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7話
しおりを挟む「はぁ……はぁ……、あいつ狂ってるぞ」
ロマン王子は食堂から出て、人気のないところまで来ると、息を切らしながらそう言った。
私も息を切らしながら答える。
「はぁ……はぁ……、なんか勢いで押し通そうとしてましたね」
「お前なんであんな奴と婚約したんだよ」
「知りませんよ。小さい頃に両親に勝手に決められたんですから」
だが私の両親も、ノーランがまさか追い込まれると大声を発して威嚇する異常男だとは思いもしなかっただろう。
字面だけ見れば愉快だが、実際にやられると迷惑極まりない。
「これからどうしましょう」
「決まっているだろ、サンドラって奴に全部言えばいい。浮気してるぞ、ってな」
丁度その時、前方にサンドラがいるのを発見した。
ロマン王子もサンドラを見つけたようで、訝しげに遠くのサンドラを見ている。
「あ? あいつなんでこんな所にいるんだ。まぁ、丁度いい。行くぞナタリー」
「はい」
サンドラが角を曲がったので、私達はそれを追いかける。
しかし、私達が角を曲がろうとしたところで、サンドラの声が聞こえてきた。
「ああっ、クソッ! なんでアイツは金を寄越さないのよ!」
私とロマン王子は顔を見合わせた。
私達が聞いてるとも知らずに、サンドラは独り言を呟き続ける。
「昨日までくれるって言ってたのに! なんで今日になって急にくれないのよ! 予定が台無しじゃない!」
ガンガン! と何かを蹴る音まで聞こえてきた。
「欲しいのいっぱいあるのに……! このままじゃナタリーからノーランを奪った意味が無いじゃない……!」
サンドラはそうやって独り言を言い続けた後、蹴るのをやめた。
「あー、すっきりした。帰ろっと」
サンドラがこちらへと向かってくる気配がしたので、私達は素早くその場を離れた。
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