の居場所をローラに教える訳にはいかないので私は知らないフリをする。
私が嘘をついていることに気がついたのか、ローラの私を見る目が変わった。
嫌な予感がした。
「ああ、そう言えばハモンド伯爵は何か言ってた?」
「え?」
私は何故ここでハモンド伯爵の名前が出てくるのだろうかと考えているとローラがニタリ、と笑った。
「あの人、さっき私があんたの境遇を教えてあげたら喜んであんたに近づいていってたけど、何て言われたの?」
私は悟った。
何故ハモンド伯爵が私の過去を知っていたのか。
それは会場にいて、私を見ていたローラが嫌がらせでハモンド伯爵にそう言ったからだったのだ。
「さっきからあなたは何の話をして……」
「ノエル様……」
「リナリア?」
ノエル様は先ほどから意味の分からないことばかり言っているローラに質問しようとしたが、私はノエル様の裾を引いて『帰りましょう』と合図をした。
今すぐローラから離れた方がいい気がしたからだ。
このままここにいたらきっと──。
「あれ? 名前で呼び合ってる……?」
しかしローラは私たちが名前で呼び合っていることに目ざとく気がついた。
ローラはわざとらしく驚いた口調で口元に手を当てる。
「えー! もうそんなに仲良くなったんですか!?」
「婚約者ですから」
「でも生贄の婚約者ですよね? それなのにこんなに親密になるって、すごいわねリナリア! 頑張って公爵様に取り入ったのね!」
「……」
公爵様はローラの言葉に黙った。
「やめて」
私は必死に訴えるがローラはやめない。
何故ならローラは私が嫌がることをするのが大好きだからだ。
「あんなに家では媚を売ってたんだから、そりゃ取り入るのだって上手よね」
「やめてっ!」
「それとも、家でやってたみたいに泣き脅しをしたのかしら? あの時は滑稽だったわね! 『食事をください』って惨めに土下座なんかして! 私は見たことがないけど、スラムにいる乞食ってこんな感じなんだって思ったわ!」
「──あ」
言われてしまった。
今のローラの言葉で恐らくノエル様は気づいただろう。
私があの家でどんな扱いを受けてきたのか。
本当は私が公爵家の婚約者として全く相応しくないことを。
そして、私が醜い嘘つきだということも。
「言いたいことはそれだけだから! じゃあね!」
私の表情が絶望に染まっていったのを見届けてローラは笑顔で去っていった。
ローラが去った後、沈黙が場を支配していた。
私はノエル様がどんな表情をしているのか見るのが怖くて顔を上げることができない。
「……」
「……帰りましょう」
俯いて沈黙するだけの私にノエル様は腕を引いた。
私は腕を引かれるままついていく。
腕を引かれながら私はノエル様がの声色が怒っていないことにホッとしていた。
そしてホッとしている私に嫌悪していた。
ライネル侯爵の屋敷を出ると門の前に来ていた馬車に乗り込む。
馬車の中は沈黙が支配していた。
「さっきのことについてですが……」
ノエル様が口を開いた。
心臓が跳ねた。
「…………いえ、また今度にしましょう」
そんな状態の私を見た公爵様は話すのをやめた。
そのまま屋敷へと帰ってきて、私たちはそれぞれの部屋に戻った。
会話は無かった。
部屋の中にはアンナがいた。
「おかえり、どうだった──」
アンナは社交界のことを私に質問したが、私の表情を見てすぐにやめた。
そして私は取り合えず椅子に座らせる。
「何があったの?」
「ノエル様に、バレました」
拳をぎゅっと握る。
「バレたって……」
「私が実家でどんな扱いを受けてきたのかも、私が嘘をついてたことも全部、バレちゃいました」
「そんな……何で」
「私の義妹がパーティーに来てたんです」
息を呑み込んで、私は何とか笑顔を保つ。
「今まで、ありがとうございました」
「え?」
「多分、明日にはこの屋敷を追い出されると思います。ですからお世話になったアンナさんにお礼しておきたくて……」
ぽた、ぽた、と手の甲に雫が落ちる。
笑顔を保っていたかったが、どうしても涙が我慢できなかった。
「そんな……」
「それとごめんなさい。側付きじゃなくなったらお給料下がっちゃいますよね」
「そんなの……そんなのどうでも良いわよ!」
アンナが叫んだ。
「追い出されるって、どうするのよ! 行くあてもないんでしょ! それにあんたの実家って……!」
「大丈夫です。何とかします」
「何とかって……」
「大丈夫です。こんな日のために勉強してきたんですから。元の計画に戻るだけです。だから、大丈夫、そのはずです」
私は一つずつ言葉を区切ってアンナにそう言った。
だけどアンナへ言った言葉なのか自分へ言った言葉なのかは分からなかった。
「嫌よ」
「え?」
アンナの声が震えていたのでそちらを見ると、アンナも涙を流していた。
アンナは私に抱きつく。
「嫌だって言ってるの! あんたがいなくなったら嫌なの! まだ借りも返しきれてないのに今居なくなられたら困るのよ!」
「……ごめんなさい」
これは嘘の代償だ。
真実を隠して普通の人間のフリをした罰だ。
「ごめんなさい……っ!」
何度も、何度も謝る。
もう涙は止めることが出来なくて、アンナと一緒に泣き叫んだ。
「ごめん、なさい……っ!」
もう誰に謝っているのかも分からなかった。
でも、どうか。
お願いだから、誰か私を許して。
──本当は、ずっと悲しかった。
見る夢は悪夢ばかりだった。
毎朝、涙を流して目が覚める。
誰にも見られないように涙の跡を拭って私は起き上がる。
『リナリア! 早く持ってきなさい!』
『本当にあんたは使えない子ね!』
『お前など生まなければよかった!』
そんな言葉をかけられながら私は働く。
顔には作り物の笑顔を浮かべて。
本当は暴言を一つ浴びせられる度に泣き叫び出したい気持ちになったけれど。
思えば、私が嘘をつき始めたのはここからだった。
彼らの機嫌を損ねないように。標的にされないように。
そしてそんな生活を続けているうちに私が本心で笑顔を浮かべることは無くなった。
だけど、この屋敷に来てアンナと本音をぶつけ合ってからは心の底から笑顔を浮かべることが出来た。
そして公爵様とも話すようになって少しずつ本当の笑顔が増えていった。
まるで夢みたいだった。
ずっと絶望の中にいた私にとって、この屋敷での生活は幸せすぎてまるで他人事のように感じることもあった。
でも、その夢のような時間ももう終わりだ。
その夢は、私の嘘によって形作られていたからだ。
嘘が剥がれ落ち、その下の醜い私を見たら誰だって気持ち悪いと感じるだろう。
「……」
目が覚める。
部屋は暗く、誰もいなかった。
目元を触ると、濡れていた。
途端にさっきの悲しい気持ちが蘇ってくる。
「うっ、ううっ……」
泣いても泣いても涙が溢れてきた。
「うわあああんっ!」
こんな幸福、知らなければよかった。
知らなければこんなに悲しい気持ちになることもなかった。
一度幸せを味わってしまったからこそ、またそれを失うのがとても怖かった。
部屋の中に私の声だけが響いていた。
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