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1巻
1-2
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「58298……!? なんてでたらめな数字なんだ……!?」
でも、僕の魔力量は確かにそうなっている。
そして攻撃力は元の22に戻っている。
「ということはつまり……これが、僕の本来の魔力……?」
今までこれ全部、知らず知らずのうちに重なっていた付与術に吸われていたのか。
「じゃあ、僕の魔力はちゃんと成長していたってこと……!?」
ふうっと、肩の力が抜ける。
だってこんなの、拍子抜けだ。
自分には才能がないと思っていた。
いくら努力しても、魔力が全然増えないことに悩んでいた。
「ぐす……うう……よかった……」
思わず、涙が出てしまう。
悔し涙じゃない。
嬉し涙だ。
だって、今までの努力は無駄じゃなかったんだ。
やっと、ようやく報われた。
「それにしても、こんな簡単なことに今まで気づかなかったなんて……」
一度でも自分に付与を使えば気が付いたかもしれない。
だけど、それはマクロに止められていたし、自分でもわざわざ弱い自分を強化しようなんて思わなかったしな……
「も、もしかしてマクロはこのことに気づいていたんじゃないか……!? いや、まさかね……」
僕自身でも知らなかったのに、彼が知っているはずがない。
それよりも……
「気づいたからには、もう怖いものなしだよね……!」
だって、これだけの魔力があるのだ。
そしてこの付与術の永久蓄積の仕組みにも気が付いてしまった。
あとはこの膨大な魔力を使って、自分を強化することができる。
自分を強化するのは必要な魔力も余分に多くなるし、非効率的とされているけれど、僕にはそんなの関係ない。
好きなだけ付与術で、ステータスを上げられるんだ!
付与が消えないのなら、そんなの実質、成長したのと同じじゃないか!
「あ……ってことは……今までのナメップたちの成長も……?」
だとしたら、僕が必死に彼らに付与していたその分だけ、彼らを成長させていたことになる。
もちろん、彼らはもともと僕よりもはるかにステータスに恵まれているのだから、彼ら自身の成長もあるだろう。
だけど、さっき付与術を解除して戻ってきた魔力量から考えても、これは間違いない。
彼らを成長させていたのは、他でもない、この僕自身だったのだ……!
「はは……! そっか……! 僕が……! 全部僕だったんだ……!」
これでなにもしなくても成長しまくっていた彼らの謎が解けた。
なにもしていなかったんじゃない。
この僕が、付与をしていたんだ。
いわばこれは借金みたいなものだ。
僕が付与を解除した結果、一気に返済させられたようなもの。
「今頃とんでもないことになっているぞ……」
とはいえ、もはや僕には関係のない話だ。
彼ら自身も、僕なんかとは比べ物にならないほど実戦で経験を積んでいる。
だから修業していないとしても、それなりに強いはずだ。
きっと僕の永続付与が解けたくらいで、今更困りはしないだろう……たぶん。
「それより今は、自分のことだ……!」
まずはこの膨大な魔力を活かして、なにをするか考えよう。
これだけ余っている魔力を使えば、いろんな付与術を覚えることができるはずだ。
新しい術を覚えるには、それなりに余分な魔力が必要になるけれど……僕にはもはや関係ないも同然。
いくらでも、新しい付与術を研究し放題なのだ。
「でも、その前に……っと」
新しい付与術を覚える前に、まずは既存の付与術の強化から始めよう。
僕の覚えている付与術はどれも、効果が(微)のものばかりだ。
これに余った魔力をそそぎ込むことで、効力を上げるられるはず……
まだ一度も強化したことないから、これが初めての経験だ。
「よし……! これでどうだ……!」
――――――――――――――――――――――――――――――
【攻撃力強化(微)】が【攻撃力強化(中)】に変化しました。
【防御力強化(微)】が【防御力強化(中)】に変化しました。
【魔力強化(微)】が【魔力強化(中)】に変化しました。
【属性強化(微)】が【属性強化(中)】に変化しました。
【耐性強化(微)】が【耐性強化(中)】に変化しました。
【魔力耐性強化(微)】が【魔力耐性強化(中)】に変化しました。
【敏捷強化(微)】が【敏捷強化(中)】に変化しました。
【運強化(微)】が【運強化(中)】に変化しました。
――――――――――――――――――――――――――――――
「す、すごい……!」
それぞれ魔力100を消費して、スキルの強化に成功した。
スキル強化による魔力消費は文字通りの消費だから、寝ても戻ってくることはない。
だけど、それも僕には関係ない話だ。
58298の魔力が、57498に減っただけのこと。
「よ、よし……! もう一回だ!」
今度は魔力を1000消費して、それぞれ(中)から(強)に強化してみる。
普通、これだけの魔力を用意しようと思ったら、高名な魔術師でも数年単位でかかってしまう。
ここまで一瞬でスキルを強化させられるなんて、世界で僕だけじゃないか……?
