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第49話サイクルが始まる
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この世界と、シュウマツさんの元居た世界が似ているかどうか?
その意見は真っ二つに割れた。
「そんなことあるだろうか? 完全な別物だと言うのが一番自然な気がするが」
とはシュウマツさんの言葉である。
ただ僕はシュウマツさんはでたらめな生命体であることを理解していた。
本人は動揺しているけれど、言われてみればシュウマツさんがいることで、こちらの人間でもコロニーで魔法を使えることは、実証済みだった。
「もちろんその可能性も大きいですが、パラレルワールドと言う概念も定番かと」
「定番ってね君」
「一般論ですよ。巨大な樹木が神聖視される文化はどこにでもあるモノです。我々の世界でもシュウマツさんと同じ生態の植物がかつて存在し、絶滅した。または絶滅させられたのかもしれません」
「そんなこと出来るものかな?」
まずシュウマツさんを滅ぼすことなんてできるのかという話。
それに誰かがやったとしても、僕は純粋にもったいないと思った。
いくら何でもシュウマツさんのような樹木を、誰かが切り倒すなんて言うのはやらない気がするし出来ない気がする。
しかしオペ子さんの見解は違う様だった。
「場合によってはやるでしょう。このコロニーの現在を見ても、シュウマツさんや精霊と呼ばれている生物は明らかに、人間を超越する上位者に見えます。彼らとの関係が悪化することがあれば、木を倒すことも選択肢に入るかと。大気圏の中なら手段を選ばなければ巨大な樹木を倒す方法はあるでしょう。火をつけるとか」
「えげつないこと考えるなぁ」
「放火はよくないよ?」
「ワタクシはしませんが?」
僕の世界にシュウマツさんみたいな面白い木が本当にあったのかはわからないが、みんな何かしらのトラブルに巻き込まれて、先に滅んでしまっていたとしたら、ひどい話だった。
「考えてみると、こっちにも魔法の概念はあるし。木の神様だってそれっぽい心当たりはあるモノね。でもシュウマツさんが勝たない? 揉めたら?」
「本人が受け入れた可能性もあるかと」
「コミュニケーション不足……だったのかなぁ?」
「いやそんなことはないと思うのだよ? そうだった前提で話さないでくれないか?」
「おそらく魔法により人類が存続を危ぶまれるような事態にまでなった可能性すらあります」
「いやいや。野心が爆発してーとかかもしれないだろう? もっと単純なね?」
「「「……」」」
僕は妄想が暴走してきたのを感じてフゥとため息を吐いて、いったん仕切り直した。
「やめておこう。ほんとかどうかもわからない話で気まずくなるのは馬鹿みたいだ。それで?シュウマツさんの方針は決まったの?」
「ああ、うん。とりあえずそう元の世界に固執せず、緩い感じで行こうかなと。君達の世界の生き物ベースで、魔素による変化は自然に任せる……という方針も悪くない」
「魔素って、そんなに生物に影響あるの?」
「単純に住んでいる生き物が魔法が使えるようになる場合がある。体の形だって長い目で見れば変わるかもしれない。しかし! 実際はそう簡単にはいかないだろうけどね! はっはっは!」
「シュウマツさん。さっきのは例え話だから、そんなに無害アピールはしなくても大丈夫だよ?」
「え? そんなことをしているつもりはないのだがね?」
このシュウマツさん、そこをとぼけるとちょっと疑惑が増しちゃうんじゃないだろうかと僕は思った。
シュウマツさんの反応を見ると、そこまで急激な変化はなさそうにも見えるんだけど、話の端々から無茶をするつもりの匂いが感じ取れるのが不安である。
「本当に大丈夫かなぁ」
「わかりかねますね。ただ……興味深いデータがとれそうです」
「……」
気軽に笑うシュウマツさんと悪い顔のオペ子さん。
何を考えているのかはどっちもわからないけれど、きっと考えていることは似たり寄ったりだろうなと僕は思った。
「あんまり二人が無茶するようだったら止めてあげてね? あ、ちなみに僕の好物は鮭だよ」
なんとなくタツノオトシゴの入った水球をなでてそう言うと。
コポコポコポ
マカセテ
タツノオトシゴはとても表情が分かりにくかったが、彼もとても気合は入っているようだった。
そして数週間後。
「大変だ! 海に! 海に鮭の群れが押し寄せてきてる!」
「……」
気合を入れてくれたのかな? ありがとう。そしてすまない。
