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ストーリー本編
くノ一チェブックス外伝 限界集落~青い果実との愛~ 作:山城 加奈男
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ここは八王子、古くから罪人の流刑地として閉鎖的な離島に匹敵する田舎町である。
四方を山に囲まれた脱出不可能なプリズンといっても過言ではあるまい。
八王子に居を構えるということは住民は、何かしらの罪を背持っている。
オレも罪人を先祖に持つ呪われた子孫というわけだ。
そのような限界集落である場所にひっそりと立っている校舎がある。
三流大学出身のオレにとって相応しいボロ小屋だ。
小中学生合わせても、生徒の数は10名にも満たない。
窓から目に映る景色は、まさに農村。牛にスキを引かせて畑を耕す農夫の姿も見える。
公共施設ということで、奇跡的にも電気は通っているようだが、少しでも風の強い日には停電する。
4月だというのに雪が降った、関東圏であるにもかかわらず豪雪地帯とテレビにも揶揄される貧しき土地。
エアコンなどの贅沢な機器など望むのも烏滸がましい。
あまりの寒さに薪ストーブを焚かなければ学生は死んでしまいそうだ。
いつもより早く校舎に到着、軒先に干してあった薪を斧で割る。
今日一日使用するぶんの薪を抱え、ストーブの種火を熾す、電気着火など夢のまた夢。
新聞を絞るように圧縮し端にマッチで火を付ける。
新聞まで湿気ってやがる…。ようやくついた種火はスコップの上で弱々しく揺れている。
せめて石油ストーブが欲しかった。
灯油を仕入れるためには、隣町まで開通している乗り合いバスで往復2時間もかかる。
万年人手不足の八王子に建つボロ学校の経費から灯油購入代を捻出するのは不可能。
益体もないことを考えつつ、種火を慎重にストーブの中に入れて薪を周りにくべていく。
生徒が登校する頃には部屋も温まっていることだろう。
苦労して火を付けたストーブへ手を翳して揉む、このままでは凍傷にかかってしまいそうだ。
小中学校の生徒は集団登校する。野犬やイノシシの跋扈する地域で1人で登下校するなど死にたがりや以外はありえない。
今日も生徒が寒さに震えながら登校してきた。男4女5男女比は田舎であっても公平のようだ。
八王子では10歳まで生き残れる確率は20%以下と言われる。
市の財政は火の車で、医療機関はひどく寂れた社務所横にある小さな診療所のみだ。
その診療所すら、隣りにある立川市、及び神奈川県の相模原市や町田市の援助なくしては立ち行かない。
子供を見守ると言われるお地蔵さんは、八王子村民によって破壊された。
曰く、やくたたずとのことだ。
この子供たちは無事に成人である15歳までまともに生き残れるのだろうか。
日ノ本国では成人は20となっているが、著しく生存率の低い八王子の成人年齢は例外的に低い。
15近辺で子供を拵えるものが多い。50まで生き残れるのならば長老扱いだ。心まで冷えてきた。
四方を山に囲まれた脱出不可能なプリズンといっても過言ではあるまい。
八王子に居を構えるということは住民は、何かしらの罪を背持っている。
オレも罪人を先祖に持つ呪われた子孫というわけだ。
そのような限界集落である場所にひっそりと立っている校舎がある。
三流大学出身のオレにとって相応しいボロ小屋だ。
小中学生合わせても、生徒の数は10名にも満たない。
窓から目に映る景色は、まさに農村。牛にスキを引かせて畑を耕す農夫の姿も見える。
公共施設ということで、奇跡的にも電気は通っているようだが、少しでも風の強い日には停電する。
4月だというのに雪が降った、関東圏であるにもかかわらず豪雪地帯とテレビにも揶揄される貧しき土地。
エアコンなどの贅沢な機器など望むのも烏滸がましい。
あまりの寒さに薪ストーブを焚かなければ学生は死んでしまいそうだ。
いつもより早く校舎に到着、軒先に干してあった薪を斧で割る。
今日一日使用するぶんの薪を抱え、ストーブの種火を熾す、電気着火など夢のまた夢。
新聞を絞るように圧縮し端にマッチで火を付ける。
新聞まで湿気ってやがる…。ようやくついた種火はスコップの上で弱々しく揺れている。
せめて石油ストーブが欲しかった。
灯油を仕入れるためには、隣町まで開通している乗り合いバスで往復2時間もかかる。
万年人手不足の八王子に建つボロ学校の経費から灯油購入代を捻出するのは不可能。
益体もないことを考えつつ、種火を慎重にストーブの中に入れて薪を周りにくべていく。
生徒が登校する頃には部屋も温まっていることだろう。
苦労して火を付けたストーブへ手を翳して揉む、このままでは凍傷にかかってしまいそうだ。
小中学校の生徒は集団登校する。野犬やイノシシの跋扈する地域で1人で登下校するなど死にたがりや以外はありえない。
今日も生徒が寒さに震えながら登校してきた。男4女5男女比は田舎であっても公平のようだ。
八王子では10歳まで生き残れる確率は20%以下と言われる。
市の財政は火の車で、医療機関はひどく寂れた社務所横にある小さな診療所のみだ。
その診療所すら、隣りにある立川市、及び神奈川県の相模原市や町田市の援助なくしては立ち行かない。
子供を見守ると言われるお地蔵さんは、八王子村民によって破壊された。
曰く、やくたたずとのことだ。
この子供たちは無事に成人である15歳までまともに生き残れるのだろうか。
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