「えい……! スキル強化!」
――――――――――――――――――――――――――――――
【攻撃力強化(中)】が【攻撃力強化(強)】に変化しました。
【防御力強化(中)】が【防御力強化(強)】に変化しました。
【魔力強化(中)】が【魔力強化(強)】に変化しました。
【属性強化(中)】が【属性強化(強)】に変化しました。
【耐性強化(中)】が【耐性強化(強)】に変化しました。
【魔力耐性強化(中)】が【魔力耐性強化(強)】に変化しました。
【敏捷強化(中)】が【敏捷強化(強)】に変化しました。
【運強化(中)】が【運強化(強)】に変化しました。
――――――――――――――――――――――――――――――
「うおおおおおおおおおおお! 本当にできた!」
まさか僕が生きている間に、スキルを(強)にまですることができるなんて、思ってもみなかった……!
スキル(強)といえば、一部の才能あるエリートが努力して、ようやく手に入れられるスキルだ。
あのナメップでさえほんの二、三個しか持っていない。
それを僕が……! しかも一気に八つだ。
「ようし、これを使って……今度はステータスをアップだ!」
僕の場合は特別な性質のおかげで、ステータス強化がそのまま成長につながる。
魔力を使ってステータスを上げれば、いくらでも強くなれる。
最初にスキルのほうを強化させたのには、ちゃんとわけがある。
付与術スキルは(微)よりも(強)のほうがはるかに魔力とステータスの上がり幅の効率がいい。
だってそうじゃないと、わざわざスキルを強くする意味がないしね……
どうせ使うなら(強)を使いたかったのだ。
「【攻撃力強化(強)】――! うおおおおおお!!」
その後も、僕は自分の魔力が許す限り、自分のステータスを上げ続けた。
もちろん余分な魔力も残しておかないといけない。
まあ、足りなくなったら、その時はまた付与を解除すればいいだけだけど。
ちなみに、【魔力強化】だけは自分に使っても意味はない。
スキルの消費魔力と、自分の上がり幅が釣り合わないからだ。
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 474
防御力 356
魔力 29459
魔法耐性 278
敏捷 136
運 98
――――――――――――――――――
◇
存分にステータスを強化したにもかかわらず、僕の魔力はまだ29459も残っている。
これだけあれば、自由に新しい付与術の研究が行えるぞ!
