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3巻
3-3
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「そうだ……! 何もこの草原全部に【名称付与】をしなくてもいいんだ……!」
僕のつぶやきに、ミネルヴァが首を捻る。
「どういうこと……?」
「たとえばそう、あそこの遠くに、小さな森が見えるでしょ?」
「うん、そうね……」
「あの森も概念的には『アレン領南東部』の一部だと思うけど……あの森自体には別の名前をつけられるはずなんだ」
それは僕が付与をする対象をどの範囲にするかを定義すれば可能なはずだ。
エルフの里の事例を見ても、僕は『エルフの森』に付与することができたし、『世界樹』に付与することもできたし、はたまた『エルフの里』に対して付与することもできたわけだ。
それらはそれぞれに別のレイヤーで存在していて、それぞれに付与が可能な概念だ。
普通の付与術は、人間など、生きている存在にしか付与できない。
だけど、僕には【無生物付与】があるから、生物以外にも付与ができる。
そしてそれは本当に生物以外のあらゆるもの――僕の捉えかた一つで、なんにでも付与ができるわけだ。
いわば僕の付与術は今や、『概念付与』とも呼べる代物になっているのかもしれない。
「百聞は一見に如かず。物は試しだ。あの森に【名称付与】をしてみよう」
僕はさっそく森のほうに近づいて、そこに向けて付与をした。
「えい! 【名称付与】を発動……! この森に『アレングランド果樹園』の名称を付与! それと……ついでに【レベル付与】も……!」
――――――――――――――――――――
名前 アレングランド果樹園
レベル 1
サイズ 100000平方メートル
栽培種類 5
成長度 5
――――――――――――――――――――
すると、僕の思った通りの結果が得られた。
なんとこれまでなんの変哲もない森林だったその場所が、果樹園の名を与えるだけで、色とりどりの果実が実る鮮やかな空間に生まれ変わったのだ。
僕の仮説は正しかった。
なっている果物は、リンゴやミカンなど、その辺で売っているような普通の果物だ。
半分くらいは既に収穫できそうなほどに育っているが、まだ青い実もある。
「すごい……! アレンの発想の勝利ね! 森にだけ【名称付与】をすることで、ただの森を果樹園に変えてしまうなんて……!」
付与術はまさに万能、なんでもできる神の力だ。
だけど、その使い方にはちょっとした工夫がいる。
観念的なこととか、ちょっとした理屈の解釈など、言葉遊び的な才能が必要だ。
そして僕は、それがかなり得意だった。
「うん。それに、気づいた? 森のレベルは1だ。この『アレン領南東部』の大地そのもののレベルとは別に、森のレベルが存在する。だから、ここで森のレベルを上げれば……」
「レベルアップした果樹園になるわけね……!」
「うん、やってみよう。お願い」
「わかったわ。【経験値付与】……!」
ミネルヴァは果樹園に対して【経験値付与】を行った。
その結果、アレングランド果樹園が進化する。
――――――――――――――――――――
名前 アレングランド果樹園
レベル 100
サイズ 10000000平方メートル
栽培種類 500
成長度 500
――――――――――――――――――――
「うわああああ……!? す、すごい……!!!!」
いままでは五種類しかなかった果物が、今ではなんと五百種類もの果物がなっている。また、レベルアップによって面積も百倍に増えて、とんでもなく広大になった。
まさに色とりどり、古今東西の様々な果物が実をつけている。
さすがにここまで種類があると、何がなんの果物なのかわからない。
中にはまったく見たこともないような未知の果物まである。
まるで絵具をぶちまけたかのように色鮮やかな果樹園が誕生した。
しかも成長度も大幅に上がっているせいか、数秒前まで青かった果実が、みるみるうちに収穫可能なほどまで成長していく。
ミネルヴァが驚愕した様子で感想を口にする。
「アレン……これ、めちゃくちゃすごくない……!?」
「うん……まさか【名称付与】を応用するだけで、果樹園まで生み出せてしまうなんてね……我ながら、この能力の可能性には驚きだ……」
「ねえ、さっそく一つ食べてみましょう?」
「えぇ……!? でも、その果物、見たことないやつだけど……食べられるのかなぁ……? 毒があったりしたら嫌だな……」
ミネルヴァは妙に乗り気だけど、未知の果物を前に僕は躊躇してしまう。
「何言ってるの。私たちは【毒耐性付与】をしてあるから、万が一毒のある果物でも、問題ないでしょ?」
「あ、そっか。じゃあ、試しに食べてみるか……ちょっと怖いけど……」
毒は問題なくても、味が美味しいかはわからない。
僕とミネルヴァは手近な名も知らぬ謎の果物を一つもぎ取ってみた。
トゲトゲしていて、紫色の禍々しいその果物は、とても食べられるとは思えない見た目だけど……味はどうかな……?
