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終章 決着!
勝負の分岐点
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ぐっ……ここでドロ4! まだ隠し持ってたのか? 軽くパニクる俺を見ながら香が笑う。
「ふっふっふ……。ラッキーガールは最後まで戦うのだ!」
このままじゃ負ける、どうすれば……。
(そうだ、チャレンジ!)
もはやこれしかない。奴がルール違反でドロ4を出した、その可能性に賭けるしかない。俺は時間稼ぎでとりあえず言葉を繰り出す。
「いいのか、そんなもん出して。俺にはまだチャレンジする権利があるんだぜ?」
「ふん、どうせこのままじゃ負けちゃうもん。やれるだけやってから負ける方がマシだもん」
「おぅおぅ、怖い怖い」
「それよりどうするの? チャレンジするの、しないの?」
香の目がまっすぐ俺を見つめている。さて、どうする?
(落ち着け、落ち着くんだ、俺……)
香の行動を順に追って考えていこう。
(最初に場が赤だった時、香はワイルドを捨てて黄色を指定、ウノを宣言した)
常識的に考えれば、最後のカードが黄色だったから、それを出しやすくするための黄色指定のはずだ。
(だが、最後の1枚がドロ4だった可能性もあり得る)
否定はできないな、この可能性。とはいえ、香の度胸でそこまでのリスクを冒すか? それに、ワイルドを出した時の香の勢いは、「ワイルドで黄色にしたからもう上がれる!」、そんな感じだった。
(えぇい、いつまでも悩んでいても仕方ない)
もっとも可能性が高い推理を採用しよう。つまり、香は黄色の何かとワイルドの2枚がある状態からワイルドを捨てて、黄色を宣言したのだ。
(だとすると、どこでドロ4を入手したんだ? ……あれか、ゲンキのドロ2で引いてきたな……)
つまり、黄色の何かとドロ4、そしてもう1枚、何かのカード。ゲンキのドロ2によって、この3枚の態勢になったんだ。あと少し、あと少しで推理が完成する。思い出せ……思い出せ……。
(ドロ2の後、場が進んでゲンキに番が回り、そこで青の5が捨てられた。このカードに対し、香は緑の5を捨てた。緑の5……? あの時点で奴の手札3枚の内訳は、黄色、ドロ4、あと何か。この状態から緑の5を捨てたのだから、あの時に存在した”あと何か”っていうのは、緑の5だ。黄色、ドロ4、緑の5。ここから緑の5が捨てられ、今ついにドロ4が捨てられた。ならば、あのラスト1枚は黄色のはず……)
俺は場のカードを見る。黄色の2。今の香は黄色を出せる、それなのにドロ4を捨てた。俺は香の顔を見つめ、静かに言う。
「チャレンジだ。そのドロ4、ルール違反だろ?」
「えっ……その、ほんとにチャレンジするの?」
「あぁ、そうだ」
「あの、考え直したほうが良くない?」
「チャレンジだ……」
俺は席を立ち、香の手札を覗きこむ。そこにあったのは黄色の0。
(やったぜ……)
俺は読みきった。推理を的中させたのだ。思わず笑顔になる俺、その顔のまま香に言う。
「ほれ、ペナルティだぞ。4枚引く、4枚!」
「あぁ~もう!」
彼女はふくれっ面になりながら4枚引く。よしよし、ピンチを切り抜けたぞ。……と思ったのも束の間、彼女は次の妨害策を繰り出す。
「まだだよ虎ちゃん、まだ終わりじゃない。あたしには色を指定する権利がある、これで虎ちゃんが持ってない色にすれば大丈夫」
「げっ……」
香の視線が俺の手札にじっ……と注がれる。彼女は喋り出す。
「最初、先輩が赤の4を出して次の虎ちゃんの番、何も出せずに山札から引いて手札に入れたよね?」
「いや、それは出せなかったのではなく、出せるけど出さずに山札引きしたのかもよ?」
「それはないよー、だって、あとちょっとで上がれるのにそんなことする意味ないもん。たぶんあの時、赤は持ってなかった。そんな気がするな」
やべぇよやべぇよ、これはやばい。俺のラストは青の3、当然、赤を場の色にされたら出せない。彼女の話はまだ続く。
「あれから黄色、緑と捨てられて、今は残り1枚。あれから手札を補充する機会はなかった、つまり、虎ちゃんの手札に赤が入ってくる機会はなかった。うーん、やっぱり赤はなさそう……」
俺は必死に反論する。
「いやいや待て待て、そんな簡単に結論出していいのか? 山札引きで赤を手に入れたけど、みんなの読みを惑わせたいから、危険覚悟で手札にしまいこんだ。その可能性ってのは無視しちゃいかんだろ」
「うーん、確かに少しだけはその可能性あるけど……」
やっぱり香はアホだなぁ。赤持ってない説に俺が強く反論するんだから、その様子から判断すれば正解なんてすぐ分かるじゃないか。俺は横目でちらりと会長や先輩の顔を見る、うわぁ、クスクス笑ってる。あの二人、やっぱ事情が分かってるんだな。
香はまだ考えている。頼む、赤はやめてくれ。Lady Luck, gimme your love!