僕は最後に余計なことを付け足したなと反省しながら、慌ててアウターに飛び乗って、鮭漁に向かうことにした。
その意見は真っ二つに割れた。
「そんなことあるだろうか? 完全な別物だと言うのが一番自然な気がするが」
とはシュウマツさんの言葉である。
ただ僕はシュウマツさんはでたらめな生命体であることを理解していた。
本人は動揺しているけれど、言われてみればシュウマツさんがいることで、こちらの人間でもコロニーで魔法を使えることは、実証済みだった。
「もちろんその可能性も大きいですが、パラレルワールドと言う概念も定番かと」
「定番ってね君」
「一般論ですよ。巨大な樹木が神聖視される文化はどこにでもあるモノです。我々の世界でもシュウマツさんと同じ生態の植物がかつて存在し、絶滅した。または絶滅させられたのかもしれません」
「そんなこと出来るものかな?」
まずシュウマツさんを滅ぼすことなんてできるのかという話。
それに誰かがやったとしても、僕は純粋にもったいないと思った。
いくら何でもシュウマツさんのような樹木を、誰かが切り倒すなんて言うのはやらない気がするし出来ない気がする。
しかしオペ子さんの見解は違う様だった。
「場合によってはやるでしょう。このコロニーの現在を見ても、シュウマツさんや精霊と呼ばれている生物は明らかに、人間を超越する上位者に見えます。彼らとの関係が悪化することがあれば、木を倒すことも選択肢に入るかと。大気圏の中なら手段を選ばなければ巨大な樹木を倒す方法はあるでしょう。火をつけるとか」
「えげつないこと考えるなぁ」
「放火はよくないよ?」
「ワタクシはしませんが?」
僕の世界にシュウマツさんみたいな面白い木が本当にあったのかはわからないが、みんな何かしらのトラブルに巻き込まれて、先に滅んでしまっていたとしたら、ひどい話だった。
「考えてみると、こっちにも魔法の概念はあるし。木の神様だってそれっぽい心当たりはあるモノね。でもシュウマツさんが勝たない? 揉めたら?」
「本人が受け入れた可能性もあるかと」
「コミュニケーション不足……だったのかなぁ?」
「いやそんなことはないと思うのだよ? そうだった前提で話さないでくれないか?」
「おそらく魔法により人類が存続を危ぶまれるような事態にまでなった可能性すらあります」
「いやいや。野心が爆発してーとかかもしれないだろう? もっと単純なね?」
「「「……」」」
僕は妄想が暴走してきたのを感じてフゥとため息を吐いて、いったん仕切り直した。
「やめておこう。ほんとかどうかもわからない話で気まずくなるのは馬鹿みたいだ。それで?シュウマツさんの方針は決まったの?」
「ああ、うん。とりあえずそう元の世界に固執せず、緩い感じで行こうかなと。君達の世界の生き物ベースで、魔素による変化は自然に任せる……という方針も悪くない」
「魔素って、そんなに生物に影響あるの?」
「単純に住んでいる生き物が魔法が使えるようになる場合がある。体の形だって長い目で見れば変わるかもしれない。しかし! 実際はそう簡単にはいかないだろうけどね! はっはっは!」
「シュウマツさん。さっきのは例え話だから、そんなに無害アピールはしなくても大丈夫だよ?」
「え? そんなことをしているつもりはないのだがね?」
このシュウマツさん、そこをとぼけるとちょっと疑惑が増しちゃうんじゃないだろうかと僕は思った。
シュウマツさんの反応を見ると、そこまで急激な変化はなさそうにも見えるんだけど、話の端々から無茶をするつもりの匂いが感じ取れるのが不安である。
「本当に大丈夫かなぁ」
「わかりかねますね。ただ……興味深いデータがとれそうです」
「……」
気軽に笑うシュウマツさんと悪い顔のオペ子さん。
何を考えているのかはどっちもわからないけれど、きっと考えていることは似たり寄ったりだろうなと僕は思った。
「あんまり二人が無茶するようだったら止めてあげてね? あ、ちなみに僕の好物は鮭だよ」
なんとなくタツノオトシゴの入った水球をなでてそう言うと。
コポコポコポ
マカセテ
タツノオトシゴはとても表情が分かりにくかったが、彼もとても気合は入っているようだった。
そして数週間後。
「大変だ! 海に! 海に鮭の群れが押し寄せてきてる!」
「……」
気合を入れてくれたのかな? ありがとう。そしてすまない。
僕は最後に余計なことを付け足したなと反省しながら、慌ててアウターに飛び乗って、鮭漁に向かうことにした。
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