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6話
しおりを挟む騒ぎを聞きつけて、マックスがやって来た。
そしてマックスはエリナとセシルを見ると眉を吊り上げた。
「エリナっ! まだセシルを脅しているのか!」
そう言ってマックスはエリナに怒鳴る。
マックスの目には、もはや何をしてもエリナが悪事を働いているようにしか見えなかった。
「私は何もしていません」
「黙れ! 悪女の言葉などもう聞きたくもない!」
エリナは弁明するが、もはや取り付く島もない。
そしてマックスはセシルへと声をかけた。
「セシル! こっちに来い! もうそんな悪女に命令される必要なんかないんだ! 俺がずっと守ってやる!」
そしてマックスは腕を広げ、セシルを呼ぶ。
エリナの背後に隠れて、セシルは気持ち悪そうに呻いた。
エリナもセシルを庇うように前に出る。
しかしそれがマックスをより激怒させた。
「エリナっ!!! もう許さないぞ! そこまでしてもセシルを離さないつもりたなんだ! それなら、こちらにも考えがある!」
そう言って激怒したマックスは取り巻きが腰にぶら下げている剣を抜いた。
「今この場でお前に罰を下し、セシルを解放する!」
周囲から悲鳴が上がった。
マックスの目は、完全に殺しを覚悟していた。
何があってもエリナを刺し殺すという意思が込められていた。
そしてマックスがエリナに襲いかかろうとした時。
「大変ですマックス王子!」
取り巻きが慌てた様子で走ってきた。
邪魔をされたことにマックスは舌打ちし、取り巻きに尋ねる。
「何だ! 今は忙しいんだ!」
「大変なのです! 国王が至急マックス王子とエリナ様、そしてセシル様をお呼びしろ、と仰っています!」
「なんだと!?」
マックスは驚いた。
まさかこのタイミングで呼び出されるとは思っていなかった。
呼び出した用事は、恐らく確実に婚約破棄の件についてだろう。
「まあいい。丁度いいからエリナのことも説明する」
マックスは剣をしまい、歩き出す。
エリナは助かった、と安堵の息を吐いた。
そして三人は王宮へと向かった。
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