がぶり、と一気に噛みつく。
すると、その瞬間、口の中にわずかな酸味と、ふんわりとした甘みが一気に広がる。
「これは……! すっごく美味しい……!」
「本当……! 食べたことない味だけど、これは新感覚ね……! なんとも言えない甘さだわ……!」
僕とミネルヴァは夢中でその果物を食べた。
これはきっと、アレン領の名産品になるに違いない!
「よし、この調子で、農場も作ってみよう……!」
「どうするの……?」
「簡単さ。草原の一部に対して【名称付与】を行うんだ」
草原全体に付与をしてしまうと、アレン領の大地全体が農場になってしまう。
それだと困るし、そんなに大きな農場はいらないから、大地の一部を付与対象にするのだ。
そこは僕がどの程度の範囲に対して付与をするか、意識を変えるだけでいい。
ただ、漠然と範囲を指定しようとしても、目印がなければどこからどこまでを付与対象にするかが想像しにくい。
だから僕は剣を抜き、地面に印をつけることにした。
剣を地面に突き立てて、線を引いていく。
ちょうど100メートルくらいの範囲を四角で囲み、そこを付与対象にする。
「えい……! 四角の範囲に対して【名称付与】……! この場所の名前を『グランアレン農場』とする……!」
すると、僕が指定したエリアだけが、まるでクワで耕したように、整備された畑になった。
そしてそこには様々な種類の野菜の苗が植わっていた。
もちろんついでに【レベル付与】もしておく。
――――――――――――――――――――
名前 グランアレン農場
レベル 1
サイズ 10000平方メートル
栽培種類 5
成長度 5
――――――――――――――――――――
「よし……! できた……!」
「すごい……! 本当に農場になったわね……!」
畑に植わっているのは、ニンジンやトマトだろうか。
さっそく、ここに【経験値付与】を施す。
ミネルヴァが唱えると、一瞬にして、田舎の個人規模の畑から、大規模な農業地帯へと変化した。
――――――――――――――――――――
名前 グランアレン農場
レベル 100
サイズ 1000000平方メートル
栽培種類 500
成長度 500
――――――――――――――――――――
「うわ……すごい……! あんなに遠くまで広がっているよ……」
「これまた見たこともない野菜ばっかりね……」
果樹園のときと同じく、五百種類もの野菜があれば、さすがに全然見たこともないような品種もたくさんある。
どの野菜も、すぐに収穫可能なまでに育っている。
さっそくこれも食べてみることにしよう。
「じゃあ、これ……食べられるかな……」
僕はナスビに似た謎の野菜を収穫し、一口食べてみた。
すると……
「甘い……! なんだこれ……! すっごく美味しい……!」
僕の感想に釣られて味見したミネルヴァも、目を丸くしている。
「本当ね……! 不思議な味……!」
これだけの量の野菜と果物があれば、アレン領で食料に困ることはなさそうだ。
それに、これらを外国や他の領地に輸出すれば、多くの人を助けられるだろう。
こっちは付与術でお手軽に生み出したものだから、特に経費はかかってないし、格安で全世界に提供することができるはずだ。
エスタリア王国は比較的裕福で、自国内での食料生産率も高い。だから食料難になっている地域はほとんどない。
しかし、外国ではいまだに食料供給に困っている貧困地域はたくさんある。
そういった人たちを助けることができれば、僕の付与術を活用した甲斐があるというものだ。
やっぱり僕の力は、世界を救う、人を助けるために使うべきだと思うからね。
名は体を表すとは言うけれど、【名称付与】で名前を変えるだけで、こうもいろいろできてしまうとはね……
名前に引っ張られて、世界のほうが形を変えてしまうなんて……まさに神のごとき力だ。
もしかして、【名称付与】で自分に『現人神アレン』なんて名付けたら……本当に神様になれちゃったりね……
ついそんなふうに思ってしまうのだった。
3 なんでも付与
【名称付与】によって誕生した果樹園と農場で、名前も知らない不思議な味の野菜を食べ終わったそのときだった。また、珍妙な音声が僕の頭の中に鳴り響いた。
『ぱんぱかぱ~ん!』
「うわ……!? びっくりした……! 今度はいったいなんなんだ……!?」
またあの『実績解除』とかいうやつだろうか。
今度はどんな実績を解除したというんだ。
そういえば前回は、実績解除によって【スキルツリー付与】ができるようになったんだっけ。
でも、そもそもこの実績というのは、いったいなんなんだろうか。
さらに言えば、僕のこの永続する仕様の付与術だって不思議だ。
誰かが僕に与えたものなのか……?
