俺の可愛い皇帝陛下〜けしからんモフらせろ!〜

えの

文字の大きさ
3 / 48

もふもふは突然に

しおりを挟む



広い、とにかく広い。何がって?城の中に決まってるだろ!そして部屋までが遠い…遠すぎるー!!いや…多分、これは道がわからないように遠回りしてるとみた。別に俺に危険分子なんて微塵もないのに何を警戒しているのやら。体の疲労を労った癖にこんなにも歩かせるとか鬼か!!いや、わかっててやってるのか。はぁ~不安。先行き不安だよ!っと急に止まらないでアデルさん!



「こちらのお部屋になります。お茶とお菓子を御用意致します。陛下は会議が終わり次第こちらに向かうとの事です。何かありましたら、護衛にお申し付けください。部屋の中に待機させますゆえ。では、しばらくお待ちください」



そう言うと、アデルさんは綺麗にお辞儀して俺と全く目を合わせずにスタスタと急ぎ足で行ってしまった…


「…」


「レイモンド…。俺は歓迎されているのかな?」


「はい、もちろんです!レイ様を歓迎しない国なんて有り得ません」



「そうか…ならいい」


ほんとに歓迎されているのかな?!これで?!部屋に案内をされるまで誰とも会わなかったけど?!おかしくない?!こんなに広いお城なのに使用人見かけなかったよ?!えっ、俺そんなに危険視されてる?人畜無害とは俺の為にある言葉でしょ?!



「失礼致します。アデル様からご紹介に上がりました。護衛を務めさせていただきますユーリと申します。お茶とお菓子をお持ち致しました。どうぞお部屋の中にお入りください。」



下を向き脳内で総ツッコミをしていると、後ろから声をかけられ、ゆっくりと振り向くとそこには…



「もふもふちゃん!!」


「はっ?」


「えっ?」


いかん!興奮のあまり心の声がダダ漏れに!レイモンドも何事かとこちらを見ている。


「んんッ!これはありがとうございます。そうですね部屋の中に入らせていただきます」


可愛いー!!キュンキュンするー!!
ふぅー、危ない。平常心、平常心。



部屋の中はそれはもう豪勢な装飾が施してあった。周りを見渡す。目が痛い。キラキラしてる。あの金ピカの花瓶とか壊すといくらするんだろうか?考えるだけでも恐ろしい…。ソワソワして全然落ち着かない。もっと質素な部屋で良かったのに!俺は王族だけど庶民派なんだよ!


そして、追い打ちをかけるように落ち着かない事がもう1つ。そう!今俺の目の前で、お茶の準備をしてくれている護衛のユーリさん!なんと求めて止まなかった愛しのもふもふちゃんなのだ!はぁ~可愛い、触りたい、可愛い、モフりたい!ユーリさんをじっくりと視姦…っじゃなくて、観察する。


身長は190センチはありそう、体はアッシュグレーの長めの毛で覆われてる。恐らくその毛の下にはご立派な筋肉が隠されているのだろう。顔は俺が前世の知識で知ってるハスキー犬に似てる。手は俺たちより毛深いが違いがあるとすればチラチラ見えてる肉球ぐらいかな?いいね~その肉球ぷにぷにさせて欲しい!!抱きついて撫で回したい!!等という不埒な事を考えてるとは微塵も思わせない様に平静を装う。


「お待たせしました。お茶の準備が出来ました。どうぞお召し上がりください」


「ありがとうございます」


う~ん。紅茶のいい匂い。このクッキーも美味しー!!疲れた体には甘い物だよね。


「レイモンドも立ってないで座って一緒にお茶しよう。あと、ユーリさんも!」


「わっ、私もですか?」


焦るユーリさんも可愛い…。


「ユーリさんから見たこの国の事を教えて欲しいのです」


「はぁ…ですが…自分の様なものが…その…一緒にお茶をしてもよろしいのでしょうか…?その…自分の容姿は…お世辞にも良い物でもありませんので…」



はっ?!なんてことだ?!愛しのもふもふユーリちゃんは自己評価が低いのか?!もふもふを近くに感じるチャンスなのに…あわよくば肉球をぷにっと押したいとか、さりげなく毛並みを愛でたいとか思ってないからね!



「容姿は別に気にしません。ありのままのこの国の姿を知りたいのです。お願い出来ませんか?」



俺が笑顔を向ければ大抵の人は折れてくれるはずだ!じーっと目を見て笑顔をキープする。早く折れてね!この笑顔長い時間維持出来ないから!!



「私からもお願いします。レイ様はこの国に着いて間もないので不安なのです。少しでも不安要素を取り除く為にお願い出来ませんか?」



レイモンドがナイスなフォローをしてくれる?でかした!やはりレイモンドは出来る子!素晴らしい!



「では、失礼して少しだけ…」




折れたー!ユーリちゃんが折れてくれたよー!グヘヘ




しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

過労死で異世界転生したら、勇者の魂を持つ僕が魔王の城で目覚めた。なぜか「魂の半身」と呼ばれ異常なまでに溺愛されてる件

水凪しおん
BL
ブラック企業で過労死した俺、雪斗(ユキト)が次に目覚めたのは、なんと異世界の魔王の城だった。 赤ん坊の姿で転生した俺は、自分がこの世界を滅ぼす魔王を討つための「勇者の魂」を持つと知る。 目の前にいるのは、冷酷非情と噂の魔王ゼノン。 「ああ、終わった……食べられるんだ」 絶望する俺を前に、しかし魔王はうっとりと目を細め、こう囁いた。 「ようやく会えた、我が魂の半身よ」 それから始まったのは、地獄のような日々――ではなく、至れり尽くせりの甘やかし生活!? 最高級の食事、ふわふわの寝具、傅役(もりやく)までつけられ、魔王自らが甲斐甲斐しくお菓子を食べさせてくる始末。 この溺愛は、俺を油断させて力を奪うための罠に違いない! そう信じて疑わない俺の勘違いをよそに、魔王の独占欲と愛情はどんどんエスカレートしていき……。 永い孤独を生きてきた最強魔王と、自己肯定感ゼロの元社畜勇者。 敵対するはずの運命が交わる時、世界を揺るがす壮大な愛の物語が始まる。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる

七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。 だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。 そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。 唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。 優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。 穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。 ――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。

【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。

フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」  可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。  だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。 ◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。 ◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【bl】砕かれた誇り

perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。 「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」 「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」 「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」 彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。 「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」 「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」 --- いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。 私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、 一部に翻訳ソフトを使用しています。 もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、 本当にありがたく思います。

処理中です...