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第26話 もふもふ祭り

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 夕方くらいになって、ついにお祭りがはじまった。
 ココさんが用意した焚火のまわりを、みんなで囲んで、踊りまくるのだ。
 もふもふ踊りはちょっと変わった振付で、コツがいる。
 僕はアリシアの手をとって、一緒に踊った。

「うまく踊れないわ……。舞踏会には出たことがあるけれど、こんな踊りは初めてよ……」
「はは……でも、上手なほうだよ。最初にしては。うまく踊れてる」

 実際、アリシアの踊りのセンスは抜群で、すぐに踊れていた。
 さすがは王宮育ちだ。

「さあて、ここでもふもふ列車がとおりまーす!」

 もふもふ列車の先頭を行くのはベアトリスだ。
 列車……といっても、ただ縄で身体をつないで、いっしょに歩くだけなんだけどね……。
 まあつまり、ただの列車ごっこ。
 けど、これがみんなでやるとけっこう楽しい。

「僕も入る!」
「わ、私も……!」

 僕らはもふもふ列車の最後尾に連なり、森の中を歩き回った。



 
 
「ふぅ……疲れたね……」

 踊って、歩きまわったから、さすがにへとへとだ。
 僕らは焚火のそばに腰かけた。

 そろそろシュシュ主催の「にゃんにゃん剣術披露」がはじまる時間だ。

「さぁて、ここにお見せしますのは、世にも不思議な剣術の数々です……!」

 シュシュがシルクハットをかぶって登場する。
 僕らはシュシュの剣裁きにみとれて、拍手で称えた。

「次はポンタ主催の『変身だれだゲーム』やでぇ~!」

 ポンタはタヌキの神獣長だ。
 変身が得意で、いつもこの日のために練習をしている。

「さあて、これはだぁれだ!」
「ウル!」
「正解!」

 ポンタが森の仲間に変身して、それが誰なのか当てるゲーム。
 商品として、なにかもふもふしたものがもらえる。

 他にも、ラビィ主催の「もふもち早食い競争」では、ベアトリスがぶっちぎりの優勝をしていた。

 楽しすぎて、夜はあっというまにふけていった。





 アリシアは、星空を見上げながら、感動の言葉を漏らす。

「星がきれいね……。こんなにたくさんの星が見えるなんて……。王都ではありえないことだわ」
「特に、この時期はきれいなんだ」
「私、森の中にこんなに温かい場所があるなんて知らなかったわ。こんなふうに誰かと笑いあったのは初めて」
「そうなんだ……。ここではみんな家族だからね。もちろんアリシアも」

 アリシアは僕の手をぎゅっと握る。

「私、リュカと出会えてほんとうによかった」
「僕もだよ。アリシアといっしょに、今日はほんとうに楽しかった」
「私、またここに来たいわ。そして、またみんなでもふもふ祭りがしたい」
「うん、もちろんだよ。ぜひ。また来年、一緒に来よう」
「ええ、絶対よ」
「そのためにも、はやく家に戻って、お父さんに無事を知らせなきゃね」
「うん…………」

 僕は硬く決意した。
 明日は絶対に、ウルを倒す……!


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