それって、神様だったり……?
なんだかこうもたびたび実績解除だとか言われると、ずっと誰かに監視されているような気がしてしまうな……
僕の心配をよそに、アナウンスは続く。
『アレンは【名称付与】を五百回使ったことで、実績を解除しました!』
いつのまにかそんなに使っていたっけ。
多分、訓練兵たちの剣に【名称付与】をしたときに、かなりの回数使ったようだね。
他にも勇者の仕事をこなす際に、何度か使用することがあった。
ていうかそもそも、【名称付与】自体も、この実績解除によって後天的に会得したものだ。
それがさらに実績解除の条件になっていたとはね。
『実績の解除によって、アレンは新しく【なんでも付与】を取得しました!』
「な、【なんでも付与】……!?」
その【なんでも付与】っていうのは、なんなんだろうか?
【スキルツリー付与】とかは、名前で想像がつくけれど……「なんでも」と言われると、あまりに漠然としすぎている。
僕が一人で驚いていると、ミネルヴァが顔を覗き込んできた。
「アレン、どうしたの……? また例の実績とかいうやつ?」
「うん、そうなんだ。でも、今回新しく得た能力っていうのが【なんでも付与】っていうやつで……」
「ふーん、【なんでも付与】ねぇ……とりあえず、いつものように試しに使ってみるしかないんじゃない……?」
「まあ、そうだよね」
僕の場合、【無生物付与】があるおかげで、そもそも付与をする対象物は、生物に限らない。
それこそ、大地そのものや、概念的なものにまで付与できる。
だから考え方によっては、僕はすでになんにでも付与をすることができるわけだけど……
じゃあ、この【なんでも付与】っていうのは、付与をする対象が『なんでも』っていう意味じゃなくて……対象に『なんでも』を付与するってこと……?
だとしたら、自由に好きな効果を付与できるんじゃないか……!?
ならばすぐに試してみよう。
何を付与すればいいだろうか。
「あ……!」
僕はあることを思いついてしまった。
ミネルヴァが不思議そうにこっちを見ている。
「どうしたの……?」
「いや……ちょっとね……」
我ながら、自分のこの自由で突飛な発想力には驚くよ……
「なんでも」付与できるって聞いて、真っ先に思いついたことがある。
文字通りの「なんでも」なのかを検証する意味でも、これはうってつけのアイデアだ。
それはこれまで以上にこの世界の理を書き換えてしまいかねない、神の領域に触れるような行いだ。
でも、思いついたからには、試さざるを得ないよね……
「ミネルヴァ……ここに野菜があるでしょ……?」
僕は目の前の農場から、ニンジンを一つ収穫して手に握る。
「うん……これに、付与をするってことね……?」
「何を付与しようとしていると思う?」
「何をって、【なんでも付与】なんでしょ……? だったら……うーん……甘味成分付与とか……?」
確かに、それをするのも面白そうだ。
野菜の甘味を足したり、酸味を加えたりして、より美味しくできるし、ビタミンや鉄分を増やすなどすれば、栄養補給にも使えそうだ。
でも僕が思いついたのは、そんなちっぽけな付与じゃない。
これは文字通り、「なんでも」付与なのだ。
「いくよ、ミネルヴァ。これはちょっとした実験だ。うまくいくかはわからない。でも、この【なんでも付与】が本当に万能の付与術なのだとしたら……これはちょっと面白いものが見られるかもしれないよ?」
「もったいぶってないで、はやく教えてよ!」
「よし、見ててね」
僕はニンジンを地面に置いて、それに向けて右手をかざした。
「【なんでも付与】を発動……! 付与対象はニンジン。付与するものは――『魂』だ!!!!」
「た、魂……!?」
すると、ニンジンはまばゆい光に包まれた。
その直後――ニンジンに亀裂が入る。
瞼のように裂け目が開き、なんとそこから目が現れた。そして次々に、口、耳と器官が形作られていき……とうとうニンジンに足や手が生え、ツノが生え、羽が生える。
まるで妖精のようにニンジンは立ち上がり、歩き出した。
「な、何これぇ……!? か、可愛い……!!!!」
ミネルヴァの目がハートになる。
そう、僕がニンジンに付与したのは、『魂』。植物という形で命を持つニンジンを、動物みたいな生命に進化させられないかと考えたのだ。
上手く行くかは半信半疑だったけど、まさか本当に成功するとは……
でも、これで確信を持って言える。
この【なんでも付与】は、文字通り、「なんでも=どんなことでも」付与できるのだ。