スキルの強化に魔力が必要だというのは、さっきやった通りだ。
それ以外にも、スキルの新規会得にも余分な魔力がいる。
「といっても……僕はこれが初めてだけど……」
今まで魔力が余るなんて状況がなかったから、新しい付与術なんて覚えたことがなかった。
最初に付与術師の職を選択したときに会得できる、初期スキルのみでやってきたのだ。
スキルの会得には、スキル強化以上に膨大な魔力が必要だからね。
スキル会得はツリー方式になっていて、いろいろな項目から選べる。
「さて、どんな付与術スキルがあるんだろう」
僕はスキルツリーを開くのもこれが初めてだった。
スキルツリーを開くと、そこには会得可能なスキルがずらっと並んでいた。
どれもこれも魅力的なスキルだ。
――――――――――――――――――
・自動回復付与(微)
・金属肉体付与(微)
・行動回数増加付与(微)
・魔力反射付与(微)
・自動追尾付与(微)
・
・
・
――――――――――――――――――
などなど、このほかにも無数にスキルツリーが連なっている。
どのスキルも、会得するのにそれなりの魔力が必要みたいだ。
基本的には500から10000の間で、必要な魔力はスキルの効果によっていろいろだ。
「どれをはじめに会得するか、迷うなぁ……」
こういうのは実際に使ってみないと、効果がわからないしね。
しかも数が多すぎて、もはやどれを選べばいいかさっぱりだ。
そうやってスキルツリーをたどって一番下まで見ていくと――
「あれ……?」
一つだけ、どのスキルツリーにも属さない、変わったスキルがあった。
いきなりそれを選ぶことができるようになっているが、スキルの会得に要求される魔力量はとてつもない。
なんと余分な魔力を10万も捧げなければいけなかった。
普通、上位の強力なスキルは、そもそも段階的にスキルツリーを進んでいかないと選べなかったりするのに。
――――――――――――――――――
???付与:10万
――――――――――――――――――
「これ……なんだろう……?」
まるでそれだけ隠したいかのように、一番下にひっそりとあるのだ。
名前も「???」となっていて、どういったものなのかわからない。
「こんなの、でたらめすぎる……」
こんな不思議なスキルがあるなんて、初めて知ったぞ……
他の付与術師からも、こんな謎スキルの噂は一切聞かなかった。
ってことはつまり……これは僕のユニークスキルだったりするのかな……?
基本的にスキルツリーは、同じ職なら同じツリー構造になっているものだが……まれに、そういう特別なスキルが存在することもあるそうだ。
また、人によって得意な系統のスキルも違うようで、相性によって必要な魔力ポイントも差があったりする。
ユニークツリーなんて、初めて見たけど、まさかそれが僕のだとは……
こんな下にあったら、危うく気づかないところだった。
「ユニークスキルってことは、きっと強力な付与術なんだろうな……」
しかも、必要な魔力量が桁違いすぎる。
ここまでの対価を求められるなら、きっとその効果はすさまじいはずだ。
僕は、他のスキルツリーのことなんか忘れて、その謎のユニークスキルに夢中だった。
どうにかしてこのスキルを覚えたい、そう思った。
「でも……10万もの魔力量なんて……いったいどうすればいいんだ……?」
魔力の総量を増やすには、ひたすら魔力を使うしかない。
つまり、付与術を使用しまくればいいわけだ。
普通の付与術師が魔力を鍛えようと思えば、その手順はこうだ。
まず付与術を使って、魔力を減らす。
それから一晩寝れば、ある程度魔力が回復するとともに、その総量もわずかに増えるという仕組みだ。
でも僕の場合は、付与術を使うと持続してしまう体質だから、寝ても魔力が回復しない。
「あ……! 逆に言うと、付与を解除すれば、さっきみたいに魔力が戻ってくるんじゃないのか……!?」
とにかく、やってみるしかないな……!
さきほど付与術でステータスを強化したばっかりだけど、僕は一度、そのステータス強化を全部解除してみることにした。
すると――
「うおおおおおおおおおお……!?!?!?」
なんと、他のステータスは付与する前の値に戻ったが、魔力の項目だけ大きく成長していたのである――
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 22
防御力 27
魔力 58598
魔法耐性 78
敏捷 43
運 32
――――――――――――――――――
「睡眠を取っていないのに、魔力が58298から58598に増えている……!?」
確かに、僕はさっきステータスを上げるために、何度も付与術を使った。
その際に魔力も増えたってことか……!?
だとしたら、これを繰り返すだけで、僕は無限に魔力が手に入るんじゃないか……!?
「ゴクリ……ヤ、ヤバすぎる……!」
もう一回、魔力が空になるまでステータスを強化してみることにしよう。
今度は本当に魔力が尽きるまで、付与術を使ってみる。
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 8950
防御力 7360
魔力 129
魔法耐性 5689
敏捷 3899
運 4712
――――――――――――――――――
「はぁ……よし……! 解除だ……!」
すると、今度は魔力が58598から59098に増えた。
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 22
防御力 27
魔力 59098
魔法耐性 78
敏捷 43
運 32
――――――――――――――――――
「す、すごすぎる……!」
ちょっとずつだけど、これなら無限に魔力を増やすことができるぞ!