ほら、次回で最終回だぜ!
「ふっふっふ……。ラッキーガールは最後まで戦うのだ!」
このままじゃ負ける、どうすれば……。
(そうだ、チャレンジ!)
もはやこれしかない。奴がルール違反でドロ4を出した、その可能性に賭けるしかない。俺は時間稼ぎでとりあえず言葉を繰り出す。
「いいのか、そんなもん出して。俺にはまだチャレンジする権利があるんだぜ?」
「ふん、どうせこのままじゃ負けちゃうもん。やれるだけやってから負ける方がマシだもん」
「おぅおぅ、怖い怖い」
「それよりどうするの? チャレンジするの、しないの?」
香の目がまっすぐ俺を見つめている。さて、どうする?
(落ち着け、落ち着くんだ、俺……)
香の行動を順に追って考えていこう。
(最初に場が赤だった時、香はワイルドを捨てて黄色を指定、ウノを宣言した)
常識的に考えれば、最後のカードが黄色だったから、それを出しやすくするための黄色指定のはずだ。
(だが、最後の1枚がドロ4だった可能性もあり得る)
否定はできないな、この可能性。とはいえ、香の度胸でそこまでのリスクを冒すか? それに、ワイルドを出した時の香の勢いは、「ワイルドで黄色にしたからもう上がれる!」、そんな感じだった。
(えぇい、いつまでも悩んでいても仕方ない)
もっとも可能性が高い推理を採用しよう。つまり、香は黄色の何かとワイルドの2枚がある状態からワイルドを捨てて、黄色を宣言したのだ。
(だとすると、どこでドロ4を入手したんだ? ……あれか、ゲンキのドロ2で引いてきたな……)
つまり、黄色の何かとドロ4、そしてもう1枚、何かのカード。ゲンキのドロ2によって、この3枚の態勢になったんだ。あと少し、あと少しで推理が完成する。思い出せ……思い出せ……。
(ドロ2の後、場が進んでゲンキに番が回り、そこで青の5が捨てられた。このカードに対し、香は緑の5を捨てた。緑の5……? あの時点で奴の手札3枚の内訳は、黄色、ドロ4、あと何か。この状態から緑の5を捨てたのだから、あの時に存在した”あと何か”っていうのは、緑の5だ。黄色、ドロ4、緑の5。ここから緑の5が捨てられ、今ついにドロ4が捨てられた。ならば、あのラスト1枚は黄色のはず……)
俺は場のカードを見る。黄色の2。今の香は黄色を出せる、それなのにドロ4を捨てた。俺は香の顔を見つめ、静かに言う。
「チャレンジだ。そのドロ4、ルール違反だろ?」
「えっ……その、ほんとにチャレンジするの?」
「あぁ、そうだ」
「あの、考え直したほうが良くない?」
「チャレンジだ……」
俺は席を立ち、香の手札を覗きこむ。そこにあったのは黄色の0。
(やったぜ……)
俺は読みきった。推理を的中させたのだ。思わず笑顔になる俺、その顔のまま香に言う。
「ほれ、ペナルティだぞ。4枚引く、4枚!」
「あぁ~もう!」
彼女はふくれっ面になりながら4枚引く。よしよし、ピンチを切り抜けたぞ。……と思ったのも束の間、彼女は次の妨害策を繰り出す。
「まだだよ虎ちゃん、まだ終わりじゃない。あたしには色を指定する権利がある、これで虎ちゃんが持ってない色にすれば大丈夫」
「げっ……」
香の視線が俺の手札にじっ……と注がれる。彼女は喋り出す。
「最初、先輩が赤の4を出して次の虎ちゃんの番、何も出せずに山札から引いて手札に入れたよね?」
「いや、それは出せなかったのではなく、出せるけど出さずに山札引きしたのかもよ?」
「それはないよー、だって、あとちょっとで上がれるのにそんなことする意味ないもん。たぶんあの時、赤は持ってなかった。そんな気がするな」
やべぇよやべぇよ、これはやばい。俺のラストは青の3、当然、赤を場の色にされたら出せない。彼女の話はまだ続く。
「あれから黄色、緑と捨てられて、今は残り1枚。あれから手札を補充する機会はなかった、つまり、虎ちゃんの手札に赤が入ってくる機会はなかった。うーん、やっぱり赤はなさそう……」
俺は必死に反論する。
「いやいや待て待て、そんな簡単に結論出していいのか? 山札引きで赤を手に入れたけど、みんなの読みを惑わせたいから、危険覚悟で手札にしまいこんだ。その可能性ってのは無視しちゃいかんだろ」
「うーん、確かに少しだけはその可能性あるけど……」
やっぱり香はアホだなぁ。赤持ってない説に俺が強く反論するんだから、その様子から判断すれば正解なんてすぐ分かるじゃないか。俺は横目でちらりと会長や先輩の顔を見る、うわぁ、クスクス笑ってる。あの二人、やっぱ事情が分かってるんだな。
香はまだ考えている。頼む、赤はやめてくれ。Lady Luck, gimme your love!
ほら、次回で最終回だぜ!
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