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9話
しおりを挟む「なっ!?」
突如襲い掛かってきたアイクにハルトは反応することはできず、ハルトはアイクに殴られた。
暴力事件が発生したことから、周囲から悲鳴があがる。
アイクはハルトに馬乗りになった。
「アイク! やめてよ! 何してるの!」
私は必死にアイクをハルトから引き剥がそうとするが、女性の力では体重のある男性をどかすことは出来ない。
「僕からメアリーを奪うなんて許さない!」
そしてアイクはハルトを殴打し始めた。
馬乗りされたハルトは上手く抵抗できず、何度も顔を殴られる。
「ふざけるな! ふざけるな!」
もはやアイクは錯乱状態だった。
その時横から他の貴族の若い男性たちが暴行に対して止めに入った。
「君! やめなさい!」
「何をきているんだ!」
男性数人がかりで、アイクはやっと引き剥がされた。
「ハルト!」
私はハルトに駆け寄る。
アイクに何度も殴られたことで血が流れ、ハルトの顔は酷いことになっていた。
ハルトは薄く目を開けて私を見る。
「メアリー……」
「ハルト、大丈夫!? 今すぐに手当するから安静にして!」
起き上がろうとするハルトを抑え、私は応急処置が出来るようにハルトを横にした。
「ハッ! 僕からメアリーを奪おうとしたんだ! それが当然の罰だ!」
取り押さえられたアイクが笑いながら私に向かって叫ぶ。
「さあ、邪魔者はいなくなった! メアリー! 僕ともう一度やり直そう!」
「っ……!」
私はアイクに駆け寄り、パン! と頬をぶった。
「え……?」
アイクは疑問の声を上げた。
「あなたなんか、好きになるわけ無いでしょ!」
「そ、そんな……嘘だろう? メアリー」
「二度とふざけたことを言わないで! あんたみたいな最低男とやり直すなんて一生ないから!」
「そ、そんな……」
アイクはがっくりと肩を落とした。
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