魔力10万も夢じゃない!
「よし、あの謎の???スキルを解除するために、魔力10万溜めてやる!」
僕はそのあとも、ステータスを強化してはそれを解除して――を、何度も何度も、延々と繰り返した。
何回目だろうか、夕方になってきたころだ。
「うう……なんだか身体が重い……」
さすがにこう何度も魔力を行き来させていると、疲れも生じるのだろうか。
別に魔力を消費しているわけではないんだけどな……
水を飲んではトイレに行ってを何度も繰り返しているようなもので、身体に負担がかかるのかもしれない。
とにかく、今日はもうこれ以上はできないな。
「よし、今日は休んで、続きは明日にしよう」
僕はふらふらの足取りで宿に戻った。
ものすごく眠たくなって、そのままベッドに横になる。
「ふわぁ……これ、思ったよりもしんどいぞ……」
まあ、なにもデメリットなしにこんなことができるほうがおかしいんだけど……
それでも、これをコツコツ続ければ、いつかはきっと魔力が10万にたどりつくはずだ。
今まではあれだけ努力をしても、まったく実らなかった。
ちゃんとこうやって修業した分、それが力になる――それだけで、僕にとっては十分だった。
「ようし、明日からまた頑張るぞ!」
僕は毎日欠かさず、魔力を増やすための修業を自分に課した。
身体の痛みは全然苦じゃない。これまでの努力や苦労が、一気に報われていく、そんな思いでいっぱいだった。
やっと、ナメップたちに追いつけるんだ。
「絶対にナメップより強くなってやる!」
成長して、僕を置いていった仲間たちに、一刻も早く追いつきたい。
努力がちゃんと数値に反映されるって、この上なく幸せだなぁ。
そんなふうに思って、寝る前に、最後にもう一度ステータスを確認してみる。
今日一日――いや、これまでの人生すべてで――汗を流して頑張った成果が、そこにはちゃんと刻まれていた。
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 22
防御力 27
魔力 61598
魔法耐性 78
敏捷 43
運 32
――――――――――――――――――
でも、僕の魔力量は確かにそうなっている。
そして攻撃力は元の22に戻っている。
「ということはつまり……これが、僕の本来の魔力……?」
今までこれ全部、知らず知らずのうちに重なっていた付与術に吸われていたのか。
「じゃあ、僕の魔力はちゃんと成長していたってこと……!?」
ふうっと、肩の力が抜ける。
だってこんなの、拍子抜けだ。
自分には才能がないと思っていた。
いくら努力しても、魔力が全然増えないことに悩んでいた。
「ぐす……うう……よかった……」
思わず、涙が出てしまう。
悔し涙じゃない。
嬉し涙だ。
だって、今までの努力は無駄じゃなかったんだ。
やっと、ようやく報われた。
「それにしても、こんな簡単なことに今まで気づかなかったなんて……」
一度でも自分に付与を使えば気が付いたかもしれない。
だけど、それはマクロに止められていたし、自分でもわざわざ弱い自分を強化しようなんて思わなかったしな……
「も、もしかしてマクロはこのことに気づいていたんじゃないか……!? いや、まさかね……」
僕自身でも知らなかったのに、彼が知っているはずがない。
それよりも……
「気づいたからには、もう怖いものなしだよね……!」
だって、これだけの魔力があるのだ。
そしてこの付与術の永久蓄積の仕組みにも気が付いてしまった。
あとはこの膨大な魔力を使って、自分を強化することができる。
自分を強化するのは必要な魔力も余分に多くなるし、非効率的とされているけれど、僕にはそんなの関係ない。
好きなだけ付与術で、ステータスを上げられるんだ!
付与が消えないのなら、そんなの実質、成長したのと同じじゃないか!
「あ……ってことは……今までのナメップたちの成長も……?」
だとしたら、僕が必死に彼らに付与していたその分だけ、彼らを成長させていたことになる。
もちろん、彼らはもともと僕よりもはるかにステータスに恵まれているのだから、彼ら自身の成長もあるだろう。
だけど、さっき付与術を解除して戻ってきた魔力量から考えても、これは間違いない。
彼らを成長させていたのは、他でもない、この僕自身だったのだ……!