これは今までの付与術の概念を根底から覆すようなものだ。
まあ……もともと、僕の場合は永続的に付与が持続するなんていう規格外の付与術なわけだけれど……
でもこの【なんでも付与】は、これまでの付与術とはまったくもって性質が違う。
付与術といえば、【攻撃力強化】や【名称付与】のように、その汎用性には差があるとはいえ、それぞれ付与するものによって、専用のスキルに分かれている。
ところが【なんでも付与】は、自分が思い描いた能力、性質、特性をすべてこの一つのスキルで付与できるのだ。
もちろん、個別の付与術と比べれば魔力消費は大きくなるが、今の僕は永続付与によって実質的に無限の魔力を手にしているから、消耗面での心配はない。
だから、これまでの付与術なんて全部不要になる。すべてを過去にする力だ。
そんな僕の思考を気にも留めず、ニンジンは立ち上がり、羽をパタパタさせて、宙に浮く。
そしてニンジンは僕の目の前にやってくると……
「くぁwせdrftgyふじこlp……!?!?」
聞いたこともないような、言語ともつかぬ奇妙な音を発した。
「え……!? な、何……?」
もしかして、魂の付与は失敗だった!?
神の領域に触れたことで、何かよからぬことになったのか……!?
さすがに錬金術師がやるホムンクルスのような芸当は、付与術では不可能だったのかもしれない。
だけど、うろたえる僕に、ミネルヴァは冷静に指摘する。
「ねえ、アレンが付与したのって『魂』だけなんだよね……?」
「うん、そうだよ」
「だったら、このニンジンさんは今、普通のニンジンに『魂』っていう概念だけが付与された状態なんじゃない……?」
「ど、どういうこと……?」
前々からミネルヴァは僕よりもずっと頭が良いと思っていたけど、なかなか難しいことを言い出したぞ……
まあ、彼女は魔法学園を首席で卒業したほどのエリートだし、僕よりもはるかに付与術や魔法の仕組みに詳しいのは当たり前だ。
「魂の定義はさておき、ニンジンには自我とか意識ってないわけじゃない? つまり、知能や言語能力もないわけで……だから今のニンジンは無意識で動く自動人形みたいなものになっているんじゃないかな……って思ったんだけど……」
「ああ、言われてみれば、確かにそうかもしれない」
なんでミネルヴァはそんなことまでわかるんだろう。自分の彼女ながらすごすぎる。
「学院に通っていたときに習ったの。ゴーレムの作り方とか、ホムンクルス研究についてね。世の中の錬金術師たちは、無から生命を生み出す方法について、様々な研究をしているのよ。だから、今回アレンがやろうとしていることと、根っこの仕組みは似ているのかなって思ったの」
僕は錬金術には疎いから、ゴーレムについての詳しい理論はよく知らないけど、確かにそうかもしれない。
ゴーレムやホムンクルスっていうのは、まさしく錬金術師の専門だ。だからきっと、フォックスあたりなら詳しいんだろうね。
見方によってはこのニンジンの妖精(仮)は、ニンジンゴーレムみたいなものだ。
自分で言っていてなんだけど、ニンジンゴーレムってのはちょっとシュールだ。
さすがに長い錬金術の歴史の中でも、ニンジンをゴーレムにしようとした人なんていないんじゃないだろうか。
普通はゴーレムっていったら土や石や金属を材料にするからね。
とはいえ、確かにミネルヴァの言う通り、生命と知能は別物だ。生まれたての赤ん坊だって、いきなり言語を話したりはしないもんな……
「なるほどね。確かにそうだ。僕は学がないから、一人だと気づかなかったよ。ありがとう。さすがはミネルヴァだ」
「そんな、アレンの発想のほうがすごいわよ。私こそ、いきなり魂を付与しようなんて思いつかないもの……」
「そ、そうかな……? でもよし、とりあえず今のミネルヴァの仮説に基づいて、やってみよう!」
目の前のニンジンゴーレムは、今から自分が何をされるのかまったくわかっていない感じで、呆けた表情で空を見上げている。
なんかこれはこれで可愛いな……
僕はミネルヴァの理論をもとに、次に付与するべき概念を導き出した。
なんだかこうして試行錯誤していると、研究者にでもなった気分だ。
「よし、いくぞ……! 【なんでも付与】を発動……! ニンジンゴーレムくんに、まずは『自我』を付与……! そしてそして――」
僕は間髪容れずに連続で【なんでも付与】を発動させていく。
僕のつぶやきに、ミネルヴァが首を捻る。
「どういうこと……?」
「たとえばそう、あそこの遠くに、小さな森が見えるでしょ?」
「うん、そうね……」
