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壱章・New World
第二十九話 朝
しおりを挟む——こんにちは、世界
――理不尽が通ります
「……あ~もう朝か」
朝――四ツ辻 繋は、いつもの起床時間よりも早く自室のベッドで目を覚ました。
窓にかかる質の高い遮光カーテンによって大部分の光りが遮られ、太陽が顔を出しているにもかかわらず部屋の中は薄暗い。だが、ほんのわずかに開いたカーテンの隙間から細く朝日が部屋の奥まで差し込み、申し訳程度に部屋を照らしている。
二階にある繋の自室はシングルベッドと、無駄を省いたシンプルなシステムデスク。隙間なくきっちりと本が詰まっている大きな本棚が二つと年代物の大きな和箪笥が壁の一面を埋めている、全体的にスッキリとした部屋。
男子大学生の一人暮らしと思えないほどに物がなく、非常に片付いていると言えば片付いていると言える。いや、やはりただただ部屋の中に物が少ないだけで片付いているとは言いがたい。
そもそも住んでいる所がマンションなどではなく三階建ての広い一軒家なのだ、収納の観点から見れば片付いていて当たり前だと言えなくもないだろう。
「なんでこう、太陽ってやつは朝寝坊をしないんだろうな、ほんと」
寝ぐせの付いた髪を揺らしだるそうに頭を掻いてのっそりと上半身を起こした繋は、カーテンの隙間から無断で入ってくる眩しい朝日に向けて恨み言を吐くように呟く。なんとも忌々しそうに呟く。
しかしながらそうやって無断で入ってくる朝日に視線を送るも、それでどうにかなるほど自然と言う物は甘くない。それ以前に、昨晩カーテンをしっかりと閉めなかったのは繋自身である。
そのことを理解している様子の繋は枕元に置いてある眼鏡を手に取ると、名残惜しそうにしぶしぶとベッドの中からゾンビのように這い出てきた。
ただそうして這い出てきたはいいが夜更かしの影響で眠気が強いらしく、頭がふらついている。糸目と言っていいほどにほとんど目が閉じられ、はた目に見れば周囲が見えているのかさえあやしい。
「眠い──やっぱ一気に読むんじゃなかったな。後半部は記憶が曖昧だし」
後悔するような声でこぼす。
「これで同じことを繰り返したのは何回目くらいなんだか」
と続けて自嘲気味に言いつつ、藍色に染められた作務衣姿の繋は安住の地であるベッドを離れ、寝ぼけ眼を携えて壊れて狂ったメトロノームのように頭を前後左右にふらつかせながら歩き出し部屋を出る。
窓から侵入している朝日で照らされた廊下を歩く繋の足取りはまるで幽鬼のようにふらふらとおぼろげで、階段を降りていくその姿は今にも踏み外して転げ落ちそうな様子を見せる。千鳥足と言うほどではないが、なんともおぼつかず誰が見ても危なっかしい足取りであることは確かだ。
だが不思議と階段を踏み外すような素振りを見せることはなく、無事に一階に降りた繋は階段すぐ横にあるリビングに足を向けた。
左右にふらつく後ろ姿を見ていると今にもリビングのドアに頭をぶつけるというコントのような行動を起こしそうだと思ってしまうも、もちろんそんなことはなくちゃんと立ち止まりガチャリと普通にドアを開けてリビングの中に入る。
リビングに繋が入るとキッチンの方からリズミカルな調理音とともに、鼻をくすぐるようにかぐわしいみそ汁の香りが漂い、溶き卵をフライパンに流し込む聞き心地の良い音が聞こえてきた。
匂いから音からすべてをひっくるめて、これぞ朝だと言う雰囲気であり空気感である。
一人暮らしもどき──繋の実家とこの家が一本の廊下で行き来できる故に──をしている息子のために繋の母親が甲斐甲斐しく朝食を作りに来ているのかと言えば、まったくもってそうではない。
今現在、キッチン内には誰一人として人の姿も影もなく、その代わりとばかりに調理道具と朝食用の食材たちがひとりでに空中を舞い、着々と刻々と朝食の準備が滞りなく進んでいる光景がそこに拡がっていた。
言うなれば、ファンタジーのような光景である。
いや、ファンタジーと言い切るのは早いだろう。
早計も早計だ。
せっかちと言えるほどに早計だ。
例えば、社会の一部にでも裏側にでも魔法が常識として浸透しているファンタジー的魔法的魔術的世界観からして見れば、いまキッチンで繰り広げられているこの光景は日常的で常識的な当たり前のものだと確信を持って言える程度でしかない。
人が手を使わず物が勝手に動き回るのなんて、実に魔法的なファンタジーで、これぞファンタジー的な魔法の使い方だ。
だがここは、この世界は太陽系の第三惑星宇宙船地球号の中である。
科学と言う常識が物理と言う法則が一般的に普及し浸透している世界だ。そう言った世界観からすれば、この光景は非常識も非常識で非日常も非日常。
かの有名な理論物理学者であるアインシュタインも、びっくりして舌を引っ込めることだろう。
気分が高揚するよりもまず、背筋にうすら寒いものを感じる。