「はは……! そっか……! 僕が……! 全部僕だったんだ……!」
これでなにもしなくても成長しまくっていた彼らの謎が解けた。
なにもしていなかったんじゃない。
この僕が、付与をしていたんだ。
いわばこれは借金みたいなものだ。
僕が付与を解除した結果、一気に返済させられたようなもの。
「今頃とんでもないことになっているぞ……」
とはいえ、もはや僕には関係のない話だ。
彼ら自身も、僕なんかとは比べ物にならないほど実戦で経験を積んでいる。
だから修業していないとしても、それなりに強いはずだ。
きっと僕の永続付与が解けたくらいで、今更困りはしないだろう……たぶん。
「それより今は、自分のことだ……!」
まずはこの膨大な魔力を活かして、なにをするか考えよう。
これだけ余っている魔力を使えば、いろんな付与術を覚えることができるはずだ。
新しい術を覚えるには、それなりに余分な魔力が必要になるけれど……僕にはもはや関係ないも同然。
いくらでも、新しい付与術を研究し放題なのだ。
「でも、その前に……っと」
新しい付与術を覚える前に、まずは既存の付与術の強化から始めよう。
僕の覚えている付与術はどれも、効果が(微)のものばかりだ。
これに余った魔力をそそぎ込むことで、効力を上げるられるはず……
まだ一度も強化したことないから、これが初めての経験だ。
「よし……! これでどうだ……!」
――――――――――――――――――――――――――――――
【攻撃力強化(微)】が【攻撃力強化(中)】に変化しました。
【防御力強化(微)】が【防御力強化(中)】に変化しました。
【魔力強化(微)】が【魔力強化(中)】に変化しました。
【属性強化(微)】が【属性強化(中)】に変化しました。
【耐性強化(微)】が【耐性強化(中)】に変化しました。
【魔力耐性強化(微)】が【魔力耐性強化(中)】に変化しました。
【敏捷強化(微)】が【敏捷強化(中)】に変化しました。
【運強化(微)】が【運強化(中)】に変化しました。
――――――――――――――――――――――――――――――
「す、すごい……!」
それぞれ魔力100を消費して、スキルの強化に成功した。
スキル強化による魔力消費は文字通りの消費だから、寝ても戻ってくることはない。
だけど、それも僕には関係ない話だ。
58298の魔力が、57498に減っただけのこと。
「よ、よし……! もう一回だ!」
今度は魔力を1000消費して、それぞれ(中)から(強)に強化してみる。
普通、これだけの魔力を用意しようと思ったら、高名な魔術師でも数年単位でかかってしまう。
ここまで一瞬でスキルを強化させられるなんて、世界で僕だけじゃないか……?
「えい……! スキル強化!」
――――――――――――――――――――――――――――――
【攻撃力強化(中)】が【攻撃力強化(強)】に変化しました。
【防御力強化(中)】が【防御力強化(強)】に変化しました。
【魔力強化(中)】が【魔力強化(強)】に変化しました。
【属性強化(中)】が【属性強化(強)】に変化しました。
【耐性強化(中)】が【耐性強化(強)】に変化しました。
【魔力耐性強化(中)】が【魔力耐性強化(強)】に変化しました。
【敏捷強化(中)】が【敏捷強化(強)】に変化しました。
【運強化(中)】が【運強化(強)】に変化しました。
――――――――――――――――――――――――――――――
「うおおおおおおおおおおお! 本当にできた!」
まさか僕が生きている間に、スキルを(強)にまですることができるなんて、思ってもみなかった……!