「あの森も概念的には『アレン領南東部』の一部だと思うけど……あの森自体には別の名前をつけられるはずなんだ」
それは僕が付与をする対象をどの範囲にするかを定義すれば可能なはずだ。
エルフの里の事例を見ても、僕は『エルフの森』に付与することができたし、『世界樹』に付与することもできたし、はたまた『エルフの里』に対して付与することもできたわけだ。
それらはそれぞれに別のレイヤーで存在していて、それぞれに付与が可能な概念だ。
普通の付与術は、人間など、生きている存在にしか付与できない。
だけど、僕には【無生物付与】があるから、生物以外にも付与ができる。
そしてそれは本当に生物以外のあらゆるもの――僕の捉えかた一つで、なんにでも付与ができるわけだ。
いわば僕の付与術は今や、『概念付与』とも呼べる代物になっているのかもしれない。
「百聞は一見に如かず。物は試しだ。あの森に【名称付与】をしてみよう」
僕はさっそく森のほうに近づいて、そこに向けて付与をした。
「えい! 【名称付与】を発動……! この森に『アレングランド果樹園』の名称を付与! それと……ついでに【レベル付与】も……!」
――――――――――――――――――――
名前 アレングランド果樹園
レベル 1
サイズ 100000平方メートル
栽培種類 5
成長度 5
――――――――――――――――――――
すると、僕の思った通りの結果が得られた。
なんとこれまでなんの変哲もない森林だったその場所が、果樹園の名を与えるだけで、色とりどりの果実が実る鮮やかな空間に生まれ変わったのだ。
僕の仮説は正しかった。
なっている果物は、リンゴやミカンなど、その辺で売っているような普通の果物だ。
半分くらいは既に収穫できそうなほどに育っているが、まだ青い実もある。
「すごい……! アレンの発想の勝利ね! 森にだけ【名称付与】をすることで、ただの森を果樹園に変えてしまうなんて……!」
付与術はまさに万能、なんでもできる神の力だ。
だけど、その使い方にはちょっとした工夫がいる。
観念的なこととか、ちょっとした理屈の解釈など、言葉遊び的な才能が必要だ。
そして僕は、それがかなり得意だった。
「うん。それに、気づいた? 森のレベルは1だ。この『アレン領南東部』の大地そのもののレベルとは別に、森のレベルが存在する。だから、ここで森のレベルを上げれば……」
「レベルアップした果樹園になるわけね……!」
「うん、やってみよう。お願い」
「わかったわ。【経験値付与】……!」
ミネルヴァは果樹園に対して【経験値付与】を行った。
その結果、アレングランド果樹園が進化する。
――――――――――――――――――――
名前 アレングランド果樹園
レベル 100
サイズ 10000000平方メートル
栽培種類 500
成長度 500
――――――――――――――――――――
「うわああああ……!? す、すごい……!!!!」
いままでは五種類しかなかった果物が、今ではなんと五百種類もの果物がなっている。また、レベルアップによって面積も百倍に増えて、とんでもなく広大になった。
まさに色とりどり、古今東西の様々な果物が実をつけている。
さすがにここまで種類があると、何がなんの果物なのかわからない。
中にはまったく見たこともないような未知の果物まである。
まるで絵具をぶちまけたかのように色鮮やかな果樹園が誕生した。
しかも成長度も大幅に上がっているせいか、数秒前まで青かった果実が、みるみるうちに収穫可能なほどまで成長していく。
ミネルヴァが驚愕した様子で感想を口にする。
「アレン……これ、めちゃくちゃすごくない……!?」
「うん……まさか【名称付与】を応用するだけで、果樹園まで生み出せてしまうなんてね……我ながら、この能力の可能性には驚きだ……」
「ねえ、さっそく一つ食べてみましょう?」
「えぇ……!? でも、その果物、見たことないやつだけど……食べられるのかなぁ……? 毒があったりしたら嫌だな……」
ミネルヴァは妙に乗り気だけど、未知の果物を前に僕は躊躇してしまう。
「何言ってるの。私たちは【毒耐性付与】をしてあるから、万が一毒のある果物でも、問題ないでしょ?」
「あ、そっか。じゃあ、試しに食べてみるか……ちょっと怖いけど……」
毒は問題なくても、味が美味しいかはわからない。
僕とミネルヴァは手近な名も知らぬ謎の果物を一つもぎ取ってみた。
トゲトゲしていて、紫色の禍々しいその果物は、とても食べられるとは思えない見た目だけど……味はどうかな……?
