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教師2年目
転入生
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「キリト・ロンダークです! お世話になります!」
「ミク・カプチーノです。仲良くしてください」
諸国連合から来たのは男女一人ずつ。
聞けば、2人はとても仲が良く、元々ミクが1人でこちらに来る予定だったのだが、キリトが「なら俺もいく」とついてきたらしい。
男気があるものだ。
「じゃあひとまずは授業1時間使って互いを知る時間にするか」
「何をするんですか?」
「ここに俺の実家の新製品があってだな……」
「「!! やりたいです!」」
緊張している2人と元からいる生徒たちを仲良くさせようというライヤの気遣いである。
それと共に、新製品のモニターも兼ねている。
転入生2人はわからないが、ウィルたちはライヤの実家がおもちゃにかなり力を入れているのを知っている。
この場に持ってきているとしたらおもちゃだという事にもすぐに考えがいったらしい。
「人生ゲーム……?」
「ん?」
「いえ、何でもないです」
ぼそりとキリトが呟く。
ライヤが反応したらミクが慌てて前に出てきた。
ライヤは手にした商品の名前は出していない。
そして人生ゲームというものもこの世界にはない。
んん?
「キリトさんとミクさんも一緒にやりましょう!」
ウィルが2人を連れていったため言及することは出来なかったが、ライヤは疑念を抱いていた。
2人は自分と同じような境遇なのではないかと。
「こっちが食堂だな。2人は家がこっちにないから弁当じゃないだろ? ここを利用することが多くなるかもな」
「食堂のご飯は美味しいですよ。健康にも気を遣った献立ですし、お勧めです」
ヨルと共に2人に学園を案内する。
「あの、先生お2人にそこまでご迷惑をかけるわけにはいきません」
「俺たちだけで回れると思います」
「いや、俺もそう思うけどな。学園長が2人にヨルがついててあげろってよ。お前たちはいいかもしれないが、生徒の中には諸国連合の人間ってだけでいい感情を持たない人がいるかもしれないだろ? ヨルは王国側として尽力したのが周知されている。それでも、何か嫌がらせしてくる奴がいるかもしれない。2年生だしな。放課後は学年に関わらず色んな所にいるから、上級生になればなるほど何かしてくるかもな」
「それでも、俺たちだけで対処できます」
「ほぉ……?」
自信満々なキリトの発言。
他国に半ば人質として送り出されている子供の言葉とは思えない。
よほどの自信があるのだろう。
「上級生でも8年生とかなると、上位の奴らは軍属の人と変わらなかったりするぞ?」
「それでもです」
強がりを言っているわけではなさそうだ。
丁度いい。
「じゃあ折角だから、上級生の実力を見せてもらうことにしようぜ」
「イリーナ」
「げっ、先生……」
「王女にあるまじき反応をどうも」
魔術クラブに足を運び、6年生になったイリーナに声をかける。
「少し彼女を借りてもいいですか?」
「えぇ、もちろん。クラブ活動は強制するものではありませんから」
クラブの顧問の教師もいつも通りニコニコとして送り出してくれた。
「それで、何よ。私にまで粉をかけようってわけじゃないわよね」
「ひどい言い草だな」
「アン姉さまだけじゃなくて、ウィルも篭絡しているのは知ってるわよ」
「本当にそれだけは誤解だから……」
以前でさえ毛嫌いされていたのにウィルのことが加わって更に磨きがかかっている。
その塩対応さに。
「それで、要件は?」
「あぁ、こいつらが諸国連合から来た転入生なんだけど」
「話は聞いてるわ」
「上級生も勝てるって自信があるみたいで。誰か相手してくれないかなと思ったんだけど。そういえばそういうことが目的なクラブがあったなと」
「一応顧問なはずだけど? この頃全く顔を出していないみたいだけど」
「しょうがないだろ……」
春休み中もクラブ活動自体は行われている。
だが、学園どころか王都にいなかったのだ。
もちろんライヤが顔を出せるはずもない。
「冗談よ。それで、私を相手に指名した理由は?」
「単純に、俺に上級生の知り合いがいないこと。実力的にも、イリーナなら任せられると判断した。ちなみに、魔術クラブでやらなかったのは今回の手合わせは個人によるものだとするためだ」
クラブ活動であれ、衆目の場で王女と他国の人間が戦うのは良いことではない。
なら、人の目がなければいい。
「……あんた、私に勝てると思う?」
「……恐れながら」
言葉遣いに気を付けながらも自信をのぞかせるキリトにイリーナは好戦的な笑みを浮かべる。
「そういうことなら協力してあげるわ。どこでやるの?」
「うちの学年の練習場を抑えてる」
「そ、行くわよ」
この辺りはアンと姉妹なんだなと思うところである。
「叩き潰してあげるわ」
こっわ。
「ミク・カプチーノです。仲良くしてください」
諸国連合から来たのは男女一人ずつ。
聞けば、2人はとても仲が良く、元々ミクが1人でこちらに来る予定だったのだが、キリトが「なら俺もいく」とついてきたらしい。
男気があるものだ。
「じゃあひとまずは授業1時間使って互いを知る時間にするか」
「何をするんですか?」
「ここに俺の実家の新製品があってだな……」
「「!! やりたいです!」」
緊張している2人と元からいる生徒たちを仲良くさせようというライヤの気遣いである。
それと共に、新製品のモニターも兼ねている。
転入生2人はわからないが、ウィルたちはライヤの実家がおもちゃにかなり力を入れているのを知っている。
この場に持ってきているとしたらおもちゃだという事にもすぐに考えがいったらしい。
「人生ゲーム……?」
「ん?」
「いえ、何でもないです」
ぼそりとキリトが呟く。
ライヤが反応したらミクが慌てて前に出てきた。
ライヤは手にした商品の名前は出していない。
そして人生ゲームというものもこの世界にはない。
んん?