スキル(強)といえば、一部の才能あるエリートが努力して、ようやく手に入れられるスキルだ。
あのナメップでさえほんの二、三個しか持っていない。
それを僕が……! しかも一気に八つだ。
「ようし、これを使って……今度はステータスをアップだ!」
僕の場合は特別な性質のおかげで、ステータス強化がそのまま成長につながる。
魔力を使ってステータスを上げれば、いくらでも強くなれる。
最初にスキルのほうを強化させたのには、ちゃんとわけがある。
付与術スキルは(微)よりも(強)のほうがはるかに魔力とステータスの上がり幅の効率がいい。
だってそうじゃないと、わざわざスキルを強くする意味がないしね……
どうせ使うなら(強)を使いたかったのだ。
「【攻撃力強化(強)】――! うおおおおおお!!」
その後も、僕は自分の魔力が許す限り、自分のステータスを上げ続けた。
もちろん余分な魔力も残しておかないといけない。
まあ、足りなくなったら、その時はまた付与を解除すればいいだけだけど。
ちなみに、【魔力強化】だけは自分に使っても意味はない。
スキルの消費魔力と、自分の上がり幅が釣り合わないからだ。
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 474
防御力 356
魔力 29459
魔法耐性 278
敏捷 136
運 98
――――――――――――――――――
◇
存分にステータスを強化したにもかかわらず、僕の魔力はまだ29459も残っている。
これだけあれば、自由に新しい付与術の研究が行えるぞ!
スキルの強化に魔力が必要だというのは、さっきやった通りだ。
それ以外にも、スキルの新規会得にも余分な魔力がいる。
「といっても……僕はこれが初めてだけど……」
今まで魔力が余るなんて状況がなかったから、新しい付与術なんて覚えたことがなかった。
最初に付与術師の職を選択したときに会得できる、初期スキルのみでやってきたのだ。
スキルの会得には、スキル強化以上に膨大な魔力が必要だからね。
スキル会得はツリー方式になっていて、いろいろな項目から選べる。
「さて、どんな付与術スキルがあるんだろう」
僕はスキルツリーを開くのもこれが初めてだった。
スキルツリーを開くと、そこには会得可能なスキルがずらっと並んでいた。
どれもこれも魅力的なスキルだ。
――――――――――――――――――
・自動回復付与(微)
・金属肉体付与(微)
・行動回数増加付与(微)
・魔力反射付与(微)
・自動追尾付与(微)
・
・
・
――――――――――――――――――
などなど、このほかにも無数にスキルツリーが連なっている。
どのスキルも、会得するのにそれなりの魔力が必要みたいだ。
基本的には500から10000の間で、必要な魔力はスキルの効果によっていろいろだ。
「どれをはじめに会得するか、迷うなぁ……」
こういうのは実際に使ってみないと、効果がわからないしね。
しかも数が多すぎて、もはやどれを選べばいいかさっぱりだ。
そうやってスキルツリーをたどって一番下まで見ていくと――
「あれ……?」
一つだけ、どのスキルツリーにも属さない、変わったスキルがあった。
いきなりそれを選ぶことができるようになっているが、スキルの会得に要求される魔力量はとてつもない。
なんと余分な魔力を10万も捧げなければいけなかった。
普通、上位の強力なスキルは、そもそも段階的にスキルツリーを進んでいかないと選べなかったりするのに。
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???付与:10万
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「これ……なんだろう……?」
まるでそれだけ隠したいかのように、一番下にひっそりとあるのだ。
名前も「???」となっていて、どういったものなのかわからない。
「こんなの、でたらめすぎる……」
こんな不思議なスキルがあるなんて、初めて知ったぞ……
他の付与術師からも、こんな謎スキルの噂は一切聞かなかった。
ってことはつまり……これは僕のユニークスキルだったりするのかな……?
基本的にスキルツリーは、同じ職なら同じツリー構造になっているものだが……まれに、そういう特別なスキルが存在することもあるそうだ。
また、人によって得意な系統のスキルも違うようで、相性によって必要な魔力ポイントも差があったりする。
ユニークツリーなんて、初めて見たけど、まさかそれが僕のだとは……
こんな下にあったら、危うく気づかないところだった。
「ユニークスキルってことは、きっと強力な付与術なんだろうな……」
しかも、必要な魔力量が桁違いすぎる。
ここまでの対価を求められるなら、きっとその効果はすさまじいはずだ。
僕は、他のスキルツリーのことなんか忘れて、その謎のユニークスキルに夢中だった。
どうにかしてこのスキルを覚えたい、そう思った。
「でも……10万もの魔力量なんて……いったいどうすればいいんだ……?」
魔力の総量を増やすには、ひたすら魔力を使うしかない。
つまり、付与術を使用しまくればいいわけだ。
普通の付与術師が魔力を鍛えようと思えば、その手順はこうだ。
まず付与術を使って、魔力を減らす。
それから一晩寝れば、ある程度魔力が回復するとともに、その総量もわずかに増えるという仕組みだ。
でも僕の場合は、付与術を使うと持続してしまう体質だから、寝ても魔力が回復しない。
「あ……! 逆に言うと、付与を解除すれば、さっきみたいに魔力が戻ってくるんじゃないのか……!?」
とにかく、やってみるしかないな……!