がぶり、と一気に噛みつく。
すると、その瞬間、口の中にわずかな酸味と、ふんわりとした甘みが一気に広がる。
「これは……! すっごく美味しい……!」
「本当……! 食べたことない味だけど、これは新感覚ね……! なんとも言えない甘さだわ……!」
僕とミネルヴァは夢中でその果物を食べた。
これはきっと、アレン領の名産品になるに違いない!
「よし、この調子で、農場も作ってみよう……!」
「どうするの……?」
「簡単さ。草原の一部に対して【名称付与】を行うんだ」
草原全体に付与をしてしまうと、アレン領の大地全体が農場になってしまう。
それだと困るし、そんなに大きな農場はいらないから、大地の一部を付与対象にするのだ。
そこは僕がどの程度の範囲に対して付与をするか、意識を変えるだけでいい。
ただ、漠然と範囲を指定しようとしても、目印がなければどこからどこまでを付与対象にするかが想像しにくい。
だから僕は剣を抜き、地面に印をつけることにした。
剣を地面に突き立てて、線を引いていく。
ちょうど100メートルくらいの範囲を四角で囲み、そこを付与対象にする。
「えい……! 四角の範囲に対して【名称付与】……! この場所の名前を『グランアレン農場』とする……!」
すると、僕が指定したエリアだけが、まるでクワで耕したように、整備された畑になった。
そしてそこには様々な種類の野菜の苗が植わっていた。
もちろんついでに【レベル付与】もしておく。
――――――――――――――――――――
名前 グランアレン農場
レベル 1
サイズ 10000平方メートル
栽培種類 5
成長度 5
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「よし……! できた……!」
「すごい……! 本当に農場になったわね……!」
畑に植わっているのは、ニンジンやトマトだろうか。
さっそく、ここに【経験値付与】を施す。
ミネルヴァが唱えると、一瞬にして、田舎の個人規模の畑から、大規模な農業地帯へと変化した。
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名前 グランアレン農場
レベル 100
サイズ 1000000平方メートル
栽培種類 500
成長度 500
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「うわ……すごい……! あんなに遠くまで広がっているよ……」
「これまた見たこともない野菜ばっかりね……」
果樹園のときと同じく、五百種類もの野菜があれば、さすがに全然見たこともないような品種もたくさんある。
どの野菜も、すぐに収穫可能なまでに育っている。
さっそくこれも食べてみることにしよう。
「じゃあ、これ……食べられるかな……」
僕はナスビに似た謎の野菜を収穫し、一口食べてみた。
すると……
「甘い……! なんだこれ……! すっごく美味しい……!」
僕の感想に釣られて味見したミネルヴァも、目を丸くしている。
「本当ね……! 不思議な味……!」
これだけの量の野菜と果物があれば、アレン領で食料に困ることはなさそうだ。
それに、これらを外国や他の領地に輸出すれば、多くの人を助けられるだろう。
こっちは付与術でお手軽に生み出したものだから、特に経費はかかってないし、格安で全世界に提供することができるはずだ。
エスタリア王国は比較的裕福で、自国内での食料生産率も高い。だから食料難になっている地域はほとんどない。
しかし、外国ではいまだに食料供給に困っている貧困地域はたくさんある。
そういった人たちを助けることができれば、僕の付与術を活用した甲斐があるというものだ。
やっぱり僕の力は、世界を救う、人を助けるために使うべきだと思うからね。
名は体を表すとは言うけれど、【名称付与】で名前を変えるだけで、こうもいろいろできてしまうとはね……
名前に引っ張られて、世界のほうが形を変えてしまうなんて……まさに神のごとき力だ。
もしかして、【名称付与】で自分に『現人神アレン』なんて名付けたら……本当に神様になれちゃったりね……
ついそんなふうに思ってしまうのだった。
3 なんでも付与
【名称付与】によって誕生した果樹園と農場で、名前も知らない不思議な味の野菜を食べ終わったそのときだった。また、珍妙な音声が僕の頭の中に鳴り響いた。
『ぱんぱかぱ~ん!』
「うわ……!? びっくりした……! 今度はいったいなんなんだ……!?」
またあの『実績解除』とかいうやつだろうか。
今度はどんな実績を解除したというんだ。
そういえば前回は、実績解除によって【スキルツリー付与】ができるようになったんだっけ。
でも、そもそもこの実績というのは、いったいなんなんだろうか。
さらに言えば、僕のこの永続する仕様の付与術だって不思議だ。
誰かが僕に与えたものなのか……?
