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第四章
嵐のように…… ※※
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まずは少し愛し合ってお兄様を落ち着かせてから、コーデリア姫との話を切り出してみよう。
そう思って素直に目を瞑ってお兄様に身を委ねようと思ったんだけど、今夜のエルファンス兄様はまるで生肉を貪る飢えた獣のようで――
いきなりむしるように夜着と下着を剥ぎ取られ、うつ伏せに組み敷かれながら首の後ろ側にかぶりつかれた瞬間――
甘噛みだから全然痛くないのに――思わずびっくりしてちびってしまった……。
おかげで私の股を探ったお兄様は、
「……こんなに濡らして……フィーも、俺が欲しかったんだな」
なんて誤解して、いきなり後ろから力任せに奥まで入ってきた……!
「……っあっ……!?」
衝撃に息を飲んでえびぞりで固まっていると、燃えるような息が背筋にかかり、今度は肩口を大きく噛まれてしまう。
「……ひゃっ……」
同時にお兄様が腰を勢い良く動かし始め、背後から容赦なく攻め立てられだした私は、あっという間に頭の中が真っ白になる……。
結局その晩は、いっさい話をする余裕を得られないまま、嵐のようなお兄様にベッドの上で翻弄されているうちに、気が遠くなり――失神してしまった――
翌朝、明るい朝の光の中で目を覚ますと、待ち構えていたように横から声をかけれらる。
「フィー、やっと起きたんだな……」
「……あ……お兄様……」
今朝は異様に全身がだるかった。
エルファンス兄様が身を起こし、上から心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
「身体が辛くないか? ……大丈夫か?」
「うん、平気……」
本当は全然平気じゃなく、起き上がる力も残されてない。
ベッドに縛りつけられているように身体が重かった。
「フィー……昨夜はいつにも増して自分の欲望を抑えられなくて、すまなかった。
俺は日ごと抱くごとにますますお前の身体に溺れ、酷くなっていくようだ……」
そう言うお兄様の表情と声の暗さに、私は無性に元気づけたくなる。
「ううん……私の体力が無さ過ぎるだけなの!
お兄様が私を求めてくれることは凄く嬉しい」
これは本心からで、肉体的には未熟すぎて受け止めきれてないけど、精神的にはお兄様に求められることで深く満たされていた。
エルファンス兄様の深い青の瞳は愛しそうに細められ、口元には優しい笑みがこぼれる。
「フィーは優しいな……ドラゴンも言っていた、清らかで美しいと、俺がこうして欲望のはけ口にしてもお前は全然穢れない……」
なぜかセイレム様にも同じような事を言われたけど、不思議でたまらない。
「私のどこが清らかなの?」
性格はうじうじしていて暗いし、誘惑に弱く流されやすく、実は嫉妬深くて、清らかさとはほど遠いと思うんだけど……。
「どこもかしこもだ……。
……とにかく、お前をこれ以上弱らせてしまっては困るから、今後は気をつける」
そう言ってエルファンス兄様の唇がちゅっと重なってきたのに合わせ、私は大切なことを思いだす。
そうだ話をしなくっちゃ――そう思い口を開きかけた時――コンコンと扉をノックする音が響き、朝食の準備が出来たことを知らされた。
とりあえず話は後回しにして、お兄様に手伝われながら身支度を終えた私は、横抱きにされて食堂へと向かう。
そう思って素直に目を瞑ってお兄様に身を委ねようと思ったんだけど、今夜のエルファンス兄様はまるで生肉を貪る飢えた獣のようで――
いきなりむしるように夜着と下着を剥ぎ取られ、うつ伏せに組み敷かれながら首の後ろ側にかぶりつかれた瞬間――
甘噛みだから全然痛くないのに――思わずびっくりしてちびってしまった……。
おかげで私の股を探ったお兄様は、
「……こんなに濡らして……フィーも、俺が欲しかったんだな」
なんて誤解して、いきなり後ろから力任せに奥まで入ってきた……!
「……っあっ……!?」
衝撃に息を飲んでえびぞりで固まっていると、燃えるような息が背筋にかかり、今度は肩口を大きく噛まれてしまう。
「……ひゃっ……」
同時にお兄様が腰を勢い良く動かし始め、背後から容赦なく攻め立てられだした私は、あっという間に頭の中が真っ白になる……。
結局その晩は、いっさい話をする余裕を得られないまま、嵐のようなお兄様にベッドの上で翻弄されているうちに、気が遠くなり――失神してしまった――
翌朝、明るい朝の光の中で目を覚ますと、待ち構えていたように横から声をかけれらる。
「フィー、やっと起きたんだな……」
「……あ……お兄様……」
今朝は異様に全身がだるかった。
エルファンス兄様が身を起こし、上から心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
「身体が辛くないか? ……大丈夫か?」
「うん、平気……」
本当は全然平気じゃなく、起き上がる力も残されてない。
ベッドに縛りつけられているように身体が重かった。
「フィー……昨夜はいつにも増して自分の欲望を抑えられなくて、すまなかった。
俺は日ごと抱くごとにますますお前の身体に溺れ、酷くなっていくようだ……」
そう言うお兄様の表情と声の暗さに、私は無性に元気づけたくなる。
「ううん……私の体力が無さ過ぎるだけなの!
お兄様が私を求めてくれることは凄く嬉しい」
これは本心からで、肉体的には未熟すぎて受け止めきれてないけど、精神的にはお兄様に求められることで深く満たされていた。
エルファンス兄様の深い青の瞳は愛しそうに細められ、口元には優しい笑みがこぼれる。
「フィーは優しいな……ドラゴンも言っていた、清らかで美しいと、俺がこうして欲望のはけ口にしてもお前は全然穢れない……」
なぜかセイレム様にも同じような事を言われたけど、不思議でたまらない。
「私のどこが清らかなの?」
性格はうじうじしていて暗いし、誘惑に弱く流されやすく、実は嫉妬深くて、清らかさとはほど遠いと思うんだけど……。
「どこもかしこもだ……。
……とにかく、お前をこれ以上弱らせてしまっては困るから、今後は気をつける」
そう言ってエルファンス兄様の唇がちゅっと重なってきたのに合わせ、私は大切なことを思いだす。
そうだ話をしなくっちゃ――そう思い口を開きかけた時――コンコンと扉をノックする音が響き、朝食の準備が出来たことを知らされた。
とりあえず話は後回しにして、お兄様に手伝われながら身支度を終えた私は、横抱きにされて食堂へと向かう。
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