さきほど付与術でステータスを強化したばっかりだけど、僕は一度、そのステータス強化を全部解除してみることにした。
すると――
「うおおおおおおおおおお……!?!?!?」
なんと、他のステータスは付与する前の値に戻ったが、魔力の項目だけ大きく成長していたのである――
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 22
防御力 27
魔力 58598
魔法耐性 78
敏捷 43
運 32
――――――――――――――――――
「睡眠を取っていないのに、魔力が58298から58598に増えている……!?」
確かに、僕はさっきステータスを上げるために、何度も付与術を使った。
その際に魔力も増えたってことか……!?
だとしたら、これを繰り返すだけで、僕は無限に魔力が手に入るんじゃないか……!?
「ゴクリ……ヤ、ヤバすぎる……!」
もう一回、魔力が空になるまでステータスを強化してみることにしよう。
今度は本当に魔力が尽きるまで、付与術を使ってみる。
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 8950
防御力 7360
魔力 129
魔法耐性 5689
敏捷 3899
運 4712
――――――――――――――――――
「はぁ……よし……! 解除だ……!」
すると、今度は魔力が58598から59098に増えた。
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 22
防御力 27
魔力 59098
魔法耐性 78
敏捷 43
運 32
――――――――――――――――――
「す、すごすぎる……!」
ちょっとずつだけど、これなら無限に魔力を増やすことができるぞ!
魔力10万も夢じゃない!
「よし、あの謎の???スキルを解除するために、魔力10万溜めてやる!」
僕はそのあとも、ステータスを強化してはそれを解除して――を、何度も何度も、延々と繰り返した。
何回目だろうか、夕方になってきたころだ。
「うう……なんだか身体が重い……」
さすがにこう何度も魔力を行き来させていると、疲れも生じるのだろうか。
別に魔力を消費しているわけではないんだけどな……
水を飲んではトイレに行ってを何度も繰り返しているようなもので、身体に負担がかかるのかもしれない。
とにかく、今日はもうこれ以上はできないな。
「よし、今日は休んで、続きは明日にしよう」
僕はふらふらの足取りで宿に戻った。
ものすごく眠たくなって、そのままベッドに横になる。
「ふわぁ……これ、思ったよりもしんどいぞ……」
まあ、なにもデメリットなしにこんなことができるほうがおかしいんだけど……
それでも、これをコツコツ続ければ、いつかはきっと魔力が10万にたどりつくはずだ。
今まではあれだけ努力をしても、まったく実らなかった。
ちゃんとこうやって修業した分、それが力になる――それだけで、僕にとっては十分だった。
「ようし、明日からまた頑張るぞ!」
僕は毎日欠かさず、魔力を増やすための修業を自分に課した。
身体の痛みは全然苦じゃない。これまでの努力や苦労が、一気に報われていく、そんな思いでいっぱいだった。
やっと、ナメップたちに追いつけるんだ。
「絶対にナメップより強くなってやる!」
成長して、僕を置いていった仲間たちに、一刻も早く追いつきたい。
努力がちゃんと数値に反映されるって、この上なく幸せだなぁ。
そんなふうに思って、寝る前に、最後にもう一度ステータスを確認してみる。
今日一日――いや、これまでの人生すべてで――汗を流して頑張った成果が、そこにはちゃんと刻まれていた。
――――――――――――――――――
名前 アレン・ローウェン
職業 付与術師
男 16歳
攻撃力 22
防御力 27
魔力 61598
魔法耐性 78
敏捷 43
運 32
――――――――――――――――――
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それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
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◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
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最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
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《作者からのお知らせ!》
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※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
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