それって、神様だったり……?
なんだかこうもたびたび実績解除だとか言われると、ずっと誰かに監視されているような気がしてしまうな……
僕の心配をよそに、アナウンスは続く。
『アレンは【名称付与】を五百回使ったことで、実績を解除しました!』
いつのまにかそんなに使っていたっけ。
多分、訓練兵たちの剣に【名称付与】をしたときに、かなりの回数使ったようだね。
他にも勇者の仕事をこなす際に、何度か使用することがあった。
ていうかそもそも、【名称付与】自体も、この実績解除によって後天的に会得したものだ。
それがさらに実績解除の条件になっていたとはね。
『実績の解除によって、アレンは新しく【なんでも付与】を取得しました!』
「な、【なんでも付与】……!?」
その【なんでも付与】っていうのは、なんなんだろうか?
【スキルツリー付与】とかは、名前で想像がつくけれど……「なんでも」と言われると、あまりに漠然としすぎている。
僕が一人で驚いていると、ミネルヴァが顔を覗き込んできた。
「アレン、どうしたの……? また例の実績とかいうやつ?」
「うん、そうなんだ。でも、今回新しく得た能力っていうのが【なんでも付与】っていうやつで……」
「ふーん、【なんでも付与】ねぇ……とりあえず、いつものように試しに使ってみるしかないんじゃない……?」
「まあ、そうだよね」
僕の場合、【無生物付与】があるおかげで、そもそも付与をする対象物は、生物に限らない。
それこそ、大地そのものや、概念的なものにまで付与できる。
だから考え方によっては、僕はすでになんにでも付与をすることができるわけだけど……
じゃあ、この【なんでも付与】っていうのは、付与をする対象が『なんでも』っていう意味じゃなくて……対象に『なんでも』を付与するってこと……?
だとしたら、自由に好きな効果を付与できるんじゃないか……!?
ならばすぐに試してみよう。
何を付与すればいいだろうか。
「あ……!」
僕はあることを思いついてしまった。
ミネルヴァが不思議そうにこっちを見ている。
「どうしたの……?」
「いや……ちょっとね……」
我ながら、自分のこの自由で突飛な発想力には驚くよ……
「なんでも」付与できるって聞いて、真っ先に思いついたことがある。
文字通りの「なんでも」なのかを検証する意味でも、これはうってつけのアイデアだ。
それはこれまで以上にこの世界の理を書き換えてしまいかねない、神の領域に触れるような行いだ。
でも、思いついたからには、試さざるを得ないよね……
「ミネルヴァ……ここに野菜があるでしょ……?」
僕は目の前の農場から、ニンジンを一つ収穫して手に握る。
「うん……これに、付与をするってことね……?」
「何を付与しようとしていると思う?」
「何をって、【なんでも付与】なんでしょ……? だったら……うーん……甘味成分付与とか……?」
確かに、それをするのも面白そうだ。
野菜の甘味を足したり、酸味を加えたりして、より美味しくできるし、ビタミンや鉄分を増やすなどすれば、栄養補給にも使えそうだ。
でも僕が思いついたのは、そんなちっぽけな付与じゃない。
これは文字通り、「なんでも」付与なのだ。
「いくよ、ミネルヴァ。これはちょっとした実験だ。うまくいくかはわからない。でも、この【なんでも付与】が本当に万能の付与術なのだとしたら……これはちょっと面白いものが見られるかもしれないよ?」
「もったいぶってないで、はやく教えてよ!」
「よし、見ててね」
僕はニンジンを地面に置いて、それに向けて右手をかざした。
「【なんでも付与】を発動……! 付与対象はニンジン。付与するものは――『魂』だ!!!!」
「た、魂……!?」
すると、ニンジンはまばゆい光に包まれた。
その直後――ニンジンに亀裂が入る。
瞼のように裂け目が開き、なんとそこから目が現れた。そして次々に、口、耳と器官が形作られていき……とうとうニンジンに足や手が生え、ツノが生え、羽が生える。
まるで妖精のようにニンジンは立ち上がり、歩き出した。
「な、何これぇ……!? か、可愛い……!!!!」
ミネルヴァの目がハートになる。
そう、僕がニンジンに付与したのは、『魂』。植物という形で命を持つニンジンを、動物みたいな生命に進化させられないかと考えたのだ。
上手く行くかは半信半疑だったけど、まさか本当に成功するとは……
でも、これで確信を持って言える。
この【なんでも付与】は、文字通り、「なんでも=どんなことでも」付与できるのだ。
これは今までの付与術の概念を根底から覆すようなものだ。
まあ……もともと、僕の場合は永続的に付与が持続するなんていう規格外の付与術なわけだけれど……
でもこの【なんでも付与】は、これまでの付与術とはまったくもって性質が違う。
付与術といえば、【攻撃力強化】や【名称付与】のように、その汎用性には差があるとはいえ、それぞれ付与するものによって、専用のスキルに分かれている。
ところが【なんでも付与】は、自分が思い描いた能力、性質、特性をすべてこの一つのスキルで付与できるのだ。
もちろん、個別の付与術と比べれば魔力消費は大きくなるが、今の僕は永続付与によって実質的に無限の魔力を手にしているから、消耗面での心配はない。
だから、これまでの付与術なんて全部不要になる。すべてを過去にする力だ。
そんな僕の思考を気にも留めず、ニンジンは立ち上がり、羽をパタパタさせて、宙に浮く。
そしてニンジンは僕の目の前にやってくると……
「くぁwせdrftgyふじこlp……!?!?」
聞いたこともないような、言語ともつかぬ奇妙な音を発した。
「え……!? な、何……?」
もしかして、魂の付与は失敗だった!?