直接的に言って、恐怖感だ。
ファンタジーではなく、ホラーの領分。
具体的に言えば、ポルターガイスト現象。
見方を変えればあっさりとホラーに転がるこの光景。
だが、繋は興味どころか一瞥さえもすることなくまっすぐテレビの前に置かれているソファへ足を運ぶと、手に持っていた眼鏡をテーブルに放り投げ身体をソファに預けて寝転がり静かに目を閉じた。閉じたと言っても、ほとんど閉じているような瞼ではあったが。
なんとも無関心だと言える繋の態度だが、実のところこれは不思議なことじゃない。
もともとこの光景を、この状態を作り出しているのは繋なのだ。
一から十まで分かっていることに、熟知していることに興味を持てという方が新鮮な反応を見せろという方が土台無理な話で無理難題である。それよりもわずかだが追加の睡眠を優先することは誰もが納得する自明の理と言えよう。もしくは、世界の理とも真理だとも言える。
しばらくソファの上で寝転び心地の良いわずかばかりの二度寝を楽しんでいると、キッチンの方から配膳されている食器の音が聞こえてきた。どうやら朝食が完成し全ての配膳が終わったようで、トレイに乗せられた朝食がふわふわと宙を飛びながらテーブルへと運ばれてくる。
その漂う香りと食器の音につられてか、繋はのっそりと猫背気味に体を起こしだした。
完全に身体を起こした繋は頭を振り首を回し、ゆっくりと確かめるように数回ほど瞬きをして脳内に残っている眠気をできるだけ排除していく。そうしてできる限り眠気を飛ばした繋はテーブルに放り投げていた眼鏡を手に取り顔に掛けると両手を合わせ、
「いただきます」
タイミングよく目の前に置かれた朝食に、食材に、命に対して頭を下げる。
ほかほかと艶めき煌めく白米と、湯気が昇り香りが際立つみそ汁。焼き色が綺麗な焼き鮭に、黄金色に輝く卵焼き。そして軽く炙られた焼き海苔が数枚。
トレイに乗せられて目の前に置かれた朝食は現代の日本らしい朝食と言っていいのか分からないが、なんとも日本食らしい日本食であった。ホテルで出る朝食ではなく、高級旅館などで出るような朝食である。
つまり、なんとも美味しそうな和食だと言うことだ。
どれもこれも見ただけで嗅いだだけで食欲をそそられ、白米に至っては一粒一粒が煌めいて存在感を主張するほどで、食べなくてもこの朝食が美味いと理解できる。だからと言って、食べないと言う選択肢はないのだが。
そんな朝食を前にした繋は手元に置かれている箸を手にし茶碗を持つと、早食いになることなくゆっくりとしっかりと味わって口にしていく。
焼き鮭の身は箸を入れると素直にほどけ隠されていた湯気が立ち、卵焼きは焦げも焼きムラもなく中までしっかりと濃い黄金色であった。時折箸休めとして向けられる焼き海苔は、パリパリと耳に心地よい音を立てて口の中へと消えていく。
まさに、小さな贅沢と言わんばかりの朝食である。いや、これ以上ないほどの幸福な朝食と言ってもいいかもしれない。
繋は朝食をこれでもかと味わいつくし、ふと気が付いたころには綺麗に食べきっていた。茶碗に米粒一つ残すことなく、海苔の一欠けらさえ見当たらないほど綺麗さっぱりと。
ここまで何も残さず綺麗に食べきる姿を見ると、どことなしか少々食い意地が張っているのかと思ってしまう。いや、ここまでの食事を一欠けらでも残す方が罪深いのかもしれない。どちらにしろ、出された食べ物を残すということは罪深いことだ。
作り手からすればここまで何も残さず綺麗に食べきったのならこれ以上ないほどの称賛なのだろうが、知っての通りの制作過程を経たため結果的に作り手は回り回って繋と言うことになるだろう。
つまり自炊だということになるが、これを自炊と認めたくはないものがある。
「ごちそうさまでした」
食べ終わった繋は満足そうに箸を置き、手を合わせて感謝の言葉を口にする。
綺麗に食べつくされた茶碗たちは来た時と同じようにトレイごと洗い場へと運ばれていき、それと入れ替わりで湯気が立つ淹れたての緑茶が注がれている湯飲みが繋の目の前に置かれた。
置かれた湯飲みは繋がいま着ている作務衣と同じく深い藍色をしており、白字で大きく達筆に『繋』の一文字が書かれた渋めのデザインをしている。繋の名前を知っているのであれば、初めて目にしても一目で誰の湯飲みか理解できるだろう。
「ふぅ~美味い」
目の前に置かれた湯飲みを掴み、もう片方の手を底に添え息で冷ましながらチビチビと飲んでいく。
年齢的に見ればその仕草は少々ミスマッチではある。
だが、その身にまとっている作務衣的に見れば、これ以上ないほどベストマッチしていると言えよう。例えるなら、兎と戦車のように。もしくは、切っても切り離せない疾風と切り札のように。
田舎の縁側で見られるようなのんびりとした空気がリビングに漂うさなか、唐突にリビングのドアが開く。
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