「キリトさんとミクさんも一緒にやりましょう!」
ウィルが2人を連れていったため言及することは出来なかったが、ライヤは疑念を抱いていた。
2人は自分と同じような境遇なのではないかと。
「こっちが食堂だな。2人は家がこっちにないから弁当じゃないだろ? ここを利用することが多くなるかもな」
「食堂のご飯は美味しいですよ。健康にも気を遣った献立ですし、お勧めです」
ヨルと共に2人に学園を案内する。
「あの、先生お2人にそこまでご迷惑をかけるわけにはいきません」
「俺たちだけで回れると思います」
「いや、俺もそう思うけどな。学園長が2人にヨルがついててあげろってよ。お前たちはいいかもしれないが、生徒の中には諸国連合の人間ってだけでいい感情を持たない人がいるかもしれないだろ? ヨルは王国側として尽力したのが周知されている。それでも、何か嫌がらせしてくる奴がいるかもしれない。2年生だしな。放課後は学年に関わらず色んな所にいるから、上級生になればなるほど何かしてくるかもな」
「それでも、俺たちだけで対処できます」
「ほぉ……?」
自信満々なキリトの発言。
他国に半ば人質として送り出されている子供の言葉とは思えない。
よほどの自信があるのだろう。
「上級生でも8年生とかなると、上位の奴らは軍属の人と変わらなかったりするぞ?」
「それでもです」
強がりを言っているわけではなさそうだ。
丁度いい。
「じゃあ折角だから、上級生の実力を見せてもらうことにしようぜ」
「イリーナ」
「げっ、先生……」
「王女にあるまじき反応をどうも」
魔術クラブに足を運び、6年生になったイリーナに声をかける。
「少し彼女を借りてもいいですか?」
「えぇ、もちろん。クラブ活動は強制するものではありませんから」
クラブの顧問の教師もいつも通りニコニコとして送り出してくれた。
「それで、何よ。私にまで粉をかけようってわけじゃないわよね」
「ひどい言い草だな」
「アン姉さまだけじゃなくて、ウィルも篭絡しているのは知ってるわよ」
「本当にそれだけは誤解だから……」
以前でさえ毛嫌いされていたのにウィルのことが加わって更に磨きがかかっている。
その塩対応さに。
「それで、要件は?」
「あぁ、こいつらが諸国連合から来た転入生なんだけど」
「話は聞いてるわ」
「上級生も勝てるって自信があるみたいで。誰か相手してくれないかなと思ったんだけど。そういえばそういうことが目的なクラブがあったなと」
「一応顧問なはずだけど? この頃全く顔を出していないみたいだけど」
「しょうがないだろ……」
春休み中もクラブ活動自体は行われている。
だが、学園どころか王都にいなかったのだ。
もちろんライヤが顔を出せるはずもない。
「冗談よ。それで、私を相手に指名した理由は?」
「単純に、俺に上級生の知り合いがいないこと。実力的にも、イリーナなら任せられると判断した。ちなみに、魔術クラブでやらなかったのは今回の手合わせは個人によるものだとするためだ」
クラブ活動であれ、衆目の場で王女と他国の人間が戦うのは良いことではない。
なら、人の目がなければいい。
「……あんた、私に勝てると思う?」
「……恐れながら」
言葉遣いに気を付けながらも自信をのぞかせるキリトにイリーナは好戦的な笑みを浮かべる。
「そういうことなら協力してあげるわ。どこでやるの?」
「うちの学年の練習場を抑えてる」
「そ、行くわよ」
この辺りはアンと姉妹なんだなと思うところである。
「叩き潰してあげるわ」
こっわ。
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