神の領域に触れたことで、何かよからぬことになったのか……!?
さすがに錬金術師がやるホムンクルスのような芸当は、付与術では不可能だったのかもしれない。
だけど、うろたえる僕に、ミネルヴァは冷静に指摘する。
「ねえ、アレンが付与したのって『魂』だけなんだよね……?」
「うん、そうだよ」
「だったら、このニンジンさんは今、普通のニンジンに『魂』っていう概念だけが付与された状態なんじゃない……?」
「ど、どういうこと……?」
前々からミネルヴァは僕よりもずっと頭が良いと思っていたけど、なかなか難しいことを言い出したぞ……
まあ、彼女は魔法学園を首席で卒業したほどのエリートだし、僕よりもはるかに付与術や魔法の仕組みに詳しいのは当たり前だ。
「魂の定義はさておき、ニンジンには自我とか意識ってないわけじゃない? つまり、知能や言語能力もないわけで……だから今のニンジンは無意識で動く自動人形みたいなものになっているんじゃないかな……って思ったんだけど……」
「ああ、言われてみれば、確かにそうかもしれない」
なんでミネルヴァはそんなことまでわかるんだろう。自分の彼女ながらすごすぎる。
「学院に通っていたときに習ったの。ゴーレムの作り方とか、ホムンクルス研究についてね。世の中の錬金術師たちは、無から生命を生み出す方法について、様々な研究をしているのよ。だから、今回アレンがやろうとしていることと、根っこの仕組みは似ているのかなって思ったの」
僕は錬金術には疎いから、ゴーレムについての詳しい理論はよく知らないけど、確かにそうかもしれない。
ゴーレムやホムンクルスっていうのは、まさしく錬金術師の専門だ。だからきっと、フォックスあたりなら詳しいんだろうね。
見方によってはこのニンジンの妖精(仮)は、ニンジンゴーレムみたいなものだ。
自分で言っていてなんだけど、ニンジンゴーレムってのはちょっとシュールだ。
さすがに長い錬金術の歴史の中でも、ニンジンをゴーレムにしようとした人なんていないんじゃないだろうか。
普通はゴーレムっていったら土や石や金属を材料にするからね。
とはいえ、確かにミネルヴァの言う通り、生命と知能は別物だ。生まれたての赤ん坊だって、いきなり言語を話したりはしないもんな……
「なるほどね。確かにそうだ。僕は学がないから、一人だと気づかなかったよ。ありがとう。さすがはミネルヴァだ」
「そんな、アレンの発想のほうがすごいわよ。私こそ、いきなり魂を付与しようなんて思いつかないもの……」
「そ、そうかな……? でもよし、とりあえず今のミネルヴァの仮説に基づいて、やってみよう!」
目の前のニンジンゴーレムは、今から自分が何をされるのかまったくわかっていない感じで、呆けた表情で空を見上げている。
なんかこれはこれで可愛いな……
僕はミネルヴァの理論をもとに、次に付与するべき概念を導き出した。
なんだかこうして試行錯誤していると、研究者にでもなった気分だ。
「よし、いくぞ……! 【なんでも付与】を発動……! ニンジンゴーレムくんに、まずは『自我』を付与……! そしてそして――」
僕は間髪容れずに連続で【なんでも付与】を発動させていく。
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