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第208話撤収
「よし! 撤収!」
「「イエッサー!」」
「元気だなぁ」
龍宮院先生に呆れられつつ、浦島先輩の号令と共に僕らは速やかに撤収。
祭りの後はしっかり後片付けして、帰るまでが旅行である。
そして荷物が膨れ上がった今こそが僕ら雑用要員が一番力を発揮すべきところでもある。
みんな大量の荷物をきっちりまとめ切り、チェックアウト。
帰りの準備は万全だった。
「レイナさんは?」
「雑誌の取材だって。やぁがんばるよねぇ」
浦島先輩に訊ねると教えてくれるが、ここに来て仕事とは驚きである。
「えぇ? 忙しすぎません? でもそうですか……言ってくれたら送ったのに」
「近くだからいいってさ」
「そうですか」
それでも合間を縫って遊びに来ているんだからすさまじいバイタリティである。
見習いたいもんだなぁと僕は感心しながら、ひょいっと引っ越しにも見える荷物を両手に山ほど持って持ち上げた。
ホテルのロビーでそれを見た龍宮院先生はアハハと苦笑しながらさすがにそれはやめておきなさいと僕を止めた。
「その恰好で街中を歩くつもり? さすがにやめておこうか? 宅急便か何かで送ってもらいなさい」
「ああ、いや。少しだけですから大丈夫ですよ」
「ん? 少し? どういうこと……」
「ああ。こういうことですよ」
うにょんと僕はゲートを開く。
接続は良好で、ゲートの向こうにはもう寮が確認できた。
やはり座標がしっかりしているとイメージがし易く、とても安定していてこれなら大人数でも問題ないだろう。
「じゃあ忘れ物はないですか? 超距離は結構魔力使うんで、とんぼ返りは勘弁ですよ?」
「はーい」
「大丈夫でござるよー」
うっかり手でも滑って荷物が壊れても面白くない。
なるべく急いで向こうに戻ろうとしていると、龍宮院先生にもう一回止められた。
「何……やってるのかな?」
「え? 帰りは座標設定して来たんですぐ帰れますよ? 空間魔法です」
「……あれぇ?」
初めての長距離移動は多少怖くはあったが、実際に攻略君の言う手順で実行してみて、いけることは実験済みである。
ただそういえば言ってなかった龍宮院先生は、ものすごく溜めて、その一言を捻りだしていた。
「……私もそれでいいじゃん!」
「……ええまぁ。まさか……?」
プルプル震える龍宮院先生の手にあるのは、帰りの新幹線のチケットだった。
「あー」
「……帰りの切符とって来ちゃったよ?」
「……ええっと。せめて荷物を預かりましょうか?」
「私もそれで帰りたいって! 荷物が重いんだよ! 駅まで送ってください! 払い戻ししてくる!」
「……そうですね! 任せてください!」
よく見れば龍宮院先生の荷物もすさまじい。
ああ、旅行の戦利品ですね、わかりますよ。ならば仕方がないでしょう。
駅は行きがけに行ったことがあるし、何とかなるはずである。
このまま放っておくのは流石に可哀そうなので、僕は一肌脱ぐことにすると龍宮院先生に拝まれた。
「「イエッサー!」」
「元気だなぁ」
龍宮院先生に呆れられつつ、浦島先輩の号令と共に僕らは速やかに撤収。
祭りの後はしっかり後片付けして、帰るまでが旅行である。
そして荷物が膨れ上がった今こそが僕ら雑用要員が一番力を発揮すべきところでもある。
みんな大量の荷物をきっちりまとめ切り、チェックアウト。
帰りの準備は万全だった。
「レイナさんは?」
「雑誌の取材だって。やぁがんばるよねぇ」
浦島先輩に訊ねると教えてくれるが、ここに来て仕事とは驚きである。
「えぇ? 忙しすぎません? でもそうですか……言ってくれたら送ったのに」
「近くだからいいってさ」
「そうですか」
それでも合間を縫って遊びに来ているんだからすさまじいバイタリティである。
見習いたいもんだなぁと僕は感心しながら、ひょいっと引っ越しにも見える荷物を両手に山ほど持って持ち上げた。
ホテルのロビーでそれを見た龍宮院先生はアハハと苦笑しながらさすがにそれはやめておきなさいと僕を止めた。
「その恰好で街中を歩くつもり? さすがにやめておこうか? 宅急便か何かで送ってもらいなさい」
「ああ、いや。少しだけですから大丈夫ですよ」
「ん? 少し? どういうこと……」
「ああ。こういうことですよ」
うにょんと僕はゲートを開く。
接続は良好で、ゲートの向こうにはもう寮が確認できた。
やはり座標がしっかりしているとイメージがし易く、とても安定していてこれなら大人数でも問題ないだろう。
「じゃあ忘れ物はないですか? 超距離は結構魔力使うんで、とんぼ返りは勘弁ですよ?」
「はーい」
「大丈夫でござるよー」
うっかり手でも滑って荷物が壊れても面白くない。
なるべく急いで向こうに戻ろうとしていると、龍宮院先生にもう一回止められた。
「何……やってるのかな?」
「え? 帰りは座標設定して来たんですぐ帰れますよ? 空間魔法です」
「……あれぇ?」
初めての長距離移動は多少怖くはあったが、実際に攻略君の言う手順で実行してみて、いけることは実験済みである。
ただそういえば言ってなかった龍宮院先生は、ものすごく溜めて、その一言を捻りだしていた。
「……私もそれでいいじゃん!」
「……ええまぁ。まさか……?」
プルプル震える龍宮院先生の手にあるのは、帰りの新幹線のチケットだった。
「あー」
「……帰りの切符とって来ちゃったよ?」
「……ええっと。せめて荷物を預かりましょうか?」
「私もそれで帰りたいって! 荷物が重いんだよ! 駅まで送ってください! 払い戻ししてくる!」
「……そうですね! 任せてください!」
よく見れば龍宮院先生の荷物もすさまじい。
ああ、旅行の戦利品ですね、わかりますよ。ならば仕方がないでしょう。
駅は行きがけに行ったことがあるし、何とかなるはずである。
このまま放っておくのは流石に可哀そうなので、僕は一肌脱ぐことにすると龍宮院先生に拝まれた。
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