話を全く聞かずに冤罪を着せたくせに今さら「申し訳ない」ですか?

水垣するめ

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12話

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「へ、平民!?」

 マックスは堪らず叫んだ。

「そうだ。お前は王族として相応しくない。王族から追放する」

「い、嫌だ! そんなの俺は認めない!」

「お前の許可などいらん。国王である私がそう決めたのだからな」

「っ……!!」

 マックスは国王を睨みつける。

「私を睨んでも何も変わらんぞ」

「こんなの……ふざけてる! 何で王子の俺が平民なんかに……!」

「はぁ……」

 国王は呆れてため息をついた。

「お前は自分が何をしたのか分かっていないのか?」

「それは……」

「他人を貶め、怠惰な生活を送り、今なおふざけた態度を取り続けるお前を、なぜこれ以上王族として置いておかなければならないんだ」

「俺は反省してます! だから──」

「その言葉はもう飽きるほど聞いた」

 国王はマックスの言葉を遮る。

「もうお前が平民に落ちるのは決定事項だ。これ以上何を言っても私は心変わりしない」

「そんな……」

 もう何を言っても許してもらえない、と分かったのかマックスは呟く。

 そして平民になるのが確定したことに絶望する。

 しかし、マックスは諦めなかった。
 何とか王族に残り続けようと、マックスはセシルに縋りついた。

「セシル! 頼む! エリナに虐められていたと言ってくれ! でないと俺は王族から追放されてしまう!」

「は、離してください……!」

 セシルはマックスから距離を置こうとする。

 しかしマックスは恥も外聞も無く、セシルに縋る。

「頼む! 頼む!」

「嫌です! 絶対にそんなことは言いません!」

 セシルの強い拒絶。

「そうか……」

 マックスはセシルを憎しみを込めて睨んだ。

「お前も俺を裏切るんだな……!」
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